2014/04/25

山善 カラー液晶AM・FMラジオレコーダーYVR-R303発表

リーズナブルかつユニーク家電をリリースし続けている山善から新型ラジオレコーダーが発表されました。
(山善ウェブサイトより引用)

「ラジオボイスレコーダー」を新発売 - YAMAZEN

YVR-R303製品案内 - 山善

YVR-R301、YVR-R302の置き換えという位置づけだそうです。





プレスリリースにも一部ありますが独断も含めたYVR-R303の主な特徴は以下と考えています。
1) カラー液晶表示
2) リニアPCM録音対応
3) ラジオ予約録音
4) 小型サイズながら大音量を実現
5) 時刻自動補正
6) ラジオ受信レベル表示
7) AM外部アンテナ端子


1) カラー液晶表示について。

これまで同社から発売されているラジオレコーダーにもカラー液晶のついたモデルはありましたがいずれも電池4本駆動でした。
YVR-R303は単4アルカリ乾電池2本または単4ニッケル水素充電池2本駆動でカラー液晶を搭載した画期的なモデルです。


2) リニアPCM録音対応について。

電池4本駆動モデルではリニアPCM録音再生に対応していましたが、縦長モデルでは初となります。
16bitの48kHzリニアPCM録音再生が可能となった反面、MP3録音に対応しなくなった(再生は可能)点はユーザーによってはマイナスポイントでしょう。個人的には128kbpsの音質で録音はほとんどしないため問題はないと考えています。


3) ラジオ予約録音について。

元々YVR-R301、YVR-R302に装備されている最大20件まで可能な予約録音機能は継承されています。スペックダウンしていなさそうな点は高評価です。


4) 小型サイズながら大音量を実現について。

YVR-R301、YVR-R302は単3電池1本駆動ということもあって音声出力が50mW止まりでしたがYVR-R303では電池4本クラスのモデルと同等の300mWという大音量を確保しています。


5) 時刻自動補正について。

オリンパスやソニー製品ではおなじみの機能ですが、ついに山善の製品にも装備されました。時刻を合わせ直す手間が省けるほど便利なものはありません。


6) ラジオ受信レベル表示について。

他社製品のラジオレコーダーには装備されていない機能です。
バリ3(死語?)=アンテナフルスケール=綺麗にラジオが聴ける・・・とは限らない部分がアナログラジオ故の奥深さですが、携帯電話やスマホと同じ形の電波表示は直感的に分かりやすいです。


7) AM外部アンテナ端子について。

アンテナは付属せずオプション扱いですが遂に低価格ラジオレコーダーにもいよいよ感度重視の波が到来したということでしょうか。外部アンテナを取り付けた時の性能アップが楽しみですね。





YVR-R303の代表的な特徴を挙げましたが従来機との違いがあまりよく分からなかったので、作成したYVR-R301、YVR-R302との仕様比較も併せて載せておきます。
(クリックして拡大)





このように今回発表された山善のラジオレコーダー、YVR-R303は上級機の機能を盛り込みつつ、ユーザーインターフェースを一新したことで従来機と比べ使いやすくなっている印象です。

ボタンの操作性や音質、ラジオの感度やカラー液晶のノイズの影響などは実際に使ってみなければ何とも言えません。しかしラジオの受信感度を向上する工夫はそこここに散りばめられているようですから、より一層快適なラジオ録音ライフを予感させるアイテムと思います。

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2014/04/20

USB ACアダプター爆発

つい先日のことですが某国滞在中、ベッドでうとうとしていたところ・・・

「ポンッ」
「シュ~~~」

と、どこからともなく炭酸飲料を開けるような音が聞こえてきました。

部屋にビールやジュースはありません。不思議に思い周囲を見渡したところ、滞在中に現地で入手したUSB ACアダプターが目前に。

まさかと思いACアダプターを触ると案の定、異常過熱していました。もちろん素早くコンセントから外しました。





という訳で帰国後、某国で入手したこの過熱済みACアダプターをバラしてみました。見た目は壊れていないように見えますが振るとカラカラ音がします。


プラグを見ての通り、このACアダプターは日本向け品ではないのでもちろんPSEマークなど皆無です。まあ付いていた場合それはそれで・・・。


ネジ穴発掘のためシールを剥がし


ACアダプターをバラします。


基板を見ると、なんとコンデンサーではなくトランジスターらしき物体がボムしていました。既に炸裂済みなので残念ながら型番は読めそうにありません。


ACアダプターのガワ内部はトランジスターらしき部品の黒い破片や溶けたハンダなどが爆発で飛び散り、ACアダプター内部に付着しています。


トランジスターらしき部品のうち1端子だけが黒焦げになっています(写真水色の丸部分)。事故の原因はこの周辺にありそうです。


そこで基板のハンダ面を観察しますと

なんと、黒焦げ端子につながっている線は隣のコンセントからの高電圧線とブリッジしていた(写真赤丸部分)ようです。恐らく220Vが誤って直接小型トランジスターに入ってしまい黒焦げ&爆発に結びついたのでしょう。

