2015/12/31

ラジオフランス 中波放送を終息

「ラジオフランス」は今年(2015年)12月31日をもってAM電波によるラジオ放送を停止するそうです。

Extinction des ondes moyennes - Radio France(仏語)


上記の見出しをGoogle翻訳すると
"2015年12月31日24:00の時点で、ラジオ・フランスのプログラムで発行体中波放送は恒久的に送信を停止する。これらの送信機は、これまでフランス情報、フランス、青RCFMフランスブルーエルサスを放送していた。"
と、ややおぼつかない翻訳ながらAMラジオ放送終了のアナウンスが読み取れます。


ウィキペディアによるとラジオフランスは別名「フランス公共ラジオ」で日本のNHKに相当する、フランスの公共放送です。例えるならば、NHK第一とNHK第二がAMラジオで聴取できなくなるということでしょうか.....。

また、同じくウィキペディア(英語)によるとラジオフランスの放送は遅くとも1922年(大正11年)から開始されていたので、単純計算すると93年の歴史に幕を閉じることになります。



この発表には末尾に"中波によって覆われていた分野でのリスナーフランスブルーやフランス情報のカバレッジは現在、FMやインターネットによって提供されています"(Google翻訳)との記載もあり、FMラジオでの聴取は引き続き可能とのことです。

今後フランスでラジオを(インターネットを介してではなく)受信機で楽しむにはFM放送の入るラジオが必須ということです。

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2015/12/29

米ウィスラー 新スキャナーWS1088, WS1098製品情報公開

開発中とのことで詳細が不明となっていた、米ウィスラーの新型デジタル復調スキャナー(広帯域受信機)2機種の製品情報ページが公開されています。

WS1088ハンディスキャナー

WS1088 - Whistler Group Inc(英語)


WS1098デスクトップ/モービルスキャナー

WS1098 - Whistler Group Inc(英語)


WS1088は単3電池4本駆動のハンディ機、WS1098は車載12V運用と13.8V固定運用に対応したモービル機兼固定機です。





公開スペック情報を元にそれぞれの特徴を見ていきましょう。


●WS1088


発売中のWS1080と同様に単3型アルカリ乾電池4本または単3型ニッケル水素充電池4本、5V USB外部電源に対応したデジタル・アナログ復調スキャナーです。

受信周波数は25~54MHz、108~174MHz、216~512MHz、764~960MHz(一部除く)、1240~1300MHzの5バンド。受信モードはFM(ナロー含む)、AM、デジタル復調はP25のみとなっています。

ファームウェアがアップデートされると話は別ですが現状、351MHz帯のデジタル簡易無線(登録局)をはじめとする、国内で使用されているデジタル無線はほぼ復調できません。

32GBまでのマイクロSDカードを装着し、受信音声録音やメモリーデータ管理が可能。

アンテナコネクターはワンタッチで着脱可能なBNCタイプ。

このほか、
・USB2.0インターフェースとUSB充電機能

・付近の電波に自動チューニングして受信するスペクトラムスイーパー機能

・受信時に点滅周期や点滅パターンおよび色が変えられるアラートLED機能

・ヘッドホン端子を介したIF出力

・指定時刻に自動起動する自動電源オン機能

・サーチ中電波のステップずれを補正して受信するゼロマチック機能
なども装備されています。


ざっと取扱説明書に目を通した限り、今回発売されたWS1088はほぼ純粋にWS1080にテンキーを付けヘビーユーザーの操作性を向上したモデルという位置づけです。



●WS1098


発売中のWS1095と同様の12V~13.8Vで動作するデジタル・アナログ復調スキャナーです。受信周波数や受信モードはWS108xシリーズ、WS1095と共通です。

"リモートヘッド"によりコントローラーと本体の分離が可能。本体裏面のアンテナコネクターはBNCです。

コントローラーを取り外した本体前面に標準SDカードスロットを搭載。録音ファイルの保存やメモリーデータの編集ができます。


自動電源オン機能やUSB充電機能、USB電源による動作機能は装備されていませんがその他機能はWS1080や前述のWS1088と同じようです。





ここまで公開された取扱説明書や製品説明を元にWS1088、WS1098を紐解いてきました。

気になる価格はWS1088が約600ドル、WS1098が約680ドルと、どちらもテンキーレスのWS1080とWS1095から100ドル(約1万3000円)アップ。前回予想した50ドルアップでは実現できなかったようです。

ダイレクト選局ではなく、予めメモリーされたデータベースをもとにスキャンするのが正しいスキャナーの使い方と思いますから現行のテンキーレスモデルで充分のような気もします。ただテンキー付き受信機に慣れ親しんだユーザーはやはりテンキー付きモデルのほうがしっくりくるかもしれません。



WS1088、WS1098は共にメーカーから正式に製品情報が公開されたものの、米国市場での流通はまだこれからのようです。

国内では対応しない機能はいくつかありますが、現存する国内で流通する広帯域受信機とは一線を画す機能や使い勝手が魅力的と思います。

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2015/12/20

コヴィア, V-Lowマルチメディア放送(i-dio)対応スマホ発売

株式会社コヴィア(covia)はi-dio(アイディオ)のサービスに対応したスマートフォンを発売しました。

Android5.1(Lollipop)搭載SIMフリースマートフォン i-dio Phone - covia





「とうとうスマホの話題か、よしおも終わったな」と思われたそこの方、少しお待ちを(笑)

まあ100%スマホのトピックではないというのは嘘になりますが...。今回はV-Lowマルチメディア放送、i-dioに関連した話題です。


すでにご存じの方もいらっしゃると思いますがi-dioとはエフエム東京の持ち株会社の子会社、東京マルチメディア放送が2016年3月に正式サービス開始予定の、V-Lowマルチメディア放送サービスの別称です。

このi-dioというV-Lowマルチメディア放送は一言で表すならば、"インターネット"と"放送" 双方のメリットを取り入れた新サービスです。補足ですがV-Lowマルチメディア放送は99~108MHzの旧アナログテレビ放送帯域の一部を使用するサービスです。



