2014/02/24

【追記】アルインコ 特小DJ-PB20発売開始

アルインコ公式WebサイトでようやくDJ-PB20の詳細が発表されました。
(アルインコ電子事業部公式サイトより引用)

20ch 特定小電力トランシーバー DJ-PB20シリーズ - アルインコ株式会社



DJ-PB20は免許不要で使える中継器非対応20チャンネルトランシーバーです。入手性の良い単3アルカリ電池3本で使えます。

現行モデルDJ-PA20との違いは税別標準価格が5800円ダウンしたこと、見かけ上カラバリが6色(限定色含まず)から3色に減ったこと、フクロウのようなデザインから輪郭がはっきりとしたヘビーデューティーデザインへ刷新されたことが見受けられます。

なんとなくですが、DJ-PB20のスピーカーの形状が漫画ドラゴンボールZの敵の口部分に見えてしまうのは私だけでしょうか・・・。



話がやや脱線しましたが本題に戻ります。その他のDJ-PA20とDJ-PB20の違いは以下のようです。

[廃止機能]
・モニターボタン
・外部電源端子
・送受信LEDインジケータ (2014/3/1追記)

[アップデート機能]
・音声出力100mW->400mW
・減電池表示が1->4段階
・日常生活防水->IP54

[追加機能]
・チャンネル非表示
・イヤホン断線感知
・コールバック
・送信出力設定
・緊急通報

現行品DJ-PA20と比べ、電池の持ちにさほど変化はないようです。

モニターボタンの廃止はビジネスユースでほとんど使わないこと、誤って押したときトランシーバーが壊れたと誤認するユーザーがいたからではないか考えます。

充電器を含めたオプションのほとんどはDJ-PA20と共通ですから、DJ-PA20の置き換えにもDJ-PB20は最適です。



個人的には単信20チャンネルで1mW送信可能な新機能が面白そうと感じました。業務用途では送信電力の削減は混信を減らし電池の減りを若干少なくするのに貢献しそうですね。

カタログによりますと中継器対応のDJ-PB27も近日登場予定ですがレピーターを使わない用途ならば防水性能やスピーカーから大きな音の出る安価なDJ-PB20はおすすめできると思います。


[関連記事]
アルインコ、低価格特定小電力DJ-CH1発表

ファーストコム(FRC)、FC-S200特小を2色追加

FTH-107/108とFTH-307(L)/308(L)の違い

DJ-P22とDJ-P221L/Mの違い

UBZ-EA20R送受信性能比較実験

八重洲無線、FTH-307(L), FTH-308(L)発表

ユニデンから特小トランシーバーSLT001が登場!

アイコム特小トランシーバー IC-4188Dレビュー

アイコム、本体93gの小型特定小電力トランシーバー

2014/02/17

アイコム特小トランシーバー IC-4188Dレビュー

アイコムのハイエンド特定小電力トランシーバー、IC-4188Dを入手しました。

あらためて紹介しますとIC-4188Dは2013年に発売された、交互通話機能、同時通話機能、レピーター機能の3モードを搭載した、免許不要の多機能トランシーバーです。一言で表すならば全部入りの幕の内弁当といったところでしょうか。

WITHCALL"PRO"のブランドにふさわしくロングアンテナ、防滴性能、特定小電力トランシーバーでは最大クラスの大音量スピーカーや豊富なセットモードを備え、一般的な作業現場ユースに十分耐えられる無線機です。

それではIC-4188Dの各部を確かめていきましょう。





■外観

IC-4188Dは操作ボタン5個と音量つまみ、3つの入出力端子、オプション充電池充電端子、全長約16.5センチのロングアンテナを備えています。

デザインはID-51やIC-DPR3に共通する、一見するとやや丸い筐体にシルバーラインのアクセントがあります。ベルトクリップのみを付属し塗装などの無駄を省いた、完全に実用本位の造りです。


