2011/05/28

AORからGP5001発表

AORの公式サイト(英語版)にGP5001が登場しました。

GP5001  ACCESSORIES  AOR,LTD. Authority On Radio Communications(英文)

このGP5001はAR5001DとAR2300内部の周波数安定度を1ppmから0.01ppmへと、100倍向上するものです。ご存知のとおりGPS衛星には原子時計が内蔵されておりその精度は地上デジタルテレビ放送に使われているルビジウム発振器をはるかに凌ぎます。その高精度な信号とAR2300、AR5001D内部の内蔵発振器を同期し周波数安定化を図るオプションがこのGP5001です。

GP5001は上記リンクに記載のとおりGPS受信機製造最大手ガーミンの受信機を使用しており非常に信頼性の高いものとなっているようです。GPS受信部は強力なマグネットが装備され、IPX7相当の防水構造となっていますからよほどの悪天候以外屋外設置も可能だそうです。GP5001のケーブルは5メートル程度ですからAR2300・AR5001Dを車載で使用する場合は申し分のない長さでしょう。

実際の使い方ですがAR5001DまたはAR2300とGP5001を接続しGP5001の受信部をGPS衛星の電波が受信できる場所に設置後AR5001D、AR2300の電源を入れ1時間待つだけです。AR5001Dと組み合わせて使う場合は本体液晶にGPS受信状態が表示(GPS表示点滅中は0.1ppm、点灯中は0.01ppm)されますので高精度で本体が動作している様子を目で見られます。AR5001D・AR2300の周波数安定度に不満をお持ちの方、AR5001Dの「GPS」液晶表示を実際に見たい方、何が何でもオプションを全て受信機本体に取り付けたい方にとってGP5001はなくてはならないアイテムの一つです。

2011/05/25

【更新】デイトンハムベンション2011続報

世界最大のハムの祭典、デイトンハムベンションは5/22(日本時間5/23)に無事閉幕したようです。先日電池駆動できるオールモードの5WポータブルHFトランシーバーKX3発表の情報(こちら)をお伝えしましたがそれ以外の各メーカーのトランシーバー展示情報をここにまとめました。

まず国内でよく知られているアイコムは高級機とIC-7200の迷彩色に塗装されたバージョンそして既存製品を、バーテックススタンダードは高級機と既存製品、ケンウッドはTM-D72Aをはじめとしたラインナップをそれぞれ展示していたとのことです。
知る人は知っているWinRadioのブースには9kHz~50MHz連続受信可能なソフトウェアレシーバー(SDR)が、MFJエンタープライズでは最新のミニパワーHFトランシーバーが、それぞれ展示されていたようです。

個人的な視点かもしれませんがKX3を発表したElecraft以外に驚いたのはアルインコです。なんとアメリカ仕様(日本では使われていない周波数)のデュアル新型ハンディトランシーバーを開発中とのことです。筐体はDJ-G7を利用しているため一見DJ-G7やDJ-X11と見間違えそうです。あくまでも現段階ではFCCの正式な承認がGoしておらず開発中で発売されるかも未定とのことですが、アルインコのハムベンションでの開発中製品の発表は無線メーカーとしてのガッツをアメリカのハム愛好家に知らしめたことでしょう。日本での今後の製品展開も楽しみです。


(5/26追記)
アイコムは会場で液晶付きGPSマイクを展示したようです。ケンウッドブースでは新製品の発表はなかったものの来年のハムベンションでVHF/UHF製品の発表を計画中とのうわさがあるようです。

2011/05/23

「だれでもできる電波通信実験」AM送信機製作

CQ出版の書籍「だれでもできる電波通信実験」に掲載されていたAM送信機を製作しました。
(「だれでもできる電波通信実験」AM送信機)


FMラジオに電波を送信するFM送信機は現在市販の電子工作キットとして数多く見受けられますがAMラジオで受信できるAM送信機の電子工作キットは国内でも非常に数が少なく完成品はまずお目にかかれませんのでこのAM送信機の製作記事は大変重宝すると思います。
書籍には専用基板も付属していますから部品と電子工作に必要な道具があれば簡単にAMトランスミッターが作れます。部品は秋月電子で「だれでもできる電波通信実験」専用にパーツセットとして販売されていますので簡単のためこちらを利用しました。
(「だれでもできる電波通信実験」書籍とパーツセット)