こちらの公式資料(pdf)を元に説明すると、i-dioは従来の放送という"コンテンツ(番組)製作=放送局"の枠を取り去り、放送局以外会社が放送電波でコンテンツを提供できるサービスのようです。

これを無理やり例えるならばおおよそ「(au、docomo、SoftBankのような携帯電話事業者の4G(LTE)回線を借用する格安SIMサービス会社」でしょうか(他に良いたとえがあれば是非教えてください)。

他にも、緊急時に不特定多数が必要な情報をi-dioを通して一斉配信することでインターネットの下り回線をひっ迫させにくいメリット等々が生まれるようです。


i-dioを聞いて思い出されるサービスとしては来年(2016年)6月末にサービスを終了するV-Highマルチメディア放送(NOTTV、モバキャス)やかつて存在していたモバHO!があります。これらとi-dioとは双方向サービスの充実や地域性を出すなどの点が異なるようです。



+ + + + +



さて、話題をcoviaの"i-dio Phone"に戻します。ようやく本題です。お待たせしました。

このi-dio PhoneのスペックはAndoroid5.1でクワッドコアCPU、RAMが2GB、ROMが16GB、5インチ(720×1280)のIPS液晶を持ち一見、普及型と思しきただのSIMフリースマートフォンですが、向かって右側を見ますと.....

このように"折りたたまれたように見える"、長さ10センチ程度のアンテナらしき細長いものが収納されていることが分かります。

恐らくこのアンテナが180度展開してi-dio放送サービスが受信出来るのでしょう。いや、展開しなくても受信できるのかもしれません。もしかすると超弾性合金エレメントを使用した2段ロッドアンテナになっているのかもしれません(予想は外れるかもしれません)。

このi-dio PhoneにはワンセグTV受信機能とワイドFM対応のFMラジオ受信機能も装備されているようです。残念ながらAMラジオの受信には対応しないようです。この10センチ程度のアンテナはワンセグTV放送とFMラジオの受信にも対応しているかもしれません。

これならイヤホン端子にヘッドホンを接続しなくてもi-dioのサービスやFMラジオが楽しめそうです。


+ + + + +


まとめに入ります。

今回発売されるcoviaのi-dio PhoneはV-Lowマルチメディア放送からFM放送までをカバーするアンテナを初搭載したスマートフォンと思います。

よしお個人としてはスマートフォンにラジオ受信用アンテナが装備されたことが"熱い"と思います。

i-dio Phoneの発売日は2015年12月21日。価格は3万円程度となっており、家電量販店などで取り扱うとのことです。気になる方はチェックされてはいかがでしょう。

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2015/12/06

アイコム無線フェスティバル2015のIC-7300説明会に参加

アイコムならやま研究所で開催されたIC-7300の開発者説明会に参加しました。ここでは正式に公表された開発中のIC-7300の情報をまとめます。



IC-7300はHF帯と50MHzアマチュアバンドをカバーする幅240ミリ、奥行238ミリ、高さ95ミリの大きさで重さ約4.1キロのRFダイレクト・サンプリングトランシーバーです。


画面更新間隔は毎秒約30フレームと、ほぼIC-7851(IC-7850)と同じ。音声やRTTYを受信しながらウォーターフォール対応のリアルタイムスペクトラムスコープ等の表示が可能。

スペクトラムスコープを見ながら目的の山に線を合わせるダイヤルチューニングとタッチパネル上での2ステップ(1回目のタッチでタッチした周辺を拡大表示し2回目のタッチで目的のタッチした場所へ合わせる)選局をサポート。マウス接続によるチューニング操作は現時点では考えていないとのことです。

周波数変換をせず電波を直接デジタル処理するRFダイレクト・サンプリングにより本体の小型化と高性能を実現。

IC-7200比で1kHzのC/Nが15dB改善。性能はIC-7600に匹敵とのこと。

液晶の解像度はタッチパネル内蔵480 x 272ドット。ビギナーにも分かりやすいメニュー画面やローマ字入力、携帯電話方式の仮名入力に対応。

リレー切り替えタイプの高速オートアンテナチューナーを内蔵。

大型マグネットを搭載した新採用のスピーカーユニットを本体の専用スペースに装備。

音声録再、RTTYデコードログ、画面表示キャプチャー、SDカードスロット、大型クーリングファン、新設計のハンドマイクを標準装備。

またタッチパネルでは難しい、微妙な操作を実現するマルチダイヤルを搭載しています。


ラインナップは100W、50W、10Wの3タイプを予定。50W機は移動運用にもおすすめとのこと。

発売は来年2016年の早いうち、価格は10万円代前半となる予定とのことです。



画面表示キャプチャー機能が搭載されることは分かりました。またIC-7851と肩を並べられそうな音に聴こえたのはやはり間違いではなかったようです。

流行のタッチパネルを搭載しながらも固定機ならではのカチッとした見た目や操作感、操作レスポンスは確保されていると思いました。


対抗馬はやはり八重洲無線のFT-991でしょう。

発売されたらVHFとUHF内蔵で全部盛りのFT-991を取るか、あるいはこのIC-7300の短波帯の信号処理性能を取るかという新たな悩みが誕生します.....いや、もう既に(笑)

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2015/12/05

アイコム無線フェスティバル2015で開発中のIC-7300を触る

奈良県にあるアイコムのならやま研究所で開催されているアマチュア無線フェスティバル2015に来ています。



お目当ては発売が予定されているIC-7300です。

場内に上がるとまだ完成品ではないもののIC-7300と発売済みのIC-7851を含む実機が触れるようになっていました。





IC-7300はタッチパネルによる操作が可能な、HF~50MHzをカバーするダイレクトサンプリング無線機です。


現時点で確認したIC-7300の内容をざっと挙げてみます。

アンテナチューナーを内蔵しIC-7851に匹敵する描画速度でウォーターフォール表示が可能です。

周波数をタッチすると運用したいバンドが選択できたりバンドスコープ上をタッチすると付近のスペクトラム表示が拡大したり周波数が瞬時に移動可能となっています。テンキーはタッチパネル上に出現します。

