2017/03/28

アルインコ DJ-DPS70をDJ-DPS50とスペック比較

ご存じのとおりアルインコから5W登録局のハンディ機DJ-DPS70シリーズが今年(2017年)4月に登場します。
DJ-DPS70 (公式サイトから)


5W デジタル30ch(351MHz)ハンディトランシーバー DJ-DPS70 - アルインコ



今回発表されたアルインコのDJ-DPS70シリーズはアイコムのIC-DPR6やケンウッドのTPZ-D553シリーズと同じハイパワー351MHz登録局(簡易デジタル)無線機です。

誰でも買ってすぐ使える特定小電力トランシーバーの最大500倍のパワーはありますが、残念ながら通話距離も特小トランシーバーの500倍になるわけではありません。

充電池や充電器、アンテナや資格申請書類が一通り揃っているので導入は比較的楽です。レジャー用途ならばイヤホンマイクと予備バッテリーのオプション追加程度で済むでしょう。



DJ-DPS50と比べるとDJ-DPS70シリーズは
  • 強化された独自の秘話機能
  • 音声感知自動送信(VOX)モードの拡張
  • 受信音の自動ボリューム調整(AGC)
  • PTTホールド
  • 音質調整
  • イヤホン断線感知
  • 周波数表示
  • スキャン
  • 秘話あり設定でも秘話なし通信を復調する対象外信号選択
など、新機能が盛りだくさんで期待できそうです。


ということで、発売されるDJ-DPS70シリーズ(DJ-DPS70KA, DJ-DPS70KB)とDJ-DPS50シリーズ(DJ-DPS50, DJ-DPS50B)のスペック比較表を作りました(クリックして拡大)。


青色部分は性能向上と思われる部分、黄色部分は性能低下と思われる部分です。

受信感度は3dBμ低下していますがアイコムのIC-DPR6などと肩を並べる性能です。

電池の電圧が低下しています。恐らく使用時間が増えるのでしょう。

使用温度範囲が-20度からとなりました。低温環境でも使えます。


オプションは最近の同社製特定小電力トランシーバーに使用されている4極防水プラグと同じものが共用できます。バッテリー類を除き、特小無線機からの乗り換え時に出費が少なくなります。

従来の2ピンタイプのオプションを使う場合は非防水となり、専用の変換アダプターEDS-14が別途必要です。

スピーカーマイクなどをつなぐ防水キャップも特小トランシーバーと共用です。業務用途ではオプションは頻繁に着脱しないので、キャップを敢えて着脱式にしたのでしょう。モノラルイヤホンは今回使えるのでしょうか。



さて、DJ-DPS70シリーズの最も注目すべきは小型化と軽量化です。

大きさはDJ-DPS50シリーズでは最も薄い1500mAhのバッテリー(EBP-82)装着時で厚みが4.35センチあり横幅並でした。

DJ-DPS70シリーズでは最も厚みのある3200mAhのバッテリー(EBP-99)装着時でも厚みが4.1センチ以下と、アルインコの351MHz登録局ハンディ機としては驚くべき薄型化を達成しています。


重さはDJ-DPS50シリーズでは最軽量バッテリー1500mAh(EBP-82)装着時で約284グラムありましたが、DJ-DPS70シリーズでは最も重いバッテリー3200mAh(EBP-99)を装着しても約266グラム。

2100mAh電池を装備したDJ-DPS50と2200mAh電池のDJ-DPS70KAの重さを比べると3割近い軽量化を達成しています。



電池の持ちは当記事執筆時点では非公開ですが、DJ-DPS50シリーズのデータを参考にすると単純計算で3200mAhのEBP-99搭載時はバッテリーセーブなしで約16時間、セーブありで約19時間となります。

このスペックならば351MHz登録局ハンディ機ではクラス最長のバッテリーライフとなりますね。

充電時間はEBP-99使用時、DJ-DPS50のデータを使い単純計算すると5.5時間となります。充電器の性能が従来よりも上がっていれば充電時間はより短くなるはずです。


新型EA-248 ロングアンテナ (公式サイトから)

個人的に気になるのは付属のアンテナの型番変更です。見た目はミドルアンテナ(EA-198とEA-247)、ロングアンテナ(EA-193とEA-248)どちらも同じに見えます。ロングアンテナの価格も変更ありません。
現行品EA-193(左), EA-198(右) (公式サイトから)

新型EA-247ミドルアンテナ (公式サイトから)


同じアンテナをそのまま使えば良かったのではと思いますが、アンテナ装着時の本体とのフィット感や素材が異なるのでしょうか。アンテナの性能改善であればユーザーとしてはうれしいです。



DJ-DPS70シリーズのお値段は、標準バッテリーパック付属のDJ-DPS70KAの定価は税抜き47800円、大容量バッテリーパック付属のDJ-DPS70KBの定価は税抜き52800円ですから、実売はDJ-DPS70KAが3万5千円程度、DJ-DPS70KBが4万円前後と予想します。


