2014/12/31

ナノカーボンでMVT-7100キーボードをプチ修理

以前の記事(MVT-7100のプチ修理、下の関連記事参照)で修理したMVT-7100のキーボード不調が再び発生したため、再度調整をしてみました。


今回使用したのは東洋ドライルーブ製ナノカーボン NCAOP2Bという製品です(詳細は記事下のアマゾンリンクを参照)。

この製品は俗に言う接点復活剤です。選んだ理由はプラスチックを浸さないため、キーボードに塗布しても壊れないと判断したためです。



早速MVT-7100を分解します。



ナノカーボン説明書に従い、基板の電極とキーバッドの黒い電極にナノカーボンを塗ります。



ナノカーボンをなじませるため数回程度キーボードを押し、導通の良くないキーへナノカーボンを塗り直したところ、前回ほどではありませんが何とか動作するまでに復活しました。

ナノカーボンを電源コネクターやイヤホンジャックへの用途に使ったところかなり接点が復活しましたが、20年物のキーパッドの接点復活にはやや不向きなのかもしれません。キーパッドの洗浄不足か塗り方が良くない可能性があるため、さらに実験しようと思います。

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2014/12/24

ラジオライフ東京ペディション2014参加

ベルサール秋葉原で開催された東京ペディション2014に参加しました。今年はラジオ界で超有名なラジオパーソナリティのやまだひさしさんと秋葉原案内人の槙野さんが会場に登場するということで、参加前から非常に楽しみにしていました。

詳細は会場にいらっしゃった方や配信動画をご覧になった皆さんのみぞ知るということでここでの紹介は避けますが、前半はやまだひさしさんのトークが、後半は秋葉原案内人の槙野さんのトークショーがいずれも会場内で炸裂し、時間を忘れてしまうほど非常に楽しく興味深く有意義なひと時となりました。

本当に「いいね」の一言に尽きる時間でした。



話は少々脱線し、個人的な内容で恐れ入りますが、今回会場で入手した主だったものは(今更ですが)RL特製エアバンドアンテナRL-AIR twin

そして秋葉原案内人の槙野さんのブースにあったLED電子工作ブックマークです。
※ADT = Akiba Deep Travelの略

上の写真には写っていませんがブックマーク下部には無線機もあしらわれていて、おしゃれでいいと思います。

このブックマークの電子工作キットは部品屋さんがひしめき合うテレビ映像でおなじみのJR総武線高架下秋葉原ラジオストア1階の秋葉原情報センターAssemblage(アセンブラージュ)にて入手可能とのことです。ご興味がありましたら一度訪れてはいかがでしょうか。



今年はラジオライフ以外にもゲームラボ等でサプライズゲストが数多く登場し、ひときわ充実した東京ペディションであったと思います。今年2014年の東京ペディションが終わったばかりでまだ気が早いですが、来年2015年の東京ペディが待ち遠しいです。

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2014/12/21

CQ出版 TRX-305B到着

CQ出版のフルディジタル・トランシーバ仕上げセットTRX-305Bが手元に届きました。

TRX-305Bフルディジタル信号処理実験ボードTRX-305Aと組み合わせ、HF無線機として仕上げる電子工作組み立てキットです。TRX-305A組み立て時の奮闘は下にあります関連記事の項目を参照ください。

さて、届いた箱の中を開けたところ部品の多さに驚きました。

TRX-305Bの部品一式を並べた写真です。左下は比較用の単3エネループです(非付属)。

仮に個人でこれだけの部品を揃えると恐らく100万円はくだらないでしょう。それを考えますと本キットは破格ですね。



空き時間を活用しても組み立てとはんだ付け、フロントパネルソフトウェアの書き込みと調整などに2週間は掛かりそうです。これから気長に組み立てていこうと思いますが年始までには仕上げたいです。

おっと、無線機として仕上げる場合は動作確認用にダミーロードがあると便利ですね。今月23日に開催されるラジオライフ主催のお祭り、東京ペディションの帰りにでも入手しようと思います。

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2014/12/12

米八重洲無線、FT2DR近日発表か?

嘘か真か、定かではありませんが、海外のサイトから興味深い情報がもたらされました。

Yaesu FT2DR - CQDX.ru



こちらがFT2DRだそうです。

外観は明らかにアイコムのID-51を意識した同軸ダイヤル操作部と本体の半分以上の面積を占める大型液晶パネル、少ないボタンとなっています。印字ではないYAESUロゴが様になっていますね。

デザインは今年(2014年)発売された、一部の航空機関係者のみが持つことを許されているエアバンドトランシーバー FTA-750LFTA-550シリーズと共通のテイストです。おそらく同じデザイナーの方がデザイン設計を担当されたと予想できます。この有機的なデザインはスタンダードホライゾンブランドで登場した特定小電力トランシーバーSR100SR70シリーズに通じる気がするというのは言い過ぎでしょうか。

音量や周波数の上下をコントロールする同軸ダイヤルはVX-7やVX-2同様に上が音量、下がダイヤルの可能性が高いですが、個人的にはアルインコのDJ-G7/DJ-X11/DJ-X81のように上がダイヤル、下が音量などに割り当てられると非常に使いやすいと思います。

写真の"X"ボタンはほぼ間違いなくWIRES-Xボタンでしょう。順当に行くとGPSも搭載されるはずです。

2つの周波数が同時に表示されていますが切り替え式デュアルなのか2波同時受信デュアルなのかは本資料からは分かりません。価格を抑えるため切り替え式デュアルとなる可能性は十分に考えられます。防水性能がIPX5の可能性もあります。ID-51は万一の水没対応で2波同時受信ですから・・・。

ID-51のように純粋なアマチュア無線機として展開するか、これまで同様エアバンド等の受信機能を搭載し購買層のすそ野を広げるのか、FT2DRはどちらを選択するでしょうか。個人的にはUHF航空無線の受信感度向上への期待があります。