このAM送信機の製作に必要なパーツはコンデンサーマイクと抵抗、コンデンサー、FCZコイル、トランジスター、ロジックIC、セラミック発振子などで構成されています。パーツセットに含まれるものは下の写真のものがすべてです。電池(9Vの006P系)とアンテナ(ビニール線)はパーツセットに含まれていませんので別途入手が必要です。
(「だれでもできる電波通信実験」パーツセット内容)


早速このAM送信機キットを組み立てました。実際に製作した完成写真は本記事の一番上にあります。よしおの場合キットの製作は40分程で終わりました。
このキットはコンデンサーマイクによる音声送信のほかにボタンスイッチによるモールス信号の送信も可能となっています。また今回送信用アンテナは3mのビニル線をグラウンド側と"ANT"側にそれぞれ接続しました。

製作したAM送信機の電波をVX-8Dで受信し感触を確かめました。

本キットでは発振回路にセラミック発振子を使用しているため周波数安定度は抜群です。音質は通常のAM放送電波とほぼ同じレベルと断言できるほど非常にクリアです。変調度も申し分ありません。

気になる送信出力ですがVX-8Dで受信した場合、送信アンテナから20~30センチ離すとほとんど受信できないほど非常に微弱でした。AMアンテナ設定を外部に変更し送信アンテナを直接VX-8Dに接続しても上のとおりレベルメーターが2つしか振れません。

念のためMVT-7100で受信Sメーターの振れ具合をします。

送信アンテナをMVT-7100と直接接続しない最大のレベルが上の写真です。直接接続は試していません。他のAMラジオでも受信しましたがやはりVX-8Dと同様、アンテナを最大に伸ばした場合であってもせいぜい30センチメートルが実用範囲でした。個体差もありましょうが本AM送信機キットの電波出力は非常に微弱といえます。


「だれでもできる電波通信実験」のAM送信機を製作した結果は以上のとおりですが書籍の後半では応用編として送信したモールス信号をデコードするデジタル通信に関する内容に触れています。書籍に付属の基板および秋月電子で別途購入したパーツセットは応用編用の実験もできるようになっています。興味のある方はこちらも試すと面白いでしょう。


まとめとして書籍「だれでもできる電波通信実験」は説明に写真がふんだんに使われていますので初心者の方でも安心して電波実験ができ、AM送信機を探していた方にとっても非常にありがたい教材と思いました。自室でCDなどデジタル音源を敢えてAMラジオの音質で聴きたいこだわり派にもおすすめできます。

2011/05/22

電池駆動できる超小型HFポータブル機 - KX3

アメリカでは毎年恒例の世界最大級アマチュア無線のお祭、デイトンハムベンションが今年2011年も開催中です。その会場でElecraft社から驚きのポータブルトランシーバーが発表されました。

その名もKX3です。こちらのサイトなどによるとKX3の主な仕様は ・重さ:680g ・寸法:縦89mm × 横188mm × 奥行き43mm ・バッテリー&充電回路内蔵 ・オートマチックアンテナチューナー(ATU)内蔵 ・CW用キーヤー(モールス信号を送信するパドル)実装 ・送受信周波数:1.9MHz(160m)~50MHz(6m)のアマチュアバンド ・オールモード ・送信出力:5W(外部電源時10W、オプション装備で100W可) だそうです。 価格は799米ドル(約7万円)で2011年中に発売予定とのこと。競合しそうな機種はYAESUブランド、バーテックススタンダードのFT-817NDと考えられますがKX3のほうが厚みの面で圧倒的にFT-817NDを凌駕しています。 ハンディ機をふた周りほど大きくしたボディで電池駆動、しかもオールモードの短波帯運用が可能・・・とんでもないものが出てきました。今年のデイトンハムベンションは本日を含めあと1日で終わりますから明日5/23辺りから各社の新製品発表状況が徐々に明らかになることでしょう。どんな新製品が登場するのか楽しみですね。

