2017/01/30

東芝エルイー CDラジオTY-C250,TY-C300発表

東芝エルイートレーディングから薄型省スペースのCDラジオ2機種が発表されました。

TY-C250:CDラジオ:東芝エルイートレーディング株式会社

TY-C300:CDラジオ:東芝エルイートレーディング株式会社



◇ TY-C250 ◇

TY-C250

TY-C250はCDプレーヤーとFM/AMラジオが一体となった製品です。恐らく同社の現行品TY-C24のアップグレード版でしょう。

大きさは幅28×高さ14.9×奥行6.3センチメートル、重さは乾電池込みで約1.3キログラムです。色は黒と白の2種類がラインナップされています。
TY-C250 ブラック


スピーカーの音量は左右各1.1ワット。ACコードのほか単3アルカリ乾電池6本でCDを約4時間、ラジオを約16時間鳴らし続けます。本体には壁掛け穴もあります。

入力はステレオ外部入力音声端子が、出力はヘッドホン端子があります。同社製TY-CW26のようなブルートゥース再生には対応しません。
TY-C250 ホワイト


時計や入タイマー、アラーム機能はありませんが120分まで設定可能なスリープタイマーがあります。


CDは1曲/全曲リピートや20曲までのランダム(シャッフル)、プログラム演奏、A-B区間リピート機能に対応します。

再生ディスクは音楽フォーマットのCD, CD-R, CD-RWに対応します(ディスクによっては不可の場合あり)。MP3とWMAの再生は不可です。


TY-C250 操作面

ラジオ機能は531~1710kHzのAMモノラル放送と76~108MHzのFMステレオ放送が受信できます。AMラジオ番組がFMで聴ける補完放送に対応します。

FMアンテナは4段、全長70センチ程度と推測します。外部アンテナ端子はありません。

ラジオは5つのお好み選局(プリセット)ボタンと選局+/-ボタンによる手動選局で放送を聴けます。液晶には周波数表示とステレオ"ST"表示があります。バックライトの有無は不明です。



◇ TY-C300 ◇

TY-C300

TY-C300はTY-C250の機能向上版です。色は淡い金色のサテンゴールド1色。

大きさと重さなど見かけはTY-C250と同様ですがリモコンとマイク端子、一度停止した場所から再生が可能なレジューム再生や語学学習などに最適なCDの特殊再生機能が追加されています。
TY-C300 操作面


リモコンのスペアバッテリーはCR2025ボタン電池です。
TY-C300 リモコン


オプションのカラオケ用マイクを接続するマイク端子は直径3.5ミリのミニ端子。ICレコーダーなどの録音に使うプラグインパワー方式(電池の入っていない)のコンデンサーマイクは使えません。

マイクロホンの音量はボリュームつまみで調整します。同社製CDラジオTY-C17のようなボーカルダウン機能はありません。
TY-C300 左側面(マイクボリューム有)




◇ 他社CDラジオとのちがい ◇


TY-C250とTY-C300の対抗機種として真っ先に思い浮かぶのは同じコンセプトを持つソニーのCDラジオ ZS-E30ZS-E80でしょう。ZS-E80にはTY-C300と同様に語学学習機能とリモコン機能が搭載されています。

音質はさておき、ZS-E30のスピーカーの音量はTY-C250とTY-C300とまったく同じ1.1ワット×2です。語学学習用のCD再生機能がついたZS-E80は1.0ワット×2です。 東芝製とソニー製、どの機種にも5センチのフルレンジステレオスピーカーが内蔵されています。

ソニーのZS-E30とZS-E80にはMP3とWMA再生機能が付いています。一方TY-C250とTY-C300は前述のとおりCD-DA方式、つまり音楽CD / CD-R / CD-RWのみ再生可能となっています。

コンセント使用時の消費電力はソニーのZS-E30とZS-E80が10ワットに対して東芝のTY-C250とTY-C300は9ワット。

スリープタイマーは120分までに対応したTY-C250/TY-C300が勝っています(ソニー製ZS-E30, ZS-E80は90分まで)。

大きさ、重さは東芝がソニーよりも一回りコンパクトで軽量です。

ZS-E30とZS-E80のCD再生機能には停止したトラックの先頭から再生するレジューム再生があります。TY-C300のレジューム機能は停止したトラックの分と秒から再生するため、使い勝手はTY-C300のほうがアドバンテージがあります。