次に資料の説明を紐解いていきましょう。本資料によりますとFT2DRには以下の4つの特徴があるとのことです。
(1)システムフュージョンコンパチ
(2)AMSによるFMと親和性の高いデジタルオペレーション
(3)大型タッチパネル搭載によるイージーオペレーション
(4)大音量・クリアボイステクノロジー

> (1)システムフュージョンコンパチ
システムフュージョンを簡単に説明しますと「アナログFMモードとC4FMデジタルモードのうちどちらか好きな通信方式が用途に応じて選択可能」といったところでしょうか。詳細は米八重洲無線公式サイトのこちら(pdf、英文)にありますので興味のある方はチェックされてはいかがでしょう。

> (2)AMSによるFMと親和性の高いデジタルオペレーション
AMS(自動送受信モード選択)機能によるデジタルとアナログ通信間の切り替えが容易であるというアピールと思います。

> (3)大型タッチパネル搭載によるイージーオペレーション
ついに八重洲無線からも大型液晶表示対応機種のアマチュアハンディが登場するのでしょうか。タッチパネルはアマチュアハンディ機では初と思います。

> (4)大音量・クリアボイステクノロジー
オールモード機FT-991のカタログや商品説明にも掲載されている金色のC4FMロゴが掲載されています。アイコムのD-STARとの差別化を表しているものと思われます。



またFT2DRにはデジタル機能の特徴として以下の機能もあるようです。

・デジタルグループモニター:登録済みのメンバーが通信圏内のとき自動検出し相手の居る方向や距離を表示する(FT1D搭載)

・撮影機能(オプションMAH-85A11U装着時):撮影した写真を他のシステムフュージョン端末へ簡単に送信できる(転送速度9600bps,FT1D搭載)

・スマートナビゲーション:リアルタイムナビゲーション機能。軌跡バックトレース対応




残念ながら資料からは受信範囲や電源、2波同時受信、ブルートゥースや録音機能など詳細は分かりません。上記の記載はありますが今後仕様変更される可能性もあります。

本情報が本物としますとFT2DRは"R"を冠するあたり海外向けで、国内向けにはFT2Dとして供給されることになりそうです。
FT2DRの発売予定は来年(2015年)の早い段階と説明書きにはあります。2015年6月には登場するでしょうか。

本記事を書いている現在、公式WebサイトにはまだFT2D関連の情報はありません。今後の続報に期待しましょう。

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2014/11/10

F.R.C. 特小無線機FT-20Zを開発中

特定小電力トランシーバーや受信機等をリリースしているエフ・アール・シーが新型特定小電力トランシーバーを開発中とのことです。

FT-20Z 特定小電力トランシーバー 【F.R.C. エフ・アール・シー】

(公式サイトから引用)

今回は回転式アンテナではなくNX-20Xのような固定式アンテナですね。しかも本体の長さとほぼ同じアンテナが装備されています。

FT-20Zは機種名の付け方が八重洲無線と重なるような気もします。
今年(2014年)1月にカラーが2色追加されたFC-S20、7月に発売されたNX-20Xのブランド名に注目しますとFC-S20は"FIRSTCOM"、NX-20Xは"NEXTEC"とそれぞれ異なっています。今回登場予定のFT-20Zは"FIRSTEC"と、はたまたこれまでとは異なる称号がついています。

"FIRSTCOM"でもなく"NEXTEC"でもない"FIRSTEC"ブランドのルーツは昨年(2013年)?に発売されているドライブレコーダー、FT-DRシリーズに始まるようです。



なぜ今回発売予定のFT-20Zのブランドが"FIRSTEC"なのかはさておき、2台セットということでET-20Xシリーズと比較するのがよいものと勝手に判断し性能などスペックを比べてみることにしました。なおNX-20Xと比べない理由はFT-20Zに秘話機能やFMラジオ受信機能が装備されていないためです。

スペック通り、どちらも通話距離を倍にする中継器に対応の20チャンネル機です。
一見するとデュアルウォッチや10種類のコールトーンといった各種が追加されていますが一方でET-20Xの電池の持ち時間や大きさ、受信感度が軒並みスペックダウンしている点が気になります。

ET-20Xの感度が-7dBuと呼称する八重洲無線のモデルFTH-80に勝るかと言われますと実際はそうでもなく、アルカリ電池2本で動作し防滴性能を有し、声の通りも良くスキャンスピードも高速など、かゆい部分に手の届くFTH-80の方が上であったりもします。



アンテナが長くなり固定式となったにもかかわらずスペック上感度低下したFT-20Zは素人の視点であっても納得のできる材料とは思いづらいものです。しかしFT-20Zは現在開発中のため最終仕様ではない可能性があります。スペック通りの性能で価格がET-20Xよりさらに安価になるかもしれませんし、発売開始までに何らかの変更が入るかもしれません。続報を待つことにしましょう。

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2014/11/09

TRX-305Aの「チュートリアル」を試す

前回に引き続き、CQ出版発売のフルディジタル無線機キットですが今回は無線機キットに同梱されているテキスト第3章「使ってみよう」を元に基板を動かしました。



最初はTRX-305MBの信号をAMラジオで受け音を出すチェックです。

BNCコネクターのついたケーブルをCN22につなぎ、先端のBNCコネクターに適当なアンテナや針金を付けます。スピーカーをJP2へ、スピーカーマイクも必要です。

今回アンテナは手持ちのメーカー不明フレキシブルアンテナをつなぎました。


TRX-305MBとPCをUSB接続しTeraTermでコマンドを送信し、スピーカーマイクのPTTを押すとピーという音がAMラジオから聴こえてきました。TRX-305MB基板からは送受信リレーの切り替わる音が聞こえます。

