2015/11/30

AR-DV1 ファーム1511Bミニレビューその2

引き続きAR-DV1が稼働中です。ここでは私よしおの視点でAR-DV1のファームウェア1511Bで気になったことを紹介します。私以外の視点の詳しい1511Bファームのレビューはラジオライフ2016年1月号徹底使用リポートに記載されています。

また、1511Bを適用したレビューその1は下記関連記事を参照ください。



ファームウェア1511Bを適用したAR-DV1を稼働中、あるときから急にSDカード関連の不具合らしき症状が発生し現在に至ります。まれに液晶の一部が固まったりもしました。

その症状とはSDカードを挿したままだと電源が切れなくなるという問題です。はじめのうちは正常にカードを認識していたのですが、あるときから急にSDカードを認識する表示が常時点灯しなくなりました。指定のフォーマットツールでカードを初期化したのですが結果は変わらず。


これに伴いSDカード録音再生機能も動作しなくなりました。PCではこのSDカードは認識されます。現在はSDカードを外して使っています。

別のSDカードを使うとうまくいくかもしれませんので容量を変えてみる、旧ファームの再インストールなどを近いうちに試してみようと思います。それよりも先に新たなファームウェアが登場するかもしれませんが.....。




まだまだ課題の多そうなAR-DV1ですが、そうは言ってもAMの帯域幅を15kHzに変えると高域だけはAMラジオのHi-Fi感が際立つため少しずつ気に入り始めてはいます。

内蔵スピーカーによる再生では気が付きませんが、ヘッドホンを使用すると全般的に鼻をつまんだような音で深みのある音質ではありません。恐らく低音が増強されるとこの問題は解決できるかもしれません。


そもそもAR-DV1のコンセプトはデジタル復調機でしょうから音質を求めるのは筋違いなのかもしれません。しかしアナログ復調モードがある以上、どうしても手持ちの短波ラジオなどと比べてしまいます。音はいいほうが良いですよね。

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2015/11/20

東芝エルイー 充電台付属の名刺ラジオTY-SPR7発表

東芝エルイートレーディングから新たなポケットラジオが登場するようです。

TY-SPR7 : AM/FMラジオ - 東芝エルイートレーディング株式会社


(公式サイトから引用)


TY-SPR7は単4アルカリ乾電池2本または単4ニッケル水素充電池2本で最短20時間程度連続駆動するAM/FMステレオ2バンドの名刺サイズラジオです。FMは話題の補完放送に対応しています。(一応念のためですが)乾電池は充電できません。


一見、発売済みのAM/FMラジオTY-SPR5と同形状ですが、TY-SPR7は本体が単4充電池2本の充電機能を搭載しステレオスピーカー内蔵充電台を付属する点が大きく異なるようです。

スペック比較をしたところ、やはり大きさと重さ、電池の持ち、本体内蔵スピーカーの性能などはTY-SPR5と同一でした。外観はブラックからシルバー色に変更された他、本体底部にクレードル用の端子が追加された程度です。

TY-SPR5と異なるポイントとしては、充電機能の新搭載はさることながらFM補完放送局のプリセットの追加くらいでしょうか。TY-SPR7の説明書の放送局名一覧は秋田県から鹿児島県までのFM補完中継局がひっそりと追加されていました。



(公式サイトから引用)

さて、このTY-SPR7のステレオスピーカー内蔵充電台には外部アンテナ端子も装備されています。外部アンテナ端子はFMのみ対応しています。補完放送受信を意識したのでしょう。もちろん外部アンテナ端子に接続するFMアンテナも付属しています。

付属の充電台は135グラム程度とTY-SPR7本体の2倍ほど重さがあります。この充電台に搭載されたステレオスピーカーは左右合計で800ミリワット。ラジカセには劣りますがスペック上、なかなかパワフルです。充電台には音量調節ボタンとTY-SPR7本体取り外しボタンがあります。

内蔵充電池は約3時間で充電完了するとのこと。これは使い勝手が良さそうです。個人的には単4ニッケル水素充電池の予備充電器としても使えそうと思いました。


説明書によるとAMラジオのリスニングは充電台取り付け時、本体から付属のACアダプターを20センチ以上離すことが推奨されています。どうやらACアダプターはソニーのラジオレコーダーのような高級タイプではなさそうです。

それでもACアダプターを使用してAMラジオが聴取できるのはいいですね。雑音がどの程度解消されているのか気になります。



(公式サイトから引用)