2011/05/19

北京の無線通信事情プチレポ

今回は先日中国旅行してきた折、実際に受信・観察した中国北京の通信事情について少し話します。

まず携帯電話ですが2011年現在も第2世代方式のGSM方式が主流となっています。持参したユピテルMVT-7100で1GHzあたりまでサーチした感触ですと850~870MHz周辺で基地局の電波が観測できました。もちろんデジタルですから電波を受信できてもただの雑音で復調できないのは周知の事実です。


写真は北京市内と郊外にあった基地局です。上の写真のように1つの基地局に2~3種類のアンテナが敷設されているものが確認できました。場所によっては3G方式の端末が使用できるかもしれません。


次に軍関係と警察関係の無線機・通信についてです。

北京市内の天安門広場や北京空港などでうぐいす色の軍服を着た人民軍の所持する無線機と警察(上の写真参考)の無線機をチェックしたところ人民解放軍はHYT製、警察はモトローラ製をそれぞれ使用していました。いずれも小売店で販売されているようなレベルのものとは価格が1~2桁違う最新型のデジタル対応と思われるトランシーバーです。DESまたはAESスクランブルを掛けて運用していると思われます。

実際にMVT-7100で警察無線と思われるデジタル波をキャッチしました。受信した電波は日本で受信できるものとは感じの異なるものでした。

以前上海の無線ショップの人に聞いた話によると中国では日本とほぼ同様350~360MHz周辺を警察が使っているそうですから今回キャッチしたものは警察無線と思ってほぼ間違いないでしょう。ちなみに軍は390MHz帯を使っているそうです。残念ながら今回は軍用無線と思われる電波をキャッチできませんでした。


続いて北京市内の無線通信機器の使用状況です。北京滞在中よしおは携帯電話で通話している市民と思われる人を一度も見かけませんでした。反面、大衆食堂やレジャー施設ではまず間違いなく無線機の使用を確認できました。140MHz帯や400MHz周辺でアマチュア無線と思われる交信も数多くキャッチしました。レピーター運用も確認しました。公園では一般市民がトランシーバーを持ち運用していた光景も見かけました。日本以上に市民の暮らしを無線が支えている感触です。
また少し違ったアプローチとして下の写真のような無線通信システムもありました。


頭からアンテナが生えているように見える人々の容姿はさながら宇宙と交信している雰囲気です。しかし実際は劇場でワイヤレスヘッドホンの日本語通訳音声を聴きながら京劇(日本の歌舞伎と同じようなものです)を鑑賞している様子です。日本ではめったに見られない面白い光景と思います。


このように中国北京では想像以上に携帯電話以外の無線通信機器が普及していました。恐らくトランシーバーを使う場合通話料の掛からない点が中国人のお金に対する執着心とあいまって普及に拍車を掛けているのでしょう。
一つ気になったのは日本製と思われる無線機器の使用が一度も確認できなかったことです。恐らく無線機の価格がボトルネックとなり普及の足かせとなっていると思われます。こればかりはどうしようもないことですが個人的に少々寂しさを覚えてしまいました。


以上軽くですが中国北京の通信事情についてお伝えました。次回海外旅行する機会があれば現地でもっと受信活動したいものです。理想は万里の長城でラジオを聴くことですが・・・

万里の長城ではたまに警備員らしき人が巡回したり多くの観光客がいたため今回は残念ながら目的未達のまま帰国しました。もう一度北京に行く機会があれば今度こそ万里の長城でラジオを聴取しながらまったりした気分を味わう・・・夢が膨らみます。


2011/05/17

飛行機内のスゴい警告表示

数日ほど中国は北京に旅行していました。ご存知のとおり北京は中国の中心都市で市内には天安門広場が、郊外には万里の長城があります。よしおは通常ツアーなしの一人旅が定番ですが今回は初めて片道航空券代を下回るほどの格安ツアーで中国に行きました。

