2016/10/11

ソニー ラジオ登録数を拡充したCDラジカセ CFD-S70発表

SONYから新しいCDラジオカセットレコーダーが発表されました。
(CFD-S70 公式サイトから)

CFD-S70 - ラジオ/CDラジオ・ラジカセ - ソニー


CFD-S70は名前のとおりCDプレーヤー、カセットレコーダー、ラジオが三位一体となったパーソナルオーディオシステムです。

大きさは幅31×高さ14×奥行き21.2センチ。重さは乾電池込みで約2.3キログラムです。コンセントによる電灯線のほか新品の単2アルカリ乾電池6本でCDが約10時間、カセットテープ再生時約15時間、ラジオ聴取時約23時間使用できます。

スピーカー出力は1.7+1.7ワットと、一般住宅のひと部屋だけで楽しむには十分な音量があります。重低音を増強するMEGA BASS機能も搭載されています。

ヘッドホン端子のほかICレコーダーやオーディオプレーヤーが接続できる音声入力端子(ケーブルはオプション)も装備しています。



各部を見ていきましょう。まず外観から。

本体は黒、白、ピンクホワイトの3色から選べます。
(CFD-S70 公式サイトから)

操作ボタンは本体上部に集約され、そこを探せば使える親切設計となっています。
(CFD-S70 公式サイトから)

液晶表示にはバックライトを搭載。カセット操作中の液晶表示は不明ですがラジオ聴取時、CD再生時、外部音声入力時は周波数や再生時間などが液晶表示されます。

電源ボタンは本体上面左端奥。音量は本体上面右端奥にあり、ボタン式の電子ボリュームとなっており長期使用時のボリュームのガリ音が出ない仕組みです。

リモコンは付属しません。時計機能、目覚し機能はないシンプルな構成となっています。



次に各機能をチェックします。

CDプレーヤーはCD-RとCD-RWに対応。音楽CDのほかフォルダー下にある普通のMP3ファイルが再生可能です。CD録音機能はありません。再生モードはプログラム再生など一般的な機能を一通り備えています。語学学習用のA-B区間リピートはなさそうです。

カセットレコーダーはノーマルポジションのカセットに対応し録音と再生が可能です。ボタンはカチッと力を入れて押す機械式。フルオートシャットオフに対応しボタンを押したまま放置することによるテープの伸び、本体の故障の心配がありません。

ラジオはFMとAMの2バンド。FMは76~108MHzのFM補完放送対応のワイドFM。AMは恐らく531~1710kHzに対応しています。V-Lowマルチメディア放送のi-dio(アイディオ)音声や地上波デジタルテレビ音声は聴取できません。

外部音声入力端子は恐らくステレオ。カセットテープへの録音は生産完了となったと思われるCFD-S51同様可能と思います。

このほかCDをカセットテープへ録音するCDダビング機能、ラジオをカセットテープへ録音する機能、スリープタイマーに対応しています。



さて、CFD-S70は前作のCFD-S51と見た目がそっくりです。どんな機能が違うのか見ていきましょう。

■CFD-S70にあってCFD-S51にない機能
  • MEGA BASS
  • スリープタイマー
  • (スリープ)タイマーボタンの追加
  • カセットテープのフルオートシャットオフ(CFD-S51は録音と再生時のみ)
  • FMは20局、AMは10局までのラジオのプリセット(登録)
  • プリセット選局用「登録局選択+/-」ボタンの追加
  • +2時間電池の持ちアップ(新品アルカリ乾電池動作時)
  • 消費電力が1.2Wから1.1Wに減少

CFD-S51にあってCFD-S70にない機能
  • モノラルミキシングマイク外部入力(カセットテープ録音機能含む)
  • 外部マイク拡声

マイクロホン入力端子廃止以外は細かいアップデートがなされているようです。

なおピンク色を選ぶ場合、写真ではCFD-S70のほうがCFD-S51よりも薄くなっています(下記はCFD-S51のピンク)。
(CFD-S70 公式サイトから)



CFD-S70の発売は今年10月22日土曜日を予定。気になる価格はソニーストアで税抜き7880円です。

細かい機能アップが図られたCFD-S70ですが、音にこだわらずカセットテープは時々使う程度、何よりもカラオケを楽しみたいのであればCFD-S51を選ぶとよいでしょう。

個人的にはAMラジオのこもり具合は解消されているのか、CDの音質は良くなっているのかが気になります。

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2016/10/10

TVアニメにあのスカイセンサーが登場!?