TY-SPR7の発売は12月上旬とのことです。東芝がまさかこのタイミングでスピーカードック付きのラジオを投入してくるとは思いもしませんでした。

ACアダプターは小型で付属のスピーカーも長辺が11センチですから付属の高音質スピーカー内蔵充電台をスーツケースに忍ばせ長期旅行というのも良いかもしれません。ただし海外で使用できないのでそのときは短波ラジオ等の別機種に任せましょう。


果たしてラジオ本体を充電台に取り付けた状態でラジオ前面のボタンを押したときに倒れない工夫がされているのか、興味深いです。

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2015/11/17

アルインコ DJ-CH201 DJ-CH271特小無線機発表

DJ-P222L, DJ-P222Mの登場に引き続き、アルインコが特定小電力トランシーバーを発表しました。


防沫型特定小電力トランシーバーDJ-CH201(B/S) / DJ-CH271(B/S) - アルインコ株式会社電子事業部

上からDJ-CH201B, DJ-CH271S(公式サイトから引用)


今回発表されたDJ-CH201シリーズとDJ-CH271シリーズはともに付属リチウムイオン充電池使用で薄さ1.9センチ、重さ約110グラムの免許資格不要で充電後どなたでも使えるトランシーバーです。

DJ-CH201(B/S)、DJ-CH271(B/S)共に充電池と充電器、ベルトクリップやハンドストラップ等が付属しているため、まさに充電後すぐ使える無線機と言えるでしょう。



さて、ご存じのようにDJ-CH201シリーズはDJ-CH20の機能アップデート版、DJ-CH271シリーズはDJ-CH27の機能アップデート版です。

DJ-CH201シリーズは中継器非対応の20チャンネルモデル、DJ-CH271シリーズは通話距離を伸ばすオプションの中継器対応モデルです。どちらも付属リチウムイオン充電池を使った場合、連続約30時間の使用が可能とのこと。

付属の充電池満充電後または新品アルカリ単4乾電池3本によるほぼ丸一日の使用やイヤホンマイク端子未使用時は雨天での使用も可能です。製品説明に記載されている"美しいデザイン"については読者諸氏の判断にゆだねることにします。

DJ-CH201シリーズ、DJ-CH271シリーズ共にSは本体がシルバーでショートアンテナモデル、Bは本体がブラックでロングアンテナモデルとなっています。なおアンテナの取り外しはできません。


当記事を執筆している現在、取扱説明書やカタログPDFが公開前のため、製品Webページの説明からDJ-CH20B/SとDJ-CH201B/Sの違い、DJ-CH27B/SとDJ-CCH271B/Sの違いをチェックしますと、おおよそ下記4点が異なるようです。

(1) IPX4 -> IP54
(2) イヤホン断線感知の有無
(3) コールバックの有無
(4) テールノイズ・キャンセラーの有無

電池の持ち、本体の大きさや重さ等、ロゴが異なる以外見かけ上変化はないようです。1mW送信機能も引き続きありません。

ただDJ-P221とDJ-P222の実機比較で発見した(下記関連記事参照)PTTボタンのクリック感の違いやバックライトの明るさの違い、送受信音質、受信性能等といった、いくつかのアップデートがこのDJ-CH201シリーズ、DJ-CH271シリーズでも当てはまる可能性はないと言い切れません。



今回発表されたDJ-CH2x1シリーズは基本的に現行モデルDJ-CH2xから業務ユースの機能が拡充された程度と思われます。

実機を触らなければ分からないことはありますが、現段階で公開されている情報から判断しますと、ホビーユースでは機能追加モデルを選ぶ理由はよほどのことがない限り見当たりません。

レジャーや遊び、趣味での使用には引き続き中継機能なしのDJ-CH20、中継機能ありのDJ-CH27で支障はないと思います。

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2015/11/14

AR-DV1 ファーム1511Bのミニレビューなど

AORのSDR受信機AR-DV1に1511Bのファームウェアをインストールしてみました。ここではこの1511Bファームのうち、ごく一部をレポートします。


前回の記事「AOR AR-DV1、ファーム1510Bのミニレビュー(下記、関連記事参照)」にて取り上げた11項目のうち、スケルチのプツプツ開閉繰り返す問題と秘話コード設定状態で録音してしばらくすると電源が切れなくなる問題は解消もしくは症状が緩和したようです。他の項目については確認中もしくは変化なしのように思います。

一方これまで問題となっていた、モードによってスケルチレベルがバラバラという症状は緩和されているように聴こえます。スケルチレベルが浅くても効果があるようになりました。

また更新情報には記載はないようですがデジタル復調モード(DA表示)の挙動も結果として変更されているようで、1510Bよりも積極的に復調するようです。これにより雑音混じりのアナログ波もまれにデジタルと誤判定するようですが、アナログ波と分かっていれば最初からFMモードに固定すれば(当然ですが)この誤判定問題は解消します。



