2016/05/28

CQ出版 AMラジオアンテナUZ-77復刻版を近日発売

ミズホ通信のAM放送受信アンテナがCQ出版から復刻発売されます!

{取扱い商品} 中波ラジオ受信用補完アンテナ - CQ出版

(公式サイトから)

発売される受信用アンテナは20センチ角のプリントループアンテナUZ-77 CQ FiveNine PLUS。ミズホ通信が発売していたUZ-77のリバイバル品のようです。

セットには主に5メートルケーブルと基台付プリントループアンテナ、アンテナコントローラー、ラジオとUZ-77アンテナを接続するケーブル2種類が付属。電源となる単3乾電池2本はオプションのようです。

オリジナルのUZ-77に付属していたはずのACアダプターは今回付属とはならないためUZ-77の後ろに単3電池2本をセットして駆動する方法が主となるようです。トランス方式のACアダプター自体が入手難の昨今ですから仕方ないかもしれません。


出力結合ループによりAM外部アンテナ端子のないAMラジオにも2~3回巻き付け高感度受信が可能。どんな小型ラジオや据え置き型にも対応できるはずです。カーステレオのカーラジオは...工夫次第で高感度受信できるようになるかもしれません。


最近はFM補完放送が目立ちますが、radikoがなくても遠距離受信が比較的手軽に楽しめるAMラジオをまったり楽しむのもいいですね。



このUZ-77復刻版 UZ-77 CQ FiveNine PLUSは6/1から上記リンクから購入可能となるようです。1万円以上ですからどうやら送料無料のようですね。

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2016/05/26

デイトンハムベンション2016ぶらり散策

米国オハイオ州にて開催されたデイトンハムベンション2016の会場を散策しました。ここではその模様をほんの一部だけ紹介します。


チケットを購入し、まずは屋内ブースへ入場します。


アイコムアメリカのブース。キャラクターMaxくんがお出迎え。


ケンウッドUSAのブース。話題のD-STARデジタルハンディ機が展示されていました。


米八重洲無線のブース。FT-891などがタッチ&トライ可能な状態で展示されていました。


Wireless Holdingsのブース。DV4mobileなどが披露されていました。


MFJのブース。同社製品が展示販売されていました。


WHISTLERのブース。WS1088やWS1098のほか新製品TRX-1、TRX-2が実機デモ展示されていました。

ここでは省略しますが他にもIC-7300の対抗馬として登場した米国製新型SDRトランシーバーなど、日本にはない顔ぶれが見られました。



次に屋外フリーマーケットへ。下の写真はほぼ開場直後のあるブースです。

比べるのはおこがましいですがKANHAMの屋外フリーマーケットの比ではなく、一日では回り切れないほど巨大です。刺激が大きすぎるため割愛しますが、中には滅多に見られないレア品もありました。



以上、ハムベンション2016の会場の一部様子を簡単に紹介しました。

日本のハムフェアーもよいですが本場はやはり迫力が違いますね。スポーツをTV越しに見るのと競技場で観戦する違いがあるように、インターネット越しに見るのと実際に体験するのとでは大違いです。散策の甲斐はありました。



余談ですが、アメリカ滞在中はユニデンアメリカのBCD436HPが大活躍。

日本では見られない本領発揮の雄姿が見られただけでも鼻息が荒くなり終始大興奮でした(笑)

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2016/05/12

JVCケンウッド 特小UBZ-M51L,UBZ-M51S,UBZ-M31発表

JVCケンウッドから単3電池1本で使用可能な特定小電力トランシーバーが3機種も同時に発表されました。

UBZ-M51L_M51S_M31|特定小電力トランシーバー|商品情報|ケンウッド

( UBZ-M51L(左), UBZ-M51S(右)。公式サイトから )

( UBZ-M31。公式サイトから )


UBZ-M51L, UBZ-M51S, UBZ-M31共に単3アルカリ乾電池1本または単3ニッケル水素充電池1本駆動に対応した免許資格不要で使える特定小電力無線機です。通話距離を伸ばせるオプションの中継器UBZ-RJ27に対応します。

