2018/10/31

オーム電機 8バンド短波ラジオRAD-H310N発表

オーム電機からAudioCommブランドの短波ラジオが登場します。

AudioComm たんぱラジオ 株・競馬 [品番]03-5630 (株)オーム電機OHM
オーム電機 RAD-H310N(公式サイトから)

RAD-H310Nは単3アルカリ乾電池2本で76時間以上動作する、アナログ選局式短波ラジオです。

AMラジオと補完放送も受信可能なFMラジオに加え、ラジオNIKKEIを含む3.9~18MHzのうち8バンドの短波放送が受信できます。


本体には選局ランプがあるので、ダイヤルを回して選局する時に目的の放送に合わせやすいと思います。



さて、このRAD-H310Nの類似品には同社製RAD-S520Nがあります。ということでスペックを比較します。
表の青色がスペックアップ、黄色がスペックダウンと判断したRAD-H310Nの項目です。

RAD-H310NはRAD-S520Nから短波2バンド分の受信範囲が減ったものの、各バンドの受信範囲がほぼすべて拡大しています。

AMが1710kHzまで受信可能になりました。

スピーカー使用時の電池の持ちがRAD-S520N比で1.25~1.69倍程度増えています。

イヤホン使用時の電池の持ちがRAD-H310Nで低下している原因は恐らく、電池寿命を測ったときの音量や使ったイヤホンなどがRAD-S520NとRAD-H310Nで違うためでしょう。


外観比較をします。

現行品RAD-S520N(下記写真)の選局の針は左右に移動しますが、今回発表されたRAD-H310Nは上下に移動するタイプに変更されています。
オーム電機 RAD-S520N(公式サイトから)


現行品のRAD-S520Nは左側面に音量ツマミ、DCジャック、イヤホンジャックが、右側面に選局ツマミと電源スイッチがありました。

今回発表されたRAD-H310Nは左側面に電源スイッチが移動し、代わりに右側面に音量ツマミが移動しています。





このRAD-H310Nの発売は製品情報ページによると「9月」ですが、ある家電量販店の販売ページでは本記事執筆時点で「予約」となっており、発売はこれからのようです。
RAD-H310N製品情報ページから抜粋

スピーカー聴取時の電池の持ちが良くなっていますが、現行機種よりも短波の受信範囲がぱっと見、少し狭くなっているので買うかどうか悩ましいところです。


オーム電機がこのタイミングで新しい短波ラジオを発表した理由は恐らく、新生アイワから登場予定のAR-MDS25とAR-MD20の存在があるからなのかもしれません。

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2018/10/29

アイコムVS-3をファーム1.10のIC-R30と組み合わせた使用感

アイコムのBluetoothヘッドセットVS-3を、ファームウェア1.10を適用したIC-R30と一緒に使ってみたので、メリットと気になる点をまとめます。
アイコム VS-3 Bluetoothヘッドセット

その前におさらいですが、VS-3とはアイコムのBluetooth対応無線機や2波同時受信機IC-R30と組み合わせて使うヘッドセットです。





先ず、VS-3を1.10ファームのIC-R30と一緒に使ったメリットを挙げます。

[メリット]


■イヤホンコードの煩わしさが少し減った

IC-R30から伸びるヘッドホンケーブルの取り回しに度々悩む必要がなくなりました。

但しVS-3から伸びるヘッドホンケーブルをどう扱うかという悩みが新たに誕生しました。


■エアバンドなどAMの「シャー」というバックノイズがほとんどなくなった

IC-R30本体のスピーカーの音、または本体のイヤホンジャックにつなぐ音には「シャー」という耳障りな雑音が受信音に混ざっています。

VS-3を使うとこの「シャー」が見事に解消しました。


■手元でスキャンなど周波数の+/-操作ができる

1.10ファームのIC-R30にはVS-3の早送りボタンに周波数アップが、早戻しボタンに周波数ダウンが、それぞれ標準で割当てられています(変更可能)。

VS-3右側面の早送りボタン(右)と早戻しボタン(左)
スキャンを強制再開するときにこれらのボタンを操作すると便利です。


■電源と音量以外の4つのボタンに好きな機能を設定可能

初期割当て済みの早送りと早戻しボタンを除くと、残り2ボタンに好きな機能を(一時スキップ、ANL、ノイズブランカー、モニターなど)28種類から2つ割当てられます。


■受信待受しながらスマートフォンの音楽やRadikoが聴ける

VS-3とIC-R30に加え、下記写真のようにスマートフォンなどA2DPオーディオプロファイルのBluetooth対応機器をさらに組み合わせると、八重洲無線の「AFデュアル」に相当する機能が使えます。
VS-3(手前左)、IC-R30(奥)、スマートフォン(手前右)

