2011/02/28

ぶらり秋葉原、ぶらりラジオデパート

私事ですが先日所要で久しぶりに秋葉原のラジオデパートまで足を伸ばしました。しばらく自作関連から遠ざかっていたのでラジオデパートは本当に久しぶりでしたが入った途端まるで「おかえり」と言われたような、懐かしい雰囲気に包まれ何とも嬉しい気分にさせられました。

そんな雰囲気の中ラジオデパートを散策していたところ古き良き時代の面影を目の当たりにし、感激してしまいました。
それはたまたま化粧室へ用を足しに行ったとき、ふと窓の外に目をやった途端、青空の下写真のような景色が眼の前に広がったのです。



恐らくこれは今はパソコンショップになってしまったツクモ電機屋上にあるタワーと思われますがこのような景色が未だ秋葉原に残っていたんですね。いやぁ嬉しいものです。

無線屋さんからパソコン屋さんへと方向転換したツクモ電機屋上にあるアマチュア無線のアンテナ。今でもローテーターは可動するのか、あるいは無線機がつながっていて電波が出せるのかなど気になってしまいます。
もしかするとインターネットが使用できなくなったときの通信手段として残してあるのかも・・・なんて勝手に想像しながらその日はラジオデパートを起点として秋葉原を散策していました。

ヨドバシカメラ登場という大変革に始まりUDX建設、そして秋葉原デパート跡地にアトレが誕生してもなお秋葉原に古き良き時代の風景が残っている、これは実に感慨深いことです。

2011/02/25

ビクターとケンウッドが年内に合併!?

無線大手のケンウッドがA/V大手のビクターと合併するとの情報が入ってきました。

現在両社はJVC・ケンウッド・ホールディングスの傘下にありますがそれが年内にも合併という形で製品開発や生産業務をまとめるようです。

この記事を書いている現在、ケンウッドとビクターの公式サイトには(またもや)まだ情報がありませんが、両社の車載製品や業務用製品の売り上げが順調に推移していることや海外からの資金調達が成功したことなどを踏まえると今後は今以上に斬新な製品の発売が期待できます。

JVC(ビクター)とケンウッドのブランドはどちらも存続だそうですからJVCロゴのついたトランシーバーを見る可能性は低いと思われます。個人的にはそれはそれで見てみたい気もしますが・・・。

2011/02/24

auの3G網サービス終了カウントダウン開始か?

現在では非接触認証技術が非常に多く使われています。もっとも身近なものとして関東圏ではSuicaやPasmoといったHF帯の電波を使ったもの、315MHz帯を使った車のキーレスエントリーが挙げられますが950MHz帯を使った電子タグも普及しているようです。

その950MHz帯を使っている現行の電子タグの周波数割り当てを将来的920MHz帯に変更する審議が総務省で開始されました。

「920MHz帯電子タグシステム等に関する技術的条件」の審議開始

この発表内容によると国際競争力強化の観点から欧米の900MHz帯に割り当てられたISMバンドに合わせ現在の950MHz帯の割り当てを915MHz~928MHzに移行したいとあります。

この周波数を見て「これは・・・」と思われた無線フリークの方もいらっしゃるでしょうが敢えて何が問題となるか挙げさせていただきましょう。
現状国内の915~925MHzにはKDDI(au)がサービスしているCDMA2000方式の携帯電話が、925~940MHzにはNTTドコモの携帯電話がそれぞれ割り当てられています。つまり影響を100%受けるのはKDDIの携帯電話サービス事業ということになり、auの携帯電話無線機をお持ちの方はこの総務省の方針によって数年後半ば強制的に端末の買い替えを迫られるという訳です。

この審議はKDDIからの反発を受けることは間違いありません。総務省がいち早くCDMA方式の携帯電話サービス事業を開始したKDDIを納得させるには周波数移行による電波利用に係る費用の割引きが思い付きます。

現行の第3世代携帯電話もいずれLTE-Advancedを使った第4世代に移行する必要があることからその時期が早まっただけとも捉えられますが、現在auの携帯電話をお持ちの方にとってこのニュースは不安を煽る内容に変わりはないものでしょう。しかし裏を返すとこれによりauユーザーは他の携帯電話サービス会社よりもいち早く第4世代サービスの恩恵が受けられ最先端技術を手中にできると解釈もできます。

いち早く3Gサービスを開始したKDDI。現状3.9GのLTEサービスはNTTドコモが一歩リードしていますが果たしてKDDIは3Gのときと同様、他社に先駆けて4G(LTE-Advanced)サービスを開始できるのでしょうか。

