2015/04/19

ICZ-R100長期使用レポート3/4(使い勝手と音質編)

引き続きICZ-R100のレビューです。前回のラジオ予約録音に続き、今回は使い勝手や音質を中心にレポートします。



◆ボタンの使い勝手
電源やホールドがスライドスイッチなのは好感触です。
他機種のように、バッグやポケットに入れるとボタンが勝手に長押しされ電源が入ったりホールドが不用意に解除されて不用意に爆音が流れたり勝手に動作して電池がなくなることは1年通して一度もありません。

録音ボタンが非常に押しやすく、誤って押してしまう事態に何度か遭遇しました。本体正面を横から見るとわずかにボタン類が本体から出っ張っているように見えます。
本体上面のラジオプリセット用お気に入りラジオ局ボタン(1~3)も同様です。

本体正面の再生ボタンを押そうとすると思うように操作できないことがありました。指が太い場合に隣り合うボタンと同時押ししてしまうのが原因と思います。再生ボタンと上下左右ボタンの間に1ミリほどスペーサーを入れて欲しいです。

ボタンを押した時のクリック音はほとんどしません。静かな場所で操作中、携帯電話のボタンのようにカタカタ音を立てることはありません。

全体的に各ボタンが独立、もしくはもう少し表面から奥まった位置に配置されるといいと思います。



◆本体のレスポンス、動作
起動時間は、音楽以外や録音済みファイル以外がメモリーに大量にあると"お待ちください"が5分以上表示されることはありますが、データが殆ど録音済みファイルと音楽ファイルのみの場合は3秒前後です。電源を切った直後は約1秒で起動します。他メーカーの製品よりはさくさく動作するのではないでしょうか。

ラジオ聴取時の操作レスポンスは普通です。一方、録音済みファイル再生中のレスポンスはややもっさりで会議の原稿起こしには不適です。状況としては頭出しボタンをイージーサーチ(1度押すと数秒先や数秒前へスキップする)用に割り当てた際、操作して0.5~1秒後に音が出るイメージです。

再生中うっかり録音ボタンを押すなど操作を誤った時、元の状態へ戻すのに二手間ほど掛かります。UNDO機能があると便利です。カセットテープのようにキュー&レビュー(早回しや早戻し中に途切れなく音を出す)ができたらいいですね。

現状でも使えないことはありませんが総じてレスポンスをより早く、誤操作時の面倒な操作を少なくしてほしいです。



◆マイクロSDカードの挿入向きに注意
ICZ-R100のマイクロSDカードスロットはカードの上下にかかわらずどちらでも入れられます。

上の写真が正しい向きです。説明書を読めば分かることですが、誤った方向にカードを差し込むといつまでもカードが認識されず、マイクロSDカードが壊れている誤解をする場合があります。



◆音質
ヘッドホンを介した音質は普通の音楽プレーヤーとほぼ同等ですが重低音の録音と再生はやや苦手です。

ウォークマンのような派手な空間エフェクトはありませんが音楽ファイル再生時、多少の音質調整は可能です。ただしラジオ録音したファイルはそのままでは音質調整はできません。パソコンで録音済みファイルをMUSICフォルダへ移動し、初めて音質調整が可能となります。

カスタムイコライザーの全レベルを最大にするとファイルによっては再生音が割れることがあります。恐らくヘッドホン用内蔵アンプがぎりぎり5mW+5mW出力程度までしか再生できない設計と思われます。

クレードルのスピーカーの音はBGMとして流す用途や語学学習用途としては耳が痛くなることもなく聴きやすいです。クレードルのスピーカーは付属ACアダプターを接続しないと鳴りませんがICZ-R100本体には内蔵の小型スピーカーがあり思いのほかはっきり聞こえます。

マイク録音時の音質は一般的なコンデンサーマイクロホンで録音したときの音質です。特に内蔵マイクは立体感や低音の迫力にやや欠けるため演奏のデモテープ作成用としては不向きです。あくまでも会議などの高音質メモ録音用です。

ラジオ録音時に気になる点としては録音レベルが若干高いため、まれ(特にAM放送)に録音時に歪みが発生することが挙げられます。

ラジオ録音はマイクやライン入力録音と異なり手動録音レベル調整ができないのです。



次回は消耗部分の劣化具合や付属品などをレビュー予定です。

(関連記事はこの下です)

[関連記事]
SONY ICZ-R100長期使用レポート2/4(ラジオ予約録音編)(2015/04/11)

