2013/06/05

近紫外線(ブラック)ライトの製作

ふとしたことがきっかけで急にUV(紫外線、ブラック)ライトを自作しようと思い立ちました。

UVライトを作るためにはパーツショップで紫外線LEDと電源を揃えるのが近道です。今回は持ち運び式UVライトが欲しかったので電源は乾電池式としました。なおボタン電池式の市販品は電池が切れやすく、コストパフォーマンスに優れないことから今回は検討対象外です。



製作予定のブラックライトはスポット照射が目的でハイパワーを必要としないものです。

まず思いついたのは白色LED自作電子工作キットで紫外線LEDを光らせること。しかし電子工作キットはハンダ付けと完成基板をおさめる箱の調達が面倒です。

できればハンダ付けや加工は最小に抑えた上でコストを下げたい・・・よしおの出した結論は



「100均USB白色LEDライトと完成品の
乾電池USB電源を組み合わせ、
白色LEDをUV LEDに換装する」



それでは構成部品を紹介しましょう。
 
左から直径5ミリ近紫外線LED(オプトサプライ製OSSV5111A 120円)、乾電池USB電源(210円)、100均のフレキシブル白色USBライト(105円)と単三電池(手持ち)です。久しぶりにパーツ屋さんを歩きまわりました。

電池代はないものと考えるとお値段なんと435円! しかもハンダ付けはたったの2箇所! もはや電子工作を語るのも怪しいほどです。

この構成なら電子工作キットのケースを手に入れる手間・加工時間とお金のすべてが節約できそうですし小学生も簡単に工作できると思います。 部品を探し回った時間は・・・まあ楽しんだ時間ということにしてください。通販では味わえない、実店舗をめぐってお店の方と話すのもなかなか良いものですよ(笑)。



少しばかり話が脱線しました。気を取り直して最初にUSB白色ライトの分解から始めましょう。以下に示す分解加工はくれぐれも自己責任でお願いします

入手した105円フレキシブルLEDライトはフレキシブルアーム端にゴム製ネジがあり、ライト後ろ側から見て反時計回りに回すと銀色のキャップが外れる構造となっていました(以下)。


白色LEDについている透明キャップを外します。摩擦だけでくっついているので回すことなく簡単に外せます。


たまたまこのUSBライトの中に入っていたLEDが5ミリでしたので、今回買った5ミリのUV LEDと簡単に交換できそうです。
 
USBフレキシブルライトについていた白色LEDの配線をよく観察し、紫外線LEDの足をニッパやラジオペンチで加工します。LEDには極性があるので十分注意してください(間違えるとUV LEDが壊れる可能性があります)。最初からついている抵抗はそのまま使いましょう。

白色LEDについているリード線をはんだごてで外しもう一度LEDの極性を確かめ、外したリード線を間違えないように紫外線LEDにハンダ付けします。


ハンダ付けが終わったら乾電池USB電源に電池を入れ、ハンダ付けしたUSB LEDライトをつなぎ動作チェックします。

近紫外線LEDが見事に紫に光りました。白色LEDからUV LEDへ換装成功です! ハンダゴテの電源は切っておきましょう。

なお近紫外線LEDは暗く見えますが、人には見えていないだけで実際には紫外線が大量に出ています。くれぐれも光っているLEDを直視しないように!!



その紫外線の凄さの証拠をご覧に入れましょう。

下の写真は10年前に製作した、秋月電子のデジタルUV(紫外線量)計キットの完成品で、30ワット蛍光灯に直接UVセンサーを当て紫外線量を測っているところです。

参考までにこのキットのセンサーは260~400ナノメートルの紫外線が測定でき、370ナノメートルの紫外線にピークが来ていますので入手したUV LEDの波長をぎりぎりカバーしています。


30ワット蛍光灯からは1平方センチメートル当たり0.1ミリワットの紫外線が出ているようです。



今度は白色LEDを換装したばかりのUV LEDの光を直接デジタルUV計に入れます。

1平方センチメートルあたり1.42ミリワットで、単純計算してもなんと30ワット蛍光灯の15倍の紫外線量! LED光の直視は間違いなく危ないですね。

換装したUV LEDから紫外線が期待通り出ていることはこれで分かりました。



ということで、ハンダごてを温め冷やした時間を含め、20分程度の作業で無事、UVブラックライトが製作出来ました。

今回紹介した部品は地域や時期によっては手に入らない場合もあります。挑戦される方は工作に必要な知識をお持ちの上、くれぐれも自己責任でお願いします。うまく動かないとき自分でいろいろ工夫するのも楽しみのうちです。

以上、近紫外線(ブラック)ライトの製作でした。



-----
[関連記事]
簡易扇風機、形状変更後

簡易扇風機の自作

「だれでもできる電波通信実験」AM送信機製作

卓上ライトの製作~輪番停電に向けて

5 件のコメント:

  1. こんにちは。記事を参考にさせていただきながら私も自作してみました。母体は100均のLEDでハンダ付けなしのものなので単なる電球交換でしたが、鉱物はちゃんと蛍光するので大満足です。ありがとうございました。

    素人なのでよく分からないのですが、私が買った紫外線LEDは長波だと思うのですが、短波のLED球は小売されてないものなのでしょうか?短波の紫外線は体によくないという話も聞くので一種の危険物扱いなのでしょうか?

    返信削除
  2. 匿名さんこんにちは。お返事遅れてすみません。

    短波とは370ナノメートル未満のことでしょうか?
    具体的な数字は失念しましたが、数ヶ月前今回使用したものより短波のものも販売されていたのを確認しています。
    危険物扱いに関しては申し訳ありませんが知識がなく回答できないことをご容赦ください。

    返信削除
  3. 匿名さん

    すみません上のコメント一部訂正します。370ナノメートルの未満のLEDはまだ見たことがありませんでした。思い違いでした、失礼いたしました。

    返信削除
    返信
    1. ご回答ありがとうございます!買ったお店で聞いてみます、と言いたいところですが、先月閉店してしまったアキバのラジオセンターなんですよね…
      知り合いにセンサー類の開発さんがいるのでそっち方面にも当たってみます。
      ありがとうございました!

      削除
  4. ラジオセンターでしたか・・・たしかに閉館してしまい残念ですね。
    機会がありましたら秋月電子や千石電商、若松通商、マルツ電波など有名パーツショップを回られるのもよろしいかと思います。
    お礼ありがとうございました。

    返信削除

現在コメントに返信できない状態です。ご不便をお掛けします。