スマートフォンと音楽アプリの組み合わせによっては無線を受信すると再生中の音楽を自動停止し、無線交信が終わると停止した部分から自動再生される場合もあります(VLC Playerなど)。
VLC Playerで音楽を再生中の、「AFデュアル」状態のVS-3


■カバンの中が配線だらけにならない

従来、「AFデュアル」を実現する場合は、アルインコのDJ-X8DJ-X81DJ-X11、そして八重洲無線のVR-160では受信機と本体をオプションのオーディオケーブルでつなぐ必要がありました(アルインコ製品は加えて下記オプションの併用で実現)。


■電池の持ちが非常に良い

使用状況に左右されますが、ほぼ新品状態で上記のIC-R30とスマートフォンを組み合わせ、音楽を流しながら東京都内にて「AFデュアル」状態で電車移動しながら使ったところ、
  • 10時間1分後ローバッテリー警告
  • さらに21分後、電池が切れた
結局、合計で10時間20分も使い続けられました。

市販のヘッドセットは大抵4時間程しか使えないのでこれは嬉しい誤算です。





もちろんメリットばかりではありません。次はVS-3と1.10ファームのIC-R30を組み合わせ気になった点です。

[気になる点]

■一度Bluetooth通信圏外になるとIC-R30と自動で再接続しない

VS-3のPTTを押すか、VS-3本体を再起動するか、IC-R30本体で接続操作する必要があります。


■VS-3の音量ボタンでBluetooth再生機器側の音量が操作できない

VS-3の音量ボタンを操作すると、IC-R30本体やスマートフォン本体の音量操作は連動せず、手元で聴くVS-3自身の音量が変化します。

言い換えるとVS-3を使う場合、IC-R30本体の音量、音楽再生するBluetooth機器の音量、そしてVS-3本体の音量がそれぞれ独立しています。


これは「AFデュアル」を使うとき、IC-R30とスマートフォンなどの音楽機器それぞれの音量を細かく調整できるというメリットにもなります。


■IC-R30のビープ音を切にして「AFデュアル」動作中、IC-R30本体を操作すると音楽プレーヤーの音声が途切れる

スマートフォンの音楽を聴きながらIC-R30本体を操作するとビープ入のときに「ピッ」音が入り音楽が中断するのは分かりますが、ビープ切でもIC-R30の意味のない無音が音楽に割り込むのはどうかなと思います。


■デジタル復調中、変調の大きい通信の声にチリチリノイズが入ることがある

IC-R30でデジタル通信の復調中、極端に声の大きい音声が入ると音が歪んでしまい、それがVS-3でノイズ混じりの音声になると思われます。


■Yシャツなど薄手の服の生地が本体裏のクリップではさみづらい

服の生地が薄手の場合、クリップで挟む部分以外の隙間に服の生地が入り込み、クリップで挟みづらいです。
VS-3のクリップが正しく服に固定できた例
クリップで挟む部分以外の隙間に服の生地が入り固定に失敗した例


■VS-3本体を固定するときPTTボタンを誤操作しやすい

VS-3本体の位置をずらしたり付け替えるとき、クリップの反対側にPTTボタンがあるので誤ってPTTボタンを押してしまいがちです(下記矢印が指が触れる部分)。

クリップでVS-3を挟もうとするときの手で持つ部分(矢印)
PTTボタンに機能を割当てなければまあ何とかなりますが、せっかく使えるボタンを余らざるを得ない状況となります。


■胸元にクリップでとめるとVS-3本体の固定バランスが悪くなる

服のクリップした薄手の部分がVS-3本体の重さで引っ張られ、VS-3の固定が不安定になります。


■スケルチぎりぎりの弱いアナログFMの受信音が聴き取れない

IC-R30の受信音声に雑音が多いと「ザー」が「ジュルジュル」となり、有線イヤホンで聴ける音声が雑音に隠れ聴こえなくなります。


■IC-R30が近くにあるのにスキャン中「プチッ」という小さな音が稀に入る

2.4GHz帯が過密状態の場合に発生するようです。


■IC-R30の音量が突然大きくなることがある

「AFデュアル」動作中でアナログFM-N音声受信中、ごく稀にIC-R30の音声が突然大きくなり、ある時に再び元の音量に戻る症状があります。

具体的にはVS-3を1.5時間ほど使用しFM-Nモードの業務無線を受信中、受信音声の大きさが短時間で極端に変わると、ある瞬間突然VS-3の音量が大きくなる状況がありました。

