2014/11/10

F.R.C. 特小無線機FT-20Zを開発中

特定小電力トランシーバーや受信機等をリリースしているエフ・アール・シーが新型特定小電力トランシーバーを開発中とのことです。

FT-20Z 特定小電力トランシーバー 【F.R.C. エフ・アール・シー】

(公式サイトから引用)

今回は回転式アンテナではなくNX-20Xのような固定式アンテナですね。しかも本体の長さとほぼ同じアンテナが装備されています。

FT-20Zは機種名の付け方が八重洲無線と重なるような気もします。
今年(2014年)1月にカラーが2色追加されたFC-S20、7月に発売されたNX-20Xのブランド名に注目しますとFC-S20は"FIRSTCOM"、NX-20Xは"NEXTEC"とそれぞれ異なっています。今回登場予定のFT-20Zは"FIRSTEC"と、はたまたこれまでとは異なる称号がついています。

"FIRSTCOM"でもなく"NEXTEC"でもない"FIRSTEC"ブランドのルーツは昨年(2013年)?に発売されているドライブレコーダー、FT-DRシリーズに始まるようです。



なぜ今回発売予定のFT-20Zのブランドが"FIRSTEC"なのかはさておき、2台セットということでET-20Xシリーズと比較するのがよいものと勝手に判断し性能などスペックを比べてみることにしました。なおNX-20Xと比べない理由はFT-20Zに秘話機能やFMラジオ受信機能が装備されていないためです。

スペック通り、どちらも通話距離を倍にする中継器に対応の20チャンネル機です。
一見するとデュアルウォッチや10種類のコールトーンといった各種が追加されていますが一方でET-20Xの電池の持ち時間や大きさ、受信感度が軒並みスペックダウンしている点が気になります。

ET-20Xの感度が-7dBuと呼称する八重洲無線のモデルFTH-80に勝るかと言われますと実際はそうでもなく、アルカリ電池2本で動作し防滴性能を有し、声の通りも良くスキャンスピードも高速など、かゆい部分に手の届くFTH-80の方が上であったりもします。



アンテナが長くなり固定式となったにもかかわらずスペック上感度低下したFT-20Zは素人の視点であっても納得のできる材料とは思いづらいものです。しかしFT-20Zは現在開発中のため最終仕様ではない可能性があります。スペック通りの性能で価格がET-20Xよりさらに安価になるかもしれませんし、発売開始までに何らかの変更が入るかもしれません。続報を待つことにしましょう。

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2014/11/09

TRX-305Aの「チュートリアル」を試す

前回に引き続き、CQ出版発売のフルディジタル無線機キットですが今回は無線機キットに同梱されているテキスト第3章「使ってみよう」を元に基板を動かしました。



最初はTRX-305MBの信号をAMラジオで受け音を出すチェックです。

BNCコネクターのついたケーブルをCN22につなぎ、先端のBNCコネクターに適当なアンテナや針金を付けます。スピーカーをJP2へ、スピーカーマイクも必要です。

今回アンテナは手持ちのメーカー不明フレキシブルアンテナをつなぎました。


TRX-305MBとPCをUSB接続しTeraTermでコマンドを送信し、スピーカーマイクのPTTを押すとピーという音がAMラジオから聴こえてきました。TRX-305MB基板からは送受信リレーの切り替わる音が聞こえます。

TRX-305MBからの信号は非常に弱くノイズに埋もれがちでした。基本的にAMラジオ放送さえ入れば受け手はどんなラジオでも良いのですが高感度ラジオを使うと信号がノイズにまみれてしまうため、どちらかと言えばそこそこ低感度のラジオでの動作確認がおすすめです。今回は手持ちのユピテルのMVT-9000MKIIを使いました。


スピーカーマイクで話した声をAMラジオから出す場合はスピーカーマイクの「CQ」ロゴ付近に向かって話すと変調が深くなりました。この付近にマイクカプセルが隠れているようです。

個人的な思い込みかもしれませんが、このスピーカーマイクだけを見ると古き良き20世紀を回想してしまいます.....。



次はAMラジオ放送をTRX-305MBで受信する確認です。

BNCコネクターのついたケーブルをCN22からCN19へつなぎなおし、BNCコネクターへAM放送受信用のアンテナをつなぎます。

ロッドアンテナでは厳しいAMラジオの受信もコンポやラジオレコーダーに付属のループアンテナを付けると明瞭に聴こえることがわかりました。ここではソニーのラジオレコーダーICZ-R100付属のループアンテナを下の写真のようにつないでいます。



3つ目はTRX-305MB内蔵発振器の信号をTRX-305MBで受信する動作チェックです。

CN23とCN19をケーブルでつなぎます。

よしお手持ちの個体では-12.7dBmと表示されました。



スーパーヘテロダインとCWの手順は諸事情によりスキップして、最後のFMラジオ放送の受信に移ります。
TRX-305MBは短波トランシーバーという位置づけですが高次サンプリングを使いFMラジオも受信可能なようです。

CN23とCN19をつないでいるケーブルを外し、BNCコネクターのついたケーブルをCN19へつなぎます。BNCコネクターへロッドアンテナなどの長いアンテナをつなぎます。よしおの場合はコメットの1メートル以上伸びるロッドアンテナCH-99を使用しました。

実際に受信するとポケットラジオで聴くよりも感度がよろしくありませんでした。内蔵フィルターが原因の一つかもしれませんが今後調査の必要はありそうです。


このTRX-305MBは原理的には700MHzくらいまで受信可能らしいので、更なる基板の改造でトランシーバーとしてだけでなく、広帯域受信機としても使えるかもしれません。

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