話はややそれますがこのところ、アイコムのIC-DPR6のアマゾン価格がなんと3万円ジャスト、昨年(2016年)発売されたケンウッドのTPZ-D553SCH(スリムバッテリーパック付属)は3万3千円、TPZ-D553MCH(大型バッテリーパック付属)は3万5千円を切るという状況で、どれも旧価格より5千円以上軒並み値下がりしています。

これは351MHz登録局トランシーバー戦国時代の幕開け前夜でしょうか。



それにしてもDJ-DPS70は本体スピーカー上の四角部分が気になりどうしても目が行ってしまいます。テプラなどで使用者名、呼び出し符号やニックネームを貼るスペースかもしれません。

使用感などは実際に使ってからのお楽しみですね。

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2017/03/25

米ユニデン スキャナー搭載CB機 BearTracker885発表

ユニデンアメリカからユニークなCBトランシーバーが発表されました。

BearTracker 885 - Uniden America (英語)

ユニデンアメリカ BearTracker 885 (公式サイトから)

BearTracker(ベアトラッカー) 885は北米向けのCBトランシーバー BearTracker 880の後継機のようです。BearTracker 885にはCBトランシーバーに加えデジタル復調可能なスキャナーとSDカードスロットが装備されています。

その名の通り、北米でトラックに載せて使う用途を想定しているようです。 直訳するとベア、つまり「熊のトラック野郎」になるかもしれませんがはたして.....。



見た目はBearTracker 880に似ています。このBearTracker 885はBearTracker 880の機能をそっくり装備しているようです。7色カラーディスプレイも引き続き搭載。

ノイズキャンセリングマイクロホンも引き続き付属します。

違いは本体右上のSDカードスロットでしょうか。おまけになんと、GPSも本体に内蔵しているようです。


スキャナーのデジタル復調はアメリカとカナダで主流のAPCO P25フェーズ1と2などに対応しています。DMRとNXDN、TETRAは現時点では対応しないようです。


同社BCD436HPBCD536HPのような受信音声録音機能、付近の電波をキャッチして周波数はおろか受信音声までも手元で再生するクロースコール、トーンスケルチとDCSを瞬時に解読するラピッドデコードなどの機能有無は現時点では不明です。
BearTracker 885リアパネル (公式サイトから)


このスキャナー内蔵のCB無線機BearTracker 885は日本円で当記事執筆時点では5万2千円程度。発売日は未定ですが、今年(2017年)6月頃という噂をどこかで聞いたと記憶しています。

受信機内蔵のアマチュア無線機は国内でも多々ありますが、デジタル通信の復調も可能なスキャナー内蔵のCB無線機は聞いたことはありませんでした。

アメリカのCBを含めた無線活動は引き続き活発なようです。


[関連記事]
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2017/03/24

【更新】米八重洲無線がハンディ機FT-70DRリリースか!?


本当であればうれしいことです。

Yaesu FT-70DR Dual-Band Handheld Radio - GigaParts (英語)

八重洲 FT-70DRか?



米八重洲無線の公式Webサイトには当記事執筆時は未掲載ですが、上記販売店によると、八重洲無線からC4FM対応のU/Vデュアルバンド機FT-70DRが登場するらしいとのことです。

噂によるとFT-70DRは144MHz帯と430MHz帯アマチュアバンドのデジタルC4FMとアナログの送受信に対応。送信出力は最大5ワットです。内蔵GPSはありません。

受信周波数は108~579.995MHzまで。変調方式はC4FMデジタルとアナログFM搭載とありますが、わざわざ航空無線受信に対応するくらいなので一部AMも対応するはずです。


この写真が本物であれば、VX-6シリーズのデザインを踏襲しているようです。PTTの形状は先日発売されたFT-25RFT-65Rに似ています。

八重洲 FT-70DRか?

大きさは突起物なしで幅6×高さ9.8×厚み3.3センチ。重さは充電池SBR-24LIとアンテナ込みで約255グラムと、FT1D/FT1XDと同じくらい。音声出力は700ミリワットと大音量を確保しています。

IP54対応で少雨やちょっとした砂埃も大丈夫です。どうやらスピーカーマイク端子もあるようです。オプションのカメラ付きスピーカマイクMH-85A11Uに対応するかは不明です。



付属のリチウムイオン充電池SBR-24LIは1800mAhのため、FT2DFT1XDVXD9などに使用する現行品のSBR-14LIより少し少ないです。FNB-101LI、FNB-102LI、SBR-14LIとのバッテリーの互換性はないかもしれません。充電器もSAD-18Bという新型になるようです。


噂によるとFT-70DRの米国での発売は今年(2017年)4月ごろ。価格は日本円で定価2万6千円程度と、デジタル搭載のデュアルバンドハンディ機としてはアイコムのD-STAR機 ID-51シリーズを抜いてハンマープライスです。しかもテンキーを装備。