2011/02/23

アマチュア無線国家試験からモールス廃止の方向

総務省はすべてのアマチュア無線技士国家試験からモールス通信に関する試験項目を外す方針を検討しているようです。

無線従事者規則の一部を改正する省令案等に係る意見の募集

ざっと資料を見ますとこの規則改正が施行された場合、第1級と第2級のアマチュア無線技士国家試験からモールス電信実技科目が事実上消滅するのと同時に、現行では存在する1級・2級アマチュア無線の免許を取った人が一定期間その上の無線技師免許を受ける場合の試験免除制度がなくなるようです。

アマチュア無線免許の試験項目から完全にモールス電信がなくなる訳ではありませんが、実技がなくなるため今後1級・2級のアマチュア無線免許がこれまでよりも容易に取得できることをこの改正案は示唆しています。

今回のアマチュア無線技士の国家試験からモールス電信の実技がなくなる改正案には賛否両論あると思いますがこの改正案が万一成立した場合、アマチュア無線に親しむ方が今まで以上に多くなるかという質問を投げかけられると少々考えてしまうのもまた事実でしょう。

2011/02/22

デジットからフルデジタルオーディオアンプキット

無線とはあまり関係がない話題かもしれませんが自作関係のトピックスとして取り上げます。

フルデジタルオーディオパワーアンプキット「D_5709kit」販売開始!

上記リンク先の記事にあるとおり、かつてワンダーキットの名前で電子工作キットを販売していた大阪の共立電子(=デジット?)オリジナルの電子工作キットです。

電子工作キットとは言っても電子部品は基板に取り付け済みとなっており、半田付けが必要なのは入出力ケーブルや端子だけですから初心者でも失敗が少ない設計となっているようです。
リンク先の説明にあるとおり、基板に実装済みの部品はオーディオ用として申し分のない高級なものが使用されているようです。

フルデジタルアンプのためアナログ入力端子は装備されていません。ボリュームやバランスつまみに可変抵抗が使われていますがこの出力はA/D変換されプログラム済みのAVRマイコンで制御されるため、可変抵抗の劣化が直接音質に与える影響は少ないでしょう。
可変抵抗という単語でピンと来た方は可変抵抗内部がさびてバリが発生したときの処理がマイコンでどのように制御されるのかに疑問に思われるかもしれません。

オーディオブームが近年再燃しつつあるとのことですからこれを機会に自作を楽しまれる方が増えることを期待しましょう。

2011/02/21

ドコモ、SIMフリー端末を発売予定

個人的には通常の無線機とはライバル関係と考えているのであまり取り上げたくはありませんが、明るいニュースですから今回は特別に携帯電話無線機のニュースを取り上げます。


NTTドコモがついにSIMフリー端末を発売する意向を固めたようです。この件についてこのブログを書いている現在公式サイトには発表されていませんが、ユーザーが待ちに待った時代が来ることになりました。

実際に発売される日時は今年(2011年)の6月を予定しているそうです。他社に先駆けてSIMフリー化を宣言した理由としては恐らくソフトバンクが独占発売しているiPhoneのSIMフリー化を促すものと考えられます。

携帯電話無線機のSIMフリー化によって端末価格の高騰が考えられます。また登録局対応デジタルトランシーバーや特定小電力トランシーバーそれぞれに独自機能があるのと同様、NTTドコモから発売予定のSIMフリー端末の一部機能(imodeボタンなど)は他社サービス会社では使えない可能性があります。

これで日本で購入したNTTドコモの端末が通信方式と周波数の合った海外のサービス会社でも使えるようになります。中国人や韓国人などの観光客がNTTドコモの端末をお土産に購入し中国や韓国などで使えるようになります。もっとも現行の約款では携帯電話購入条件は日本に居住していることが前提のため、今回の端末SIMフリー化で日本に居住しない外国人がSIMフリー端末を買えるのかは疑問です・・・。



少なくとも今回のNTTドコモが発表したこのニュース、国内ではNTTドコモの端末をソフトバンクの回線で使えることを示しています。NTTドコモのサービスエリアはソフトバンクよりも広いですからドコモユーザーがソフトバンクに乗り換えることは少ないと踏んでのSIMフリー化でしょう。

総務省は携帯電話サービス会社に今年からSIMロック解除を求める指針をすでに公示していますからソフトバンクやauがどの程度この求めに応じるのかが今後焦点になりそうです。