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2015/04/16

八重洲無線 85時間使用可能な特小SR40,SR45発表

八重洲無線はスタンダードホライゾン(STANDARD HORIZON)ブランドで下記2種類の特定小電力トランシーバーを発表しました。

SR40 | 免許・資格不要のトランシーバー - 八重洲無線

SR45 | 免許・資格不要のトランシーバー - 八重洲無線

(SR40, 八重洲無線公式サイトより引用)

(SR45, 八重洲無線公式サイトより引用)


どちらも形は同じですがSR40は中継器非対応の20チャンネル機、SR45は通話距離がほぼ倍に伸びるオプションの中継器対応の47チャンネル機です。

これまで単3電池2本より上の本数を採用してこなかった、いつもの八重洲無線らしからぬオーソドックスな単3乾電池3本機の登場となります。昨年(2014年)発表されたSR100, SR70とも異なり、ずいぶん斜め上方向からのアプローチのデザインだなあというのが初見の感想です。

SR40、SR45の最大の特徴は約85時間の長時間運用です。この数値はオプションのスピーカーマイクMH-57A4B使用時となっていますが、ライバルとなるであろうアルインコのDJ-PB20シリーズのカタログスペック"約80時間"はイヤホン使用時のため、SR4xシリーズのほうがスペック以上に電池の持ちの良さが際立っています。

補足ですがこの使用時間の約85時間はオプションのリチウムイオン電池SBR-18LI使用時も健在だそうです。



さて、早々とアルインコのDJ-PB20, DJ-PB27を引き合いに出しましたがSR40、SR45はこれらの特徴を非常に意識したスペックとなっています。

例として両者のスペックをいくつか比較しますと

・防水防塵性能:DJ-PB2xはIP54、SR4xはIP57

・音声出力:DJ-PB2xは400mW、SR4xは500mW

・20ch機はともにカラーバリエーション(DJ-PB20は4色、SR40は6色)

・大きさ:DJ-PB2xは高さ94,幅54.8,厚さ27.3ミリ、SR4xは高さ90.5,幅56,厚さ27.6ミリ

・ともにイヤホン断線検知機能、回転アンテナ装備


以上のようにスペックではSR40, SR45のほうが1ランク上になっています。



さらに細かい特徴を見ていきますと両者には以下の違いがあるようです。

・DJ-PB2xシリーズにはSメーターがある

・SR4xシリーズには圏内圏外お知らせ機能がある

・DJ-PB2xシリーズはデュアルオペレーション(1台で2回線通話できるイメージ)、
SR4xシリーズはサブチャンネルセレクト(混信チャンネル半自動回避)を装備

・SR4xシリーズにはチャンネルスキャン機能がある

・SR4xシリーズはチャンネル表示回転可能

・SR4xシリーズには送信受信表示ランプがある

・SR4xシリーズには電池の累計使用時間表示がある

・DJ-PB2xシリーズの受信感度はSR4xシリーズよりもスペック上良い


補足ですがSR45にはSR100にあった通話録音機能や振動着信機能、自動表示回転機能などがありません。



まとめになりますが、Sメーターにこだわらなければ対抗馬となるであろうアルインコのDJ-PB20, DJ-PB27よりも今回発表されたスタンダードホライゾンブランドの、八重洲無線のSR40, SR45を選ぶのが良さそうです。

受信感度はスペック上DJ-PB2xシリーズが上ですがこれまでの経験上、実際に使ってみなければ分からない場合が多いため現時点では何とも言えないというのが正直なところです。

(関連記事はこの下です)


[関連記事]
八重洲無線 クラス最薄特小トランシーバーSR100発表(2014/07/11)

アルインコ DJ-PB20に新色追加(2015/01/24)

アルインコ DJ-PB27製品情報公開(2014/06/21)

【追記】アルインコ 特小DJ-PB20発売開始(2014/02/24)

2015/04/11

SONY ICZ-R100長期使用レポート2/4(ラジオ予約録音編)

前回の無線通信録音に引き続きICZ-R100の使用レポートです。今回はラジオ録音、予約録音で1年以上使用し気になった点をご紹介します。



◆AMラジオの語学番組を予約録音して使ってみる
幸いにも興味のある語学番組がAMラジオ放送で見つかったため1年以上その番組を予約録音し続け、外出先で聴いています。

早速使い続けた感想です。

予約録音時の時刻のズレは時刻補正機能を入にして1~2秒進む程度です。番組の頭切れが発生しないよう、録音開始時刻よりも数秒前から録音が開始されるようです。

クレードルに差した状態でAMラジオ放送を聴取あるいは録音するとどうしてもノイズが混入します。オーディオ用のノイズフィルター内蔵タップを使用し雑音から逃れる方法もありますがクレードルから本体を取り外しICZ-R100単体で録音すると電灯線から回り込むノイズは激減します。