大きさは幅4.7センチ、高さはアンテナを除き8センチ、厚みは2.2センチ。重さは電池込みで約110~120グラムとスマートフォン1台分相当です。電池は本体のみの使用で最大24~26時間程度連続で使用できます。


3機種ともに中継器を使用した通話が可能。UBZ-M51シリーズとUBZ-M31の違いは大きく下記3点と防水防塵性能で、下記3点の機能はUBZ-M51シリーズにのみ搭載されています。
・エマージェンシー&バックグランドトーン
・セカンドPTT
・簡易スキャン

防水防塵性能については、UBZ-M51シリーズは水深1メートル30分までの水没や砂没に対応。UBZ-M31は突然の大雨や水掛けに対応し水没砂没は不可です。


詳細は公式商品サイトの説明を参照いただくとして、UBZ-M31とUBZ-M51シリーズ共通の機能をいくつかピックアップしますと

・38波のグループモード
・簡易内緒話(スクランブル)
・1クリックで送信開始/終了が切り替えられるPTTホールド
・電池寿命お知らせ音声アラーム
・オートパワーオフ(解除可能)
・グループコードを一致させて空きチャンネルを探すオートチャンネルセレクト
・10種類の呼び出し音切替
・受信専用モード
・音声自動送信(VOX)
・イヤホン接続モード

等があります。



次に「通話告知音機能」の「通話開始告知音」と「送信お知らせ音」について、ややこしいのでまとめてみます。
※2016/5/26追記:製品情報に「送信お知らせ音」機能の説明が分かりやすく追加されました

「通話開始告知音」とは通話ボタン(PTT)を押した後に話す開始のタイミングを話す人に知らせるビープ音です。PTTを押しビープ音が鳴ってから話し始めるとこちらの話の最初が切れる可能性が少なくなるという、相手に確実に内容を伝えるための機能です。この「通話開始告知音」は話者にのみ聞こえ、伝える相手にはこのビープ音が直接聞こえないようになっています。

補足ですが「終話告知音」とはPTTを離したor1クリック後に"送信終了しました"という動作を話す人に知らせるビープ音です。「通話開始告知音」同様、このビープ音は相手に直接聞こえません。


「送信お知らせ音」はUBZ-M51シリーズまたはUBZ-M31同士で会話する際に、どの人のトランシーバーから電波が出ているか耳で分かる機能で、言い換えると話す人が区別できる音です。この音は5種類から選べます。5種類以上は話す人またはトランシーバーを識別できません。

ここではホテルでの運用を例に「送信お知らせ音」の利便性考えてみましょう。あらかじめ1階のフロント担当用の「送信お知らせ音」を"1"、2階宴会場の「送信お知らせ音」を"2"とすると、通話開始の音だけで1階の連絡内容なのか2階の宴会場の用件か分かります。

UBZ-M51シリーズにのみ搭載されたセカンドPTTと簡易スキャンを「送信お知らせ音」と併用すると、異なるチャンネル毎に別の「送信お知らせ音」を設定することで液晶のチャンネル表示を見なくても どの階の通信なのか一目ならぬ一聴きでわかり、煩わしさが少なくなります。


「通話開始告知音」と「送信お知らせ音」の違いをまとめますと、前者が話す人に話すタイミングをお知らせする機能、後者が話している人を聞き手が区別するための機能と言えます。




今度はマニアックな観点でUBZ-M51シリーズをチェックしましょう。

まず、UBZ-M51シリーズには期待に応えたロングアンテナモデルUBZ-M51Lがラインナップされています。UBZ-M51Lのアンテナ長は18.5センチと最長クラス。ショートアンテナモデルUBZ-M51Sのアンテナ長は7.5センチです。アンテナはいずれも固定式。回転収納しようとしたり引っ張ると壊れます。

アンテナの取り付け位置はベルトクリップ取り付け時に腰に干渉しにくい本体上面の中央出し方式。使用者の装着時のストレス軽減が期待できます。

また一部中継モードでは1mW連続送信に対応。混信低減のためにチャンネル使用中を常時第3者に知らせるなど、応用した使い方も可能です。

音量ツマミは電源スイッチと共用のため、直前の音量レベルは保持できません。このため使用前の音量調整が電源を切る度に毎回必要です。頻繁に業務で使用する場合はマイナスポイントと思います。