録音機能がサポートされています。ハムフェア2015で説明のあった、搭載予定の表示画面保存機能は開発中の実機にはメニュー項目に見当たらないようです。出荷時に実装されるのかは不明です。

主観が入っているとは思いますが、音質は一見するとIC-7851との差がないように思いました。聴きやすいと思います。

操作感については、スペアナと音声波形などを全部同時に表示すると音声波形だけが体感で秒間5~8フレーム程度になりますが、それ以外はハムフェア2015に引き続き非常に滑らかです。

本体液晶表示の外部出力端子はないようです。またマウスによるUSB接続は現時点では対応しないようです。



IC-7300デモ機の裏面パネルです。電源とアンテナ端子、空冷ファン以外にご覧の端子が装備されているようです。仕様変更の可能性はあります。


IC-7300は発売が「2016年の早いうち」、価格は「10万円前半」とのことです。
※2015/12/06更新:公式発表の内容に合わせ訂正しました

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2015/11/30

AR-DV1 ファーム1511Bミニレビューその2

引き続きAR-DV1が稼働中です。ここでは私よしおの視点でAR-DV1のファームウェア1511Bで気になったことを紹介します。私以外の視点の詳しい1511Bファームのレビューはラジオライフ2016年1月号徹底使用リポートに記載されています。

また、1511Bを適用したレビューその1は下記関連記事を参照ください。



ファームウェア1511Bを適用したAR-DV1を稼働中、あるときから急にSDカード関連の不具合らしき症状が発生し現在に至ります。まれに液晶の一部が固まったりもしました。

その症状とはSDカードを挿したままだと電源が切れなくなるという問題です。はじめのうちは正常にカードを認識していたのですが、あるときから急にSDカードを認識する表示が常時点灯しなくなりました。指定のフォーマットツールでカードを初期化したのですが結果は変わらず。


これに伴いSDカード録音再生機能も動作しなくなりました。PCではこのSDカードは認識されます。現在はSDカードを外して使っています。

別のSDカードを使うとうまくいくかもしれませんので容量を変えてみる、旧ファームの再インストールなどを近いうちに試してみようと思います。それよりも先に新たなファームウェアが登場するかもしれませんが.....。




まだまだ課題の多そうなAR-DV1ですが、そうは言ってもAMの帯域幅を15kHzに変えると高域だけはAMラジオのHi-Fi感が際立つため少しずつ気に入り始めてはいます。

内蔵スピーカーによる再生では気が付きませんが、ヘッドホンを使用すると全般的に鼻をつまんだような音で深みのある音質ではありません。恐らく低音が増強されるとこの問題は解決できるかもしれません。


そもそもAR-DV1のコンセプトはデジタル復調機でしょうから音質を求めるのは筋違いなのかもしれません。しかしアナログ復調モードがある以上、どうしても手持ちの短波ラジオなどと比べてしまいます。音はいいほうが良いですよね。

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AR-DV1 ファーム1511Bのミニレビューなど(2015/11/14)

AOR AR-DV1、ファーム1510Bのミニレビュー(2015/11/09)

2015/11/20

東芝エルイー 充電台付属の名刺ラジオTY-SPR7発表

東芝エルイートレーディングから新たなポケットラジオが登場するようです。

TY-SPR7 : AM/FMラジオ - 東芝エルイートレーディング株式会社


(公式サイトから引用)


TY-SPR7は単4アルカリ乾電池2本または単4ニッケル水素充電池2本で最短20時間程度連続駆動するAM/FMステレオ2バンドの名刺サイズラジオです。FMは話題の補完放送に対応しています。(一応念のためですが)乾電池は充電できません。


一見、発売済みのAM/FMラジオTY-SPR5と同形状ですが、TY-SPR7は本体が単4充電池2本の充電機能を搭載しステレオスピーカー内蔵充電台を付属する点が大きく異なるようです。

スペック比較をしたところ、やはり大きさと重さ、電池の持ち、本体内蔵スピーカーの性能などはTY-SPR5と同一でした。外観はブラックからシルバー色に変更された他、本体底部にクレードル用の端子が追加された程度です。

TY-SPR5と異なるポイントとしては、充電機能の新搭載はさることながらFM補完放送局のプリセットの追加くらいでしょうか。TY-SPR7の説明書の放送局名一覧は秋田県から鹿児島県までのFM補完中継局がひっそりと追加されていました。



(公式サイトから引用)

さて、このTY-SPR7のステレオスピーカー内蔵充電台には外部アンテナ端子も装備されています。外部アンテナ端子はFMのみ対応しています。補完放送受信を意識したのでしょう。もちろん外部アンテナ端子に接続するFMアンテナも付属しています。

付属の充電台は135グラム程度とTY-SPR7本体の2倍ほど重さがあります。この充電台に搭載されたステレオスピーカーは左右合計で800ミリワット。ラジカセには劣りますがスペック上、なかなかパワフルです。充電台には音量調節ボタンとTY-SPR7本体取り外しボタンがあります。

内蔵充電池は約3時間で充電完了するとのこと。これは使い勝手が良さそうです。個人的には単4ニッケル水素充電池の予備充電器としても使えそうと思いました。


説明書によるとAMラジオのリスニングは充電台取り付け時、本体から付属のACアダプターを20センチ以上離すことが推奨されています。どうやらACアダプターはソニーのラジオレコーダーのような高級タイプではなさそうです。

それでもACアダプターを使用してAMラジオが聴取できるのはいいですね。雑音がどの程度解消されているのか気になります。



(公式サイトから引用)

TY-SPR7の発売は12月上旬とのことです。東芝がまさかこのタイミングでスピーカードック付きのラジオを投入してくるとは思いもしませんでした。

ACアダプターは小型で付属のスピーカーも長辺が11センチですから付属の高音質スピーカー内蔵充電台をスーツケースに忍ばせ長期旅行というのも良いかもしれません。ただし海外で使用できないのでそのときは短波ラジオ等の別機種に任せましょう。