2016年10月から放送開始されたテレビアニメにソニーのスカイセンサーが登場しています。プロモーションビデオを貼り付けておきます(音量注意)。



(Youtube公式サイトから)

この丸い形状は明らかに、かつて一世を風靡したBCLラジオ、スカイセンサー5900(ICF-5900)後期型のSWバンドスプレッドダイヤルです。



作品のタイトルは「Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-」といいます。下記予告編ビデオの51秒付近で主人公「我聞悠太」がICF-5900のアンテナをポップアップさせ電源を入れる様子が描かれています(音量注意)。



(いずれもYoutube公式サイトから)

現在BCLを楽しまれている or かつて楽しまれていた方は思わずニヤッとしてしまうのではないでしょうか。



Wikipediaによると本作品の作者は昭和40年代生まれの志倉千代丸氏です。1970年代はまさしくBCLブーム真っ只中。氏も恐らく幼少期にBCLブームの洗礼?を受けたと思われます。



この作品中でBCLラジオICF-5900がどのようにストーリーに関わるのかは今後放映される本編を見てのお楽しみですね。

最近の漫画やアニメにアマチュア無線の交信シーンが登場することはありますが、BCLラジオを操るシーンの登場は珍しいのではないでしょうか。



ちなみによしお所有のICF-5900は前期型。スプレッドダイヤル等が後期型とは異なります。


ご存知のとおりICF-5900は絶版で、高値ではありますが秋葉原界隈、全国の電気街、リサイクルショップなどで中古品が入手可能と思います。なにしろ40年以上前の製品ですから見つけたとしてもサビが発生したり部品が欠けていたり、一部またはほとんど動作しないジャンクの可能性は十分あり得ます。

もし入手を検討中の方は表紙がまさにスカイセンサー5900となっているなつかしBCL大全などで操作方法を理解するなど、十分な下調べをされてからがよいでしょう。


なおポップアップアンテナ、スプレッドダイヤルとマーカーによる周波数直読という遊びゴコロのあるギミックを装備したラジオの現行品は2016年10月現在存在しません。

しかしダイヤルを回し放送電波を探す醍醐味を堪能するアナログチューニングやカチッとしたメカニカルスイッチ操作など、古きよき雰囲気が味わえるラジオはソニーのICF-EX5MK2が挙げられます。

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2016/10/03

オーム電機 3バンドポータブルラジオRAD-T550N登場

AudioCommブランドのオーム電機ラジオ RAD-T550Nが今年(2016年)6月から発売中です。
(公式サイトから)

AudioComm DSP ポータブルラジオ[品番]07-6595 | オーム電機




RAD-T550Nは単1電池4本またはコンセントの電源で駆動するAM, FM, ラジオNIKKEI(短波)の3バンドをカバーするデジタル選局ラジオです。

大きさは23.7×14.8×6.4センチと、500mlペットボトルを少し伸ばした程度の幅。重さは別売りの電池込みで約1.4キログラムです。

RAD-T550Nはデジタル選局方式のため選局ダイヤルをくるくる回しチャンネルを合わせる必要はありません。



本体にスヌーズ内蔵目覚まし時計機能があり、ラジオと目覚まし時計の2つが一つになっています。ラジオの時報で時計を自動で合わせる機能はありません。

時計とラジオの周波数を表示する液晶にはバックライトを内蔵し夜間でも確かめられます。
(公式サイトから)

内蔵スピーカーはモノラルですがステレオイヤホン端子があり、お手持ちのステレオヘッドホンでFMステレオ放送が楽しめます。CDやICレコーダーをつなぐ外部入力端子もあります(ケーブル非付属)。
(公式サイトから)

