2017/11/29

秋月NS73M使用FMトランスミッターキットのUSB給電化


今回はトライステート社が開発し秋月電子通商で販売されているNS73M使用FMステレオ・トランスミッター・キットの外部電源端子をマイクロUSB端子へ改造します。

追加準備すべきものは恐らく
でしょう。



マイクロUSB端子化改造手順を説明します。

まずはんだ付けしてあるDCジャックCN2、ダイオードD1、5V三端子レギュレーターIC4を取り外します。
DCジャック、ダイオード、三端子レギュレーター除去後

次にマイクロUSBコネクタDIP化キットを組み立てます。
マイクロUSBコネクタDIP化キット組み立て前

ピンヘッダーは2本だけ使い、+と-など表示面を上にしてしっかりはんだ付けします。
マイクロUSBコネクタキット組み立て後


組み立てたマイクロUSBコネクタDIP化キットのピンヘッダーをDCジャック跡地へ収まるように曲げ加工します。

それをFMトランスミッターキットのDCジャックのあった場所へ、なるべくマイクロUSBコネクターが基板からはみ出すようにしてからはんだ付けします。

ピンヘッダーを曲げDCジャックの穴へ差し込む


FMステレオ・トランスミッター・キットとマイクロUSBコネクタDIP化キットの隙間をホットボンドで溶かしたホットスティックでいっぱいにし、マイクロUSBコネクターが動かないようにします。
ホットスティックで固めたマイクロUSBコネクター周辺



ダイオードと5V三端子レギュレーターの跡地へ下記写真の朱色の線に沿って部品の針金をラジオペンチで「コ」の字に加工してはんだ付けします。
IC4の跡地真ん中にある電源-が隣同士の電源+とショートしないように注意しましょう。


導通テスターで改造ポイントがOKかチェックし、電源端子をマイクロUSB化改造したFMステレオ・トランスミッター・キットと繋ぎます。

USB電源を入れ、FMトランスミッターキットの液晶が表示され電波が出ればOKです。
今回は写真のようにモバイルバッテリーで駆動してみました。




以上でFMトランスミッターキットのUSB給電化改造はひとまず完了です。

このトランスミッターキットの泣き所だった、USB機器が氾濫する現代にUSB電源が使えないという不思議な仕様は上記改造でそこそこクリアできたと思います。

これで音楽が車内や屋外でラジオからステレオ音声で楽しめる道筋が何とか立ちました。


なお今回取り上げた改造は必要最小限のため、質の良くないUSB電源を使うとFMトランスミッターキットやUSB電源が壊れ、改造を担当した電子工作員なども懐事情を超える被害を受ける場合があります。


また、今回はたまたまうまくいきましたが使う電源によってはうまく動作しない場合もあります。



よしおはさらにこのFMステレオトランスミッターキットへ追加したい加工がまだあるので箱へ入れるのは先になりそうです。

※本改造は参考情報ですから実行する場合は自己責任でお願いします

(関連記事はこの下です)

[関連記事]
秋月NS73Mステレオトランスミッター音量アップ改造 (2017/11/22)

秋月NS73M使用FMステレオトランスミッターキットの製作 (2017/10/29)

「だれでもできる電波通信実験」AM送信機製作 (2011/05/23)

2017/11/22

秋月NS73Mステレオトランスミッター音量アップ改造

前回、トライステート社で開発され秋月電子で販売されているNS73M使用FMステレオ・トランスミッター・キットを組み立てたとき(下記関連記事参照)音声が小さい気がしたので、入力音量を上げる改造を試しました。

トライステート NS73M使用FMステレオ・トランスミッター・キット



まず改造を始める前に近隣のFMラジオ放送とこの組み立てたトランスミッター・キットの変調の違いを比べ、気のせいかどうかチェックしました。

チェック方法はFMステレオ・トランスミッター・キットへ入力する音声の音量を再生機器側で最大近くに設定し、トランスミッター・キットの音声と普通のラジオ放送を手持ちのラジオで受信、両者の音量をレベルメーターのついたオーディオ機器で比べるというものです。

実験結果です。まずは通常のFMラジオ放送の音量から。
ほぼフルスケールです。

次に組み立て直後の秋月FMトランスミッター・キットの変調。
ご覧のとおり秋月NS73M FMトランスミッター・キットの音声はFMラジオ放送の1/3程度しか変調されていないことが分かりました。よしおの感覚は間違いではなかったようです。



では入力音声を3倍程度アップするFMトランスミッター・キットの改造をします。

改造ポイントは基板の中央部、音声入力ジャック直下(下記写真)のあたり。
NS73Mステレオ・トランスミッター・キットの液晶を外した状態

音声入力ジャック直下の改造ポイント(改造前)