2011/02/18

NHKが国内ラジオ放送のネット配信を予定

NHKは2/16、国内で放送するラジオのインターネットサイマル放送実施の方針を明らかにしました。

発表によるとNHKは2011年度中、つまり今年中のネット配信開始を計画中だそうです。
NHKラジオ第1、第2、NHKFMすべてがネット配信されるのか、あるいは一部なのか、詳しい内容の策定はこれからですがradikoに触発されたのかついにNHKも動き出しました。

現在NHKは短波ラジオで聴ける国際放送をインターネット上でも配信していますが国内の放送を配信する取り組みはNHKにとって初めての試みですからどのようなサービスになるのか期待してしまいます。


なお海外向けNHK国際放送の日本語ストリーミング配信ページはご存知のとおりすでにNHKが公式に開始しています。下記関連情報にそのストリーミング放送のリンクを掲載しましたが、やはりラジオ国際放送のメインは短波です(普通のラジオでは聴けません)からできれば短波ラジオで聴きたいものです。

短波放送が聴けるラジオは近所のホームセンターや大型電気店で買えるはずです。短波ラジオがあれば必ず放送が聴けるわけではありませんが、ダイヤルを合わせて電波を探することも短波放送を楽しむ醍醐味のひとつです。興味のある方は是非トライされてはいかがでしょうか。

参考として気軽に買える各メーカーの短波ラジオ商品情報を以下に掲載します。中にはデザインが現代の流行から多少外れているものもありましょうが敢えてレトロ感を味わうのも一興でしょう。
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[関連情報]
NHKワールド|海外向けラジオ番組
NHKワールドラジオ日本 放送周波数表(pdf)

[気軽に買える短波ラジオ商品情報]
ELPA  液晶付 AM/FM 短波ラジオ ER-21T-N
ELPA  AM/FM 短波ラジオ ER-20T-N
ANDO  12バンドレシーバー AR5-440SD
ANDO  ラジオレコーダー ER9-336D
OHM  12バンド短波ラジオ RAD-S312

2011/02/17

[速報]太陽活動で近々通信障害の恐れ

アメリカCBSニュースから少々やっかいな情報です。

Biggest Solar Flare In Years Headed For Earth << CBS Los Angeles(英文)

この記事を簡単に邦訳しますと国際宇宙気象予報センターのBob Rutledge氏が太陽活動による影響で近日中に地球の通信機能に障害が発生する可能性が高いことを伝えたそうです。

具体的にはこの太陽活動が携帯電話や電信など無線を使う通信とGPSなどの航法装置に影響する可能性が大いにあるとのこと。
発生する日時はアメリカ時間で2/17-18とのことですから日本では2/18-19と言い換えられるでしょう。

衛星放送、短波放送やAM、FM放送にも普段とは異なる症状が現れるかもしれません。北海道ではオーロラが観測できる可能性もあります。
これほど重要なニュースが日本で報道されないのは不思議ですが、無線航行業務や衛星運用業務、送電や発電など、人工衛星や宇宙、電気に携わられている方は(すでにご存知でしょうが)十分な注意が必要です。
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[関連情報]
臨時 NICT 宇宙天気に関する臨時情報(2011年02月16日 09時20分 (JST))
宇宙天気ニュース
SpaceWeather.com(英文)

V-Lowマルチメディア放送参入希望状況

総務省からV-Lowマルチメディア放送に関する意見募集と参入希望調査の結果が公表されました。

V-Lowマルチメディア放送の制度枠組みについての意見募集及び参入希望調査の結果の公表

参入希望の様子を見ますとV-Hi(アナログ4-12chテレビ放送帯域)のデジタルラジオ放送事業と様子がほとんど変わらないように見えます。
現在133社から参入希望があるということですから思った以上にV-Low帯域が放送事業に使われる可能性が大きくなってきました。

具体的に提示された意見はこのブログを書いている現在、文章へのリンクが切れているため定かではありませんがV-Low帯域でマルチメディア放送が開始された場合、恐らく伝送方式はV-Hiで開始予定のデジタルラジオ放送とほぼ同じとなる可能性が大いに考えられ、対応する受信機もV-LowとV-Hi両方が受信可能なものとなるでしょう。

V-Low帯域を使ったサービスが果たして放送だけとなるのか、はたまた双方向となるのかも謎ですが双方向サービスとなった場合はブロードバンドとの差別化、すなわちV-Lowならではの、「マルチメディア放送」という独自性をどう現すのかが今後の焦点になると考えています。

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[関連記事]
デジタルラジオ放送事業に130社が参入を希望
総務省、"V-Low"周波数活用の意見を募集