TRX-305MBからの信号は非常に弱くノイズに埋もれがちでした。基本的にAMラジオ放送さえ入れば受け手はどんなラジオでも良いのですが高感度ラジオを使うと信号がノイズにまみれてしまうため、どちらかと言えばそこそこ低感度のラジオでの動作確認がおすすめです。今回は手持ちのユピテルのMVT-9000MKIIを使いました。


スピーカーマイクで話した声をAMラジオから出す場合はスピーカーマイクの「CQ」ロゴ付近に向かって話すと変調が深くなりました。この付近にマイクカプセルが隠れているようです。

個人的な思い込みかもしれませんが、このスピーカーマイクだけを見ると古き良き20世紀を回想してしまいます.....。



次はAMラジオ放送をTRX-305MBで受信する確認です。

BNCコネクターのついたケーブルをCN22からCN19へつなぎなおし、BNCコネクターへAM放送受信用のアンテナをつなぎます。

ロッドアンテナでは厳しいAMラジオの受信もコンポやラジオレコーダーに付属のループアンテナを付けると明瞭に聴こえることがわかりました。ここではソニーのラジオレコーダーICZ-R100付属のループアンテナを下の写真のようにつないでいます。



3つ目はTRX-305MB内蔵発振器の信号をTRX-305MBで受信する動作チェックです。

CN23とCN19をケーブルでつなぎます。

よしお手持ちの個体では-12.7dBmと表示されました。



スーパーヘテロダインとCWの手順は諸事情によりスキップして、最後のFMラジオ放送の受信に移ります。
TRX-305MBは短波トランシーバーという位置づけですが高次サンプリングを使いFMラジオも受信可能なようです。

CN23とCN19をつないでいるケーブルを外し、BNCコネクターのついたケーブルをCN19へつなぎます。BNCコネクターへロッドアンテナなどの長いアンテナをつなぎます。よしおの場合はコメットの1メートル以上伸びるロッドアンテナCH-99を使用しました。

実際に受信するとポケットラジオで聴くよりも感度がよろしくありませんでした。内蔵フィルターが原因の一つかもしれませんが今後調査の必要はありそうです。


このTRX-305MBは原理的には700MHzくらいまで受信可能らしいので、更なる基板の改造でトランシーバーとしてだけでなく、広帯域受信機としても使えるかもしれません。

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TRX-305A再挑戦

前回動作確認途中となっていたTRX-305Aの続編です。


コメントでいただいた方法を参考にファームウェアを書き込み、再度コマンド送信にチャレンジしてみました。

結果はこちらのとおり・・・


無事にパソコンとシリアル通信できました。情報をくださった方に感謝!まずはひと安心です。



ただ少々気になる点が。

念のためはんだ付けした場所を60ワットのはんだごてで補修後に電源を入れるとC255の1ピンが5秒間隔、1ボルト未満の上下変動を繰り返し、発振しているような症状をテスターで確認しました。電源を入れなおすと6.18ボルトが表示されたので結果オーライですが・・・。

確信はありませんが、たまたま昇圧不良が発生したのかもしれません。



今のところ動作は安定していますから、引き続き次のステップに入ろうと思います。

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CQ出版 実験ボードTRX-305A組み立て

CQ出版のフルディジタルRF信号処理実験ボード TRX-305Aを組み立ててみました。

このボードはハムフェア2014で先行展示されていたものです。



説明書を見ながらのハンダ付けは1時間もかかりませんでしたが基板の加工でやや手間取りました。


基板加工後のバリはできるだけ目立たないよう努力はしました。





完成したボードがこちら。スピーカーは未接続状態です。


付属のアクリルケースを組み付けました。保護シールはうまく剥がせなかったのでそのまま組みました。

組立後電源を入れると緑LEDが点灯しました。各部電圧も異常なし。




引き続き行ったファーム書き込みも正常に終了。JP3を1-2間へ移し電源を入れました。ところがボードが起動しない問題が発生。TeraTermでリターンを送っても何も返ってきません。


書き込み終了 -> 書き込みソフト終了 -> ボード12V切 -> JP3を1-2へ移動 -> TeraTerm起動(ポートチェック) -> ボーレート等詳細設定 -> ボード12V入

...この順番の後にリターンコマンドを送っても何も返ってこないのです。JP3やJP4接触不良を疑ったり、TeraTermのバッファクリア操作をしてみたりと、考えられる手を尽くしたはずですが残念な結果となりました。

調べてみるとVCO1付近のC365が0Vに張り付いていました。FPGAが起動していないか、マイコンが通常動作していないものと考えられます。どうやらNHK-FMで放送していた夕方の番組ラ○オマンジャック(一部伏せ字としました)を聴き、終始笑いながらハンダ付けしていた『ヅケ』が後になってから回ってきたようです。



このように、よそ事をしながら電子工作をするとはんだ付けに失敗することがあります.....。

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八重洲無線 FTA-750Lなど大画面航空無線機

ひっそりと?という訳ではありませんが、八重洲無線の海外向け製品でエアバンドトランシーバーが今年(2014年)初旬、既にリリースされています。

FTA-550 AIR BAND TRANSCEIVER - YAESU(英文)

FTA-750L AIR BAND TRANSCEIVER - YAESU(英文)

(FTA-750L(左)とFTA-550(L)(右)、公式サイトより)


FTA-750L Spirit、FTA-550(L) Pro-Xは飛行機と管制塔が交信するための航空無線用トランシーバーで、一般の方は使用できないことになっています。型番末尾に"L"とあるのはリチウムイオン充電池+専用充電器+乾電池ケース付属版、"L"なしはオプション単3乾電池6本専用版だそうです。


両機に共通しますが、最初に目を引くのはやはり本体の半分を占める4.3センチ角の大型液晶ディスプレイでしょう。
(FTA-750L公式サイト写真から抜粋)