当初、先日修理したユピテルのMVT-7100を持参し中国旅行満喫をもくろんでいました。しかし新しく購入し持参したとある中国製電気製品(無線機や受信機ではありません)に電池を入れた状態で220V対応ACアダプターで電源供給したところ乾電池がパン!パン!という爆竹のような音を立てて連続で爆発したこともあってコンセントにACアダプタをつなぐことへの恐怖を覚えたり、ツアーの過密スケジュールによる疲労といった理由でほとんど受信できませんでした。

さてさて、本日は飛行機内の安全のしおりに載っていた、受信好き・無線好きには少々手厳しい警告表示を見つけましたのでご紹介します。こちらです。

見てのとおり機内ではトランシーバーやラジオは使用禁止という警告です。なんと無線機・受信機を写真で名指ししています。国内線では無線機や受信機を名指しする警告表示はまずお目に掛かれないはず、さすが中国の航空会社です.....。ちなみに参考ですが機内ではFMラジオだけでなくAMラジオも常時使用禁止とアナウンスがされていました。国内の飛行機では離着陸時を除きAMラジオの使用はOKの航空会社が多いので少々驚きです。

さて驚きの警告表示はこれだけにとどまりません。トランシーバーやラジオ使用禁止をはるかに上回る警告表示がこの隣にありました。それがこちら。
この警告表示は見てのとおり航空機機内、またはトイレでタバコを吸わないこと、吸うと火災報知機の警報が鳴ることを絵で示しています。左下の図をよ~く見てください。
なんと!警報機を分解してます(汗)。火災報知機を分解してまでタバコを吸う心理ってどうなのでしょう・・・中国は日本人が考える以上に広い国であることをつくづく感じました(笑)


最後に冒頭でお話しました、爆発したとある中国製電気製品に入れていた乾電池の状況をお見せしましょう。

電池内の電解液が粉末となり爆発しています。電池だけ、またはACアダプターだけでは正常動作していましたのでこうなったのはこの電池が悪いわけではなくこの電気製品本体に問題があることをお断りしておきます。この電気製品を分解していないので推測になりますが恐らくACアダプターからの12Vが乾電池を充電し、結果的に爆発したのでしょう。
幸いにも怪我はありませんでしたが正体不明の電気製品は取り扱いに最新の注意が必要ということです。皆様も正体不明の電気製品を取り扱う場合(って日常ではありえないと思いますが)くれぐれもお気をお付けください。それから・・・絶対に真似はしないようにお願いします。


いきなり乾電池爆発の話題で始まり無線や受信の話題からそれてしまった中国旅行記でしたが次回は持参したMVT-7100や北京市内で見た無線機器の使用状況を交え、北京市内の現在の無線通信事情をお知らせ予定です。

2011/05/10

ケンウッド、米国の竜巻被災地へ無線機器提供

アメリカでは先日4月27日に同時多発的に各地で竜巻が発生しました。発生状況は以下のとおりです(赤いマークが竜巻発生場所をあらわします)。


View Tornado Outbreak April 27, 2011 in a larger map


この事態を受けケンウッドはアメリカで竜巻で家屋破壊や洪水などを受けた被災地へ自社の無線機器を提供したと発表しました(ケンウッドアメリカのサイトには公式に発表されていません)。

2011年5月6日|ニュースリリース|株式会社ケンウッド

これほど広範囲で竜巻が発生したことに驚きを隠せません。まずは一刻も早い要救助者の発見と手当てがスムースにいくことを願っています。


2011/05/08

常識を超えるポータブル超広帯域受信機

その受信機は9kHzから最大7.5GHzを連続受信しAM/FM/SSB/ISB/CWといったアナログ方式に対応しているだけでなくIQ信号やレーダーパルス波にも対応するという、私たちがこれまで知っている 受信機をはるかに凌駕する驚異的な性能を誇ります。

早速ご紹介しましょう。ローデ・シュワルツ社のPR100です!