それにしてもなぜ使い始めた直後に爆発しなかったんでしょうか。もしかするとこれが噂の中○タイマーですか!? だとすると実に高度な技術ですね。





以上のとおり、USB ACアダプターのボム原因は製造ミスでした。もしも外出中にボム事故が起きていたらと思うだけでゾッとします。

海外で電気製品を入手される際はこのように運良くタイマー付きの高級粗悪品をゲットする場合がありますので使用前に必ず殻割りし、よく確かめ、しっかりと元に戻してから使いましょう。爆発してからは遅いのです(笑)

そういえば以前にも某国滞在中に爆発事故があったような・・・。記憶が正しければ下の関連記事にその答えがあったと思います。


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2014/04/11

米ケンウッドと米JVCが10月に合併

日本ではすでに過去の話ですがアメリカでは今年(2014年)の10月に両者の統合が実施されるそうです。

JVC AND KENWOOD INTEGRATE OPERATONS IN THE UNITED STATES - KENWOOD U.S.A.(英文)



この件に関して当記事を執筆している現在、米JVCのホームページには内容が見当たりません。

米KENWOODと米JVCのブランドは日本と同様"JVC KENWOOD"となることなく、それぞれ独立した状態で引き続き残るとあります。

これに関して米ケンウッドは「この合併がJVCケンウッドの世界的企業活動を持続させ、結果的に我が社が効率的な組織となりJVCとケンウッド両ブランドを等しくより高みへと導くだろう」と締めくくっています。



アメリカで未だ両者の合併が正式に進んでいなかったのかは大人の事情があるのでしょう。

両者のブランドは維持されるとのことですからこれでJVCブランドの無線機の登場の可能性は少なくなりました。


(関連記事はこの下です)

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2014/04/09

アイコム、薄型業務機IC-F1000,IC-F2000シリーズ発表

アイコムから海外向け業務用アナログトランシーバーが発表されました。
(ICOM公式サイトより引用)

IC-F1000 / IC-F2000 Series, New VHF/UHF Handheld Transceivers - ICOM(英文)



IC-F1000シリーズがVHFモデルで最大送信出力が5ワット、IC-F2000シリーズがUHFモデルで最大送信出力が4ワットです。海外向けですから恐らく国内で見かける可能性はあまりないと思われます。

外観は一見するとアマチュア無線機ID-51ID-31、特定小電力無線機IC-4300シリーズIC-4110シリーズIC-4188Dと同じコンセプトで構成されています。またキーボードや液晶を見る限りIC-F1000/F2000シリーズの位置づけはローエンド~ミドルエンド。ターゲットは高性能かつ高信頼で低価格を求める、そこそここだわりを持つユーザー層と予想します。




今回発表されたIC-F1000シリーズ、IC-F2000シリーズの最大の特徴は筐体の薄さにあります。現行品を含むこれまでのアイコム製業務用無線機は厚みがバッテリー込みで3.5センチ以上というビッグダディーでしたがIC-F1000、IC-F2000シリーズは大容量バッテリーBP-279装着時、厚みがなんと2.5センチ以下と、これまでと比べ2/3ものサイズダウンを実現しています。

薄くなったとはいえ性能ばこれまでの製品と同等のIP67。米国軍用スペックを満足し音声出力も最大800ミリワットを達成。まさに次世代機ですね。

GPSやショートメッセージ送受信は未対応ですが、一定時間無線機が操作されないと無線機が緊急事態と判断し自動発砲するローンワーカー機能や一定時間無線機が水平状態で放置された状態を検出するマンダウン機能、ある時間にある速度で無線機が動かされた場合に緊急通報する動体検知機能といった最新技術も搭載されています。



無線機の本格的な薄型化はここ数年で本格的に始まったと思います。今までの無線機と同じ性能にもかかわらず、より軽量コンパクトな製品があれば業務への負担が少なくなるメリットは容易に想像がつきますね。

351MHz登録局携帯無線機では同社IC-DPR6を皮切りにすでに薄型化が始まっていますが今回のアイコムの業務無線機発表を発端として、今後JVCケンウッドや八重洲無線など各社からも薄型業務機が登場するのでしょうか。