操作ボタンは誤操作しない程度に重く、音量つまみも指1本では回転しない適度な固さがあります。

画面表示は従来機IC-4088Dよりも1.5倍ほど大型化され日本語も多くわかりやすいです。

向かって左側面の送信(PTT)キーは一般的なラバー素材ではなく、静かながら確実にクリック感のあるプラスチック仕様です。


電池蓋は特小無線機では一般的なロック機構を有します。


着脱可能なベルトクリップは硬質ポリカーボネートらしき素材で幅4センチ程度、厚さ1センチ程度のベルトまで対応しています。





■IC-4188Dの操作性と使い勝手

初期設定は煩雑ですが、その後は電源と音量、送信キーの操作のみで簡単です。


グループキーと上下キーでチャンネル、グループ番号がすぐに変えられます。作業現場で度々発生する混信に素早く対応するための配慮ですね。

付属のベルトクリップをIC-4188Dに取り付け腰ベルトに装着すると移動中はアンテナが体と干渉しますが反面、ロングアンテナが無線機のグラつきを少なくします。

マイク感度は3段階で変更できます。デフォルトの設定では内蔵マイクは静かな環境で無線機から2~3センチ以上離れた人の声をほとんど拾わないようになっています。

外部電源端子は6Vです。充電は対応していません。メーカー保証外ですがパソコンのUSB電源で動作を確認しました。




■IC-4188Dの特徴

IC-4188Dには実測約9ch/秒の高速スキャン機能があります。スキャン機能は特定小電力トランシーバー用の421MHz~422MHz帯を全チャンネル連続スキャンします(設定変更可能)。トーン指定なしでも動作しますが440MHz帯はスキャンしません。なおスキャン中の動作はセットモードで選べます。

スケルチ(雑音消去機能)は3段階で初期値は中です。スケルチ解除も可能です。

オプションのイヤホンマイクなどを使用中でも本体のマイクを使う機能があります。

通話中の雑音を少なくするコンパンダや秘話モードの切り替えもあります。グループモードと秘話モードは独立して設定可能です。

コンパンダはメーカー保証外ですがアルインコや八重洲無線など他社と互換性がありそうな感触でした。秘話モードはこれもメーカー保証外ですが、確認したところ設定次第では現行の他社(アルインコ、ケンウッド、八重洲無線)製品と互換性がありそうでした。



■IC-4188D通話距離比較

同等の機能を持つアルインコのDJ-R100Dと送受信距離比較を行いました。実験エリアは中層住宅と幹線道路で構成された市街地です。チャンネルは単信12ch(h1ch、422.2MHz)を使用しました。


・送信距離
八重洲無線のアマチュア機VX-8Dの2波同時受信機能でIC-4188DとDJ-R100Dの飛距離を比較しました。結果、僅差でしたがIC-4188Dが健闘しました。


・受信距離
ケンウッドUBZ-EA20Rからの送信電波をIC-4188DとDJ-R100Dで同時受信しスケルチ最小(非解除)で受信感度を比較しました。DJ-R100Dが1ランク上の結果が得られました。

補足としてIC-4188Dは音声が明瞭に聞き取れる反面、移動中の雑音が少々耳障り。対してDJ-R100Dは通話内容がこもって聞こえますが反面、雑音がほとんど聞こえない音質となっています。
IC-4188D(左)とDJ-R100D(右)



= = = = = = =



まとめですがIC-4188Dは他のアイコム製中継器対応トランシーバーが距離不足のとき臨時中継器として活躍する、マルチユースの特定小電力トランシーバーです。

通話距離は同一カテゴリの他社製品と同等の性能を有しますが通話品質に優れており、かゆい部分に手の届く細かい設定が可能です。スキャンスピードが比較的高速なのも魅力ですね。

これまでの特定小電力トランシーバーに不満をお持ちの方、旧システムの刷新用にIC-4188Dはおすすめできると思います。


[関連記事]
UBZ-EA20R送受信性能比較実験

ケンウッドUBZ-EA20R使用レポート

Motorola MS80トランシーバー購入&実使用

アイコム 同時通話特小業務機IC-5010発売

ファーストコム(FRC)、FC-S20特小を2色追加

アルインコ、低価格特定小電力DJ-CH1発表

FTH-107/108とFTH-307(L)/308(L)の違い

DJ-P22とDJ-P221L/Mの違い

2014/02/11

アイコム IWCEでJVCケンウッドとNXDN製品発表を計画

アイコムはJVCケンウッドと共同で3月24~28日ラスベガスで開催される米国IWCE(国際無線通信EXPO)2014でNXDN TYPE-C規格のデジタル無線機器を発表するようです。



NXDN™ TYPE-C トランキングプロトコルに対応した製品をリリースいたします。- アイコム株式会社

Forum Members Icom Inc. and JVCKENWOOD Corp. to Offer Products Compatible with Both NXDN™ Trunking Protocols - Icom America(英文)



NXDNは日本では馴染みがないですが米国FCCのナローバンド化に伴い規格化された6.25kHzの帯域幅で3.6kbpsの、12.5kHzの帯域幅で7.2kbpsの音声通話規格を持つ通信方式の一つです。交互通話、中継通話だけでなくIP網を活用した通信も規格化されているようです。

NXDN TYPE-Cトランキングプロトコルとは端末を基地局の制御専用チャンネルで制御しユーザーが通話チャンネルを意識することなく無線通信回線を使える規格です。いわば携帯電話と同様のシステム、MCAシステムですね。