本体のラジオの感度は普通。同サイズのラジオと同等です。外部アンテナはなぜか内蔵アンテナよりも著しく感度が低いため使っていません。アンテナ切り替えスイッチの接触不良かつなぎ方が悪いのでしょう。後日もう一度確認してみます。

問題点が1つ。AMラジオ放送受信時、"s"や"p"、"t"といった高音域を含む子音がほとんど聞き取れないのです。この状況は録音しても同じです。語学番組のテキストを見るとこれらの聴こえない子音は一応脳内補完できるのですが.....。こればかりは"らじる★らじる"やCDにはかないません。しかしらじる★らじるは放送時間のズレが多く、残念ながら予約録音には適しません。

恐らく、ラジオを知らない若い世代にとってこのAMラジオの電話のようなコモリ気味の音質は「音が悪い」印象を受けるかもしれません。ただそれにしてもICZ-R100のAMラジオの音質は他の手持ちのアナログ選局ラジオと比べても音のこもり具合が比較的顕著です。

よってAM放送の語学番組を録音し学習する用途にICZ-R100はどちらかというと不向きと言わざるを得ません。



◆FMラジオを録音・再生してみる
FM放送についてはMP3の比較的良好な圧縮音質で録音が可能です。FMラジオの感度はウォークマンやライターサイズラジオと同等かそれ以上です。


ソニーのラジオレコーダーは仕様上他メーカーの同製品よりもワンランク上の音質、192kbpsのMP3で録音が可能。

コンポーネントステレオで再生するとシンバルやドラムの高音域に圧縮音源特有のシャリ音が目立ち、本当に192kbpsで録音されているようには聞こえない気もしますが、まあ実用レベルと思います。欲を言えば320kbpsや240kbpsの録音モードが欲しいですね。

FMラジオ予約録音時の時刻のズレはもAMラジオ予約録音と同様、時刻補正ありで1~2秒進みますので番組の頭切れは今のところ一度もありません。



以上まとめますと、ICZ-R100は予約を含むラジオの録音動作自体は申し分ありません。FMラジオも実用レベルです。唯一AMラジオの録音はラジオの音質の問題で語学学習用途にはどちらかというと厳しいです。この問題はFM補完放送によりいずれ解決するでしょうが、そもそもICZ-R100はこの補完放送の受信機能がありません。

次期モデルには108MHzまで受信できる機能とAMの音質(AM帯域)切り替え機能があるとありがたいと思います。


次回は操作感や音質についてレポート予定です。

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2015/04/02

SONY ICZ-R100長期使用レポート1/4(無線録音編)

ソニーのポータブルラジオレコーダーICZ-R100を使用し始めて1年以上が経ちました。ここでは入手経緯やカタログスペックから読み取れない使い勝手を中心に気が付いたことをレビューし書き出してみます。


◆入手経緯
様々な無線がいよいよデジタル化されるとのことで、今のうちに内容をバックアップしようと考えたのがそもそものきっかけです。

単なる録音と再生であれば通常のICレコーダーでもよいのですが、VOR(音声起動録音)や音があると録音を開始するシンクロ録音機能を持ち、後々の使用も考え、起動時間が早くラジオの予約録音も可能なこちらを選びました。


◆無線通信の録音に使ってみた
八重洲無線(旧バーテックススタンダード)のVX-8Dを2波同時受信モードに、ICZ-R100をステレオ192kbpsに設定しシンクロ録音することにしました。

使用開始2日目、1フォルダ内に199ファイルまでしか格納できない仕様の制約にはまり、ICZ-R100は無線通信の録音には不適ということが分かりました。

当初シンクロ録音機能で無音部分を自動分割する設定にしていましたが、無線の交信回数はいとも簡単に300を超えるため、1通信1ファイルできる想定がファイルシステムの制約で、ファイル数が199に達してからは自動分割されず全通信が数珠つなぎになってしまう問題に何度も遭遇しました。

1フォルダ内最大199ファイルの制約は別フォルダを手動で指定しなおすことでいったんは収束しますが、結局再びファイル数がすぐに199となり、同じことを繰り返すはめに陥ります。

無線録音用には1フォルダ内へ最大6万ファイル程保存できるか、録音日をフォルダごとに自動仕分けする機能があると管理が楽です.....ということで無線の録音用としてICZ-R100を使用することはあきらめました。

--- 2へ続きます ---

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