2011/02/16

ドコモ、LTE-Advanced予備免許を取得

携帯電話キャリア大手のNTTドコモが神奈川県内でLTE-Advancedの通信実験を行う免許を取得したことを公表しました。

第4世代移動通信方式LTE-Advancedの実験用予備免許を取得 -実験試験局免許取得後、実証実験を開始-

報道資料を見るとLTE-Advancedが"4G"つまり第4世代と表記されていることに気がつきます。
現在の3.9世代と言われているLTE(とはいえパフォーマンス向上はこれからですが)に対してAdvancedが4世代・・・少々疑問はありますが、CDMA方式から3Gが始まったことを考えると10年以上経ってようやく世代交代する様相を見せています。

LTE-Advancedには無線に関する最新技術が詰め込まれています。特に電波の有効活用に関するものが多々あります。電波の変調方式や誤り訂正符号の可変適用、複数の送信所から一つの周波数で複数のデータを伝送する技術、マルチパスによる通信エラーを抑止する閉ループ送信ダイバーシティ技術など、現在のアマチュア無線通信をはるかにしのぐ水準ですよね。

LTE-Advancedはアメリカを始め世界中で活用される動きになっているようですから たとえばヨーロッパの有名ファッションブランドの端末を現地で購入し日本に持ち帰って普通に使う、なんて夢もそれほど遠くはないでしょう。

2011/02/15

ワイヤレスマイク等の引っ越しに最大2千億円

800MHz帯再編の続報です。
少々前の話ですが2月2日、総務省が国会へ提出する電波法改正案の概要が明らかになりました。

ワイヤレスマイクなどが使用されている現在の700~800MHz帯は高速通信サービスLTE(Long Term Evolution)に割り当てられることが国会で審議されるようです。したがって何もしない場合現在のワイヤレスマイクロホンが使えなくなる可能性が非常に高くなりました。

総務省は周波数移行に関する費用を最大2千億円参入希望するサービス会社に負担させるそうですが、結局のところユーザーが支払うことに変わりありません。ただ700MHz帯はアメリカでもLTEに一部割り当てられることが決定していますから通信規格の共通化により端末の互換性が図れる可能性もあります。

詳細はこの電波法改正案が通過した後に決定されるようですので国会審議の様子、要注目です。

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[関連記事]
パブリック・セーフティの通信規格がLTE!?

2011/02/14

ICZ-R50現物を受信マニア目線で分析(写真あり)

本日首都圏は大雪で降り始めから数時間で少ない場所でも数センチは積もっています。外出中の方は十分注意してご帰宅ください。

さて本題ですがソニーから2/21発売予定のAM/FMラジオ内蔵ポータブルラジオレコーダーICZ-R50の感触を確かめるべく、ショールームへ偵察に行ってきました。

なぜこのラジオ内蔵ICレコーダーにスポットを当てるのか、あらためて紹介しますと以下の点が上げられます。
・カタログに「AM放送もFM放送も、高感度設計でしっかり受信」と記載
・AMラジオ用の外部アンテナ端子装備
・192kbpsのMP3フォーマットラジオ録音機能


ICZ-R50の概要は他の方が紹介されていますからここはひとつ受信フリークをうならせる部分がどこにあるのかに注力してレポートします(ちなみにこれからご紹介する写真は撮影許可を得ています)。


まずメニューを開いたところ以下のような目を見張る設定を発見しました。


お分かりいただけますでしょうか。驚いたことにラジオの自動スキャン中の感度を設定する項目と思われます(ICZ-R50はプリセット(エリアコール)選局以外にマニュアルでも周波数を変えられます)。

これはすばらしい機能です。強電界地域や雑音の多い環境ではスキャン感度を低に設定することでサーチ中の誤動作を軽減できそうです。



次はFMアンテナをチェックしてみます。

目測で50cm程度はありました。まるで短波ラジオ並みです! FMラジオ専用にこれほどのテレスコピックアンテナを誇るポータブルラジオを現代ではそうそうお目に掛かることはありません。



次はAM外部アンテナ入力端子周辺をチェックしましょう。

AM外部アンテナ端子は上の写真のようにFMアンテナの付け根付近にあります。
このAMアンテナ端子は最近のコンポーネントステレオ背面に設置されているものと同じ2極タイプです。繰り返しとなりますがAM外部アンテナ端子を持つポータブルラジオは現代ではそうそうお目に掛かれるものではありません。



AM外部アンテナ端子の次は外部AMアンテナのチェックです。

写真左手前がICZ-R50に付属予定の外部AMアンテナです。ICZ-R50の大きさが手のひらよりもふた回りほど(A4用紙の半分くらい)ですからアンテナの大きさがどれほどのものかよく分かります。