音量アップ改造はJP3~JP4とJP5~JP6の間に18キロオームの抵抗を各1つ入れるだけです。これで無改造時の3倍以上変調が出るはずです。

改造後の写真がこちらです。上の写真と比べてみてください。



改造後の音量(変調)をチェックします。


見た目上、音量レベルだけはいい感じになりました。

しかしこの状態ではトランスミッター・キット本体のメニューで設定する"音声入力電圧設定"を"100mV"にするとなぜか音声がひずんでしまい、結局音量を小さくする必要がありました。

おそらくNS73Mの仕様上、FMラジオ放送の電波と同等の音量レベルまで高音質で深く変調させることは困難で、音量アップは無改造時の2倍が最適な設定と思います。

よしおは上記改造後、メニューで"音声入力電圧設定"を"200mV"または"140mV"にするか、オーディオ機器の再生音量を小さくして歪みを出さないように使い始めています。



今回の改造情報は秋月のFMステレオ・トランスミッター・キットを使用中で音量が小さいと思う方には少なからず朗報と思います。

このトライステート社 NS73M FMステレオ・トランスミッター・キットには使いづらさがまだ残っているので、箱へ入れる前に次の改造を考えます。

(関連記事はこの下です)

[関連記事]
秋月NS73M使用FMステレオトランスミッターキットの製作 (2017/10/29)

「だれでもできる電波通信実験」AM送信機製作 (2011/05/23)

2017/11/19

エフ・アール・シー 特小無線機ABLEON AT-20情報公開&スペック比較

F.R.Cから”エブロン”ブランドを冠した特定小電力トランシーバーAT-20の製品情報が公開されました。

AT-20 特定小電力トランシーバー 【F.R.C エフ・アール・シー】

F.R.C. ABLEON AT-20 (公式サイトから)


AT-20は1台あたり単3乾電池3本で動作する、免許資格不要で誰でも買ってすぐ使える、2台1組の特定小電力トランシーバーです。

バリュースペック品のため同社が販売するFC-R1を含む、通話距離を伸ばして使うレピーターには対応しません。


AT-20トランシーバー自体はアマゾンで7月から取り扱いが開始されていたもののエフ・アール・シーの公式サイトには掲載がありませんでしたが、11月17日ようやく製品情報が公式に公開されました。
エブロン AT-20 付属品一式(公式サイトから)


さて、このAT-20は同社からリリースされているイヤホンマイクとベルトクリップが標準付属の、2台1組特定小電力トランシーバーEXPLORERブランドET-20XNT-20と同じ大きさと重さで、使用時間は不明ですがNEXTECブランド NT-20とそっくりです。
EXPLORERブランド ET-20X(左)とET-20XG(右) (公式サイトから)

NEXTECブランド NT-20 (公式サイトから)



分かる範囲で3機種のスペック比較をしてみましょう(下記クリックで拡大)。

やはりET-20XNT-20と同じ大きさと重さで、使用時間は不明ですがNT-20と同じスペックのためスペックは同じと考えて間違いないでしょう。

ET-20XNT-20と同様、38通りのグループモード(トーンスケルチ)など必要十分の機能に加えチャンネルスキャンも備えているでしょう。防水や防塵性能がないのも同じでしょう。

AT-20のオプションの型番はありませんが、付属品の写真が上記製品と同じため恐らく同じです。


上記のとおりエブロンAT-20は長らく公式Webサイトに本製品は掲載されていませんでしたが、製品情報が掲載される以前にF.R.C.の公式ツイッターでアマゾンの商品掲載サイトURLをつぶやいています。




ET-20XNT-20とこのエブロンAT-20の住み分けは指定店専売モデルの違いのようです。状況からAT-20は恐らくアマゾン専売モデルと思われます。

ET-20XNT-20、そしてこのAT-20はどれもほぼ同一形状と同じスペックのため、どれを選んでも無線機としての性能は変わらないでしょう。

他製品と比べ導入コストが破格ながらトランシーバー本来の性能は普通のため、晴天時のキャンプなど一般のレジャーや短期で軽作業をする場合には気軽に使える製品と思います。

(関連記事はこの下です)

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エフ・アール・シー 2台1セット特小無線機NT-20発表&スペック分析 (2017/11/11)

エフ・アール・シー 腕時計型特小無線機FT-20W発表 (2016/06/03)

エフ・アール・シー 中継器対応特小トランシーバー NX-20R (2016/04/09)

2017/11/11

エフ・アール・シー 2台1セット特小無線機NT-20発表&スペック分析

F.R.C.から2台1組の特定小電力トランシーバーが発売されます。

NT-20 特定小電力トランシーバー 【F.R.C. エフ・アール・シー】

F.R.C. NT-20(公式サイトから)