驚くべきことは外観だけではありません。何とFTA-750L, FTA-550(L)にはGPSを使わず現在地が分かるVOR(超短波全方向式無線標識)受信機能と飛行機へ滑走路進入時の左右方向を誘導するローカライザーを使用したILS(計器着陸装置)機能が内蔵されています。

GPS内蔵のFTA-750Lはこれに加えて飛行機の現在の向きと目的地の方位を同時に表示するウェイポイントナビゲーション機能や飛行機へ滑走路進入時の上下方向を誘導するグライドスロープ(グライドパス)を使用したILSにも対応。またVOR使用時、飛行速度を同一画面に同時表示する機能も装備。もちろんGPSロガーも搭載されています。電子コンパスは装備されていないように見えます。
(FTA-750Lカタログから抜粋)


防水性能はFT1Dシリーズと同クラスのIPX5。大雨でも使えるスペックです。

気になるのは同軸の音量とダイヤルです。アマチュア無線機VX-7やVX-2(生産終了)などと同じ上側が音量、下側がダイヤルとなっています。ダイヤルを回すと同時に音量も回り爆音が出ないか心配です。恐らくアイコムのID-51のように工夫はされているはずです。

なお電源は音量つまみを回してカチッ入れる方式ではなく独立に設けてあります。スケルチはダイヤルで調整します。

アンテナコネクタは素早く挿抜可能なBNCタイプ。アメリカではNOAA気象ラジオも受信可能です。

バッテリーは乾電池専用版のFTA-550を除き7.4Vリチウムイオン充電池SBR-14Li。電源はいずれも乾電池6本と充電池、外部の3方式です。この辺りは中~上級クラスのアマチュア無線機と変わりません。



一般人は使用できないFTA-750LとFTA-550(L)。この大型液晶ディスプレイと計器類が手のひらサイズの無線機に凝縮されたことはかなり驚異的です。

これまで八重洲無線(旧バーテックススタンダード)がリリースしてきたエアーバンドトランシーバーはアマチュア無線機の筐体を流用したものが大半だったと記憶していますが今回は流用ではありません。今年2014年はかなり気合が入っています。

これでもう八重洲無線から大型ディスプレイ搭載のアマチュア無線機が出てもおかしくないですね。仮称FT2Dに期待しています(笑)

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2014/10/13

パナソニック ワンセグ音声受信通勤ラジオを発売

2014年10月17日、パナソニックからついに胸ポケットへ入れられるポケットワンセグラジオ、RF-ND50TVが発売されます。
(写真は公式サイトから引用)

ワンセグTV音声・FM・AM 3バンドレシーバー RF-ND50TV - Panasonic



公式サイトでも触れられているように、RF-ND50TVの主な特徴はワンセグTV放送の音声受信と人の声を聴き取りやすくする機能(快聴音)、集音器としての機能の3点です。

ワンセグ音声受信ラジオは各社から発売済みですがロッドアンテナを伸ばすことなく胸ポケットへ入れ使える真のワンセグ音声ポケットラジオは今回発売されますRF-ND50TVの他にソニーのXDR-63TV東芝のTY-TPR1の計3機種が該当します(2014年10月現在。テレビモニタ内蔵品を除く)。


RF-ND50TVが競合機種に勝る機能は聴きやすい音質モードの設定と集音機能の2点でしょう。

「快聴音」の音質チューニングがどれほどのものかは未知数です恐らく人の声の中音域や"さしすせそ"の高音域を上げていると考えられます。イメージとしてはRF-ND50TV発売開始翌日10/18に発売予定のソニーのラジオレコーダーICZ-R250TVに搭載されたClearAudio+のようなものと思われます(下段ICZ-R250TVの関連記事参照)。

集音機能について。ラジオ本体に集音マイクが内蔵されていると推測します。ラジオを聴く振りをして周囲の音を聴けますから、イヤホンを外さず外界の音を聞きたい方に最適です。あくまでも集音器という位置づけですから聴こえやすさに個人差があるでしょう。



せっかくですのでRF-ND50TVを競合機種XDR-63TV、TY-TPR1とスペック比較しようと思い表を作成してみました。


大きさや重さ、液晶の見やすさはRF-ND50TVとXDR-63TVでほぼ互角。ジョグレバーの有無は好みが分かれそうです。

RF-ND50TVのFM受信周波数は108MHzまで可能で2015年に開始予定のAMラジオ再送信用のFM補完中継局や臨時FM放送などの受信にも対応しています。対してソニーと東芝はAMバンドにて灯台放送などが受信可能。やはり好みが分かれそうです。

電池の持ちはソニーと東芝が優勢。スピーカー出力はわずかにパナソニックが優勢です。

どうしても気になるのは感度ですがこればかりは使ってみなければわかりません。付属品にアンテナ類がないためRF-ND50TVのワンセグ音声受信用アンテナはソニーのXDR-63TVのような外付けではなく本体内蔵と予想されます。



RF-ND50TVの電池の持ちの少なさはやや気になりますがFM補完中継局に対応済みであったり人の声を聞き取りやすくする機能、集音機能搭載など付加機能が多いのも事実。

ワンセグ放送もラジオ放送もとにかく聴こえればよいのであれば東芝のTY-TPR1、ジョグレバー操作と1710kHzまでのAMを楽しみたい場合はソニーのXDR-63TV、聞こえやすさや集音機能が必要ならパナソニックのRF-ND50TVとなるのではないでしょうか。

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アルインコDJ-X81雑感

2014/10/08

MVT-7500の価格が・・・

アマゾンで販売されているMVT-7500の価格がとんでもないことになっています。


一時2万円台前半まで下がった後、今年2014年2月の生産終了の告知が周知されるとじわりじわりと値段が発売当初まで上り詰め、気がついたらなんと4万円代・・・。



使い勝手の良さはアイコムの最新無線機ID-31やID-51に遠く及ばないものの、ハイエンド機を選ぶならAR8200MK3、リーズナブルを求めるなら受信性能の良いアイコム IC-R6もしくは小型で音がよくテンキー付きのアルインコ DJ-X81をおすすめします。