受信感度も驚くべき結果となりました。このICZ-R50がショールームの奥まった場所に展示してあったにもかかわらずAMラジオは内蔵アンテナで周辺ノイズの影響を受けながらも比較的クリアに聴取可能で、FMラジオもアンテナをまったく伸ばすことなくノイズがほとんど気にならないレベルで受信可能というものでした。これは実際に稼動させたときの性能にかなり期待が持てます。

FMアンテナの感度がよくない場合はアンテナにFMアンテナを接続した同軸ケーブルの芯線をつなぐことで受信が安定するでしょうが、この受信性能を見る限りは必要ないかもしれません。



オーディオ面も少しチェックしました。
音質ですがMP3 192kbpsで録音したラジオ番組を内蔵スピーカーで確認しましたが高音がシャリシャリする音の破綻は確認できませんでした。
内蔵スピーカーは低音が少ないものの、DJの声や音楽ははっきり聞こえ高音にもこもりはありませんでした。くっきりステレオで再生されています。



録音レスポンスですが録音ボタンを押してから感覚的に0.3秒くらいのタイムラグで録音開始される性能を有しているようです。「しばらくお待ちください」という現代ではよくあるメッセージは確認できません。エアチェック(ラジオを録音すること、死語?)するには申し分ない高速応答性です。

ちなみに停止ボタンで録音を停止した後次に録音開始可能となるまでの所要時間は内蔵メモリー使用時おおよそ5秒でした。これは状況によって変化するでしょう。録音一時停止機能もあり、この状態でボタンを押すとすぐに録音状態に復帰できますから実質空白の5秒はさほど問題にはなりません。



以上のように今回ソニーから発売されるポータブルレコーダーICZ-R50はレコーダーの性能もさることながらラジオの受信性能もあなどれない結果となりました。語学学習やおけいこ用だけではもったいないほどのポテンシャルを秘めています。
しかもこれほどの性能にもかかわらずこの入手しやすい驚異的な価格はエジソンもきっと驚くことでしょう。ラジオの入りがよくない場所にお住まいの方もこの製品なら満足するはずです。

ICZ-R50にはソニーの本気ぶりがよく現れています。



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[関連記事]
ソニー、SDカード対応ラジオレコーダー

※写真の転載はご面倒でもご遠慮願います

2011/02/11

CP+で無線機ウォッチング(+α)

CP+は年に一度開催されているカメラと写真の総合展示会で今年が開催2回目となります。今回バーテックススタンダードのVX-8Dを片手に、そしてカメラをもう片手で持つイメージでCP+を楽しんできました。会場でどの程度無線機が使われていたのか見てきましたのでちょっとだけ紹介しましょう(後半にグダグダ感が漂っていますが不要な方はスミマセンが読み飛ばしてください)。



まずCP+開場前の入場整理に無線が使われていました。早速サーチしたところ驚いたことに使われていたのは特定小電力トランシーバーではありません。詳細は割愛しますが恐らくCP+会場のパシフィコ横浜では電波出力が弱すぎて使えなかったものと考えられます。

次に目に付いたのは各メーカーのブースです。来場してすぐ右側にあるソニーのデジタル一眼レフ貸し出しコーナーではなんと一人で2台腰にさしている女性スタッフを発見! 一方はケンウッド製、もう片方はなんとモトローラロゴが入っているものでした。
一人で二台持つ光景はめったにお目にかかれないので早速「腰についたままの状態で写真を撮らせてください」と申し出たところあっさりと断られました・・・カメラと写真の展示会で普通無線機を見せてとは言われないはずですから当たり前ですよね。

ソニー以外のブースでも比較的大規模にブースを展開している場所で無線が使われていました。チェックしたところ全員が同じインカムをつけていたことから会場で貸し出しているであろうことが予想できます。他にも入場や施設警備でインカムをつけた警備員がいました。



・・・と無線の話題はここまでにします。真面目な方はこの先読み飛ばしていただいてかまいません。

ここからはプラスアルファ要素、カメラ小僧となったよしおの独断と自己満足的に絶対プッシュしたいCP+2011の見どころを紹介させていただきましょう。

ズバリ! リコーのブースは必見です!!

