・For more details, check out the manual for AR8200D! - AOR, LTD.
オーストラリアのある販売店ではAR8200D初期ロットが3月に完売となっていました。
上記リンク先にあるとおり、AR8200DはAR8200MK3のアップグレード版という位置づけです。
具体的なアップグレード項目は
● APCO25復調
● オプションカードレスのトーンスケルチ(グループモード)デコード
● オプションカードレスWAVフォーマット音声録音
● オプションカードレス音声反転型秘話解読機能
● USBインターフェース
です。
AR8200MK3とAR8200Dの違いについて、順を追って見ていきましょう。
> ● APCO25復調
APCO25では
(2013/5/22訂正:AMBEはAPCO25では開発中で、現状はIMBEのみ使用されているため、AR8200Dでは国内の351MHz帯の登録局や簡易デジタル業務は復調不可と思われます)
2012年ハムフェアのAORブースで351MHz登録局無線復調のデモンストレーションを行なっていたことは記憶に新しいと思いますが、それがハンディ機でも実現する可能性が高いということです。
(2013/5/22訂正:APCO25のコーデックは現状IMBEのためAMBE使用の国内のデジタル無線は復調不可と思われます)
> ● オプションカードレスのトーンスケルチ(グループモード)デコード
AR8200DではオプションカードCT8200が不要となります。
> ● オプションカードレスWAVフォーマット音声録音
AR8200Dは本体でサンプリング周波数18kHz 16ビットの非圧縮音声がマイクロSD/SDHCカードへ録音可能です。
加えて録音した内容の本体再生も可能となっています。これによりレコーディングカードRU8200が不要となります。
ただしスケルチ連動録音機能はサポートされず、手動で録音開始・停止のボタン操作となります。
> ● オプションカードレス音声反転型秘話解読機能
AR8200Dアメリカ司法機関向けモデルは音声反転型秘話解読調整が可能です。オプションカードVI8200は不要となります。
> ● USBインターフェース追加
AR8200Dの底部には新たにマイクロSD/SDHCカードスロットとUSB端子が追加されます。
これにより外部メモリカードEM8200、トーンエリミネータカードTE8200が使用不可となる一方パソコンとAR8200DとのUSB直接接続が実現します。
以上の変更に伴いAR8200MK3のオプションカードイジェクトツマミが録音停止ボタンと動作ランプに換装されます。これは即ち、すべてのオプションカードの使用不可を示唆しています。
オプションカードTE8200が使えなくなる一方でトーンエリミネータカードに相当する機能追加の言及は特にありません。想像ですが鉄道無線の空線信号が現在海外で流通しているAR8200Dでは除去できないようです。
このようにAR8200DはAR8200MK3の受信性能にデジタル復調機能を追加しPCとの親和性を高めたAR8200MK3のアップグレード品との位置づけですが、個人的な感想としては外観が同じであってもオプションカードが使えない状況からアルインコのDJ-X8とDJ-X81の違いのように新製品と見るのが妥当と考えています。
2013年5月現在AR8200Dは海外のみの取り扱いとなっており国内では入手困難です。また、これもAORアメリカ限定ですがシリアルナンバーが05xxxx、055xxx、15xxxxの個体に限り、手持ちのAR8200MK3をAR8200Dにアップグレードするサービスを行うそうです。
日本のAORからの公式発表は2013年5月現在まだありませんから、お手持ちのAR8200MK3の改造を国内のAORへ依頼しても実現しないでしょう。
どうしても・・・という方はまず05xxxx、055xxx、15xxxxシリアルナンバーを持つ、アメリカで販売されているAR8200MK3を用意しましょう。
そしてこちらに記載されています内容に同意しアップグレード費用約3万円と往復送料&関税手続き等を覚悟の上、アメリカのAORに(もちろん英語で)連絡されてはいかがでしょうか。アップグレードが受けられるかもしれません。
いずれ国内でもアメリカのAR8200Dそのものか、それに類する(デジ簡と空線信号に対応する)製品の発表もあり得ます。
まずは落ち着いて今後の動向を見守ろうではありませんか。
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[関連記事]
・AOR、AR6000発表
・アルインコDJ-X81考察
・AMBE+2とは~無線用語
P25のボコーダーはIMBEではないでしょうか。
返信削除匿名さん、こんばんは。
返信削除再度調べてみたところ、P25でAMBEは将来使用予定のため目下開発中とのことで、現状はIMBEが使用されているようでした。
ご指摘のとおりです、記事訂正します。ありがとうございました。