MVT-7500については日を改めて語るかもしれませんが、敢えて一言申すならMVT-x500シリーズは「上級~超エキスパート向けの機種」ということです。


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2014/10/06

イーケイジャパン 限定ステレオ真空管アンプ再販

エレキット(ELEKIT)で有名なイーケイジャパンから朗報が飛び込んできました。

「管球アンプの「実験機」 300Bシングルステレオパワーアンプ"TU-LAB" 再販売」
・http://www.elekit.co.jp/product/detail/00920



今回再販されたTU-LABは真空管アンプの電子工作キットです。

製品型番は「TU-8300R」。2009年に限定販売されたキット「TU-8300」がこのたび5年ぶりに「R」となって復活しました。



使用真空管は300Bと12AT7が各2が付属。交換用真空管としてエレキット製品でよく使用されているKT88(6550)以外にもKT66、EL34(6CA7)、6L6GC(6L6シリーズ最大出力)が差し替えて使用可能とのことです。

再生周波数は15ヘルツ~40キロヘルツの広帯域。スピーカーが良ければオープンリールやレコード、96kHzのハイサンプリングDATやハイレゾ音源にも十分対応します。

もちろん大切な真空管を傷めないための保護回路も装備されているようです。



価格は税抜き8万9千円。8%税込みでは9万6千120円だそうです。一見高価に思えますが300B真空管が2セットで約4万円で12AT7が2セットで4千円~8千円、変圧器が2基で2~10万円ですから、アンプ本体はケース込みで高くても2万円程度という破格の設定です。



エレキットには現在9種類の真空管アンプ電子工作キットがラインナップされています。価格は2~6万円程度までありますから9万円手が出せない方は安価なものから挑戦されてはいかがでしょうか。少々値は張りますがTU-8100やTU-882AS、TU-HP01などハンダ付け不要な製品もあります。

アンプの電源を入れると真空管がじんわりと光りだしてから音が聴こえる、現代ではなかなか味わえないノスタルジーな世界に浸りながら薄暗い電球の灯る部屋でソファーに腰を下ろし、ウィスキーやウォッカを片手に、音楽に浸る......これほど贅沢なことはありません。

注:お酒は20歳になってから


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2014/10/05

ソニー ワンセグラジオレコーダーICZ-R250TV発表&プチレビュー

今年2014年2月の小型ラジオレコーダーICZ-R100の登場から間もなく、ソニーからワンセグテレビ音声録音に対応したラジオレコーダーが発表されました。

ICZ-R250TV | ポータブルラジオレコーダー | ソニー

(ソニー公式サイトより)


今回発表されたICZ-R250TVは一言で表すならば、現行モデルICZ-R51にワンセグTV音声受信機能が追加されたラジオ録音機です。もちろん予約録音にも対応しています。

インターネット接続不要のため通信料は一切不要。ラジオやワンセグTV放送が入れば携帯電話不感地帯であっても電気代だけで使えます。市販の乾電池も使え、持ち運んでの使用も可能です。


デモムービーが公式サイトにありましたので紹介します。



以下ICZ-R250TVについて、現行品ICZ-R51から新規、もしくはバージョンアップした機能を10点ほど挙げてみました。

1. ワンセグテレビ音声受信・録音機能(新規)

オリンパスのPJ-35, PJ-30に続くワンセグTV音声録音対応機です(PJ-30, PJ-35の詳細説明は本ページ下の関連記事参照)。
ワンセグTVの録音済みファイルは2014年10月の時点でICZ-R250TV内部でのみ再生可能です(著作権絡み)。
本体裏面にはワンセグ受信用外部アンテナ切り替えスイッチがあります。

2. ディクテーション(書き取り)機能(新規)

録音済みファイルを予め指定した時間間隔で一時停止しながら再生する機能です。
音声をメモしながら再生する用途に需要があるとのことです。

3. 高音質2チャンネルスピーカー

バスレフ型の採用により低音の再生能力が向上したようです。

4. ClearAudio+(クリアオーディオプラス)(新規)

イコライザーの手動設定が不要で上質な音が楽しめるそうです(後半の実機プチレポート参照)。

5. 乾電池4本と内蔵リチウムイオン充電池のデュアル電源(ICZ-R51は乾電池4本のみ)

後半の実機プチレポートにて触れています。

6. 大型アナログボリューム(ICZ-R51はシーソースイッチ)

ようやく直感的な音量操作が可能となりました。

7. お気に入り放送局登録数が3->5へ増加

放送局登録数が3では確かに不足と思っていましたのでありがたいです。

8. ファイル検索機能追加

「未再生ファイル」項目が新たに設けられ、録音済みファイルの検索性がさらに向上しました。

9. 将来計画されているAM放送再送信に対応した76~108MHzワイドバンド受信機能(新規)

AM難聴地区のAMラジオ放送が将来FMラジオで聴けるようになるFM補完中継局受信に対応しました。
個人的希望ですが、ICZ-R51やICZ-R100もファームのアップデート等でFM保管中継局受信に対応して欲しいものです。

10. 最大約20時間のスピーカー再生

内蔵リチウムイオン充電池と乾電池の併用でICZ-R51比で約1.8倍電池寿命が伸びました。


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★ICZ-R250TVプチレポート★


早速先行展示されていますソニーショールームにて実機を触ってきました。なお、ここでレポート対象のICZ-R250TVのファームウェアはVer0.82のため製品とは若干異なる可能性があります。