よしお的にはメガネ属性と言われるものを持ち合わせていないはずですが今回は特別です。ブース内で黒いメガネを掛けたイベントコンパニオンの方がものすごく輝いて見えました。黒いめがねを少しずらした姿と笑顔があまりにもすばらしくて・・・。

もちろんあらかじめお断りを入れた上で、そしてメガネの位置を少し調節させていただいた上できっちり撮影させていただきました。
撮影後の人物写真が撮影中以上に引き立つことがあまりなかった身としては非常にうれしい限りです......と、ここまでせっかく話を引き伸ばしておきながら、残念ながら理性が働いてしまったためこの場ではその写真の掲載を控えさせていただきます(笑)



以上のように(最後がグダグダになってしまいましたが)、今回のCP+2011は無線要素とプラスアルファ要素が両立された、まれに見るすばらしい総合展示会となっています。客層も男性に偏らず、子供から大人まで千差万別で入りやすい空気に満ち溢れています。
無線の活躍も肌で感じられますしトランシーバー二本差しもめったに見られない光景ですので、気になった方は足を運んでみてはいかがでしょうか。なおこのCP+2011は2/12(土)が最終日となっています。

2011/02/10

デジタルラジオ放送事業に130社が参入を希望

ご存知のとおり、日本国内では今年の7月末にテレビ放送のデジタル化が終了します。7月末以降のデジタル本放送が開始するとこれまでテレビ放送に使われてきた1-12chの帯域に空きができます。

アナログ1-3chのV-Low帯域の用途はまだ確定していませんがアナログ4-12chに割り当てられているVHFハイバンドは2013年秋からデジタルラジオ放送が開始予定となっています。そのデジタルラジオ放送事業に参入希望する数が現時点で130社に上ることがわかりました。


デジタルラジオで何ができるのか簡単に紹介しますと、放送がデジタル化することによる高音質化をはじめ映像や文字情報といったデータ放送も可能とのことです。つまるところ“見えるラジオ”の再来といったところでしょうか。
今後開始されるデジタルラジオ放送は現在市販されているラジオでは聴けないことから新たな受信機(というかラジオ)は専用のものが必要です。



総務省によると現在15社程度が放送用インフラ整備会社に出資の検討しているとのことです。その中にはNHKや東京FM、TBSラジオなどといった名だたるラジオ局をはじめ首都圏や地方の放送局も参入の意向を示しているそうです。

今後のデジタルラジオ放送開始のスケジュールですがまず今年の3月に放送事業者選定の基本指針が総務省から公示され地上デジタル放送完全移行後に事業者選び、そして放送開始という計画だそうです。
事業者選定後に受信機の規格が決まるはずですからデジタルラジオ放送用受信機の開発は2013年の本放送までに急ピッチで進める必要があるでしょう。



デジタルラジオ放送開始により質のよい情報が入手できるようになれば携帯電話サービス会社の回線経由で行っていた通信量が減らせ、無線WANの一層の高速化が期待できるはずです。映像やデータも送れるのですからワンセグ放送やテレビのデータ放送との差別化をどのようにするかが見ものです。符号化による音声遅延も気になるところですね。

個人的にはデジタルラジオ放送に対応した微弱ワイヤレスマイクやトランスミッターが発売されることを期待しています。

2011/02/09

radiko、サービス地域拡大へ

2010年12月から本格運用が始まったradikoですがなんと、エリア拡大が計画されているようです。

新たな放送局の参加及び新たなデバイスへの当サービスの搭載について(pdf)

現行の関東と関西に加え今春以降さらに名古屋、北海道、福岡・・・と聴取エリアが拡大されるようです。
radikoはたとえば北海道で大阪の放送局を聴くといった使い方はできないため先日KDDIがau携帯電話無線機向けにサービスを開始したLISMO WAVEラジオチャンネルとは競合しないと思われます。

あと少しで受信できるのにあの山・あのビルに阻まれて・・・と悔しい思いをされている方、携帯電話の電波が届く地下やトンネル内、新幹線内でラジオを安定して聴きたい方の悩みがまたひとつ解消されそうですね。

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関連記事:KDDI、LISMOで遠方のFMが聴けるサービス ニュース

2011/02/08

ユピテル、レー探の新製品販売イベント開催

近畿圏にお住まいの方に朗報です。

Super Cat レーダー探知機 新製品フェア開催のお知らせ

受信機とレーダー探知機で有名なユピテルが2/11(祝)から13日の間に京都と神戸のオートバックスでレーダー探知機の新製品を特別割引販売イベントを開催するようです。

OBDⅡというあまり聞き慣れないキーワードが登場しますが、これは自動車の各種情報が引き出せるコネクタのことです。OBDⅡ機能に対応したユピテルのレーダー探知機を専用のOBDIIアダプタを介して接続するとレーダー探知機の起動時間短縮やGPSが届かない場所でもレーダー探知機能が作動しやすくするなどの効果があるようです。

OBDコネクタは自動車によって装備の有無や取り付け位置が異なりますからユピテルのレーダー探知機を使った各種OBDⅡ機能の活用を検討されている方は事前にこちら(pdf)の車種対応表を確認しておくとよいでしょう。