全チャンネルスキャン機能は残念ながら装備されていませんが3つまで登録したチャンネルのメモリースキャンは可能です。単信チャンネルと半複信チャンネルの混在スキャンは対応している可能性が高いです。スクランブルはチャンネル毎に設定できないため注意しましょう。

スケルチは3段階となしの4種類がセットモードから選べます。バッテリー着脱時の蓋が落下しないようになっているのは好感が持てますね。


使用上の注意点ですが、UBZ-M51/M31シリーズはオプションを接続する端子形状が2ピンのはめ込み式から1ピンのねじ込み式へ変更されています。変換ケーブルを使用する方法もあるでしょうが防水防塵性能維持や信頼性確保のためにも、従来のケンウッド製のスピーカーマイクやイヤホンマイクをお持ちの場合は買い替えが必須となるでしょう。





まとめに入ります。

UBZ-M51シリーズ、UBZ-M31は単3電池1本でほぼ丸1日使用可能な、中継器対応の特定小電力トランシーバーです。特にUBZ-M51Lはロングアンテナを搭載し、「とび重視」のうたい文句通りワンランク上の通話性能が期待できます。

実勢価格はUBZ-M51シリーズが1万5千円前後、UBZ-M31が1万3千円前後と予想します。折り畳み式アンテナバージョンが欲しい場合は、従来オプションが使用可能で機能は少な目ながら最長72時間使用可能な単3電池1本モデルUBZ-EA20Rがよいでしょう。


本体のデザインは日本語表示と直線が多用されシンプル。送信お知らせ音といい1mW送信機能といい、UBZ-M51シリーズのみケンウッドロゴが金色といい、なかなか魅力的な無線機がまた一つ登場しましたね。

個人的にはオプションの直線を多用したUBZ-M51シリーズとUBZ-M31に合いそうな、シンプルなデザインのスピーカーマイクSMC-35がツボです。
( SMC-35。公式サイトから )

水没砂没対応ならばKMC-55ですが、やはり本体との統一感を出すにはまさに業務用に見えるSMC-35のデザインがいいですね。
( KMC-55。公式サイトから )

両スピーカーマイクロホンに装備されたイヤホンジャック径はなんと2.5ミリ。恐らく2.5ミリプラグのKEP-6など
( KEP-6。公式サイトから )

純正スピーカーマイクには純正イヤホンの使用が推奨されているのでしょうが、この斜め上を目指しているお茶目さが際立っていて最高です(笑)

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2016/05/07

AR-DV1のキーン音の考察

ご存知のとおりAORのデジタルボイスレシーバーAR-DV1を使用しています。
ファームを最新の1602Aに更新しましたが以前お話ししたようにAR-DV1のキーン音が相変わらず煩わしいです。

このキーンという音声がAR-DV1から出ていることは個人的には間違いないと思いますが「聞こえない」という方がいらっしゃいましたので事実をチェックしました。


最初にキーン音の発生がスピーカーからなのかそれ以外なのか不明であったためAR-DV1のPHONESジャックにステレオミニプラグを差し込んでみました。

結果、何も変わりませんでした。これはキーン音がスピーカーからではなく内部から出力されていることを示唆しています。


次にAR-DV1のノイズを録音し音声成分の解析を試みました。

* 検証機材
- AOR AR-DV1
- SONY ICZ-R250TV ICレコーダー
- WaveSpectra 音声成分解析用ソフト
- 音声成分解析用PC

ICZ-R250TVには44.1kHz/16bit リニアPCM録音機能があります。


検証方法は以下です;
1) ICZ-R250TVでAR-DV1のキーン音を録音
2) WaveSpectraで音声成分をチェック


結果は以下の通りです;
(AR-DV1電源切時)

(AR-DV1 D-CRモード受信時)


上記のようにAR-DV1から高域音声ノイズが発生していることが分かりました。ピークは9.6kHz, 12kHz, 14.5kHz, 17kHz, 19.5kHzです。もしかすると19.5kHzは折り返し歪みかもしれません。

恐らく音声周波数が高音のため人によっては聞こえないと思います。よしおがオオカミ中高年?でないことは証明されました(苦笑)