■操作感

起動時間はファイル数が0の状態で電源を押してから約2秒。ICZ-R100の約1秒よりもわずかに遅い程度です。

ラジオ受信中の録音操作はこれまでと同様、録音ボタンを押してすぐ録音開始の高速応答。対してメニュー操作やイージーサーチ操作はこれまでのICZ-R50、ICZ-R51、ICZ-R100と同様に反応速度が0.5秒ほどと、もっさりです。これは共通設定にて操作音を消すとわずかに改善しますが、それでも原稿起こしで使うと若干煩わしい気もします。

操作ボタンが本体正面と天面へ集約され、ICZ-R51と比べボタンを探す手間が減りました。

本体上面の「速度調節」ボタン(写真右上)はこれまで同様、ファイル再生中だけ有効です。
(ソニー公式サイトより)

現行機も同様ですが、今後特に改善してほしいのは本体上面のICレコーダー操作ボタンの操作方法です。

ラジオ受信中に本体上部の再生ボタンを押してもすぐに再生とはなりません。必ず本体正面右の「録音済ファイル」ボタンを押し、再生するファイルを選び再生する必要があります。

「AM/FM/TV」ボタンと「マイク/オーディオ入力」ボタン、「予約」ボタンが1箇所に集約されている一方、再生モードボタンがやや遠く離れて配置され、しかも「録音済ファイル」ボタンというのは違和感がないとは言えないと思います。カセットテープ(死語?)を使うように、再生ボタンを押すと直前に止めた場所からすぐに音が出るとより使いやすいです。

補足ですが本体天面の再生ボタンは録音済みファイルの再生中に押すと一時停止ボタンとして機能します。


■ラジオ機能

写真からも分かるように、AM用内蔵アンテナ、FM用テレスコピック(ロッド)アンテナ、ワンセグTV音声用ホイップアンテナの3種がそれぞれ独立しています。FM/ワンセグ共用外部アンテナ端子は3.5ミリジャックのようです。ICZ-R250TVの外部アンテナ端子とF型コネクタを接続するプラグアダプタは付属しています。

FMアンテナは太さが約2センチで最大長が30センチ弱。ICZ-R51やICZ-R50より太く短いですがアンテナの金属部分を外へ露出することなく本体へ収納可能となっています。
(ソニー公式サイトより)


ワンセグTV音声アンテナは15センチ程度、可倒式です。アンテナエレメントはプラスチックらしき素材でコーティングされています。

気になるワンセグの感度ですが、比較したパナソニック製ワンセグ携帯電話では全く受信できない放送がICZ-R250TVでは途切れることなく復調することがありました。過信は禁物ですが比較的高感度の印象です。本体の感度とも相まって専用アンテナの効果が現れているのではと推測します。

厳密に実機比較をしたわけではありませんがFM、AMの感度は一見したところICZ-R50やICZ-R51とほぼ同感触でした。


■ICレコーダー機能

ICZ-R51と同様です。これまでと同様、ラジオ録音中のファイル再生には対応していません。


■音質

内蔵スピーカーはバスレフを謳うだけあって確かに低音は出ています。経験上おおよそ250ヘルツ以上が再生できていると思われます。ポータブルスピーカーSRS-Xシリーズのような重低音再生用パッシブラジエーターは非装備ですが少なくともICZ-R51より低域の再現性が向上しているようです。

ポータブルスピーカーSRS-X2などにも搭載されている「ClearAudio+」機能は録音済みファイルを再生すると設定項目が現れます。録音済みFMラジオ番組を「ClearAudio+」機能を使い聴取したところ高音域や話の内容がよりはっきり聴き取れるようになりました。

ICZ-R50、ICZ-R51に引き続き、スピーカーのステレオ感はまあまあです。


■その他
電池駆動についてスタッフに確認したところ単3乾電池を装填した場合、最初に内蔵充電池が消費され、その後乾電池駆動へスイッチするそうです。

本体底部には黒色のゴム足が取り付けてあります。


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以上、まとめますとICZ-R250TVはワンセグ受信機能を搭載した機能強化ラジオレコーダーです。

ワンセグTV音声の受信や録音が不要な方にはICZ-R51をおすすめしますがICZ-R250TVではデザインや音量調整などの操作性が一部改良されています。

ラジオだけ録音したい場合はICZ-R51、ワンセグ音声も録音したい場合は今回発表されたICZ-R250TVと、機能で選ぶ方法もありますし、よりすっきりしたデザインや操作性で選ぶ方法もあります。


それにしても少々マニアックながら将来の状況を考慮しFM受信帯域を広げた機種を、ラジオレコーダーとしてリリースしたことに驚きを隠せません。お見事ですね。

このICZ-R250TVは今年(2014年)10月18日発売予定。実勢価格はおおよそ24000円くらいを見込んでいるようです。

私のように(笑)発売日まで待てない方は一度ショールームを訪れてみてはいかがでしょうか。

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2014/08/24

ハムフェア(HAMFAIR)2014ぶらり散策

2014年8月23~24日に開催されたハムフェアの会場へ足を運びました。ここではよしおの視点で会場の主だった様子や製品を手に取ってみた感想などをご紹介します。



まずはアイコムのブースから。
アイコムはIC-7850(IC-7800のアニバーサリーモデル)、ID-51各アニバーサリーモデルを訴求していました。写真の映り込みは大目に見てください(汗)

上はID-5150周年アニバーサリーモデルの赤です。実際にこのアニバーサリーモデル本体を見たのは今回が初めてです。色はプラスチックプレートはめ込みではなくブラック本体への塗装で実現しているようです。

50周年記念のためか、過去モデルも一部展示されていました。

残念ながら8/28発売予定のIP67対応特定小電力トランシーバーIC-4350, IC-4350Lは気が付かずスルーしました。
見た目はIC-4300IC-4300Lとほぼ同じように見えますが八重洲無線から発売済みのFTH-308, FTH-308Lに搭載されているものとほぼ同等の個別呼び出しやグループ呼び出し、緊急呼び出し機能が新たに装備されることから今後八重洲無線の有力な対抗馬となりそうです。