果たしてラジオ本体を充電台に取り付けた状態でラジオ前面のボタンを押したときに倒れない工夫がされているのか、興味深いです。

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2015/11/17

アルインコ DJ-CH201 DJ-CH271特小無線機発表

DJ-P222L, DJ-P222Mの登場に引き続き、アルインコが特定小電力トランシーバーを発表しました。


防沫型特定小電力トランシーバーDJ-CH201(B/S) / DJ-CH271(B/S) - アルインコ株式会社電子事業部

上からDJ-CH201B, DJ-CH271S(公式サイトから引用)


今回発表されたDJ-CH201シリーズとDJ-CH271シリーズはともに付属リチウムイオン充電池使用で薄さ1.9センチ、重さ約110グラムの免許資格不要で充電後どなたでも使えるトランシーバーです。

DJ-CH201(B/S)、DJ-CH271(B/S)共に充電池と充電器、ベルトクリップやハンドストラップ等が付属しているため、まさに充電後すぐ使える無線機と言えるでしょう。



さて、ご存じのようにDJ-CH201シリーズはDJ-CH20の機能アップデート版、DJ-CH271シリーズはDJ-CH27の機能アップデート版です。

DJ-CH201シリーズは中継器非対応の20チャンネルモデル、DJ-CH271シリーズは通話距離を伸ばすオプションの中継器対応モデルです。どちらも付属リチウムイオン充電池を使った場合、連続約30時間の使用が可能とのこと。

付属の充電池満充電後または新品アルカリ単4乾電池3本によるほぼ丸一日の使用やイヤホンマイク端子未使用時は雨天での使用も可能です。製品説明に記載されている"美しいデザイン"については読者諸氏の判断にゆだねることにします。

DJ-CH201シリーズ、DJ-CH271シリーズ共にSは本体がシルバーでショートアンテナモデル、Bは本体がブラックでロングアンテナモデルとなっています。なおアンテナの取り外しはできません。


当記事を執筆している現在、取扱説明書やカタログPDFが公開前のため、製品Webページの説明からDJ-CH20B/SとDJ-CH201B/Sの違い、DJ-CH27B/SとDJ-CCH271B/Sの違いをチェックしますと、おおよそ下記4点が異なるようです。

(1) IPX4 -> IP54
(2) イヤホン断線感知の有無
(3) コールバックの有無
(4) テールノイズ・キャンセラーの有無

電池の持ち、本体の大きさや重さ等、ロゴが異なる以外見かけ上変化はないようです。1mW送信機能も引き続きありません。

ただDJ-P221とDJ-P222の実機比較で発見した(下記関連記事参照)PTTボタンのクリック感の違いやバックライトの明るさの違い、送受信音質、受信性能等といった、いくつかのアップデートがこのDJ-CH201シリーズ、DJ-CH271シリーズでも当てはまる可能性はないと言い切れません。



今回発表されたDJ-CH2x1シリーズは基本的に現行モデルDJ-CH2xから業務ユースの機能が拡充された程度と思われます。

実機を触らなければ分からないことはありますが、現段階で公開されている情報から判断しますと、ホビーユースでは機能追加モデルを選ぶ理由はよほどのことがない限り見当たりません。

レジャーや遊び、趣味での使用には引き続き中継機能なしのDJ-CH20、中継機能ありのDJ-CH27で支障はないと思います。

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2015/11/14

AR-DV1 ファーム1511Bのミニレビューなど

AORのSDR受信機AR-DV1に1511Bのファームウェアをインストールしてみました。ここではこの1511Bファームのうち、ごく一部をレポートします。


前回の記事「AOR AR-DV1、ファーム1510Bのミニレビュー(下記、関連記事参照)」にて取り上げた11項目のうち、スケルチのプツプツ開閉繰り返す問題と秘話コード設定状態で録音してしばらくすると電源が切れなくなる問題は解消もしくは症状が緩和したようです。他の項目については確認中もしくは変化なしのように思います。

一方これまで問題となっていた、モードによってスケルチレベルがバラバラという症状は緩和されているように聴こえます。スケルチレベルが浅くても効果があるようになりました。

また更新情報には記載はないようですがデジタル復調モード(DA表示)の挙動も結果として変更されているようで、1510Bよりも積極的に復調するようです。これにより雑音混じりのアナログ波もまれにデジタルと誤判定するようですが、アナログ波と分かっていれば最初からFMモードに固定すれば(当然ですが)この誤判定問題は解消します。



録音に関する新たな問題が浮上しました。SDカードに録音されるスケルチレベルと本体のスピーカーやヘッドホンでモニターするスケルチレベルが異なる?という現象です。

具体的には本体スピーカーやヘッドホン基準でスケルチを雑音が聴こえないぎりぎりのレベルに設定するとSDカードにはスケルチ開放状態、つまりモニター状態で録音されます。

これにより交信がない状態では録音動作を停止するまで永遠と雑音が録音され、録音時にスケルチを効かせるためにはさらにスケルチを絞る必要があります。恐らく上記の「モードによってスケルチレベルがバラバラ」の症状改善時、単純に録音中のスケルチレベルが未修正となったと思われます。




ファームウェアのアップデートとは関連の少ない話題をいくつか.....。

AR-DV1のアナログモードで有効なトーンスケルチやDCSのサーチ機能は非常に優秀です。

受信状況にもよりますが比較的弱電界であっても受信とほぼ同時に正確なトーンまたはコードを表示してくれます。その速度はあのユニデンアメリカの主要スキャナーに装備されているCTCSS/DCSラピッドデコード機能をさらに上回ると思いました。


AR-DV1の取扱説明書も(今さらですが)最近初めて読みました(苦笑)。ビギナーにとってこの説明書は図が少なく専門用語が羅列されており難解でしょうが、私よしおにとっては1度読めばほぼ内容が分かる構成のため非常に好印象です。



引き続き今後のファームウェアのアップデートに期待します。

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2015/11/09

AOR AR-DV1、ファーム1510Bのミニレビュー

エーオーアールのデジタル復調受信機、AR-DV1を導入開始しました。
AR-DV1



AR-DV1は適用したファームにより動作が大幅に変身するAORの新感覚受信機です。

現状1511Bファームが公開中ですが今回はファームウェア1510Bを適用した状態でのレビューとなります。ここではラジオライフ12月号記載されていない内容を中心に紹介します。





