2019/12/28

AR-DV10ファーム1912Aのショートカット登録操作説明

AORのデジタル復調ハンディ受信機AR-DV10ファームウェアが1912Aベータ版へアップデートされました。ここではアップデートで新規追加された「ショートカット機能」を説明します。
AOR AR-DV10(ファーム1912Aベータ版適用)

AR-DV10についてはAR-DV1とのスペック比較記事が下記関連記事にあります。ファームウェアアップデート方法はAR-DV10の説明書にあります。



■ショートカット機能とは


ショートカット機能はAR-DV10の操作をより良くする機能です。

お手持ちの無線機や広帯域受信機の操作キー周辺に文字が書かれているのを覚えているかと思います。
八重洲無線 VX-8D(生産完了)の操作キー周辺の文字

例えば八重洲無線のVX-8Dで周波数ステップを変える場合は側面の「F」(機能キー) +「2」を押すとすぐにステップ変更できます。

AR-DV10のショートカット機能は、これに相当する操作を(ようやく)実現できる機能なのです。


■実際にどうやって操作するか


一般的な無線機や受信機の操作は「F」や「Fn」などといったキーを押してから別のキーを押して機能を呼び出します。

AR-DV10は「CLR」下の鍵マークのボタンが「F」や「Fn」に相当する機能キーに当たります。

AR-DV10の実際の操作は "鍵マーク" + "2" のように、1~9(9通り)までの数字を押して機能を呼び出します。


■設定方法


"サーチ(プログラムスキャン)開始" を "1" へ登録する例を説明します。

これまでAR-DV10でサーチを始めるには「MENU」 + 「4」 + 「1」のように3回キーを押さなければサーチできませんでした。
しかし、これから説明する操作をすれば今後、"鍵マーク" + "1"でサーチが開始できるようになります。

(1) 鍵マークを押す


ショートカット呼出メニュー画面が表示されます。


(2)「.(点)」を押す


ショートカットの編集モードに入ります。


(3)「1」を押す


ショートカット操作を登録する数字キーを選ぶ画面が表示されます。


(4)「1」を押す


画面左上に小さな鍵マークが点滅しているのを確認します。


(5)「MENU」を押す


メニュー画面が表示されます。画面右上に鍵マークが点滅し続けているのを確認します。


(6)「4」を押す


引き続き、画面右上に鍵マークが点滅し続けているのを確認します。


(7)「1」を押す


画面左上に小さな鍵マークが点滅しているのを確認します。


(8) 鍵マークを押す


登録するショートカット操作に名前を付ける画面が現れます。


(9) ショートカットに名前を付ける

「←」「→」キーで名前のカーソルの移動、「CLR」キーで1文字削除ができます。

よしおは SEARCH と入力しました。


(10) 「ENT」を押す


これで次回からサーチ開始を"鍵マーク"+"1"で開始できるようになりました。


■実際に操作する

現在AR-DV10はサーチ動作中のはずですから「ENT」でVFO-Zの状態にし、サーチを止めます。

それでは"鍵マーク"+"1"を押してみてください。サーチが開始されたはずです。

うまくいかない場合は鍵マークを押し、1番に先ほど登録したショートカットの名前 "SEARCH" が表示されていることを確かめてください。


■ショートカット機能登録例

よしおはサーチ開始のほかにスキャン開始、ステップ変更、VFO-Aの操作を割り当てました。

モード切替は既にボタンがあるので、このショートカット機能を使うことでサーチ、スキャン、VFO、ステップ操作の手間が1/3減ります。




AR-DV1とAR-DV10(オプションの専用ケース装着時)


AR-DV10にショートカット機能が追加されたことで、階層奥深くに巣くうメニュー項目までたどり着く操作の手間が減ります。

このショートカット機能の操作法がしばらく続くかは分かりませんが、ひとまずファームウェア1912A以降に対応する操作法ということで、ここに備忘録として残します。

(関連記事はこの下です)