2011/02/07

アルインコ、手のひらサイズの特小トランシーバー

登録局対応トランシーバーが発表されてまもなくのタイミングでアルインコからまたまた新製品が発表されました。

交互通話専用 特定小電力型トランシーバー DJ-CH20(B/S)

交互通話中継対応 特定小電力型トランシーバー DJ-CH27(B/S)

DJ-CH20とDJ-CH27の違いは使えるチャンネル(周波数)の数と通信方式(単信と半複信)です。どちらの機種もBは黒色でロングアンテナを、Sはシルバーでショートアンテナをそれぞれ装備。特定小電力トランシーバーという位置づけのため登録局対応トランシーバーDJ-DP10のように入手後アンテナの交換はできません。

現行機種DJ-P22と縦横サイズは同じくらいですがリチウムイオン電池装着時の厚みは約19mmと、ライバルとなるであろうモトローラのMS50とほぼ同じサイズです。付属の単4電池ケース装着時も約27mmと、単3電池1本モデルのDJ-P22よりもスリムです。電池ケース装着時の背面デザインはマルドルブランド、北辰産業のTM-20Sを彷彿させます。

低価格にもかかわらずPTTホールドやVOX、50組のトーンスケルチ、デュアルオペレーション、コンパンダー、秘話、IPX4生活防水、エンドピー・コールトーン、着信ベル、液晶バックライトなど機能も豊富です。中継器対応のDJ-CH27には中継器リモコン機能もあるようです。個人的には着信ベルやコールトーン機能に惹かれてしまいます。
気になる受信感度は某一部情報筋によると上位機種と同じレベルとのことですがカタログと商品ページにはその旨記載が確認できませんでした。


DJ-CH20は発売済みのようですがDJ-CH27の発売は2月下旬だそうです。このスペックでこの価格はあまりにもリーズナブルですからうーん・・・財布の紐が緩む方向です。
話が少しわき道にそれますが今回発表されたDJ-CH20/27に使える発売済みオプションのイヤホンマイクEME-30Aはなかなかかっこいいと感じました。

2011/02/04

パブリック・セーフティの通信規格がLTE!?

米国では日本に先駆けてテレビの地上デジタル放送が完了したようで空いた700MHz帯の一部は新たにパブリック・セーフティ(実に平たく言えば警察無線)に割り当てられました。今回はその700MHz帯のパブリック・セーフティに関する話題です。

FCC Pushes Public Safety Broadband Network  Firehouse | Firehouse.com

この記事にはなんと「FCC(連邦通信委員会)はパブリック・セーフティの)通信インフラの規格としてLTEを利用することを決定した」という理解しがたい内容が記載されています。LTEは周知のとおり日本で2010年11月からドコモが商用サービスを開始した下り100Mbpsの"Xi(クロッシィ)"という無線ブロードバンドサービスが該当します。700MHzのパブリック・セーフティがブロードバンド化・・・これはいったいどういうことなのでしょうか。日本でも認知されつつあるAPCO P25方式のデジタル通信規格はどうなるのでしょうか? そしてアメリカの受信家はもう無線通信を受信機で音声として聴けなくなるということなのでしょうか?

記事にはFCCの公式文章へのリンクがないため真偽を確かめるべくFCCの公式サイトを調べました。
すると700MHzに割り当てられたパブリック・セーフティの内訳はこちらのとおりブロードバンド用途とナローバンド用途に区分されていることが分かりました。つまり上の記事はこのうちのブロードバンド用途に割り当てられた通信方式について述べられているものと解釈できます。言い換えるとナローバンド用途については従来どおりトランシーバーによる音声通信が継続する解釈が可能という意味です。

そしてついに最初に取り上げた記事の真相を証明する資料を発見しました(こちら)。
この資料によるとそもそも700MHz帯に割り当てられたブロードバンド用途の目的は4ぺージA.7.から始まる段落で「ブロードバンド技術基盤は音声や映像、データなどを政府機関や司法、地域という範囲を超えてシームレスに相互利用性をもたらす」という理由だそうです。通信方式は当初WiMAXかLTEとするかで決まっていなかったようですがここにきて資料6ページ初段のとおりLTE採用が決まったとあります。

これでやっと記事の内容が理解できました。あらためて最初の記事の背景と内容をまとめますと
[背景]
アメリカの700MHz帯に割り当てられたパブリック・セーフティ無線はこれまでのような受信機で聴ける音声通信に加え、通報者が容易に現場の状況を伝えられるようブロードバンド通信も可能である
[今回の記事の内容]
そのブロードバンドの通信方式がLTEに決まった
・・・というのが大枠です。