現状1510Bファーム適用状態のAR-DV1の気付いたことを列挙します。

(1) 動作中AR-DV1本体からキーンという音がする

(2) ボタンの一部バックライト色が設定した色にならない(橙がほぼ白など)

(3) 電源投入後数時間するとACアダプターがけっこう熱くなる

(4) ▲/▼ボタンが押しにくい

(5) スケルチを軽く閉じるとプツプツ開閉を繰り返す

(6) AUTOモードで秘話コード状態で録音ししばらくすると電源が切れなくなる

(7) デジタルモードで終話時"バサッ"と音がする場合がある

(8) AUTOモードでDCS設定時、指定していないDCSの交信でもスケルチが開く

(9) 録音が交信ごとに1ファイルにならず連続で記録される

(10) 録音済みファイルに周波数等の詳細情報が記録されない

(11) AUTOモードでDCS設定し録音するとピーという異音が聴こえ録音もされる





サーチは八重洲無線のVR-160よりもわずかに速い程度です。スキャンは未確認です。

スペアナ機能がないのはやや不便と思いました。

短波放送は付属のロッドアンテナでも良好に受信できました。恐らく電灯線がアンテナになっているのでしょう。

電源OFF状態で画面に小さく時刻表示があるのは嬉しいです。





今年2015年9月にようやく国内でも発売となったAR-DV1。誰もが期待するであろう独自方式の通信は現状復調不可能ではあるものの、ひとまず351MHzの登録局(簡易デジタル)やD-STAR、八重洲のC4FM無線は受信できたことを確認しました。「デジタルボイスレシーバー」のうたい文句は死守できていると思います。

ファームウェア1510Bでは録音機能がユニデンアメリカのBCD436HPBCD536HPなどには遠く及びませんが、いずれID3タグに詳細情報を付加するMP3録音モードが搭載されるなど、上記に挙げた問題も徐々に解決していくことでしょう。

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2015/11/01

アルインコDJ-P222Lファーストインプレッション

アルインコから特定小電力トランシーバーDJ-P222シリーズが登場しました。

DJ-P222製品情報 - アルインコ電子事業部

(DJ-P222L)


早速ロングアンテナモデルDJ-P222Lを入手しました。今回はDJ-P221Lも交え、少々コアなレビューをしますのでやや長くなります。



◆アルインコDJ-P222シリーズとは

DJ-P222シリーズは単3アルカリ乾電池1本またはニッケル水素充電池1本で駆動する、免許資格不要の買ってすぐ使える無線機(トランシーバー)です。

通常の20チャンネルの他、通話距離を約2倍に拡張する中継器に対応しています。

このDJ-P222シリーズにはミドルアンテナを搭載したDJ-P222MとロングアンテナモデルのDJ-P222L、計2種類がラインナップされています。

アルインコ電子事業部の公式サイトによるとこのDJ-P222シリーズはDJ-P221シリーズの進化型とのこと。さっそくDJ-P221LとこのDJ-P222Lの違いを見ていきましょう。



◆外観

左がDJ-P221L、右が今回のレビュー対象DJ-P222Lです(以下、同じ並び)。


電源/音量つまみの幅が短くなりラバー塗装が廃止されました。目盛は1箇所表示から数字の連続表示に変更され、音の大きさが一目で分かるよう改善されています。

液晶の周囲がグレーからブラックに変更されました。


送受信が一目でわかるLEDインジケーターの出っ張りがなくなりました(左:DJ-P221L、右:DJ-P222L)。


その他リア側、電池室内部、電池蓋のなくしやすさ、アンテナ長などに見かけ上変更は見当たりません。本体表示文字のかすれやすさもDJ-P221から変更ありません。


柔らかい場所へDJ-P221L(写真左)とDJ-P222L(写真右)を置いたところ、DJ-P222Lが若干お辞儀することを確認しました。DJ-P222Lの重心がDJ-P221Lよりも上部へ移動したようです。恐らく振動モーターの新搭載が理由と思われます。



◆操作フィーリング

電源/音量つまみのラバー塗装による滑らかさがなくなったため操作時、指への食いつきは良好です。DJ-P221(写真左)から操作は硬くなったようですが音量ノブは回しやすくなっていると思います。


個体差かもしれませんが、DJ-P222L(写真右)はDJ-P221L(写真左)と比べPTTのクリック感とストローク(ボタンに手を掛けてから内部スイッチが動作するまで)が増しました。押し加減もわずかながら硬くなったと思います。DJ-P221Lよりもクリック時にカチッと小気味よい音がします。


その他のボタンの操作感に違いはないと思います。



◆機能 

下記DJ-P221シリーズとDJ-P222シリーズのセットモード比較表を作成しました(クリックで拡大)。

黄色はDJ-P221とDJ-P222の相違点です。この表から確かにDJ-P222シリーズはDJ-P221シリーズよりも機能が拡充されていることが分かります。



◆追加機能詳細

DJ-P222に搭載された追加機能のうちいくつかレビューします。


[バイブレーター]

アルインコのハイエンド機DJ-R100Dシリーズと比べるとキレが良くなっています。振動もDJ-R100Dシリーズと比べ体感で2倍以上は増えています。

振動着信時のモーター音はDJ-R100Dシリーズよりも低めです。

DJ-P222シリーズには1秒間に2~3回程度断続するモードが追加されていますのでガラケーやスマホと同様にポケットへ入れても任務遂行中の着信が分かりやすくなっていると思います。

満充電のニッケル水素充電池を使用しバイブレーション機能を使用すると減電池表示が頻繁に現れますが、急に電源が切れることはありませんでした。新品のアルカリ乾電池駆動時は問題ないはずです。


[バッテリーセーブ]

DJ-P222Lの"ON1"設定はDJ-P221Lの"ON"と同じ動作のようです。このバッテリーセーブ機能を"ON2"にするとLEDインジケーターと液晶バックライトが消え、電波到来後"ON1"よりも最長0.5秒程度遅れて音声を出力しました。