TY-C250にはレジューム機能がありません。恐らくCD再生中に停止ボタンを押し再度再生ボタンを押すと、ほかの格安市販品と同様に最初の曲の先頭から再生すると思われます。

プログラム演奏(再生)の曲数はソニーのZS-E30とZS-E80ともに25曲まで。対するTY-C250とTY-C300は最大20曲となっています。

カタログスペックから分かるラジオの使いやすさの違いはプリセット(お好み)選局機能のボタンの数くらいでしょう。 TY-C250とTY-C300、ソニーのZS-E30が5。ソニーのZS-E80は3です。


~ ~ ~ ~ ~


今回発表されたCDラジオTY-C250とTY-C300の発売は今年(2017年)2月のはじめごろ。発売開始直後の実売価格はおそらく5000~7000円くらいになると予想します。

TY-C300には薄型CDラジオの中では珍しい音量調整可能なミキシングマイク入力端子があるので、こじんまりした場所で こっそり一人カラオケに浸ることができるかもしれません。

いずれも薄型でスピーカーの音量が小さいことから個室での使用にはちょうど良いと思います。

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2017/01/22

EDACS Provoiceとは~無線用語

EDACS(Enhanced Digital Access Communications System)は1980年代後半に開発されたトランキング無線方式の一つです。

EDACSのデジタル変調方式はGFSK、周波数ステップ25kHz FDMAで9600bps、周波数ステップ12.5kHz FDMAで4800bpsのビットレートで音声またはデータを伝送します。オプションでプライベート(秘話)モードがあり、暗号化方式はDES(Data Encryption Standard)です。

通信相手への接続は0.5秒以内、非常通信モードが規定されています。またEDACSシステムの一部が台風などで使用不能となっても残りのEDACSシステムは通信と制御チャンネルは動作し続ける仕組みを持ち、故障耐性があります。



ProvoiceはIMBE(Improved Multiband Excitation vocoder)コーデックを使ったデジタル通信方式の一つです。コーデックはIMBEですがAPCO P25フェーズ1とは互換性がありません。

ProvoiceはEDACSで使われます。EDACSの電波が受信できた場合、お手持ちの広帯域受信機のナローFMモードで受信可能な実際のFM復調音声はこちらのウェブサイトにあるような音といいますか、ノイズとなります。



EDACS、Provoiceともに米国Harris(M/A-COM、旧Tyco Electronics)社の商標です。米国で使用されるEDACSのトランシーバーは例としてハンディタイプのP7100シリーズ、P7200シリーズ、M-RKIIシステムモデル、車載タイプのM7100などがあります。


ユニデンアメリカのスキャナーBCD436HPBCD536HPにはEDACS Provoiceアップグレードサービスが有償で提供されています。

しかし上述のWebサイトやこちらのHarris社のP25移行ガイドこちらの記事などによるとEDACSは廃止の方向でAPCO P25フェーズIIのトランキング無線への移行がすすめられています。ですから米国内でもこれからのスキャナーのアップグレードはあまり必要ないのかもしれません。

実際、EDACSのスペックを御覧いただいたように、データ転送レートは12.5kHzステップで4800bpsと、例えば八重洲無線のデジタルアマチュア無線通信方式C4FMなどと比べても効率が良いとは言えません。

2017年1月現在、国内で発売されている唯一の民生用デジタル復調受信機AOR AR-DV1にはEDACSトランキング無線やProvoiceモードは装備していないようです。


現在EDACSの復調はプライベートモードを除き、アルインコ製DJ-X11などのI/Q出力を持つ受信機とPC用フリーソフトウェアなどとの組み合わせで可能とのことです。

国内でProvoiceのEDACSのトランキング無線電波が飛んでいるかですが、多くはないといえるでしょう。

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2017/01/15

ポータブル電源Sherpa100をAR-DV1と組み合わせて使う

AORのAR-DV1には様々なデジタル復調モードが装備されているため、現時点(2017年1月現在)では外へ持ち出したい受信機の一つです。しかし移動時の電源確保がネックとなり屋外への持ち出しには躊躇します。

