2011/05/23

「だれでもできる電波通信実験」AM送信機製作

CQ出版の書籍「だれでもできる電波通信実験」に掲載されていたAM送信機を製作しました。
(「だれでもできる電波通信実験」AM送信機)


FMラジオに電波を送信するFM送信機は現在市販の電子工作キットとして数多く見受けられますがAMラジオで受信できるAM送信機の電子工作キットは国内でも非常に数が少なく完成品はまずお目にかかれませんのでこのAM送信機の製作記事は大変重宝すると思います。
書籍には専用基板も付属していますから部品と電子工作に必要な道具があれば簡単にAMトランスミッターが作れます。部品は秋月電子で「だれでもできる電波通信実験」専用にパーツセットとして販売されていますので簡単のためこちらを利用しました。
(「だれでもできる電波通信実験」書籍とパーツセット)


このAM送信機の製作に必要なパーツはコンデンサーマイクと抵抗、コンデンサー、FCZコイル、トランジスター、ロジックIC、セラミック発振子などで構成されています。パーツセットに含まれるものは下の写真のものがすべてです。電池(9Vの006P系)とアンテナ(ビニール線)はパーツセットに含まれていませんので別途入手が必要です。
(「だれでもできる電波通信実験」パーツセット内容)


早速このAM送信機キットを組み立てました。実際に製作した完成写真は本記事の一番上にあります。よしおの場合キットの製作は40分程で終わりました。
このキットはコンデンサーマイクによる音声送信のほかにボタンスイッチによるモールス信号の送信も可能となっています。また今回送信用アンテナは3mのビニル線をグラウンド側と"ANT"側にそれぞれ接続しました。

製作したAM送信機の電波をVX-8Dで受信し感触を確かめました。

本キットでは発振回路にセラミック発振子を使用しているため周波数安定度は抜群です。音質は通常のAM放送電波とほぼ同じレベルと断言できるほど非常にクリアです。変調度も申し分ありません。

気になる送信出力ですがVX-8Dで受信した場合、送信アンテナから20~30センチ離すとほとんど受信できないほど非常に微弱でした。AMアンテナ設定を外部に変更し送信アンテナを直接VX-8Dに接続しても上のとおりレベルメーターが2つしか振れません。

念のためMVT-7100で受信Sメーターの振れ具合をします。

送信アンテナをMVT-7100と直接接続しない最大のレベルが上の写真です。直接接続は試していません。他のAMラジオでも受信しましたがやはりVX-8Dと同様、アンテナを最大に伸ばした場合であってもせいぜい30センチメートルが実用範囲でした。個体差もありましょうが本AM送信機キットの電波出力は非常に微弱といえます。


「だれでもできる電波通信実験」のAM送信機を製作した結果は以上のとおりですが書籍の後半では応用編として送信したモールス信号をデコードするデジタル通信に関する内容に触れています。書籍に付属の基板および秋月電子で別途購入したパーツセットは応用編用の実験もできるようになっています。興味のある方はこちらも試すと面白いでしょう。


まとめとして書籍「だれでもできる電波通信実験」は説明に写真がふんだんに使われていますので初心者の方でも安心して電波実験ができ、AM送信機を探していた方にとっても非常にありがたい教材と思いました。自室でCDなどデジタル音源を敢えてAMラジオの音質で聴きたいこだわり派にもおすすめできます。

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