"Eco"設定は加えて液晶がほぼ非表示となり、数秒に1度"Eco"が点滅するようになります。"ON1"よりもさらに1秒程度遅れて音声を出力しました。

バッテリーセーブでEcoを選択する際は送信側がPTTを押してから3秒以上待って通話を開始すると会話の頭切れが防げると思います。


[グループ種類切り替え]

"Cd1"設定はDJ-P221シリーズの"Cd"と同じ83通りのDCS選択モードです。"Cd1"と"Cd2"の違いは液晶表示方法とDCSコードの多さ(83通りor108通り)だけのようです。"Cd1"ではDJ-P221シリーズと同じ01~83までの数字を、"Cd2"では017~754までのアマチュア無線機と同じ実コードを表示します。

試しにDJ-P222Lの"tn"(グループモードの種類)を"Cd2"(DCS)に設定し、DJ-P221Lと同じDCSコード(DJ-P221を"Cd"の"01"に、DJ-P222を"Cd2"の"Cd_023")を設定すると当然ですが通話できました。


[通話圏内確認]

送信後、同一グループコードの電波が1秒以上受信できた場合は"圏内"、それ以外の場合は"圏外"と判断しアラーム音を鳴らすようです。

メーカーサポート外となりますが、同じ仕組みであれば他社製品互換も可能な気配です。


[テールノイズキャンセル]

グループモード非設定時の通話終了時の"ザッ"音を消去する機能です。

アイコム、八重洲無線(バーテックススタンダード)、モトローラのトーンバーストやPTTディレイ等はグループモード必須でしたが、こちらはグループモードなしで交信終了直後の"ザッ"音を消去します。

DJ-P222シリーズ発売直後のこの時点では公式に対応している製品は他にありません。つまりDJ-P221とDJ-P222の交信では「テールノイズキャンセル」は無効となります(グループモード設定時はこの限りではない)。

ところが手持ちの一部無名メーカー製格安特定小電力トランシーバーと通話するとこのテールノイズキャンセル効果が得られました。DJ-P222以外は無効と思っていたので意外です。一方、DJ-P222発売前に登場した手持ちのアイコム、ケンウッド、八重洲無線、アルインコ各機種はすべて「テールノイズキャンセル」に対応していませんでした。





◆音質


受信音はDJ-P221よりも高音がややクリアになりました。スケルチ解除時のブツブツ音も少しだけ少なくなっています。 

送信の音質は好みが現れると思います。大型スピーカーを有するユピテルの受信機MVT-7100にて受信音を比較したところ、DJ-P222はDJ-P221よりも低音を拾いにくくなっていることがわかりました。強風時の明瞭度は上がりそうです。



◆受信

受信感度はグループモードを使用しない場合、僅差ですがDJ-P221L < DJ-P222Lです。

DJ-R100DLとの受信感度対決では状況によってDJ-R100DL = DJ-P222LとDJ-R100DL > DJ-P222Lの両方があります。原因はDJ-P222のピーキーな受信特性にあります。


DJ-P221を含むアルインコの特小無線機の受信性能は私の知る限り、弱電界で電波の強さが変化すると受信状態がリニアに変化しているように聞こえます。対してDJ-P222Lは一定レベルの電波まではかなり粘りが効くものの、それ以下は急激に聞こえなくなるクセがありました。

原因は分かりませんが音質の改善と何か関係があるのかもしれません。

いずれにせよこのクセのある、よく言えば粘りのある受信性能はユーザーによって判断が割れそうですが、条件付きながらついに1万円前半の価格でDJ-R100DLクラスの性能に追いつくマシンが現れたと言えそうです。



◆送信

リファレンス機DJ-R100DLとDJ-P222Lを比較します。受信には八重洲無線のアマチュアハンディ機VX-8Dを使用しました。 

結果はDJ-P221Lと同様、僅差でDJ-R100DL > DJ-P222Lとなりました。



◆その他感想

DJ-P222Lは液晶のバックライトと送受信状態を示すLEDインジケーターの明るさが目測でDJ-P221シリーズ比1.5倍増しになっています。その分電池の消費は激しい(同じ電池を使うと減電池表示の出ないDJ-P221Lに対してDJ-P222Lは表示される)です。


DJ-P222は受信状態でわずかながら設定した1チャンネル下の隣接チャンネルで超微弱な内部発振があるようです。例えばDJ-P222LをL05チャンネルに設定するとL04チャンネルの内部発振を出力します。

下記はDJ-P222Lの左右にDJ-P221LとDJ-P24L、八重洲無線のFTH-308Lを配置し、チャンネルをL05に設定した様子です。DJ-P221LのSメーターはS2ではなくS1です(DJ-P22xシリーズはS1状態でバーが2本同時に表示される仕様)。

個体差はあるでしょうがDJ-P222Lの内部発振の影響はおおよそ半径5センチ以内です。DJ-P221Lも隣接チャンネル内部発振はありますが傾向が異なり、無線機を横に並べても殆ど気が付かない極小レベルです。

補足ですが同じチャンネルに設定した場合、受信時の相互干渉はありませんので実用上は問題ないと思います。

上記以外の内容は別途DJ-P221Lの使用リポート(下の関連記事参照)が参考になるでしょう。



◆まとめ◆

DJ-P222シリーズはDJ-P221シリーズの進化型ということでしたが、機能だけでなく受信や音質の変更など内部もかなり手を入れてあることが今回の実使用で明らかになりました。内部発振による他の無線機への影響が気になるものの、トランシーバーそのものの性能は向上している感触です。

今回取り上げた内容がいくつか気になった方はこのDJ-P222シリーズを手にされてはいかがでしょう。

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2015/10/25

Logitec AM/FM補完対応ワンセグテレビLTV-1S280P発表

ロジテックからAM/FM補完放送受信に対応したポータブルワンセグテレビが発表されました。

プレスリリース - AM放送をFMで聴けるワイドFM(FM補完放送)対応ワンセグラジオ「LTV-1S280P」新発売! - ロジテック

LTV-1S280P製品情報 - ロジテック株式会社

(公式サイトから引用)

