2018/05/17

ユニデンアメリカのSDS100発売前補足情報

米ユニデンがSDS100を6月に発売予定との情報をつかみましたが、その根拠と追加情報を得られたのでご紹介します。



上記Youtube動画の左側で愛嬌たっぷりに話すしゃがれ声の方はユニデンアメリカのスタッフ、ポール氏です。話の流れから、このポール氏がRadioReferenceUPManのようです。


この動画でよしおが気になるSDS100のキーワードは下の4点です。

  1. BCD436HPよりも多く情報が液晶表示される
  2. 受信部はSDRを使った完全新規設計
  3. デジタル技術で弱い信号や妨害を受けている信号をより良く拾える
  4. 従来のユニデンのスキャナーや他の現行モデルよりも受信感度が良い


米国内ではユニデンアメリカがスキャナーのアクティブユーザーに対してSDS100のベータ版テストを依頼しているようで、Youtubeで探すとベータ版のSDS100を使っているユーザーの動画が見つかります。

それを見ると確かに液晶表示情報量は発売中のデジタルスキャナーBCD436HPよりも圧倒的に多くなっているように見えます。

以前取り上げたニュースリリースでSDS100はSDRを使っていると広告されていますが、SDR化による恩恵は受信感度向上や妨害排除能力にも貢献しているようです。

手持ちのAR-DV10もSDRのはずですが内部発振は非SDRのAR8200MK3よりも少なくないですし、強電界では混変調や相互変調もあちこちに出現するので、従来機よりも見違えるほどの感度向上は特に感じません。SDRもピンキリなのでしょうか。


SDS100(公式サイトの説明書?から)

この6月に北米で発売予定のSDS100の定価は米国では699ドル、実売価格は649ドルとのことです。

AR-DV10でも破格に見えますが受信回路を新規開発して1台7~8万円程度でスキャナーをリリースすることは、よほどのことがない限り日本国内のメーカーではまず考えられません。

SDS100の挑戦的な価格設定はアメリカのスキャナーユーザーの多さをあらためて思い知らされます。


それはそれとしてSDS100の受信感度などは従来機より本当に向上しているのか、BCD436HPと比べてどの程度上がっているのか? 機会があれば試してみたいですね。

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2018/05/07

受信用GPアンテナのベランダ設置

これまでも僅かに登場しているユニデンアメリカのスキャナーBCD436HPに専用の屋外受信アンテナを追加で立てることにしました。


屋外アンテナを追加した目的は主に400MHz帯の受信をBCD436HPにさせるためです。



100~500MHzの屋外用アンテナは種類がいくつかあります。このうち利得を稼ぐ場合は八木アンテナかGP(グランドプレーン)の2択になるはずです。

八木アンテナは設置場所の都合で断念しGPを選ぶことにしました。

GPを選ぶにしてもメーカーや種類があまりにも多いので、今回は耐風速が50メートル以上、物理的にたぶん壊れにくい非分割タイプ、ラジアルはなるべくないか小さく、利得の高いものという条件で消去法で下記に絞り込みました。

第一電波工業 X50(144/430MHz)

コメット GP-3(144/430MHz)

第一電波工業 400GK3(465~469MHz)

1200MHzまで対応する3バンド品はVHF~UHFの同調周波数範囲が狭い傾向があり、また同時に選んだケーブルが500MHzまでしか対応していないため選定から外しています。


近くのハムショップの在庫と相談し、結局下記製品に落ち着きました。この製品は耐風速60メートルですから大概の低気圧に対応できるはずです。

ショップからよしおの生息地まで徒歩で持ち帰ったのですが物珍しいのでしょうか、途中で若い女性に写メを撮られました。

恐らくツイッターやインスタなどに、走りながら長いものを振り回す基地外爺勇ましく携えたよしおの写真が上がっていることでしょう(笑)



話題閑散。GPアンテナをベランダに取り付ける場合は当然アンテナ固定具が必要となります。

壁に穴を開けるのは面倒かつ高所の素人作業は危険なため、今回はお手軽さを優先し日晴金属のパラボラキヤッチャー PAX-NT-KUを使いました。

この製品は衛星放送パラボラアンテナ用コンクリートフェンスベースですが、ポール部分に相当するマスト(パイプ)径と長さがGPアンテナを固定するには十分で、強度や剛性などが他製品と比べ優れているようなので、取り付けを含め自己責任でGPアンテナの固定基材として採用しました。


購入直後の上記コンクリートフェンスベース(左)とGPアンテナ(右)の参考写真です。



さて、GPアンテナなどを購入すると組み立て時に必ず取扱説明書が袋から取り出せなくなる状況が発生します。

そんなときは生産完了したソニーICF-SW7600GRICF-EX5MK2など、1メートル程度のロッドアンテナを持つBCLラジオやSR-01JCBT-17AなどのCB無線機などを用意します。

最近話題の格安中国製短波ラジオXHDATA D-808はアンテナが短いです。


このようにBCLラジオのアンテナを伸ばし折らないように袋へ差し込み、アンテナ先端で取扱説明書をたぐり寄せます。


これでアンテナの説明書が読めるようになります。



上記は今回使った主要な2製品の話ですが、GPアンテナには通常ケーブルが付属しないので、場合によってはケーブルを含む下記も別途必要となります。

第一電波工業 窓・ドア隙間すり抜けケーブルセット MGC50


市販のM型コネクターケーブル(下に10メートル、20メートルケーブルの入手先リンクを貼っておきます)


秋月電子 変換コネクタ(UHF-P⇔BNC-J)

秋月電子 BNCケーブル 両端BNCオス 2m金 50Ω

秋月電子 変換コネクタ(SMA-P⇔BNC-J)

上記は実際によしおが使ったものの例です。

壁にエアコンなどの穴が開いていればBNCケーブルと隙間ケーブルMGC50、UHF-P⇔BNC-J変換コネクターは不要で、上述のうち最後の変換コネクターをSMA-P⇔BNC-JUHF-J⇔SMA-Pへ選びなおします。

アマチュア無線で有名なアンテナメーカーの製品を選べば間違いはないはずですが、上記以外や有名メーカー以外を使うと、うまくつながらなかったり受信性能が出ない場合もあります。

少しでも不安があれば行きつけの無線ショップへ相談しましょう。



設置作業は高所作業のネジ止めと位置合わせという地味な作業なので端折るとして、アンテナ設置結果は下の写真のようになりました。



作業時間は位置合わせ、ケーブルの引き回し、各部固定と受信動作確認などを含め2時間ほどでした。



GPアンテナをベランダに設置することでSメーターがハンディ機用のアンテナより2~3多く振れ、遠方の電波がより安定して受信できるようになりました。


今回はBCD436HPを組み合わせてうまくいきましたが、これ以外の市販のハンディ型受信機を使うと受信環境によっては不正受信が発生するかもしれません。




実はこの設置したGPアンテナを使い数か月が経っています。

これまでにBCD436HPの最大の特徴であるクロースコール機能が近くを走るモービルアマチュア無線、バス無線、上空の航空無線そして復調不可能(交信内容は聞けない)ながら351MHz登録局デジタル簡易無線などを複数補足しています。

今のところ大風と大雨に何度も耐えているので台風シーズンもきっと問題ないと思いたいです。

※このアンテナとケーブル、受信機の組み合わせと取り付け、設置を実際に行う場合はくれぐれも自己責任でお願いします

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