念のためですがこれはエイプリルフール企画(詳しくは本記事の最後、関連記事参照)ではないことをお断りしておきます。
ロード・シュワルツ社はドイツのミュンヘンに本拠を置く世界で有数の計測機器メーカーです。同社の広帯域受信機PR100には大きく
・アナログ信号復調機能
・別売りのアクティブ指向性アンテナHE300によるGPS連動発信源方向探知機能
・受信信号内部DSP処理
・復調した最大500kHz幅IQ信号のLAN内転送機能と内部SDカード保存機能
・受信音声のICレコーダー機能
・レーダーパルス波受信機能
・10MHzバンドスコープ機能
・LAN経由全機能遠隔操作機能
・電池駆動対応
・TETRA復調機能
・6.5インチVGA液晶
といった機能があるようですが.....これだけ見ても○○○が出そう(失礼!)な勢いです。もはやこれは広帯域受信機と呼ぶよりも計測器と言うべきかもしれませんがメーカーWebサイト(ドイツ語)では「受信機」のカテゴリーに属していますので受信機なのでしょう.....。ちなみに電池は専用の6セルリチウムイオン電池を使用し、駆動時間は4時間だそうです。

PR100は日本国内をメインターゲットに作られてはいないようでよしおはまだ無線ショップに置いてあるローデ・シュワルツ社の製品を見たことがありませんが国内にもローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社があります。ですからPR100を買いにわざわざドイツに行く必要がありません(笑)
興味のある方は一度ローデ・シュワルツ・ジャパンへ問い合わせてみてはいかがでしょうか。




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[関連記事]
6/1 エイプリルフール企画開催します!

[関連情報]
ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社(一部日本語)

2011/05/05

米ケンウッド、期間限定でカーナビ割引を発表

本内容の詳細は下記ケンウッド公式サイトに5月2日付け報道資料として掲載されています。

KENWOOD LAUNCHES 2011 CONSUMER REBATE PROGRAM IN PARTNERSHIP WITH GARMIN(英文)

以下報道資料からの内容抜粋です。
割引対象商品はGPS機器開発大手、ガーミンの技術を採用した3機種で割引きの手順は商品を購入後5月~7月の期間中KENWOODの特設サイトにアクセスして手続きすると100~300ドル返金されるという、アメリカではよく知られている方法をとっています。

米ケンウッドのコンシューマー向けエレクトロニクス販売部門副部長Dave Hoag氏はこの実質的な割引きにより同社の車載向けカーナビ製品の販売台数増加と平均販売価格(ASP)の上昇を期待しています。本報道によるとこの発表は消費者に対してだけではなく同製品の販売店に対しても製品展示用器具やポスターなど販売促進用品も提供するとあり、同社とその販売店との結束が一層強くなることを示唆する内容とも受け取れます。
Hoag氏はまた「この割引きプログラムが(弊社の)車載製品を購入する刺激策となり、(いずれユーザーが)小型GPSやスマートフォンアプリを組み合わせ、プレミアムなシステムにする第一のステップとなる」と今回の実質的な値引きの発表が関連製品市場活性化の引き金になる含みを持たせた発言をしており(本記事では邦訳掲載しませんでしたが)後半、引き続きGarminとの継続的なパートナーシップを堅持する姿勢を表しています。

ここまで今回米ケンウッドから発表された報道資料にざっと目を通しましたが・・・米KENWOODがGARMINと協力関係にあることは恥ずかしながら本報道資料を読み初めて知りました。そう考えますと先日ケンウッドが発売したハンディトランシーバーTH-D72が同社製カーナビと連携動作するかも....や将来的にTH-D72に地図が一体化されたハンディ機あるいはモービル機などが発売されるかも.....という妄想をしてしまいます。



購入後の値引きによる同様の販売促進は日本でも製品購入後のキャッシュバックキャンペーンとしてたびたび目にします。しかし製品の箱についたバーコードを切り取るという手順が個人的には納得のいかないものとなっており、結局購入の妨げとなる機会がしばしばあります。
非常に一般的な話となりますがもし今後このような割引きを実施するのであれば製品に応じた柔軟な方法を検討してほしいとよしおは思いました。