ひとまず懸案事項は解決しまし...おっと、このAR-DV1の高音ノイズを止めるという真の問題がまだでした。

モスキートノイズとの戦いはまだ始まったばかりです(笑)

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2016/05/03

SONY CF-1980IIラジカセ見学 in 旧豊郷小学校

琵琶湖で有名な滋賀県。その豊郷町に位置する豊郷小学校旧校舎群は1937年に建設された、国の有形文化財の一つです。機会があったのでこちらを訪問、見学しました。

この旧校舎は一部の方の間では"K-ON!"という漫画・アニメーションの舞台となったことでよく知られているようです。



社会見学の話はさておき、今回は一般公開されている豊郷小学校旧校舎群の最上階に展示されていた、上記漫画・アニメーション作品中に登場したといわれているソニーのCF-1980IIについてチェックします。

CF-1980Ⅱは1976年(昭和51年)に発売された"ラジカセ"です。

ラジカセとは音声録音以外にラジオも録音できるラジオレコーダー(関連記事の上の「AM&FM受信ラジオレコーダー一覧」参照)のひとつで、録音再生メディアがカセットテープのものを指します。再生専用のラジカセも一部にはあったと記憶しています。

電源は動作するものであれば単1電池8本またはDC12V駆動、AC駆動の3電源。この展示品のCF-1980IIはあくまでも展示物のため実際に動作するかは不明です。


今ではラジカセ自体が絶滅危惧種ですが、このCF-1980Ⅱはラジカセが現役であった当時の目線で見ると、一見どこにでもあったモノラルラジカセです。ところが本体上面には一部の高級機にのみ装備される自動調整機能付き!?録音ボリュームと高性能なCrO2テープの使用種類切替スイッチが見え、この時点で曲者...ただのラジカセではないことが分かります。

ライン入力にも対応。スピーカーはなんとウーハーとツイーターの2ウェイでカセットテープに録音された音声を最高13kHzまで鳴らし切ります。

カセット部は1クリックのフェザータッチ式ではなくメカニカル式ですが高級機にのみ装備されているはずの、押したボタンが動作完了後に機械仕掛けで自動的に元に戻るフルオートシャットオフ対応と、かなり気合が入っています。CF-1980Ⅱの"STUDIO"の称号は伊達ではないようです。


ラジオの受信バンドはMW(AM)、FMに加えなんと3.9~12MHzのローバンド短波にも対応しています。ラジオNIKKEIが全波受信できますね。


選局窓の右に配されたメーターはV/Uとラジオの信号("S")強度、電池チェックの3機能に対応。右端の焼き肉屋のテーブルにありそうな網状のものは内蔵モノラルマイクです。


左端には暗所での操作サポート用のバックライトスイッチが装備されています。


低音と高音の独立調整ツマミとAMラジオ録音用のISSスイッチやFM受信用のAFCスイッチまでも装備。現代ではシンセチューニング機がほとんどですからAFCスイッチはまず見かけないでしょう。


ユニデンアメリカ製スキャナーBCD436HPを横に並べるとCF-1980IIの前では巨大と言われる本体がコンパクトに見えます(笑)。




以上、簡単ですがソニーのラジカセCF-1980IIをスペックを交えながらチェックしました。

AM/FMに加え短波の受信と録音が可能。針式Sメーター兼V/Uメーター付きで布団をかぶった暗闇でも暗視ゴーグルなしで動作が見えるバックライト内蔵。加えて、より高音質が期待されるカセットテープで録音でき、録音ボリュームも調節可能。
デジタル全盛時代の現代に何故か、まともな短波放送録音機能付きラジオレコーダーは本記事執筆時点ではなかなかお目にかかれません。

これほどの機能を有するCF-1980IIが発売当時BCLブームであったことを考えないとしても、どれほど人気を博したかは想像に難くないでしょう。




このCF-1980IIはよしおが見学した際には豊郷小学校旧校舎群の3階に展示されていました。見学マナーが良くない場合は展示が中止されるとのことですので良識を持ち見学したいものです。

建物もさることながらCF-1980IIの実物に興味があればこちらの旧豊郷小学校を訪れてみてはいかがでしょうか。


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