受信が終わりスマートフォンの音楽が再び再生され、また次にIC-R30が受信すると最初のうちの音量は正常ですが、タイミングによりこの症状が何度も発生します。

この、勝手に大音量化したときの音の大きさは耳を覆うほどではないですが、うるさいと思う程度には大きくなるので少し驚きました。

IC-R30本体へイヤホンをつないだときはこの症状がなかったので、VS-3本体あるいはIC-R30との組み合わせに原因があるのではと予想します。


■手元で操作するとき左右を見失いどちらが音量ボタンなのか分からない

とっさに操作したいとき、VS-3のどちらの側面に音量ボタンがあるか考える余裕はありません。
VS-3左側面の音量ボタン
VS-3右側面の再生ボタン類(再掲)

音量ボタンと再生ボタンの形状が同じなので、胸元などVS-3が見えない場所に付け操作すると、音量を押したつもりがIC-R30のスキャンを止めてしまい、気が付かずそのままになっていたことがありました。

VS-3の左右が触れるだけで分かるよう、例えば音量ボタン周辺へ凹凸を付けて欲しいです。



- + - + - + - + - + -



まとめますと、アイコムのVS-3は1.10ファームを搭載したIC-R30と組み合わせると、使い込めば細かく気になる点はあるものの、なかなか使えると言えます。
VS-3とIC-R30の組み合わせて動作中の様子

VS-3があれば、ファームウェア1.10を搭載したIC-R30の、八重洲無線の「AFデュアル」に相当する機能を存分に使えると思いました。

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東芝エルイー ホームラジオTY-HR3発表&TY-HR2スペック比較

東芝エルイートレーディングから東芝ブランドのホームラジオが登場します。

TY-HR3:AM_FMホームラジオ:東芝エルイートレーディング株式会社
東芝エルイー TY-HR3(公式サイトから)

TY-HR3は単1アルカリ乾電池3本で約400時間以上、またはコンセントで連続使用できる家庭用大型ラジオです。

受信バンドはAM、FM、ワイドFM(補完放送)です。短波放送やワンセグTV音声は受信できません。


各部チェックします。

正面には直径9センチのスピーカー、同調ランプ、選局窓があります。
TY-HR3正面~上面(公式サイトから)

上面には電源、バンド切り替えがあり、ハンドル、FMロッドアンテナが収納されています。

右側面には上に選局ダイヤル、下に音量が、左側面にはイヤホン出力端子と付属電源コードを使いコンセントへつなぐ100ボルト差込口があります。
TY-HR3各部名称(公式サイトから)


TY-HR3には肩ベルトも装備され、樹木や農機具、ドアノブなどに引っ掛けて使うことができます。

ただし防滴ではないため、雨などに濡れると壊れます。



さて。このTY-HR3はTY-HR2の後継機です。

いつもの通りスペック比較します(クリックで拡大)。


外観は正面がシルバーから黒に変わった以外は大きさと重さ共に変わらないようです。同調ランプも引き続きあります。

内部はDSPと推測されるデジタルチューナーとなり、TY-HR2よりもダイヤルをくるくる回し放送に合わせやすくなりました。


電池寿命はデジタルチューナーにもかかわらずTY-HR2の約400時間(16日)以上と同等またはさらに50時間以上増加しているようです。

オプションとなっているイヤホン使用時の電池の持ちは非公開ですが、生産完了したTY-HR2の実績からおおよそ650時間(27日)以上は使えるでしょう。



このTY-HR3の発売は今年(2018年)10月下旬を予定。価格は税抜きで4000円台と考えられます。

東芝ブランドのラジオは、2018年9月末に発生した地震と台風の影響で品切れ中の手回し充電ライトラジオTY-JKR5シャワーラジオTY-BR30Fを除きデジタル化を完了したようです。

今回登場するTY-HR3は従来よりも電池の持ちの良さが若干アップしていたのでやや驚きました。


あとはデジタルの欠点というべきAMラジオの音のこもり具合がどんなものか気になります。

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【追記】【プチレビュー】TY-JKR5、使用前に遭遇した症状と対策(2016/11/28)