録音に関する新たな問題が浮上しました。SDカードに録音されるスケルチレベルと本体のスピーカーやヘッドホンでモニターするスケルチレベルが異なる?という現象です。

具体的には本体スピーカーやヘッドホン基準でスケルチを雑音が聴こえないぎりぎりのレベルに設定するとSDカードにはスケルチ開放状態、つまりモニター状態で録音されます。

これにより交信がない状態では録音動作を停止するまで永遠と雑音が録音され、録音時にスケルチを効かせるためにはさらにスケルチを絞る必要があります。恐らく上記の「モードによってスケルチレベルがバラバラ」の症状改善時、単純に録音中のスケルチレベルが未修正となったと思われます。




ファームウェアのアップデートとは関連の少ない話題をいくつか.....。

AR-DV1のアナログモードで有効なトーンスケルチやDCSのサーチ機能は非常に優秀です。

受信状況にもよりますが比較的弱電界であっても受信とほぼ同時に正確なトーンまたはコードを表示してくれます。その速度はあのユニデンアメリカの主要スキャナーに装備されているCTCSS/DCSラピッドデコード機能をさらに上回ると思いました。


AR-DV1の取扱説明書も(今さらですが)最近初めて読みました(苦笑)。ビギナーにとってこの説明書は図が少なく専門用語が羅列されており難解でしょうが、私よしおにとっては1度読めばほぼ内容が分かる構成のため非常に好印象です。



引き続き今後のファームウェアのアップデートに期待します。

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2015/11/09

AOR AR-DV1、ファーム1510Bのミニレビュー

エーオーアールのデジタル復調受信機、AR-DV1を導入開始しました。
AR-DV1



AR-DV1は適用したファームにより動作が大幅に変身するAORの新感覚受信機です。

現状1511Bファームが公開中ですが今回はファームウェア1510Bを適用した状態でのレビューとなります。ここではラジオライフ12月号記載されていない内容を中心に紹介します。





現状1510Bファーム適用状態のAR-DV1の気付いたことを列挙します。

(1) 動作中AR-DV1本体からキーンという音がする

(2) ボタンの一部バックライト色が設定した色にならない(橙がほぼ白など)

(3) 電源投入後数時間するとACアダプターがけっこう熱くなる

(4) ▲/▼ボタンが押しにくい

(5) スケルチを軽く閉じるとプツプツ開閉を繰り返す

(6) AUTOモードで秘話コード状態で録音ししばらくすると電源が切れなくなる

(7) デジタルモードで終話時"バサッ"と音がする場合がある

(8) AUTOモードでDCS設定時、指定していないDCSの交信でもスケルチが開く

(9) 録音が交信ごとに1ファイルにならず連続で記録される

(10) 録音済みファイルに周波数等の詳細情報が記録されない

(11) AUTOモードでDCS設定し録音するとピーという異音が聴こえ録音もされる





サーチは八重洲無線のVR-160よりもわずかに速い程度です。スキャンは未確認です。

スペアナ機能がないのはやや不便と思いました。

短波放送は付属のロッドアンテナでも良好に受信できました。恐らく電灯線がアンテナになっているのでしょう。

電源OFF状態で画面に小さく時刻表示があるのは嬉しいです。





今年2015年9月にようやく国内でも発売となったAR-DV1。誰もが期待するであろう独自方式の通信は現状復調不可能ではあるものの、ひとまず351MHzの登録局(簡易デジタル)やD-STAR、八重洲のC4FM無線は受信できたことを確認しました。「デジタルボイスレシーバー」のうたい文句は死守できていると思います。

ファームウェア1510Bでは録音機能がユニデンアメリカのBCD436HPBCD536HPなどには遠く及びませんが、いずれID3タグに詳細情報を付加するMP3録音モードが搭載されるなど、上記に挙げた問題も徐々に解決していくことでしょう。

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2015/11/01

アルインコDJ-P222Lファーストインプレッション

アルインコから特定小電力トランシーバーDJ-P222シリーズが登場しました。

DJ-P222製品情報 - アルインコ電子事業部

(DJ-P222L)