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ファームウェア1904Bを搭載したAOR AR-DV10受信機


■サーチモードの途中でONにしたはずのDIGI DISPがOFFになる場合がある


DIGI DISPとは、デジタル通信のグループコード(UC、CC、RAN、NAC等)の詳細情報をAR-DV10で表示する/しないを選ぶ設定です。
AR-DV10(ファーム1904B)のDIGI DISP設定(上記6番)

ファームウェア1904BのAR-DV10では、VFOモードでDIGI DISPをONにしても、サーチ中にグループコード等の情報が表示されない場合があります。

また、サーチ中にDIGI DISPを開くとVFOモードでONした設定が勝手にOFFになっている場合もしょっちゅうです。
AR-DV10(ファーム1904B)のDIGI DISP ON/OFF画面

サーチ中のDIGI DISPの動作をいろいろ調べた結果、どうやらAR-DV10はサーチバンク毎にDIGI DISPのON/OFFを個別設定しているのでは?という推測にたどり着きました。



この推測が正しければ、DIGI DISPのON/OFF設定は
  1. VFO、サーチ、スキャンにかかわらず一括で設定される
  2. VFO、サーチ、スキャンの各モードで個別設定される
  3. サーチバンク編集画面でサーチバンク毎に表示ON/OFF設定できる
等の方針を採ることで、使い勝手がより良くなると思います。





AR-DV10の受信データーファイルをLOG EXTRACTで表示すると、秘話コードとユーザーコード(UC)が実際に受信した結果と異なる場合がある


LOG EXTRACTについては、本記事下の関連記事に詳しく書いています。

問題の症状は、実際には秘話設定のない(秘話コード「00000」の)通話が、LOG EXTRACT上であたかも"秘話コードが設定されている"ように表示される場合があるというものです。

要はAR-DV10の実際の受信結果とLOG EXTRACTの表示が違うのです。

具体的な症状は下記です。
  • 受信中の秘話コードが「00000」でも、LOG EXTRACTで開くと以前手動入力した秘話コードが固定表示される(注:以前手動で入力した秘話コードは、現在AR-DV10で表示されている秘話コードと必ずしも一致しない)
  • このとき、UC(ユーザーコード)には以前手動入力した秘話コードの下3桁が表示される

過去に秘話コード「27144」を手動入力したことがあり、現在は「27144」と別の秘話コード解析結果がAR-DV10内に表示されている状況で、秘話コードのない460MHz帯のデジタル簡易業務を受信したLOG EXTRACT表示例を以下に示します。
LOGEXTRACTで開いた簡易業務の受信結果ログ表示例
この例では受信した秘話コードのない3波のうち2波に対して、「27144」の秘話コードが掛かっているように見え、ユーザーコードは「27144」の下3桁「144」が誤って表示されています(実際の受信ではデフォルト)。

AR-DV10のLOG機能に問題があるのか、LOG EXTRACT側に問題があるのかは分かりません。


少なくともLOG EXTRACTには、実際に受信したときの本当の秘話コードとUCなどのグループコードを表示して欲しいものです。

また、話は少し逸れますが、この症状からAR-DV10はキーボードから手動入力した秘話コードと、解析した秘話コードの2つの秘話コード記憶領域を内部に持っているらしい(=設計バグ?)ことが想像できます。





今回はファームウェア1904Bを適用したAR-DV10のDIGI DISPの設定がサーチ中に変わる症状と、LOGEXTRACTの表示が実際の受信結果と違う症状を少し掘り下げました。

そもそもAR-DV10にはVFO受信中やスキャン中、サーチ中に受信していないにもかかわらず、受信したと誤判定する異音が度々発生するという、当初から抱えている問題はあります。これも多機能である所以なのでしょうね。

次期ファームウェアのアップデートにより、今回遭遇した不具合らしき症状などへの対応を期待したいと思います。

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