2020/01/05

27MHzCB Marker電子工作キットの組立

2019年ハムフェア会場のAKCブースで頒布されていた電子工作キット、CB Markerをようやく組み立てました。ここでは組立に苦労した点や組立後の動作を紹介します。
CB Marker電子工作キットのパッケージ



CB MarkerとはAKC(アマチュアキットクリエイターズ)メンバーのJQ1SRN氏が27MHz帯の市民ラジオ8チャンネルの受信チェックを想定し開発された微弱送信機キットです(頒布終了)。

詳しくはこちらに説明がありますのでご覧ください。なお送信電波は微弱ですから免許は不要です。


キットの内容物は氏によって開発されたソフトウェア内蔵マイコンを含む部品と基板一式、秋月電子通商のパーツ2点(下記)で構成されています。

よしおはCB Markerの動作確認用にφ2.1ミリDCプラグ電池スナップ単3電池4本用電池ボックス、単3電池4本の計4点と別途、手持ちのSMAコネクターロッドアンテナ(アイコム IC-R30用)を追加しました。
Φ2.1ミリDCプラグ、電池スナップ、電池ボックス

説明書には006P電池で動作するとありますが、手元に006P型の電池がないため、単3電池で代用しています。



組立に苦労したポイントを紹介します。

苦労したポイントはSMAコネクター、DCジャック、AE-MICAMPの固定角度調整です。
SMAコネクター位置決め中の様子

特にSMAコネクターはアンテナの付け替えを頻繁にするパーツなので、取り付け位置が傾いたり外れたりしないように、しっかりはんだ付けしました。



次に、よしおが少々加工したポイントを紹介します。

CB MarkerにはLCDがあります。

説明書はLCDを基板にベタ付けする手順のように読み取れますが、よしおは組立後ケースに入れることを想定し、不要な基板をLCDの大きさに割り4枚積み重ね、接着剤で固定しました。

これでLCDの高さがSMAコネクターの高さとだいたい同じになりました。
不要な基板4枚をLCDの下敷き用に加工し接着した様子

よしおが追加した部品のDCプラグと電池スナップは下記のようにはんだ付けしました。
DCプラグはんだ例



CB Markerの組立動作例です。DCジャックが傾いて付いていますが動作に支障はないので気にしていません。

キットの組立にははんだ付けに約1時間、不要な基板加工や道具の準備、追加部品調達と動作確認に約2時間の、計3時間掛かりました。


電源を入れると、電波の飛距離は室内2部屋程度が限界で、屋外へ出ると受信できないほど電波が弱いです。微弱送信機ですからアンテナの長さは説明書に従います。
動作確認例(ラジオはRADIWOW R-108を使用)

なおCB Markerには固定トーンの他にマイクの音声を変調する簡易回路があります。変調レベルはかなり浅いので、声を微弱電波に乗せる場合は大きめに話す必要があります。





ハムフェア2019から4か月後にようやくCB Markerを組み立てることができました。LCD付の高機能CB微弱送信機はなかなか製作のハードルが高いので、ハムフェア会場で入手できてラッキーでした。開発されたJQ1SRN氏にはお礼申し上げます。

これからこのCB Markerを使い、手持ちのCBトランシーバー等の動作チェックをしていければと思います。

(関連記事はこの下です)

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2020/01/04

グアムで無線を受信する2~第2のスキャナー登場~

米国の無線を受信したい衝動でグアム旅行を決めたものの、グアムで米ユニデンBCD436HPを使えない事が出国前の深夜に発覚した話の続きです。



グアムの周波数を受信機へ手入力する時間はもうありません。受信機の周波数を変更するためだけにパソコンを持参する荷物スペースもありません。どうしたものか...。

ふと、BCD436HPの代わりになりそうな、もうひとつのスキャナーが手元にあったのを思い出しました。
Whistler TRX-1 Digital Scanner+ダブルベントアンテナ


米ウィスラーのハンディデジタルスキャナーTRX-1です。TRX-1については下記関連記事を参照ください。

TRX-1はしばらく前に入手していたものの、付属ソフトウェアが複雑で殆ど使っておらず、しばらく放置していました。

しかし米国で使う場合はBCD436HP同様、郵便番号を入力すればグアムの周波数がセットできるはずです。



ほぼ買ってすぐの初期状態でTRX-1にグアムの郵便番号を入力すると、なんとBCD436HPではできなかったグアムが選択できそうなことが分かりました!