単にこのTYPE-Cプロトコルを装備しただけのNXDN製品が発売されたとしても携帯電話網と同じようなシステムではNXDN TYPE-Cの利便性を訴求できないと思いますが、米国や欧州では想像以上に無線機を活用した通信インフラが活用されている側面があり、勝算がないとも言い切れません。

携帯電話の弱点はご存知のように基地局が機能しなくなった途端、全く通信できなくなることです。その点TYPE-Cを搭載したNXDN端末であれば基地局がダウンした場合でもTYPE-C以外のプロトコルがあれば周囲の端末と通信できる可能性は十分にあります。

月並みな想像ですがアイコムとJVCケンウッドはIWCE2014で恐らくその点をアピールしてくるものと予想します。



アイコムとJVCケンウッドが共同で今回の発表に至る経緯はモトローラ・ソリューションズが1月、通信インフラに左右されない相互接続技術を有するツイステッドペア社を買収したことも要因の一つではないかと、個人的には考えています。

IWCEで発表される製品を両者がどのようなコンセプトで提案してくるのか楽しみです。

[関連記事]
アイコム、英国Fylde MicroとdPMRで協業

総務省、バンドプランの大幅な見直しを検討中

TETRA無線機が各国で徐々に配備拡大中

米FCC、TETRA向けに規制緩和を検討

総務省、非常時のアマチュア無線運用緩和へ

総務省、無線設備など規則改正の意見募集

米国各州で緊急用無線新システム導入の動き

2014/02/09

アイコム 同時通話特小業務機IC-5010発売

昨年(2013年)に発表されたIC-5010がいよいよ発売となりました。
(画像はアイコム公式サイトから引用)

IC-5010 おもな特長 - アイコム株式会社


IC-5010を端的に表すならば電話のように会話できる、悪天候下で使える業務用同時通話トランシーバーです。



IC-5010は現行モデルIC-4855のアップグレード版ですが、アップグレード内容を分析したところ以下の内容となりました。

<変更>
・防水:IPX7 -> IP67
・マイク感度:3段階 -> 5段階
・スケルチレベル:64段階 -> 6段階

<新規追加機能>
・秘話機能、16段階秘話コード
・受信専用モード
・オートパワーオフ

スケルチレベルの刻み数減少は使い勝手向上のためでしょう。

IC-4855は取扱説明書に10mW使用時の電池寿命が約11時間とありますが、更新された2011年版のカタログに約12時間とありますからこちらのほうが正しいのでしょう。そうしますと電池寿命に変化がないことになります。

それからこれも推測ですがIC-5010のコンパンダ機能はIC-4855カタログの「クリアな通話音」と同一と思われます。



IC-5010の説明書はIC-4855よりも整理されIC-4855をお使いの方は少々戸惑うでしょうが、これまでよりも操作したい内容にアクセスしやすい工夫がある印象を受けました。

同時通話に特化したプロ用IC-5010を趣味やレジャーで使うことはまず考えにくいですが、オプションが豊富できめ細やかなカスタマイズが可能なことから使い勝手はIC-4855に引き続き、堅牢性も含め業務ユースにはより使いやすくなっていることでしょう。

[関連記事]
アイコム、無線LAN上で使える2.4GHz無線機

ID-51、2013年グッドデザイン賞受賞

ファーストコム(FRC)、FC-S20特小を2色追加

アルインコ、低価格特定小電力DJ-CH1発表

FTH-107/108とFTH-307(L)/308(L)の違い

DJ-P22とJ-P221L/Mの違い

UBZ-EA20R送受信性能比較実験

アイコム(ICOM)IC-R1をSGとして使う

2014/02/08

モトローラ・ソリューションズ、460MHz携帯機GDB4800

モトローラのデジアナ簡易業務無線機が登場しました。

GDB4800 - モトローラ・ソリューションズ 業務用無線機ビジネス


2013年12月に発表済みの351MHz登録局対応GDR4800の免許が必要な460MHz帯簡易業務版で65チャンネルデジタル波、既存設備用の35チャンネルアナログ波に対応しています。

どことなく八重洲無線(旧バーテックススタンダード)のVXD450Uとスペックのかぶる部分があります。そこで公開されていますスペックを比較しました。

見た目は音量つまみの傾きや本体前面の凹凸の有無以外同じに見えます。オプションもGDB4800とVXD450Uで一部共通です。

工事現場などで重要な大音量スピーカーやデジタルモードで威力を発揮するノイズキャンセリング機能など、基本機能も八重洲無線のVXD450Uとほとんど変わらないようですから、外観以外の大半は恐らく同じで細かい部分で差別化を図っている可能性が考えられます。