海外の情報は現地のバックグラウンドを知っていないと苦労するものです。ですがこれでAPCO P25方式のデジタル通信は健在である確信がだいたい持てました。今回取り上げた記事は事実確認とその裏に隠された背景確認に手間取りましたが、これによりアメリカのパブリック・セーフティネットワークがいかに重要であるかをあらためて知った次第です。

2011/02/03

無線従事者養成講座に変化あり

アマチュア無線の免許をお持ちの方ならご存知でしょうがスマートフォン・携帯電話やワイヤレスマイク、無線LAN、特定小電力トランシーバーや電子レンジなど無免許・無資格で使える無線機を除き、無線の免許を取る方法としては大きく国家試験合格と無線従事者養成課程修了の2種類があります。総務省はそのうち後者の試験方法見直しを考えているようです。

無線従事者養成課程の実施要領及び同課程の終了の際に行う試験の実施方法の一部を改正する告示案に係る意見の募集

別添2を見る限りは時代を反映し真空管関連の内容除外や要件が若干緩和されるという、どちらかというとこれまでよりも資格が取りやすくなる感じを受けました。
これを機会にアマチュア無線も含め無線免許取得者の若干の拡大が期待できそうです。無線の免許取得に派手さはそれほどありませんが、なくては困る機会もありますから他の人との差別化を図るべく受験や養成過程にチャレンジしてみるのも十分ありと思います。

2011/02/02

連続銀行強盗が無線受信アプリを使用!?

アメリカのオハイオ州から驚きのニュースです。

米国には受信機を持たずともスマートフォンで警察無線が聴けるという、受信家にとっては夢のようなアプリがあるようです。そのアプリを使い警察無線を傍受しながら銀行強盗を重ねていた犯人が捕まったようです。

Hi-Tech: Suspected serial bank robbers used cell phone apps to track police(英文)

この事実は犯人逮捕後に発覚したようで、逮捕の決め手は犯人の足跡だったとあります。女性店員だけの銀行を狙って強盗を働くとは実にふとどきな強盗です。
上記リンク先の英文は非常に短いので英語に不慣れな方でも辞書を引いて楽しめるでしょう。ニュース映像と英文の最後にアメリカンジョークらしき文句もあります。

銀行強盗が警察無線を傍受し犯行を重ねたこの事件をきっかけに先日取り上げましたカナダの受信機終焉の話題の事態が早くも加速する可能性は否定できません。
とはいえ、スマートフォンがあれば警察無線を簡単に聴けるアメリカがうらやましいです。受信機が売れなくなってしまうことへの不安もありますが・・・。

2011/02/01

完全デジタル化への仕上げに向けた動きとは?

本日2月1日はテレビ放送の日ということでテレビ放送の話題を取り上げます。総務省から地上デジタル放送移行の最終行動と運動について公表がありました。

「完全デジタル化最終行動計画」及び「完全デジタル化に向けた最終国民運動」の公表

この公表で個人的に少々気になった内容がありましたのでいくつか列挙してみました。

「完全デジタル化最終行動計画」資料14ページでは総務省テレビ受信者支援センターの活動が紹介されています。同15ページでは地上デジタル放送未対応世帯へは地域の電気屋さんなどの地デジサポーターの個別訪問や地デジボランティア活動が実施とのことです。
完全デジタル化に向けた最終国民運動」PDF資料によると個人への直接アプローチは地デジボランティアによる「草の根運動」が記載されています。

地上デジタル放送への完全移行が7月下旬に迫る中、こちらの「完全デジタル化最終行動計画」PDF資料の最終ページに「最終段階で混乱が生じないような危機管理体制の確立」という文言で何やら穏やかではない雰囲気も見受けられますが、それはそれとしてようやく最終行動に移る総務省の行動計画が示されたことは興味深いです。
特に気になるのはデジタル化を普及促進する役が最終的に国民のボランティアによって支えられていることですが災害ボランティアとは異なるためこれには疑問を持つ方が少なくないはずです。とはいえテレビが見られなくなると困る場合もありますから人の役に立つことには違いないでしょう。

総務省が今回発表した地デジ完了への最終計画資料にある国民の位置づけにあらためて言及するならば、地デジの最終的な担い手は国民のボランティア精神によるところでありまさに“国民はテレビを救う”などといった標語でもつきそうな様相です。
現代の社会で近隣住民との関係が希薄な中、テレビ放送のデジタル化を通して少しでも地域のつながりが生まれることに期待したいものです。