最も注目すべき性能は電池の持ちです。仕様によると単1アルカリ乾電池4本でスピーカー出力時に約310時間(13日間)以上も持つとのこと。

ステレオイヤホン使用時は約390時間(16日以上)も使えるとのことです。最近のラジオは連続100時間程度が主流ですのでRAD-T550Nは停電時や非常時にも強い味方になることでしょう。

電源コードをコンセントへつなぎ使用中に停電するとラジオが止まります。電源コードを本体から取り外すと乾電池での動作が始まります。





これだけでは終わりません。今度はマニアックな視点でRAD-T550Nを観察します。

FMとラジオNIKKEIを受信するロッドアンテナは推定で最大伸長時80センチと大柄のため短波の受信感度は期待できるかもしれません。


RAD-T550Nにはお気に入り放送局ボタンが3つあり、AM/FM/ラジオNIKKEIの各3つ周波数を登録できますが、これに加えメモリー選局機能も装備しています。メモリー選局はAM/FM放送局が各22局まで、合計44までの周波数が登録可能です。

要するにRAD-T550NはAM/FMが合計で50まで、ラジオNIKKEIが3まで周波数を登録でき、44あるメモリー選局はお気に入り放送局ボタンとは別ということです。さながらソニーのワンタッチ選局とエリアコールの選局のような考え方です。


本体正面の「設定/オートスキャン」ボタンは4秒長押しすると「オートスキャン」が始まります。この「オートスキャン」は単純にスキャンが動作する意味ではなく、スキャンした結果を"メモリー選局"へ自動的に登録する"オートストア"の意味となるので周波数の上書きには注意しましょう。

説明書の記載は見当たりませんでしたが、恐らく本当の"オートスキャン"動作は選局上下ボタンを長押し(スキャンが動作するのか分かりませんが)と思われます。

その他、見た目からの想像ですがRAD-T550Nは電源ボタン、お気に入り放送局ボタンと音量ボタンが本体正面についており、頻繁にボタンを押すと使いづらいと思われます。





さて、RAD-T550Nの競合機種は同等スペックを誇るソニーのICF-M780Nが思い浮かぶでしょう。
(公式サイトから)

今度はRAD-T550NとソニーのICF-M780Nの特徴を簡単に比較します。

◆RAD-T550NにはありICF-M780Nにはないもの
  • スヌーズ機能
  • 外部音声入力端子
  • 誤動作防止ロックスイッチ
  • ヘッドホンでのFMステレオ受信(ICF-M780Nは両耳モノラル)
  • 単1乾電池4本で最大390時間の長時間使用(ICF-M780Nは単2乾電池3本で最大100時間)
  • 折り畳み式持ち運び用ハンドルあり(ICF-M780Nは持ち運び用の手を入れる穴が本体裏にある)
  • 電子音のアラーム(ICF-M780Nはラジオ起動のみ)
  • お気に入り放送局とは別に放送局を登録するメモリーがAM/FMで各22装備
  • メモリー選局用の+/-ボタンがある

◆ICF-M780NにはありRAD-T550Nにはないもの
  • 音量つまみ(RAD-T550Nは+/-ボタン)
  • ワンタッチで放送を呼び出せるお気に入り放送局ボタンが5個(RAD-T550Nは3個)
  • 重さが電池込みで約1.1キログラムと軽量(RAD-T550Nは約1.4キログラム)

RAD-T550Nの多機能ぶりが明らかです。




以上、オーム電機のRAD-T550NをICF-M780Nとの比較を交え考察しました。

気になるRAD-T550Nの市場価格は現在5千円程度と、ICF-M780Nの半値以下となっています。

価格は選択肢の一つですが、こだわり派としては敢えて複雑なお気に入り選局ボタンと44のメモリー選局、オートスキャンを攻略して真のポケ...もとい、RAD-T550Nマスターを目指すのも本機を選ぶ理由の一つとなるのかもしれません。

あとは「高感度」のうたい文句がどれほどのものか、ですね。

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【追記】ソニー、ラジオNIKKEIが聴けるホームラジオICF-M780N(2014/01/22)