GDB4800を選ぶか、八重洲無線のVXD450Uを選ぶかですがオプションをきめ細かく指定し業務用途で大量導入する場合はGDB4800、少量導入する場合は基本オプション付属のVXD450Uとなります。

またGDB4800本体のメーカー保証が2年に対して八重洲無線のVXD450U本体が3年保証の部分もポイントです。

厳しいモトローラの品質基準にこだわる場合選択肢は自ずとGDB4800となりますね。

[関連記事]
Motorola MS80トランシーバー購入&実使用

MOTOTRBOとは~無線用語

Vスタンダード 日本語表示可能なデジアナ簡易業務機

アルインコ、PC拡張機能を備えたハイパワー無線機

TETRA無線機が各国で徐々に配備拡大中

AMBE+2とは~無線用語

2014/02/01

ソニー、小型ラジオレコーダーICZ-R100発表&プチレビュー

ソニーからハンディタイプの小型ラジオレコーダーが発表されました。

(写真引用元:ソニー)

ICZ-R100ポータブルラジオレコーダー - ソニー



ICZ-R100の代表的な特徴は現行モデルICZ-R51同様、

・MP3形式のステレオ録音再生、リニアPCM/WMA/AAC再生
・AMラジオとFMラジオが聴ける
・ラジオが録音できる
・20件登録可能なタイマー予約録音
・音程変更や区間リピートなど語学学習に便利な機能
・ラジオの感度を上げるAMループアンテナ、FM簡易アンテナ付属
・スキャン感度調節
・自動的に本体の時刻調整をする「時刻補正」機能

となっています。

ICZ-R51と大きく異なる点は本体の大きさが手のひらサイズとなり、外出時の持ち運びが容易になったことです。手のひらサイズラジオレコーダーのソニー製品は知る限りこれが最初です。



次にICZ-R51にはないICZ-R100のスペックを見ていきますと

・マイク録音時 CDと同じ音質の44.1kHz 16bitリニアPCM録音が可能
・マイク録音時シーン自動認識
・本体のマイクロUSB端子とPCをつなぎUSB充電可能
・小型ながら最大約11時間のラジオ録音

と、性能を落とさずICレコーダーとしての機能拡充が見られます。

蛇足ですがICZ-R100はクレードルを使わずFMラジオを受信する際は必ずヘッドホンを取り付けて使います。



プチインプレを少々。ソニーのショールームにてこのICZ-R100をタッチ&トライしたところ

・大きく見やすく分かりやすい液晶表示
・ラジオモードで本体左右ボタンの押すとプリセットされた放送局を選べ、上下を押すと受信周波数の上下が可能
・ラジオ受信中に録音ボタンを押すと瞬時にラジオ録音開始
・本体をスピーカークレードルへ固定すると自動でクレードルスピーカーから音を再生
・ラジオは192kbpsのMP3形式の高音質で録音可能
・付属ACアダプターはラジオにやさしい低ノイズタイプ

以上の点が好印象でした。

本体外側は写真ではわかりづらいですが実際は完全な白色ではなく少量のラメ素材を混入したと思われる白色光沢プラスチック仕様で女性ユーザーを意識しています。

本体にプラスチック素材を採用した理由は恐らくICZ-R100本体内蔵のAMバーアンテナの感度を上げる工夫と思われます。



このようにICZ-R100はICZ-R51の高い性能を継承しながら小型軽量を実現した、満足のいく仕上がりとなっています。

発売は2月上旬、価格はソニースタイルで19950円と、かつてのラジオ録音機能付きカセットウォークマンが4万円以上したことを考えますと破格の設定です。色は現状ホワイトのみで黒はないそうです。

一般的にクレードル付属の製品はクレードル装着時の安定性がよくなく、ボタンを押すとクレードルごと倒れる場合が多いのですが、ICZ-R100はクレードル取り付け時もそこそこ操作できました。

試用した限りでは起動時間やボタンの反応も比較的よいことからストレスも少なく使えそうな感触です。

[関連記事]
ICZ-R50現物を受信マニア目線で分析(写真あり)

【追記】ソニー、ラジオNIKKEIが聴けるホームラジオICF-M780N

eton 同期検波を改善した短波ラジオSatellitなど発表

FRC、同報無線受信対応の防災ラジオ発表

オリンパス、ワンセグ音声録音対応ICレコーダー発売

NHKのラジオ放送がスマートフォンで聴取可能に

「だれでもできる電波通信実験」AM送信機製作

radiko、関東&関西の周辺放送局が充実化

ラジオ局同士の合併、ついに解禁へ

デジタルラジオ放送事業に130社が参入を希望