NT-20は1台辺り単3アルカリ乾電池3本で使える、免許資格不要、誰でも買ってすぐ使える2台1セットの特定小電力トランシーバーです。

通話距離を伸ばすオプションの中継器には対応しない20チャンネル機のため価格が抑えられています。


38波のグループモード、VOX(音声起動送信)、6時間まで設定できるオートパワーオフ(APO)、呼び出し用ベル、チャンネルスキャンなど、無線機として使えるそこそこの機能があります。

オートパワーオフは切にできません。

電池の持ちは、説明書には約34時間使えるとありますが、上記Webの商品説明には60時間ほど持つとあります。どちらが正しいのか謎ですが、ひとまず説明書を信じることにしましょう。

※2017月11月18日追記:商品ページが刷新され60時間の記載は削除されました


外観をチェックします。

本体左側面にモニターボタンらしき部分は見えますが説明にないのでダミーと思われます。
NT-20 左側面(取扱説明書から)


本体右のイヤホンマイクジャックは付属の耳掛け式イヤホンマイクをつけるためのものです。
NT-20 正面(取扱説明書から)


付属のベルトクリップは本体裏に取り付けます。高級機のようなワニグチタイプではありません。厚手のベルトに取り付けたり力を強く加えると割れるので注意します。

NT-20トランシーバーはオプションの繰り返し使える充電池FBP-2にも対応します。
F.R.C. FBP-2 1200mAh充電池(公式ショッピングサイトから)


FBP-2を使うためにはFBP-2を内蔵したNT-20が充電可能な通常充電器FBC-1RSか、FBP-2単体とFBP-2を内蔵した状態のNT-20 1台をそれぞれ同時に充電可能な、急速充電器FBC-2RWが必要です。
FBC-1RS充電器(公式ショッピングサイトから)
FBC-2RW急速充電器(公式ショッピングサイトから)


充電池FBP-2は満充電後、約24時間使用できます。

FBC-2RWによる充電時間はFBP-1充電時で2.5時間ですから、FBP-2使用時はおよそ4~5時間程度で満充電されると推測されます。





さて、NT-20は特小トランシーバーでは最安値を維持する同社のET-20Xと外観がよく似ています。
F.R.C. ET-20X(左)とET-20XG(右) (公式サイトから)


そこで両機種のスペック比較をしましょう(下記クリックで拡大)。

付属品の型番と使用時間以外は同じです。使用時間の違いは恐らく送受信条件と充電池の種類が違うからでしょう。

"カラー"比較をするとNT-20には"ET-20X"という型番のブラックと"ET-20XG"という型番のガンメタルの2機種があるように見えますが、NT-20の写真はブラックのみのため誤記と思われます。

液晶表示も同じでした。恐らくトランシーバーの中身はほぼ同じか全く同じで外観だけ変更したものと推測されます。

受信感度はアルインコのロングアンテナ機に匹敵するようにも見えますが、実際のET-20Xが価格なりの性能であることから、送受信性能は恐らくNT-20もET-20Xと同じでしょう。



付属品を比べます。まず現行モデルET-20XとET-20XGの付属品から。
ET-20XとET-20XGの付属品(公式サイトから)

次に今回発表されたNT-20の付属品。
NT-20の付属品(公式サイトから)
型番に変更はあるようですが、何か変わったのでしょうか.....。



念のため両機種の説明書から抜粋した機能比較表も作ってみました。

完全に同じですね。

参考になりますがET-20XまたはET-20XGのオプションの充電器FBC-1RSとFBC-2RW、充電池FBP-1は今回発売されるNT-20と共用可能です。

ただしET-20XとET-20XGに使用する充電池FBP-1をNT-20へ装着するとスペック上は半日程度しか持たないので、今回発表されたNT-20にはFBP-2充電池を使用するのがよいでしょう。





このNT-20は今月(2017年11月)中に発売予定とのことです。価格は2台セットで1万円以下になるでしょう。

ET-20X、ET-20XGからの変更は一見ないようなので、NT-20にするかET-20Xシリーズにするか迷った場合は見た目と価格で選べばよいでしょう。

電波の飛びや音質、使い勝手はどちらも価格なりです。


本格業務で長時間使用する場合はアイコム、アルインコ、ケンウッド、モトローラ、八重洲無線などのような、水やホコリに強く受信感度、音質と使い勝手がワンランク以上性能の良い無線機メーカー製の特定小電力トランシーバーをお勧めしたいところです。

(関連記事はこの下です)

[関連記事]
エフ・アール・シー 腕時計型特小無線機FT-20W発表 (2016/06/03)