真実かはわかりませんがアメリカでの実売価格は2万3千円程度のようですね。


もしこの情報が本当であれば、FT-70DRがFT-60シリーズの後継機となり、FT-60シリーズが生産終了ということになるはずです。公式の発表を待ちましょう。

※2017/3/27追記:米八重洲無線の公式サイトにFT-70Dの製品ページが現れました

(関連記事はこの下です)



[関連記事]
米八重洲無線 アマチュアハンディFT-25R,FT-65R発表 (2017/02/10)
FT2DとFT1Dカタログスペック比較その1 (2015/05/09)
【追記】FT2DとFT1Dカタログスペック比較その2 (2015/05/29)

2017/03/18

パナソニック 2バンドラジオRF-U155発表

パナソニックからポータブルFM/AMラジオが発売されます。

FM/AM 2バンドレシーバー RF-U155 商品概要 _ オーディオ _ Panasonic

RF-U155 (公式サイトから)


RF-U155はRF-U150Aの後継機で、単2乾電池2本で動作するポータブル型2バンドラジオです。

大きさはRF-U150Aと同じ16.4×8.9×3.7センチと、最近市販されている板チョコよりも1周りほど大きく、厚みが板チョコの5倍以上。重さは乾電池込みで約380グラムと、スマートフォン約2台分です。

デジタルチューナーを新搭載していますが操作はこれまでと同じ、ダイヤルを回して放送に合わせるアナログ方式です。らくらくチューニング機能で放送局に合わせやすくなったそうです。

商品特徴に10センチのバーアンテナとトラッキングエラーレス回路搭載とあり、受信スペシャリストへ製品の高感度性能をアピールしているように思えます。実際にRF-U155は公式サイトで「高感度ラジオ」のカテゴリーに属しています。

バーアンテナ長はRF-U150Aと同じですがトラッキングエラーレス回路はRF-U155から新搭載かもしれません。


RF-U150Aとの見た目の違いは先にリリースされた小型ラジオRF-P155RF-P55と同様に、新搭載された蛍光色ポインター&光るダイヤルパネルです。暗所での受信活動がより楽になりそうです。
RF-U150A (公式サイトから)
よく見るとRF-U155はRF-U150Aと比べ周波数目盛りの表示間隔が若干狭まっています。





ここで、今回発表されたRF-U155と現行モデルRF-U150A、2機種のスペックの違いを下の表にまとめます(画像クリックで拡大)。


薄い黄色がRF-U150Aと比べマイナスと思われる項目、薄い緑色がプラスと思われる項目です。

全体的に電池の持ちがRF-U150Aの6割程度になっています。とはいうものの、パナソニック製アルカリ乾電池の新品を使うとモノラルイヤホン使用時は約10日間、スピーカー使用時は約4日間連続で鳴らしっぱなしにできます。

本体の重さは8グラムだけ増加しています。乾電池を含む重さは40グラム増加していますが比較している電池が違うのが理由でしょう。

RF-U155はAM受信周波数が1665kHzまで拡大しています。

どちらもAM放送をFMバンドで聴けるFM補完放送の受信に対応しています。



この2バンドラジオRF-U155の発売は今年(2017年)4月21日頃です。市場価格は4千円程度になると予想します。

RF-U155は昨年(2016年)発表された小型ラジオRF-P155とRF-P55と同じデジタルチューナーでより使い勝手が良くなるはずです。

RF-U150Aと同様の遠距離受信性能を持っているのかの判断は手に取ってからですね。

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パナソニック 小型ラジオRF-P155,RF-P55など4機種発表 (2016/11/11)

パナソニック ダイヤル選局式ポータブルラジオRF-2450/R-2255発表 (2016/11/04)

オーム電機 3バンドポータブルラジオRAD-T550N登場(2016/10/03)

2017/03/12

錆びたFMアンテナの確認

最近ブースターを入れていてもFMチューナの受信感度が思わしくなかったので、アンテナを調べることにしました。打ち上げているのは20年前のマスプロ製3エレです。

20年の風雨にさらされ、アンテナを固定する鉄製ポールがサビサビになっています。


アンテナ各部からサビが出ています。




ケーブル固定用蝶型ナットを回すとボルトが折れてしまいました。


放射器の給電部のプラスチックが折れ、ケーブルが外れていました。これが受信感度が低い原因のようです。


次にブースターを調べました。蓋を開けるとプラスチックがべキッと割れ再起不能となりました。




さらに基板を見るとコンデンサーから茶色の液体が漏れた跡があります。


アンテナ給電部が壊れていることに加え、ブースターの蓋にとどめを刺してしまったので、仕方なくアンテナとブースターを撤去することにしました。

ということでFMアンテナを新しいものにしてみます。

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