そこで今回はリチウムイオン充電池内蔵のポータブル電源との組み合わせでAR-DV1を使う方法を提案します。

GoalZero Sherpa 100

提案するポータブル電源、ゴールゼロ社のSherpa100は98Whのリチウムイオン充電池を内蔵したモバイル電源です。

大きさは幅4.7×高さ3.8×奥行13.3センチメートル、重さ約864グラムと一般的なスマートフォン用モバイル電源よりも二回り以上大きく重くなっています。

上記のように手元を照らす白色LEDライトも内蔵しています。
 
Sherpa 100使用例

Sherpa100には5V 2.1アンペアのUSB電源端子2つのほか、12V 10アンペア出力端子とノートPC用19V 6アンペアの電源があります。USB端子以外はすべて付属のケーブルを使い機器とつなぐ必要があります。

オプションのSherpa ACインバーターを使用すると家庭用100Vコンセントで100ワットまでの機器が使えます。



それではこのポータブル電源Sherpa 100の12V端子とAR-DV1をつなぎ動作するかチェックしましょう。

構成はSherpa 100、付属のシガーライターソケット、ノイズフィルターを取り付けた手持ちのシガーライターケーブル、そしてAR-DV1受信機です。配線加工は一切不要です。


結果は...


このようにあっさりと使えました。


Sherpa 100のスペックが正しく、効率を考慮すれば、AR-DV1を組み合わせて使う場合は満充電後おおよそ5時間は使える計算です。



このSherpa 100は付属ACアダプターを使い家庭用コンセントから約3時間程度、オプション品番「98043」の専用充電コードを使い自動車バッテリーから約4時間程度で満充電されます。

加えて太陽電池のオプションが選択可能。真夏の場合はオプションNomad 20へ直射日光を当てれば最短2日で太陽電池だけで満充電可能です。
Sherpa100とNomad20

よしおは防災対策用品としてポータブル電源Sherpa 100を室内窓側に置いた20ワット太陽電池Nomad 20などと組み合わせ、2年以上使い続けています。

ご覧のように2年以上窓側に放置したNomad 20は直射日光にさらし続けたため色があせています。しかし太陽電池の発電性能はさほど変化がないように思います。


一般的に太陽電池は屋内に置くと屋外よりも発電効率がずいぶん下がりますが、それでもこれまで使ってきた太陽電池電源システムよりもよく充電され、不具合は感じません。



オプションの太陽電池は追加接続が可能です。例えば下記のように20ワットのNomad 20と14ワットのNomad 14を接続すると、Sherpa 100の充電をスピードアップできます。
Sherpa100, Nomad14, Nomad20接続
よしおはさらに7ワットパネルNomad 7を2枚加え最大4枚つなぎターボ化したこともあります。



さて、Sherpa 100には下位モデルSherpa 50があります。大きな違いは内蔵リチウムイオン充電池の中身とUSB端子の数、各端子の出力電流の違いです。
Sherpa50(上), Sherpa100(下)



AR-DV1とSherpa 50との組み合わせも動作します。ラジオNIKKEIも聴けました。


Sherpa50に適合する太陽電池はNomad 14またはNomad 20です(写真はNomad 14との組み合わせ)。


Sherpa 50のUSB端子は接続するスマートフォンやタブレット、デジタルカメラの機種により充電モードに入らない場合がありました(Sherpa 100は問題なく充電可能)。ちなみにユニデンのデジタルハンディースキャナーBCD436HPは充電可能です。





このGoal Zeroのポータブル電源Sherpa 100はHFや6mのアマチュア無線運用にはあまり適しませんが、AR-DV1で2m HAM以上のアナログFM波やデジタル波を探す場合に使えそうなことは分かりました。いずれ登場するアイコムのIC-R8600にも使えるかもしれません。


敢えて、いまいちの点を挙げるならば米国開発品のため、新品でも小キズがあったり、同じ製品でも入手により本体やLEDの色違いなどばらつきがあったり、付属品が変更される場合があるなど、一流国内メーカー品と比べ見劣りすることは否めません。

まあ、最近国内で流通する安価な製品でも塗装がはがれていたり液晶にゴミが入っているなど同様のことは多々ありますが…。



Sherpa 100は無線機や受信機を想定した造りではありませんが、重さ1キログラムを切り、仰々しいゴツさもなく小型。無改造状態で拡張性もあるのでAR-DV1と組み合わせ、アウトドアでデジタル無線の受信ライフを楽しむポータブル電源としては比較的理想に近いと思います。

