2017/02/22

アルインコ 3者同時通話特小無線機 DJ-P300登場

アルインコから3者/2者同時通話可能な特定小電力トランシーバーが発表されました。

複信 特定小電力トランシーバー DJ-P300|特定小電力トランシーバーと中継器 (ビジネス&レジャー)|電子事業部|ALINCO - アルインコ

DJ-P300 公式サイトから

DJ-P300は同時通話機能に特化した、だれでも買ってすぐ免許などが不要で使える特定小電力トランシーバーです。

従来は2者までの同時通話に対応していましたが、DJ-P300では新たにアルインコ独自開発技術を使用した3者同時通話に対応しました。

3者同時通話時は、一般に必要と言われているオプションの中継器や音声ミキサー、コントローラーなど外部装置が一切不要となっており、携帯電話圏外地域でもDJ-P300がお互い通話範囲内にあれば3者までの同時通話が可能です。もちろん通話料は一切かかりません。

水没砂没に対応するIP67を搭載。単3アルカリ乾電池2本またはオプションのリチウムイオン充電池EBP-60で動作します。ニッケル水素充電池はサポートしませんがDJ-R200Dシリーズ同様、動作はすると思います(メーカーサポート外)。

3つのDJ-P300無線機での3者同時通話のほか、2つのDJ-P300で2者同時通話、台数無制限の単信通話、2台のDJ-P300を使った複信式レピーター、タイムアウトペナルティ短縮モード(半複信、複信)、フリーチャンネル同時通話をサポートします。

中継器を介した交互通話(半複信)モードと半複信用の自局中継器(自分がレピーターになる)モードには対応しません。
DJ-P300 左側面

3者同時通話は以下の手順で成立します;
1) 1人目が呼び出す(1人目のDJ-P300は親機として動作)
2) 2人目が応答する(2人目のDJ-P300は子機1として動作)
3) 3人目が応答する(3人目のDJ-P300は子機2として動作)

1人目のDJ-P300の電源を切ると恐らく他の通話が切れると予想します。
DJ-P300とオプションEDC-167A/R使用時


半複信モードと自局半複信中継器モード、フリーチャンネル同時通話モード以外の他の機能はDJ-R200Dと同じようです。外観もDJ-R200Dと同じです。DJ-R200Dのファーストインプレッション記事が下記の関連記事にありますのでよろしければご覧ください。

スペックから推測するとDJ-P300は複信式特定小電力トランシーバーDJ-P25の後継機と思われます。

なお、DJ-P300が4台あれば4台同時通話が可能では?という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょうが、残念ながら4台のDJ-P300があっても同時通話できるのは3台までです。





さあ、ついに待望の異色の製品が登場しました。

3者間の同時通話が無線機3台だけで可能という製品は2017年2月現在DJ-P300が唯一と言いたいところですが、実は以前ニュース記事に取り上げたソニーのヘルメット着用型スノースポーツ専用BluetoothトランシーバーNYSNO-10も最大3人までの同時通話が可能で、3000台数量限定ながら選択肢としては存在します。

DJ-P300はアナログ方式ですからデジタル方式のNYSNO-10と比べ移動中に「ザッ」音はしますが、ブルートゥース機器を含む2.4GHzは都市部では過密状態のため、総合的な通話品質は恐らくDJ-P300のほうが上と思います。NYSNO-10がスノースポーツ専用なのはこの(人口密集地などでは性能が発揮できない)ためでしょう。

ということで使用場所を選ぶ必要のないDJ-P300の優位性は十分にあります。


DJ-P300の価格は税抜き49800円と、DJ-R200Dよりも1万円高くなっています。一部情報によると発売は今週末(2/24~25)頃とのことです。

(関連記事はこの下です)


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2017/02/10

米八重洲無線 アマチュアハンディFT-25R,FT-65R発表

八重洲無線アメリカは海外向けのアマチュア無線用ハンディ機を2機種発表しました。

FT-65R - VHF/UHF 2 Meter/70cm Dual Band FM Handheld Transceiver(英文)

FT-25R - VHF 2 Meter Mono Band FM Handheld Transceiver(英文)



FT-65Rは海外VHF/UHFアマチュア無線用デュアルバンドアナログハンディ機です。
YAESU FT-65R(公式サイトから)

大きさはアンテナを除き、高さ10.45×幅5.25×厚み3.1センチ、重さは付属標準リチウムイオン充電池SBR-25Li込みで260グラムです。


本体正面には上から⑤スピーカー、⑥マイク、⑦LEDライト、⑧フルドットマトリクス液晶、⑨4つのプログラムボタン内蔵テンキーと上下ボタンがあります。
FT-65R説明書から抜粋



上面には①アンテナ端子、②エマージェンシーボタン、③送受信ランプ、④電源/音量つまみ、ストラップ用穴があります。
FT-65R説明書から抜粋

上記の正面図と上面図から推測すると、アンテナ端子は国内で流通する一般的なメス型SMAコネクタではなく、ケンウッド製351MHz登録局TPZ-D503と同じオス型SMAコネクタのようです。


左側面は①PTT、②モニター/1750Hzトーン、③ファンクションキーがあります。
FT-65R説明書から抜粋


右側面にはスピーカーマイク端子があります。
FT-65R説明書から抜粋


受信周波数は136~174MHzと400~480MHzをFMモードで、65~108MHzをWFMモード 100kHzステップ固定でカバーします。

VX-3VX-8DシリーズVR-160に搭載されている、無線周波数待ち受け時にラジオを受信し無線を受信すると瞬時に切り替わるSUB-RX(AFデュアル)機能は取扱説明書に明記されていないようです。

スピーカー出力は最大1000ミリワットと業務機水準の大音量です。

IP54の多少の砂塵と少雨に対応するだけでなくMIL-STD-810-C, D, Eに準拠し耐久性を確保しています。


FT-65Rの特徴は見た目はフルドットマトリクス液晶やプログラムボタンのほかに、これまでの一般的な入門用トランシーバーとは一線を画す以下の機能が装備されています:
・コンパンダー
・CWトーン送出(ARTS)
・メモリーチャンネル用ネームタグ
・ぺジャー
・秘話(米国版には非搭載)


付属品は標準リチウムイオン充電池SBR-25Li、ACアダプター、付属SBR-25Liを2.5時間で充電する急速充電器SBH-22、ベルトクリップSHB-18、アンテナSRA-15と書類一式です。


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FT-25Rは海外VHFアマチュア無線用モノバンドアナログハンディ機です。
FT-25R(公式サイトから)

FT-25Rの詳細は本記事作成中現在は公開されていませんがFT-65Rのモノバンド版と判断してよいでしょう。FMラジオの搭載有無などは不明です。




今回発表されたFT-65RとFT-25Rは恐らく現行モデルFT-252FT-257またはFT-270Rの後継機と思われますが、もしFT-60シリーズの後継機であればFMラジオを除く受信周波数がスペックダウンするためやや心配ではあります。

一部情報によると米国での発売は今月(2017年)2月中旬ごろ。定価はデュアルバンドハンディFT-65Rが日本円で約2万4千円程度、VHFモノバンドハンディFT-25Rが約1万8千円程度とのことです。

FMラジオ周波数帯が65MHzから受信できるのは魅力的ですが、アンテナコネクタ形状の特殊性などを考えるとFT-65RとFT-25Rが国内で発売される可能性は極めて低いでしょう。

(関連記事はこの下です)

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