※LTV-1S280Pの製品名は「ワンセグラジオ」ですが本体に2.8型カラー液晶モニタが装備されているため、ここではワンセグテレビと表記します。



このLTV-1S280Pは単3アルカリ乾電池4本でワンセグテレビが約18時間、ラジオが約32時間視聴または聴取可能と製品情報ページにありますが、プレスリリースではワンセグ約16時間、ラジオ約26時間の視聴が可能とあります。少なくとも約16時間は連続で動作可能ということですね。
(公式サイトから引用)

大きさはカセットテープ(死語?)のケースが二回り増えた程度、厚みはカセットケース2枚分ほど。重さは電池有無は不明ですが約145グラムと軽量のため持ち運びにはさほど苦労しないでしょう。
(公式サイトから引用)


本体側面にはLEDライトを装備。ミニUSB端子によりUSB給電駆動も可能となっています。本体裏にはスタンドも装備し斜め置きに対応します。ステレオスピーカーも内蔵しています。
(公式サイトから引用)

ハンドストラップを付属しているため手に持つ場合も安心です。



AMは504~1710kHzというワイド仕様モノラル。FMは補完放送受信に充分対応可能な76~95MHzでステレオ対応です。

ワンセグとFM受信用アンテナの長さは写真からの推定で約30センチ。ワンセグテレビ受信には充分な長さです。

初期設定はリーズナブルなラジオとしては一般的な、最初に受信可能な放送をスキャンし自動登録する方式のようです。



製品情報ページによるとアウトドア用途も謳っています。本体は防滴ではないようです。

またプレスリリースによるとLTV-1S280P本体のスピーカーは20メートル先まで聴ける高出力なものを採用しているとのことです。単3電池4本ですから音声出力は500ミリワット以上でしょうか。

ミニUSB端子搭載のためモバイル電源やUSB ACアダプターとの接続にも対応します。
(公式サイトから引用)

AMラジオ聴取中の使用は電池駆動をお勧めします。




このLTV-1S280Pはすでに発売中で、価格はロジテックダイレクトで税抜き9241円です。

個人的には液晶テレビ搭載のためAMラジオ受信に支障が出ないか心配ですが、画面OFF機能があるため興味があります。

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2015/10/22

ソニー BluetoothCDラジオZS-RS80BT発表&プチレビュー

ソニーからラジオの予約録音が可能なCDラジオが発表されました。

ZS-RS80BT - ラジオ/CDラジオ・ラジカセ - ソニー

(公式サイトから引用)

ZS-RS80BTはスマートフォンなどに保存されている楽曲をブルートゥースで無線転送しワイヤレスリスニングを実現するCDプレーヤー内蔵ラジオです。デザインは発売済みのCDラジオ ZS-S40と同じテイストです。

ZS-RS80BTは発売中のZS-RS70BTの後継モデルのような感じを受けます。当記事作成時点では生産完了ではないのですが、録音機能を除きZS-RS70BTとほぼ同じコンセプトのためいずれZS-RS70BTは生産終了する可能性が考えられます。



カタログスペックから気になった特徴を挙げてみます。

ラジオはAMモノラルとFMステレオの2バンド。カタログによると受信周波数はAMは531~1710kHzを維持し、FMは補完放送対応とのことで受信周波数が108MHzまで拡張されています。プリセット数はAMが10局、FMは20局まで登録可能です。

本体は白色LEDバックライト内蔵のフルドット液晶で日本語表示されるようになっています。

(公式サイトから引用)

このZS-RS80BTはCDラジオという名称ですがSDカード、SDHCカード、USBメモリーを装填しラジオ番組やCDの録音が可能です。内蔵メモリーはありません。またメモリースティックは使えません。

ラジオはなんと10件までの予約録音が可能。録音フォーマットは128kbpsのMP3固定となっています。

また予約録音にうれしい自動時刻補正機能を搭載。AMまたはFMのNHKラジオの時報と同期するシステムのようです。





●ZS-RS80BT発売前プチレビュー

発売前にZS-RS80BT実機を触ってきましたので、なるべくラジオを中心にカタログからは読み解けない部分のプチインプレッションをします。写真撮影を忘れてしまったため説明だけとなりますがご容赦ください。製品版では一部仕様が変更されるかもしれません。


第一印象は手のひらサイズほどではないものの、想像以上にコンパクトだなあというものでした。

電源はACコード接続または単2電池6本駆動とのことです。カタログのスペック表にはAC専用と思える記載はありますが電池駆動は可能でした。

リモコン用の他、時計のバックアップ用に単3電池3本が別途必要です。簡単に動作確認してみたところ、バックアップ電池なし状態が1分程度であれば時計の再設定は必要でしたが音量、ラジオのプリセットや地域設定は保持されていました。

バックライトは動作中明るい、暗い、切の3パターンが選べます。電源切状態では点灯しません。時計の液晶表示はAC駆動であっても電源切後5秒ほどで非表示となります。

ラジオ、CD、Bluetooth、SD/USB、音声入力は電源を押さなくても本体正面の独立操作ボタンを押すと体感1~2秒程度でダイレクトに起動します。



・ラジオについて。

AMラジオはソニーストア内のノイズが多く拾えませんでしたがノイズ音から推測すると、一般的なラジカセと同等の高感度と思われます。

ZS-RS80BTに装備されているFMロッドアンテナは本体の横幅の2倍程度、少なくとも50センチ以上は伸びるようです。アンテナを延ばすと近隣の放送局がクリアに入りました。なおFM/AMともに外部アンテナ端子はありません。

放送局名は地域選択後、漢字付きの日本語が1文字1センチ程度の大きさで液晶表示されます。

ラジオの手動選局は本体正面の上下ボタンで行います。スキャンは上または下ボタンの長押しで行えました。スキャンスピードはFMの場合目測でおおよそ0.5MHz/s(毎秒5ステップ)程度でした。