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2017/01/07

アイコム本社ショールームの無線機群2016


先日、一般開放されていたアイコム本社ショールームへIC-R8600とIC-7610の展示会ついでに訪れました。ここでは一部展示品を紹介します。




こちらの黄色いハンカ…もとい無線機は国際VHFを搭載した救難用VHF船舶無線機IC-GM1600です。

出力は最大2ワットで-20度までの環境で8時間駆動します。



GPSとDSC(デジタル選択呼出し)、フルドット液晶を装備した、同じく国際VHF無線機IC-M92D。充電キットなど付属品は一式付属。コンパクトながら700ミリワットの大音量をたたき出します。

個人的にIC-R30にも使われるかもしれないと予想している大型液晶を装備した、最新のIC-M93Dは残念ながら展示なしでした。



こちらはGPSとDSC、大型モノクロフルドット液晶を装備した船舶無線機IC-M324G
MarineCommander機能でAISトランスポンダーや魚群探知機など、船内システムとのデーター連携が可能な仕様です。製品の説明にはなぜかIC-323Gと記載されていました。




一般に入手可能な航空無線受信機ではなく、パイロットや管制官などが使用するVHF航空無線機IC-A6です。
IC-A6


一見IC-A24(下記)と同じ形状ですが、IC-A6にはIC-A24に装備されているVORナビゲーションがありません。
IC-A24
またIC-A6の周波数範囲は118~136.9917MHzと、IC-A24よりも狭くなっています。



アマチュア無線機IC-T70に似たデザインの、低コスト陸上業務用VHF無線機IC-V80



厚み3.6センチ、重さ296グラムという小型軽量ながらIP54に対応した陸上移動業務無線機IC-F4021T。オプションUT-124Rの装着で人が倒れた時に警告を発報するマンダウン機能も使用可能です。




iDAS(NXDN)に対応したVHF車載器IC-F5121D。最大50ワットで送信し4ワットという大音量のスピーカーを搭載。




こちらは国内で使用可能なデジタル特定小電力レピーターIC-D401RPとデジタル特小携帯機IC-D400。
IC-D401RP

IC-D400

IP網を用い、離れた支社間での無線通話用です。IC-D400は確か1台10万円近くと記憶しています。



話題の超小型軽量351MHz登録局デジタル無線機IC-DPR30
重さ105グラムはスマートフォンよりも軽量と感じさせるほど。音声録音や音質調整など機能豊富です。

IC-DPR3との比較。
IC-DPR30(left), IC-DPR3(right)
IC-DPR30は厚みとアンテナがそぎ落とされスタイリッシュであることが良くわかります。



351MHz登録局バンドを使った業務車載器IC-D6005N。民生用IC-DPR100(下記)と比べスピーカーマイクに液晶表示とリモコン用ボタンを装備。
IC-D6005N

IC-DPR100


LTR(Logic Trunked Radio、制御チャンネルを持たないトランキング無線)とiDAS(NXDN)に対応したVHFデジタル携帯機IC-F3161DT。最も電波の強い中継局を選び通信するVoting scanを搭載。


IC-F3161DTにIP67性能とGPSが加わったIC-F3261DT。GPS使用時、iDASモードで10.5時間の連続運用を実現。スキャンと秘話機能も装備。


アイコムのAPCO P25 VHFハイエンド車載機か固定機IC-F9511HT。最大出力はなんと、車載の許容値をはるかに超える110ワット。


一部では話題のIP無線機IP100H。見た目はIC-DPR3にそっくりですが携帯電話網を使用し、平時のサービスエリア外リスクを低減する、まさにシンプレックス方式の携帯電話無線機。


最もプロ仕様に見える業務用ハンディ機はやはりこのIC-F9011Tです。

モトローラ製の外観を模したつまみ類、ハンディ機とは思えぬ巨大なサイズと重量そして手にしたとき持つものに悦びを与える充実感。2008年のグッドデザイン賞を受賞しています。1台税抜き25万円.....。


相変わらずのインパクトを絶えず訴え続ける限定品のアマチュア固定機IC-7850。

光沢のあるピアノブラックとアクセントのゴールドが王者たる風格で眩しいです。絶版ですが見れば見るほど欲しくなります。




以上アイコム本社ショールームの無線機を一部紹介しました。

こんなにも大量の無線機に囲まれた部屋で一杯飲んだら間違いなくおいしいですね(お酒は20歳になってから)。

ショールームが自分の部屋だったら…という贅沢な妄想をしながら帰路についたのを思い出します。やはり実物を見て触れてその場で質問できるのがショールームの醍醐味と思います。