ところが付属のソフトウェアで周波数データベースを更新したところ、BCD436HP同様にグアムの郵便番号を認識しなくなりました。

郵便番号選択以外に選べる州名選択からもGuamが消えているという...。

試しにハワイの郵便番号を入力すると地域設定できそうな表示が現れます。
これはBCD436HPと同じ症状です。

...TRX-1よ、お前もか(笑)



それにしても周波数データベース更新後にグアムが消えるのは解せません。

少し調べてみるとTRX-1の周波数データベースはBCD436HPと同じRadio Referenceの情報を利用していることが分かりました。

この状況から、Radio Referenceのデータベース自体がグアムを米国から除外したことになっているであろうことが推測できます。

きっと、グアムにはBCD436HPやTRX-1といった最近のスキャナーを使う酔狂なマニアがいないので、誰も"グアムが米国になっていないこと"に気が付いていないのでしょう(笑)



話を元に戻します。

TRX-1を周波数データベース更新前の状態へ戻せればよいのですが、バックアップしていなかったので地域設定でグアムを選ぶのは無理そうです。


出発時間が刻々と迫る中でTRX-1を触っていると、TRX-1本体にグアムの周波数リスト自体は登録されていることを確認できました。

周波数データベース(HPDB)がスキャナー本体で確認できないBCD436HPに対して、TRX-1は上記のように確認が可能なのですね。


引き続きTRX-1を色々触っていると、登録済周波数データベースの一部をTRX-1へインポートする機能がありそうなことを発見しました。

言い換えると、TRX-1本体に周波数帳が入っていてもスキャンできない現状は、周波数帳の一部を手動で切り出すことで解消する、つまりグアムでTRX-1が使えるかもしれないということです。


出発までほとんど時間がないので、よくわからないまま上記インポートらしき操作をすると、ひとまずグアムの周波数らしきものがとりあえず登録され、グアムの周波数をスキャンしていそうな動作を確認できました!

TRX-1がスキャンができるかもしれないようになったので、まったく使えないBCD436HPの代わりに急遽TRX-1をグアムへ連れていくことに決め、TRX-1用のアンテナとバッテリーシステムを大急ぎで準備しました。

この時点で飛行機の搭乗チェックインまで残り5時間(笑)



ということで、米ウィスラーのTRX-1はいざとなったとき、米ユニデンのBCD436HPよりも融通の利くスキャナーであろうことが分かりました。
TRX-1 Main Menu

果たして、ほぼ未使用だったTRX-1でグアム現地の無線が受信できるのか!? その前に、よしおは寝過ごさず無事に飛行場へたどり着けるのか(笑)

次回へ続きます。

(関連記事はこの下です)


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2020/01/03

グアムで無線を受信する1~BCD436HP準備編~

久しぶりに受信大国の米国へ行きたくなり、日本から最も近いグアムへ旅行することにしました。今回はグアム受信旅行前の準備で起きたハプニングを語ります。



現地で使うスキャナーは過去に実績のある(関連記事「デイトンハムベンション」参照)米ユニデンのBCD436HPを今回も持参する予定ですが本当にグアムで使えるか、リハーサルも兼ねて出発前に確かめることにしました。
米ユニデンスキャナーBCD436HP+コメット製アンテナ

まずSentinelソフトウェア上で最新のHPDBをダウンロードし、グアムが登録されていることを確認します。HPDBとはネット上で公開されている米国とカナダの周波数データベース、要は北米の周波数帳です。
Sentinelソフトウェア上のHPDB州別周波数リスト


上記のとおり、確かにグアムはHPDB上に登録されていました。

次に、最新のHPDBをBCD436HPへ書き込み、BCD436HP本体でグアムの郵便番号を入力して現地の周波数が呼び出せるか確認します。

蛇足ですが、BCD436HPにはカナダ又は米国の郵便番号を入力するだけで受信したい地域の周波数リストを自動で呼び出せる機能があります。この機能は日本では使えませんが、米国やカナダで使う分には自分で全周波数を入力する手間が不要なので、受信は非常に楽です。


例えばグアム国際空港の郵便番号は96913なので、これをBCD436HPへ入力すればグアム国際空港の周波数が設定されるはず...


結果は下記のとおり"Out of Range"、つまり未登録のようです。他のグアムの郵便番号を入力しましたが全部同じ結果でした。

試しにグアムではなく、ハワイのホノルル国際空港の郵便番号96819を入力すると...


米国として認識されたようです。ニューヨークの郵便番号も同じように認識されました。

もう一度グアムの郵便番号を手あたり次第入力しましたが、すべてOut of Rangeでした。どうやらBCD436HPにとってグアムは米国ではないようです(笑)


郵便番号による設定は諦め、今度は直接緯度と経度を入力して認識するか確かめます。

何度入力してもスキャンするものが何もないと表示されました。

やはりBCD436HPにとってグアムは米国ではないらしいです(笑)


残された手段はSentinelソフトウェアからグアムで使われている周波数を手作業でひたすら入力する、つまり日本の受信機と同じ手間を掛けるしかありません。

郵便番号を入れるだけで即使えるはずのBCD436HPの存在価値が...。



というわけで、グアムでBCD436HPは米国本土やハワイ州のようにすぐ使えないことが分かりました。

この時点で原因が本当にBCD436HP本体にあるのか、HPDBの登録情報のどこかに問題があるのかはまだ分かりません。

しかし少なくともSentinel上でHPDBにグアムの周波数データーは存在するので、問題があるとするならばBCD436HP本体なのか...


このとき、グアム出発まで残り9時間。トランキングを含む大量の現地周波数をBCD436HPへ手動入力する時間はもうありません。

しかしこのままではグアムで受信する当初の野望目的が未達成になってしまいます。さあどうする!?

次回へ続きます。

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