次に第一電波工業のブース。

特設コーナーにはランドローバーのディフェンダー110?をベースに、ルーフへ可動式大型太陽電池を、フロントバンパーへヘッドライトまで伸びるグリルやウィンチを含むカスタムパーツを搭載した迫力のあるスペシャルなRVが登場。正面から向かってフロントバンパー左側には短波帯からローVHFまで運用できそうな、全長3メートルほどのロングアンテナを装備し、まるで北米や中南米の自然公園で使われていそうなコンセプトの大型デモカーです。

運転席に座るだけで顔が緩んでしまいそうです。これだけのアンテナと機材満載の無線車は運転するだけでも楽しいと思いますが北海道の大草原へこの車を走らせ無線運用すると間違いなく最高の気分にひたれることでしょう。

写真は念のため表示を加工していますが、ナンバーは取得済みですので北海道でのデモも秒読み段階でしょうか!?



HAM STARのブースです。

アイコム製、ケンウッド製、八重洲無線製など多種多様なリグを遠隔制御するリモートリグコントローラRRS-101のデモは大勢の方が集まっていました。他社製品と比べネットワークの知識がほとんどなくても設置可能な点を宣伝していました。

ブースには世界中で人気のあるエレクラフトのK3超小型オールモードポータブルトランシーバーKX3とスペアナなどを表示するパナアダプタPX3がありました。写真はKX3とPX3です。

RRS-101はCWを含めK3、KX3の遠隔操作にも対応しているとのことです。



八重洲無線のブースで目を引いたのは発売されたばかりの特定小電力トランシーバーSR100と発売予定のSR70です。

カラフルな無線機が並んでいますからブース内でもひときわ目立ちます。SR100については別途こちらにまとめてあります。

SR100とSR70の違いは価格(SR100よりも定価が4千円安い)とSR100からの一部機能(録音再生と振動着信)、自動チャンネル表示回転機能の省略です。このためSR100の録音再生ボタンはSR70ではケンウッドの特小無線機UBZ-BM20Rの音量アッテネート機能に似たミュートボタンとなっています。

電池蓋は思った以上に重厚に作られています。手に持つと凹凸のあるグリップがよく馴染みました。詳しくは書きませんがロングアンテナモデルが出る可能性もないわけではなさそうです。



CQ Ham Radioのブースです。

発売予定のフルデジタルSDR無線機TRX-305MBとフルオプション装備のTRX-305を展示デモ中でした。

TRX-305MBは本体に操作表示部がないためパソコンとUSB接続しコマンドライン上で操作します。このパワーアンプなしの状態で1ミリワットの出力が得られるとのことです。

こちらは操作パネルや5Wパワーアンプなどなどをすべて組み立てたTRX-305の製作例です。AORの受信機AR5001DAR6000のような外観です。

ケースを含む全部入りのTRX-305のお値段は20万円近くを予定しているそうです。一見、アイコムのIC-7410ケンウッドのTS-590八重洲無線のFTDX1200が買えてしまう価格設定に見えますが中身を理解しながら作れる自作キットという位置づけを考えると妥当ではないでしょうか。



いよいよAORのブースです。デジタル通信アダプタARD300と新型受信機AR-DV1コンセプトモデル、気象観測装置が展示されていました。お目当てはやはりデジタル音声受信機AR-DV1です。

業務用を意識したことで白となったそうです。今年2014年の流行色という話もありますがこれまでのイメージを刷新する色でいいと思います。よしおの予想はいい意味で見事に裏切られました。

コンセプトモデルですので最終仕様ではありませんが予定では従来のアナログ受信機能にデジタル復調モードや多彩な受信フィルター、SDHCカードに対応する録音機能、パソコン接続用USB端子などが装備されるそうです。内部はSDRとのことです。

展示されているコンセプトモデルを操作したところ、受信範囲は予定スペックより少々広めの0.1~1350MHzで351MHz登録局(DCR)やD-STAR、C4FMが復調できました。他にアルインコの一部方式や海外で主流のP25やNXDN、dPMRやDMRそしてデジタルモデムARD9800に採用されている狭帯域デジタル通信方式G4GUOの復調に対応予定とのことです。

展示モデルの音量やスケルチつまみはアナログボリュームではなくアルインコの製品などに採用されているものと同様のクリック感のあるプッシュボタン内蔵ダイヤルでした。ボタンはプニッとした押し具合ですので???という印象を持ちましたがまだ最終仕様ではないとのことです。なお補足ですが背面には現状、BNCコネクターと電源端子、AUXという入出力不明の3.5ミリジャック、そして3.5ミリのスピーカー出力端子がありました。

電源は12Vを予定し操作ボタンのバックライトは色を変えられるようになるとのこと。液晶バックライトの色も暫定とのことです。

AR-DV1の発売は来年2015年春頃で価格は10万円程度。AR8600MK2にARD300を外付けするよりもお求めやすくなるのは嬉しい限りです。

AR-DV1が製品化されていない状況で気が早いですがデジタル復調ハンディ機の製品化を尋ねたところ技術的に難しいようで現状未定とのことでした。国内未発売のスキャナー、ユニデンアメリカのデジタル復調スキャナーBCD436HPがすでに市場流通しているため難しくないのではと思ってしまいます。今後に期待しましょう。

このAR-DV1、ぎりぎりポータブル機サイズです。キャリングベルトを取り付けアウトドアへ持ち出したくなるような、すっきりとした雰囲気ですね。



最後にケンウッドブースです。TS-990のデモなどを行っていました。

TS-990以外の主だった新製品を見つけられなかったため、たまたま会場内の特定小電力3チャンネルをブースの特定小電力トランシーバーで受信したところUBZ-BH47FRが最も高感度ということが判明したり、アンテナ内蔵型=低感度と思っていたプレミオシリーズUBZ-S27Bが何故かUBZ-BM20Rよりも受信感度が高いように見え、ケンウッドの特小のうち個人的に最も音声が聞き取りやすいと分かったのは収穫でした。