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2017/01/01

東芝エルイー TY-SR55ミニレビュー

東芝エルイートレーディングから発売されている2バンドラジオTY-SR55を入手しました。ラジオライフ2016年11月号に詳しいレビューがありますが、今回はそれ以外の部分を中心に簡単なレビューと同スペックの他機種比較をしてみます。



TY-SR55は単2アルカリ乾電池3本で約160時間スピーカー再生できるステレオスピーカー内蔵のデジタル選局ラジオです。AMモノラルとFMステレオ受信に対応します。AM放送をFMの電波で再送信するFM補完放送の受信に対応します。

大きさは幅22×高さ12×厚み5.5センチ、重さは乾電池込みでおおよそ850グラムです。

出力は500ミリワットスピーカーが2基搭載され最大1ワットと、騒音下でも使えるポータブルラジオです。ブルートゥース再生や外部音声入力端子はありません。

ハンドルの他、最近のラジオでは比較的珍しい肩掛けベルトを搭載し、倒れたり折れたりしなければ物干し竿や樹木、椅子、ドアノブなどに掛けて使えます。


正面には周波数やお好み選局表示とボタン、手動選局ボタンがあります。時計やアラーム、スリープタイマーはありません。

液晶表示にはバックライトが内蔵されています。バックライトは乾電池使用時、ボタンを操作すると点灯し10秒後に消灯します。

ACアダプターを使うとバックライトは常時点灯するようです。ただし電池を入れ電源を入れたままACアダプターのプラグを本体から外した後に取り付けると次の操作まで消灯が続く場合がありました。


本体上面には電源スイッチとAM/FMバンド切り替えスイッチがあります。いずれも横スライド式です。


左側面にはステレオヘッドホン出力端子と外部電源入力端子があります。


右側面には音量つまみがあります。時計回りに回すと音が大きくなります。


FMアンテナは6段です。根本部分と根本から2つ目の間は少し隙間が大きめで、若干ガタがありました。


電池収納部分はふたが取れる構造です。少し外れにくい構造になっているようですが外れやすくても困るのでこのくらいがちょうど良いでしょう。


FMステレオ放送を受信するとステレオランプが点灯します。少しランプの明かりが液晶表示に漏れ、真っ暗闇でも液晶のバックライトなしで表示が確認できます。


スピーカー音声は音を上げてもひずみなくクリア。感度はAM/FMともにこのクラスではかなり上のほうです。





次に、TY-SR55のようなステレオスピーカーを装備した同クラスのポータブルステレオラジオは最近見かけないので、かつてソニーから発売されていたソニーのFM/AMステレオ対応ポータブルラジオSRF-A300といくつか簡単に比べてみます。

大きさは写真の通りSRF-A300の方が一回りあります。
 
音質はとにかく軽いSRF-A300に対してTY-SR55のスピーカーは低音と高音が比較的クリアです。

感度はTY-SR55の方がAM、FMともに上のようです。


ステレオ感はSRF-A300の方が圧倒的に上。ステレオ放送受信中のサーという雑音はSRF-A300が弱電界でかなり聞こえるのに対してTY-SR55ではサー音はほとんど聞こえずクリアです。

ステレオ/モノラル切り替えスイッチをモノラルに切り替えFMステレオ放送を受信してもサー音が残るSRF-A300に対し、TY-SR55のスピーカーからはサーというノイズは気になるほど聞こえません。

バックライトの明るさはTY-SR55が圧倒的に上です。SRF-A300は真っ暗闇でようやく点いているのがわかる程度です。





ここまでTY-SR55の簡単なレビューと他のステレオラジオとの比較をしました。

受信感度はこのクラスにしては思いのほか高感度。音もSRF-V1BT(下記関連記事参照)を含む、最近の1万円以上クラスのオーディオ用ポータブルスピーカーには負けますがこのクラスでは良好。

造りは値段なりですが電池も6日以上持ち、性能は全体的に期待以上なのでコストパフォーマンスは高いと思います。

難点は付属のACアダプターを使うとAMラジオに雑音が入ることです。これはFMラジオまたは補完放送を受信するか、乾電池駆動で回避する方法があります。使い方や個体差かもしれませんが、この制限さえ押さえればTY-SR55は快適に使えるラジオといえるでしょう。

新製品情報記事(関連記事参照)でも取り上げましたが、肩ベルトとステレオスピーカーのある2バンドラジオは2017年1月現在市場に見当たらないので、TY-SR55はかゆいところに手の届くラジオと思います。

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