・録音について。

SD、USBへの録音はラジオとCD、外部入力のみとのことです。SDとUSB間のコピー、ブルートゥースで再生中の音声録音はサポートしていないようです。

マイク入力端子や内蔵マイクはないためCFD-RS501のようなカラオケやミキシングはできません(CFD-RS501にはステレオ音声入力端子とBluetooth再生機能がありません)。



・音量、音質について。

ZS-RS80BTにはフルレンジスピーカーが搭載されています。左右スピーカーの出力は合計4ワット。例えば10~20名程度が収容可能な教室ならば余裕で鳴らせると思います。半分以上音量を上げましたが音の歪みは確認できませんでした。

音量ボタンは「+」「-」ですがレスポンスが良く、音量の上げ下げがスピーディーにできました。

スピーカーの音は比較的固めです。高域は思いのほか出ないため耳がキンキンしないと思います。ドンシャリ感はありません。

ステレオ感はあまりありません。またサラウンドや多連イコライザーは装備されておらず、唯一低音増強スイッチMEGA BASSがあります。このMEGA BASSをONすると体を揺るがすほどではないものの、比較的無理のない低音が出ました。



・NFC
ZS-RS80BTにはスマートフォンとのBluetoothによるペアリング接続簡素化のため非接触NFCが搭載されています。

手持ちのソニー製ではない、工場出荷時にトロイの木馬等のマルウェアが多数プリインストール済みのNFC対応スマートフォン(Android5.0)にて試したところ、あっさりとZS-RS80BTへBluetooth接続できました。なおNFCはiPhoneには対応していないとのことです。

このNFCを実際に使用する際の注意点ですがスマートフォンをZS-RS80BTの上面左手前のNFCマークへ完全に接触させるとうまくいきました。ZS-RS80BTとスマートフォンの間を2センチ以上空けると反応しませんでした。



・その他
移動にうれしいキャリングハンドルはFMアンテナのそばに収納されています。ハンドルを立てる際は正面向かって右奥にくぼみがありますのでそこへ指を入れます。

かゆいところに手が届く機能について。時計バックアップ電池の寿命を表示する機能も装備されていました。共通メニューからバックアップ電池の状態を選び決定ボタンを押した後、さらに↓ボタンを押すとバックアップ電池の状況把握が行えるようです。

繰り返しとなりますが、本記事執筆時点ではバックアップ電池の状態をメニューから上下ボタンで選び、決定ボタンを押すだけでは電池の状況が表示されないので注意してください。







以上、駆け足でCDラジオZS-RS80BTのカタログスペック分析と発売前プチレビューをお送りしてきました。

(公式サイトから引用)

ZS-RS80BTの想定価格は1万3千円程度。ソニーストアでの価格は当記事を執筆中現在、税抜き13880円でした。発売予定日は11月28日(土)とのことです。


ラジオの受信性能は比較的良さそうです。手持ちのスマホやメディアの音楽を再生したい、ラジオの予約録音もしたい、というこだわり派にはうってつけでしょう。

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2015/10/12

ソニー 2バンドラジオICF-P26, ICF-P36, ICF-306発表

ソニーからFM/AM2バンドの受信に対応したハンディーポータブルラジオが何と、3機種同時に登場です。

ICF-P26商品情報 - ラジオ/CDラジオ・ラジカセ - ソニー
ICF-P26 公式サイトから引用


ICF-P36商品情報 - ラジオ/CDラジオ・ラジカセ - ソニー
ICF-P36 公式サイトから引用


ICF-306商品情報 - ラジオ/CDラジオ・ラジカセ - ソニー
ICF-306 公式サイトから引用



いずれも凹凸のないシンプルなデザインとなりました。これまでのイメージからの脱却を図ったようです。



◆ICF-P26
縦型のFM/AM 2バンドラジオです。アルカリ単3電池2本で約100時間以上使用可能なロングライフ設計。ICF-P21の後継機と思われます。

ICF-P26 公式サイトから引用

ICF-P26にはICF-P21と比べ緑色の電源ランプの追加とイヤホン端子の両耳モノラル化がなされています。ストラップは装備されないようです。
※2015/10/12追記:ICF-P26のストラップは付属していました。訂正します。
ICF-P21 vs ICF-P26比較表 クリックで拡大

電池持続時間はスピーカー使用時の違いはほとんどないものの、イヤホン使用時はICF-P21よりも約100時間ほど減少しています。



◆ICF-P36
横型のFM/AM 2バンドラジオです。ICF-P26と同じアルカリ単3電池2本で約100時間以上使用可能なロングライフ設計。ICF-9の後継機と思われます。

ICF-P36 公式サイトから引用

ICF-P26と同様、ICF-P36はICF-9と比べるとストラップは廃止されましたが他方、電源ランプが追加されイヤホン端子が両耳モノラル化されています。
※2015/10/12追記:ICF-P36のストラップは付属していました。訂正します。
ICF-9 vs ICF-P36比較表 クリックで拡大

電池持続時間はICF-P26と同じです。



◆ICF-306
横型のFM/AM 2バンドラジオです。デザインのコンセプトは同社から発売中のラジオレコーダーICZ-R250TVと共通のものがあります。

ICF-306 公式サイトから引用

ICF-P36よりも一回り大きいスピーカーを採用。重さは400グラム程度。ICF-P36に比べて音量つまみが大きくなり、キャリングハンドルを装備。
安定性確保が目的でしょうか。本体のサイズはICF-P36、ICF-9に比べ二回り以上大きくなっています。

電池持続時間やスピーカー音声出力はICF-P26と同じです。

電源ランプと両耳モノラルタイプのイヤホン端子が装備されています。Webサイトに掲載されている仕様表のうちヘッドホン使用時の電池持続時間が「-」ですが両耳モノラルイヤホン端子は装備されているため恐らく未測定なのでしょう。



ICF-P36、ICF-P26、ICF-306共に発売日は10月17日。いずれもオープン価格ですがソニーストアの価格はICF-P26とICF-P36が税抜き2500円、ICF-306が税抜き4130円となっています。

全て基本スペックは同じように見えますがICF-306のみワンランク上の価格設定となっています。

いち早く手に入れたい方はソニーストアでの購入がおすすめです。

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