ケンウッドブースの写真は忘れていた諸事情によりこちらが唯一となります.....。



さて。オチがついたところでまとめに入ります。

今回のハムフェアでは企業ブースは元より、例年に比べクラブブースも様々な企画を打ち出し終始大盛況だったと思います。掘り出し物もありました。

特に10年前では考えられなかった、年齢を問わず無線機を片手に会場を回る学生や10代~40代くらいの女性をあちこちで見かけたこと、コンテストなど各波での女性オペレータの活躍が印象的でした。関係各所でイメージアップを図ろうとされている方々が尽力されていらっしゃるようです。携帯電話や無線LAN等を除く、純粋な無線人口の拡大は大変ありがたいことです。

やはり競技場でスポーツ観戦する気分にも似た、会場ならではの一体感と言いましょうか、この雰囲気は実にいいものです。

ハムフェアは着実に進化しています。来年も参加したいですね。

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2014/08/22

アイコム IC-R6ミニレビュー

IC-R6はアイコムの広帯域受信機の入門機です。詳細は「受信機フル活用テクニックver.14」や「はじめての受信機操作ガイド」などの冊子に取り上げられていますのでここではIC-R6をこれまでに使った辛口の個人的な感想を簡単にお話します。
アイコム IC-R6



まずIC-R6を使い、特に気になった点を3つ紹介しましょう。


①ノイズがシャーシャーうるさい

ノイズとは電波が弱い時に音声に混ざり発生する「シャー」「サー」という音です。このノイズは航空無線やラジオ聴取時に特に気になる現象です。アルインコのDJ-X81など、これまで使用した受信機や無線機ではここまでの症状に遭遇したことがなく少々驚きました。

もちろんこれを少なくする機能、AFフィルターも装備されています。IC-R6は初期設定でAFフィルター機能が「OFF」となっており高音が強調された設定となっています。このためスケルチ解除時や航空無線受信で弱い電波を受信した場合、人によりますがこのノイズが耳障りな場合があります。

しかしメモリースキャン中やプログラムスキャン中にAFフィルター設定を変更しても変更は反映されません。最初故障と思いましたがどうやら仕様とのことです。

AFフィルター設定をIC-R6に記憶させる場合はスキャンを停止後、または各メモリーチャンネル毎に「ON」へ変更する必要があるようです。オプションのクローニングソフトCS-R6には「共通設定」の「拡張」項目に一括でAFフィルター設定を変更できそうな項目はありますが、現状IC-R6とよしおのPCが正しく接続できないため未確認です。



②よしおの生息地付近ではFMラジオだけが全く聴き取れない

アイコムの元祖広帯域受信機IC-R1を含む他メーカーのレシーバーや通常のラジオでは経験上この不可解な現象は発生していません。アイコムの技術の方へ相談するなどして理由を調べたところ、どうやら近隣のV-Highマルチメディア放送送信所からIC-R6がカブリを受けているらしいことが分かりました。

以上からIC-R6は200MHz帯のかぶりに弱そうです。入門機ならではのWFM(ワイドFM)のフィルター性能が必要最低限というのも原因の一つなのかもしれません。

幸いなことにこのような状況下でも200MHz帯のUHF航空無線は問題なく聞こえました。またこれ以外の周波数でカブリらしき現象は認められませんでした。IC-R6のフィルタ性能は放送以外の無線電波を受信する限りは優秀と思います。

補足ですが中波~短波帯の受信感度はアルインコのDJ-X81を含む他機種よりもホワイトノイズが大きく聞こえるためか、若干感度は低めに感じました。



③プログラムスキャン中、電波があるにもかかわらずスキャンが停止しない場合がある

具体的には繁華街で特小チャンネルをIC-R6と他機種(八重洲無線のVR-160など)で同時にスキャンしたところ他機種では難なくスキャンが停止し受信できたのですがIC-R6は一向にスキャンが止まらないことがありました。

スキャンが止まらない原因はおそらく受信電波が弱いためと思われます。冊子「はじめての受信機操作ガイド」2014年版の後半146ページで取り上げられた症状が再現したようです。
人里離れた山間部で受信中の様子



その他気になったことを強いて挙げるならば本体上部のダイヤルと上下キーに割り当てられている選局と音量が素早く切り替えられないこと、操作ボタンにバックライトがないこと、液晶のアルファベットをもう少し読みやすくして欲しいこと、WFMのフィルター性能向上、そして本体前面と厚みの比率が不釣り合いなデザインを何とかして欲しいことくらいでしょうか。
コメット SMA-W100RXアンテナ装着例


個人的な意見としてスマートフォンや携帯電話がリチウムイオン全盛の現在、市販のモバイル電源に繋ぎ充電できれば敢えて時代に逆行して単3電池駆動としなくてもよいと思います。

次機種ではID-31やID-51で採用された初心者にもわかりやすい操作性や液晶の大型化、より一層の携帯性重視といったバージョンアップを望みます。ただ鉄道や消防、ライフラインの無線や簡易業務などが順次デジタル化している状況から、次機種もアナログ専用機ですと恐らく需要は多くないだろうことが悩みの種でもあります。



まとめとして、アイコムのIC-R6は他機種と比べ基本性能が優秀なアナログ波専用受信機です。入門機でありながら受信性能はハンディ機の中でトップクラスを誇ります。
オプションLC-146A装着例


上記の不満3点はありますが、裏を返すとそれ以外は満足しているということです。操作に慣れは必要ですが他機種と比べると圧倒的に不正受信がなく、高感度で低価格なためエアバンドリスナーを含む初心者におすすめしたい受信機です。

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