2011/05/03

米FCC、TETRA向けに規制緩和を検討

アメリカFCCがTETRA規格のアメリカ国内参入要件緩和のため、自身の定める90条の緩和を検討していることを発表しました。その報道資料は下記です。

Amendment of Part 90 Rules to Permit Terrestrial Trunked Radio Technology(pdf、英文)

この文章の内容を大雑把に要約しますと今回FCCはTETRA規格を持つ無線システムをアメリカ国内への普及をしやすくするため、90条要件緩和案を検討しそのパブリックコメントを募集しているとのことです。TETRAについては当記事で過去に触れていますのでそちら(本記事末尾の「関連記事」)を参照いただくとして、簡単に説明しますとTETRAとは25kHzの帯域に最大4つのスロットを使うことができる無線規格の一つです。

TETRAはすでにアメリカ国内で現在僅かながら普及しているようですがその範囲は限定的で現状端末の送信出力も最大1Wに制限されているようです。FCCが90条を緩和しTETRA規格の無線システムがこれまで以上にアメリカ国内に普及するとどうなるのかが我々にとって一番関心のある内容と思いますのでそれを踏まえこのFCCの報道資料をひも解いていくことにしましょう。

まず上記報道資料の要旨をおおまかに抜粋しますと
・TETRA側は450-470MHzの商用バンドと806-849MHz, 851-894MHzのESMRバンドへの参入を検討、要求している
・TETRA側はパブリック・セーフティへの参入を検討していない
・FCCはTETRA規格の無線システムをパブリック・セーフティへ導入することを検討している
・FCCは既存のAPCO P25とTETRA、それ以外のシステムの相互接続の可能性を模索している
となると思います。ここでなぜFCCが定める90条緩和が必要となるのかというのは勘の鋭い方はお察しのとおり、TETRA規格の無線システムは1スロットを使っても25kHzの帯域を占有する事実とFCCが2013年1月にナローバンド化を完了する事実が矛盾することにあります。

アメリカのナローバンド化(詳細は本記事最後の「関連記事」を参照)は2013年1月にほぼすべての周波数帯域で1波辺りの占有周波数帯域を12.5kHz以下(実際の要件は11.25kHz以下)を義務付けるというものです。しかしTETRAの規格はスロットを1つ使ったとしても4つ使ったとしても占有周波数帯域は25kHzとなり、FCCのナローバンド化の基準に適合しなくなると判断できます。これに関連すると思われる、“TETRAシステムを運用した場合、周辺の帯域(電波)干渉による影響が心配される”旨が上記報道資料では繰り返し記載されています。

今回FCCは上記報道資料にあるとおり、この電波干渉問題をどのように説明すればTETRAが採用できるのかを中心にパブリックコメントを求めています。言い換えるとFCCはTETRA規格の無線システム導入を積極的に検討しているということです。
なぜdPMRやNEXEDGE(IDAS)などの1波辺り6.25kHzの帯域占有で済む規格ではなくTETRAを検討するのかについてはアメリカ国内でもさまざまな憶測が飛び交っています。せっかくAPCO P25規格を制定し運用開始しはじめたばかりなのになぜ既存の規格を追加で組み込もうとするのか、その真意があまりにも理解しにくいのは誰もが思うところでしょう。

現時点でFCCがこのTETRA普及拡大へのパブリックコメントを募集している状況からTETRA側の要求が通る可能性はきわめて高いと言えます。このアメリカのTETRAシステムの普及が日本国内のインフラへすぐに影響することは考えにくいですがアメリカ国内でのTETRA規格の普及推進がそれ以外の規格の普及を妨げる要因となることは否定できないと言えます。



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[関連記事]
TETRAとは・・・
米FCC、VHF/UHFのナローバンド化を義務付け

2011/05/01

6/1 エイプリルフール企画開催します!

タイトルにありますように来月始め、当記事内でエイプリルフール企画します!

当記事では電波、無線関連の話題を中心に扱っていますのでその路線は外さないと思います(多分)・・・。
何が登場するのかはまだ秘密です。

6月1日をお楽しみに!