早速ロングアンテナモデルDJ-P222Lを入手しました。今回はDJ-P221Lも交え、少々コアなレビューをしますのでやや長くなります。



◆アルインコDJ-P222シリーズとは

DJ-P222シリーズは単3アルカリ乾電池1本またはニッケル水素充電池1本で駆動する、免許資格不要の買ってすぐ使える無線機(トランシーバー)です。

通常の20チャンネルの他、通話距離を約2倍に拡張する中継器に対応しています。

このDJ-P222シリーズにはミドルアンテナを搭載したDJ-P222MとロングアンテナモデルのDJ-P222L、計2種類がラインナップされています。

アルインコ電子事業部の公式サイトによるとこのDJ-P222シリーズはDJ-P221シリーズの進化型とのこと。さっそくDJ-P221LとこのDJ-P222Lの違いを見ていきましょう。



◆外観

左がDJ-P221L、右が今回のレビュー対象DJ-P222Lです(以下、同じ並び)。


電源/音量つまみの幅が短くなりラバー塗装が廃止されました。目盛は1箇所表示から数字の連続表示に変更され、音の大きさが一目で分かるよう改善されています。

液晶の周囲がグレーからブラックに変更されました。


送受信が一目でわかるLEDインジケーターの出っ張りがなくなりました(左:DJ-P221L、右:DJ-P222L)。


その他リア側、電池室内部、電池蓋のなくしやすさ、アンテナ長などに見かけ上変更は見当たりません。本体表示文字のかすれやすさもDJ-P221から変更ありません。


柔らかい場所へDJ-P221L(写真左)とDJ-P222L(写真右)を置いたところ、DJ-P222Lが若干お辞儀することを確認しました。DJ-P222Lの重心がDJ-P221Lよりも上部へ移動したようです。恐らく振動モーターの新搭載が理由と思われます。



◆操作フィーリング

電源/音量つまみのラバー塗装による滑らかさがなくなったため操作時、指への食いつきは良好です。DJ-P221(写真左)から操作は硬くなったようですが音量ノブは回しやすくなっていると思います。


個体差かもしれませんが、DJ-P222L(写真右)はDJ-P221L(写真左)と比べPTTのクリック感とストローク(ボタンに手を掛けてから内部スイッチが動作するまで)が増しました。押し加減もわずかながら硬くなったと思います。DJ-P221Lよりもクリック時にカチッと小気味よい音がします。


その他のボタンの操作感に違いはないと思います。



◆機能 

下記DJ-P221シリーズとDJ-P222シリーズのセットモード比較表を作成しました(クリックで拡大)。

黄色はDJ-P221とDJ-P222の相違点です。この表から確かにDJ-P222シリーズはDJ-P221シリーズよりも機能が拡充されていることが分かります。



◆追加機能詳細

DJ-P222に搭載された追加機能のうちいくつかレビューします。


[バイブレーター]

アルインコのハイエンド機DJ-R100Dシリーズと比べるとキレが良くなっています。振動もDJ-R100Dシリーズと比べ体感で2倍以上は増えています。

振動着信時のモーター音はDJ-R100Dシリーズよりも低めです。

DJ-P222シリーズには1秒間に2~3回程度断続するモードが追加されていますのでガラケーやスマホと同様にポケットへ入れても任務遂行中の着信が分かりやすくなっていると思います。

満充電のニッケル水素充電池を使用しバイブレーション機能を使用すると減電池表示が頻繁に現れますが、急に電源が切れることはありませんでした。新品のアルカリ乾電池駆動時は問題ないはずです。


[バッテリーセーブ]

DJ-P222Lの"ON1"設定はDJ-P221Lの"ON"と同じ動作のようです。このバッテリーセーブ機能を"ON2"にするとLEDインジケーターと液晶バックライトが消え、電波到来後"ON1"よりも最長0.5秒程度遅れて音声を出力しました。

"Eco"設定は加えて液晶がほぼ非表示となり、数秒に1度"Eco"が点滅するようになります。"ON1"よりもさらに1秒程度遅れて音声を出力しました。

バッテリーセーブでEcoを選択する際は送信側がPTTを押してから3秒以上待って通話を開始すると会話の頭切れが防げると思います。


[グループ種類切り替え]

"Cd1"設定はDJ-P221シリーズの"Cd"と同じ83通りのDCS選択モードです。"Cd1"と"Cd2"の違いは液晶表示方法とDCSコードの多さ(83通りor108通り)だけのようです。"Cd1"ではDJ-P221シリーズと同じ01~83までの数字を、"Cd2"では017~754までのアマチュア無線機と同じ実コードを表示します。

試しにDJ-P222Lの"tn"(グループモードの種類)を"Cd2"(DCS)に設定し、DJ-P221Lと同じDCSコード(DJ-P221を"Cd"の"01"に、DJ-P222を"Cd2"の"Cd_023")を設定すると当然ですが通話できました。


[通話圏内確認]