エフ・アール・シー 特定小電力無線機NX-20X発売 (2014/07/15)

ファーストコム(FRC)、FC-S20特小を2色追加 (2014/01/26)

2017/11/05

ICZ-R250TVの放送局名と周波数のプリセット変更方法など

ソニーのラジオレコーダーICZ-R250TVは入手直後、コミュニティFM局やAMラジオ放送をFMで聴ける補完放送の局名や周波数がプリセットされていません。そこで、放送局名もカスタマイズ可能なICZ-R250TVのプリセットに手を加えてみます。

おさらいとなりますがICZ-R250TVは2014年に発売されたワンセグテレビ音声、ワイドFM、AMの3バンドに対応したステレオ録音機能付きポータブルラジオで、所謂テレビ音声の入る現代版ラジカセです。



さっそく放送局名と周波数のプリセット内容を変更する手順を紹介します。

準備するものは
  • USB2.0メモリーが使えるUSB端子のあるWindowsパソコン
  • 充電済みまたは十分電池の入ったICZ-R250TV本体
  • 付属のUSBケーブル
です。ICZ-R250TVは付属のACアダプターを接続した状態でも大丈夫です。
プリセット放送局名変更用のパソコン(左)とICZ-R250TV(右)


まずICZ-R250TVとパソコンをUSBケーブルで繋ぎます。初めてつなぐ場合はドライバーのインストールが終わるまで待ちます。

ドライバーの自動インストール後もICZ-R250TVとパソコンはプリセットが変更するまでつないだ状態にします。


RADIO_RECフォルダーを開きFOR_WINDOWSフォルダー下のSoundOrganizer_V1600.exeというファイルをダブルクリックして開きSound Organizerをインストールします。

ファイルのバージョンはICZ-R250TVの入手時期により変更されている場合があります。
サウンドオーガナイザー インストール中


インストール完了後Sound Organizerを起動すると画面右の"ラジオレコーダー"欄の上にある細長い灰色部分に"録音予約・機器設定"ボタンがさりげなくあるのでクリックします。
サウンドオーガナイザー起動画面(ICZ-R250TV接続時)


"プリセット放送局設定"タブをクリックすると左側にAM、右側にFMのプリセット放送局一覧があります。
"プリセット放送局設定"タブ例


"新規作成"をクリックし放送局名と周波数を入力しOKを押します。下はFM側の"新規作成"をクリックした例です。
FMラジオのプリセットの新規作成画面


今回は下記のように入力しました。

入力した放送局名と周波数を確認しOKをクリックします。


これは好みの問題ですが、よしおは"上へ移動"を2回クリックしてプリセットの順番を周波数順に並べなおしています。
プリセット放送局設定タブで上へ移動を2回押した後の例


もちろん、すでに登録済みの放送局名や周波数の変更も上記ウィンドウ上で放送局名または周波数をクリックすることで可能です。

プリセット変更後は必ず上記ウィンドウ右下の"OK"をクリックしてください。以上でICZ-R250TVの放送局名と周波数プリセットの変更は完了です。



ICZ-R250TVをパソコンから安全に取り外す操作をし、USBケーブルを外した後ICZ-R250TV本体の電源を入れるとプリセット内容がICZ-R250TV本体へ反映されたことを確認できるはずです。
FMうららをICZ-R250TVのプリセット07へ設定した例


地域設定を変更すると変更したプリセット内容は消えてしまうので注意しましょう。ワンセグ音声の放送局名は放送電波から自動取得されるため変更されません。



デジタル選局方式のラジオで周波数プリセットの変更可能なラジオはありますが、放送局名をユーザーが日本語でカスタマイズ可能なラジオまたはラジオレコーダーは多くないのではと思います。

(ソニーの回し者ではありませんが)192kbps MP3録音機能や外部アンテナ端子、内蔵ステレオマイクが装備され、格安品にありがちな入手後しばらくして発生するボリュームを回してガリガリ音がすることも今のところないのでやはりICZ-R250TVは価格だけのことはあるでしょう。

あとはこもったAMラジオの音質改善とFMの感度向上、操作性が全体的にもう少し何とかなればと思うのですが…。



よしおのICZ-R250TVは使用して3年目ですがACアダプター使用が多いためか、内蔵リチウムイオン充電池の極端な劣化は感じません。内蔵充電池駆動時は以前より少し電池の減りが早いと感じる程度です。

ICZ-R250TVのアンテナはFM受信用とTV音声受信用が独立したツインタイプ。FMアンテナはさすがにポップアップはしないものの、最近の製品にはあまり見当たらないタイプなので個人的には全盛期のラジカセや手元にあるスカイセンサーを何となく思い出させてくれる気がします。

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