送信後、同一グループコードの電波が1秒以上受信できた場合は"圏内"、それ以外の場合は"圏外"と判断しアラーム音を鳴らすようです。

メーカーサポート外となりますが、同じ仕組みであれば他社製品互換も可能な気配です。


[テールノイズキャンセル]

グループモード非設定時の通話終了時の"ザッ"音を消去する機能です。

アイコム、八重洲無線(バーテックススタンダード)、モトローラのトーンバーストやPTTディレイ等はグループモード必須でしたが、こちらはグループモードなしで交信終了直後の"ザッ"音を消去します。

DJ-P222シリーズ発売直後のこの時点では公式に対応している製品は他にありません。つまりDJ-P221とDJ-P222の交信では「テールノイズキャンセル」は無効となります(グループモード設定時はこの限りではない)。

ところが手持ちの一部無名メーカー製格安特定小電力トランシーバーと通話するとこのテールノイズキャンセル効果が得られました。DJ-P222以外は無効と思っていたので意外です。一方、DJ-P222発売前に登場した手持ちのアイコム、ケンウッド、八重洲無線、アルインコ各機種はすべて「テールノイズキャンセル」に対応していませんでした。





◆音質


受信音はDJ-P221よりも高音がややクリアになりました。スケルチ解除時のブツブツ音も少しだけ少なくなっています。 

送信の音質は好みが現れると思います。大型スピーカーを有するユピテルの受信機MVT-7100にて受信音を比較したところ、DJ-P222はDJ-P221よりも低音を拾いにくくなっていることがわかりました。強風時の明瞭度は上がりそうです。



◆受信

受信感度はグループモードを使用しない場合、僅差ですがDJ-P221L < DJ-P222Lです。

DJ-R100DLとの受信感度対決では状況によってDJ-R100DL = DJ-P222LとDJ-R100DL > DJ-P222Lの両方があります。原因はDJ-P222のピーキーな受信特性にあります。


DJ-P221を含むアルインコの特小無線機の受信性能は私の知る限り、弱電界で電波の強さが変化すると受信状態がリニアに変化しているように聞こえます。対してDJ-P222Lは一定レベルの電波まではかなり粘りが効くものの、それ以下は急激に聞こえなくなるクセがありました。

原因は分かりませんが音質の改善と何か関係があるのかもしれません。

いずれにせよこのクセのある、よく言えば粘りのある受信性能はユーザーによって判断が割れそうですが、条件付きながらついに1万円前半の価格でDJ-R100DLクラスの性能に追いつくマシンが現れたと言えそうです。



◆送信

リファレンス機DJ-R100DLとDJ-P222Lを比較します。受信には八重洲無線のアマチュアハンディ機VX-8Dを使用しました。 

結果はDJ-P221Lと同様、僅差でDJ-R100DL > DJ-P222Lとなりました。



◆その他感想

DJ-P222Lは液晶のバックライトと送受信状態を示すLEDインジケーターの明るさが目測でDJ-P221シリーズ比1.5倍増しになっています。その分電池の消費は激しい(同じ電池を使うと減電池表示の出ないDJ-P221Lに対してDJ-P222Lは表示される)です。


DJ-P222は受信状態でわずかながら設定した1チャンネル下の隣接チャンネルで超微弱な内部発振があるようです。例えばDJ-P222LをL05チャンネルに設定するとL04チャンネルの内部発振を出力します。

下記はDJ-P222Lの左右にDJ-P221LとDJ-P24L、八重洲無線のFTH-308Lを配置し、チャンネルをL05に設定した様子です。DJ-P221LのSメーターはS2ではなくS1です(DJ-P22xシリーズはS1状態でバーが2本同時に表示される仕様)。

個体差はあるでしょうがDJ-P222Lの内部発振の影響はおおよそ半径5センチ以内です。DJ-P221Lも隣接チャンネル内部発振はありますが傾向が異なり、無線機を横に並べても殆ど気が付かない極小レベルです。

補足ですが同じチャンネルに設定した場合、受信時の相互干渉はありませんので実用上は問題ないと思います。

上記以外の内容は別途DJ-P221Lの使用リポート(下の関連記事参照)が参考になるでしょう。



◆まとめ◆

DJ-P222シリーズはDJ-P221シリーズの進化型ということでしたが、機能だけでなく受信や音質の変更など内部もかなり手を入れてあることが今回の実使用で明らかになりました。内部発振による他の無線機への影響が気になるものの、トランシーバーそのものの性能は向上している感触です。

今回取り上げた内容がいくつか気になった方はこのDJ-P222シリーズを手にされてはいかがでしょう。

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