(関連記事はこの下にあります)


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2014/04/01

アルインコ DJ-P221Lレビュー

アルインコの単3電池1本駆動特小無線機DJ-P221Lを入手しました。





DJ-P221シリーズはDJ-P22の筐体をほぼそのままにした機能アップグレード版です。

DJ-P22からの主な変更内容は以下のとおりです。
・アクセサリープラグキャップがゴム式 -> プラスチックねじ込み式
・イヤホン断線感知(追加)
・減電池警告(追加)
・チャンネル非表示(追加)
・緊急通報(追加)
・1mW連続送信(一部中継チャンネルのみ、追加)
・コールバック(追加)
・マイクゲイン:8段階 -> 7段階

レジャーで使用する分にはDJ-P22で十分と思いますがDJ-P221ではロングアンテナバージョンがラインナップされたため今回入手に至りました。

DJ-P221は単3電池1本駆動の競合他社の同一価格製品と比べ送受信LEDインジケーターとS(電波)メーター表示、防水性能でそれぞれ1歩リードしており、スペック上大変お買い得な設定となっています。





早速細部を見ていきます。DJ-P221L本体各部はDJ-P22を踏襲しており、アンテナ長を除き外観上ほとんど差はありません。


電源/音量ツマミはラバーコーティングされ、滑りにくくなっています。アクセサリープラグ差込口はネジ式キャップの別部品となり、一旦取り外すと無くしやすいため注意が必要です。

電池フタもDJ-P22同様、別部品となっているため使用途中の電池の取り外しはおすすめしません。あくまでもオプション充電池EBP-179を含む充電システム構成での運用が適切です。





運用中の使い勝手について。

DJ-P221を含む単3電池1本駆動の特定小電力トランシーバーはスピーカー音量が小さく、ボリュームを上げると歪みやすいためイヤホンマイクでのオペレーションが最適です。

またアイコムや八重洲無線の製品には及ばないものの、同社の旧機種と比べポップノイズはそこそこ抑えられており、少ないストレスでイヤホンでの使用が可能です。

本体のマイクは同社上位機種と比べ、低音を若干カットし明瞭度が上がっているため、ある程度の騒音下でも比較的スムースな連絡が期待できそうです。もちろんマイク感度調整も可能です。

アンテナは旧ロングアンテナ製品に比べ、たわみの少ない硬質ラバー素材となっています。

またよく見ると分かりますがアンテナの生えている方向が本体の高さ方向と平行ではなく若干前傾しているため、DJ-P221Lをベルトなどに取り付け使用する場合に発生する、アンテナが体に干渉する状態を軽減させています。

じっくり見て初めて分かることですが実に粋なはからいですね。





送受信性能を比較します。

今回は送信距離比較用の受信機にアマチュア無線機VX-8Dを、受信距離比較用の送信機にJVCケンウッドのUBZ-EA20Rを使用し、中~高層ビルの立ち並ぶ市街地にて5回ほど繰り返し送受信実験しました。スケルチは解除せず、それぞれ最小の「1」で比較しています。

<結果>
○送信距離:DJ-R100D > DJ-P221L
○受信距離:DJ-R100D > DJ-P221L

いずれも僅差でしたがDJ-R100Dが勝りました。

下の写真ではDJ-P221Lのアンテナが長く見えますが実際はDJ-R100Dのアンテナが柔らかさ故に若干おじぎしているだけで、アンテナ長はDJ-R100DとDJ-P221Lで同じ17センチです。

若干の飛距離の違いはアンテナの「長さ」が問題ではないようです。

受信に関して補足を。DJ-P221のSメーター表示は一見すると7段階ですが各2つのメーター表示が同時に連動するため実質は4段階で、6段階のDJ-P23/DJ-P24シリーズやDJ-R100Dシリーズよりも劣ります。



まとめです。

DJ-P221Lはコストパフォーマンスに優れた、イヤホンマイク使用メインの業務ユースに最適な特定小電力無線機です。

低価格ながらスケルチ調整やコンパンダー、秘話、送受信LEDインジケーターや送信出力切り替えなどを装備。一方でスキャン機能や上位機種のような421MHz送信機能、440MHz帯受信機能がなく大音量で出力できないためハイアマチュアにはいささか物足りなさを感じさせます。

とは言うものの、マンガン乾電池を除く単3電池1本駆動が可能で小型軽量、更には一時的な水没にも対応し感度も上級機に匹敵することから2台目のサブ機あるいは予備機として使えそうです。

大音量出力が可能な上位機を選ぶか、電池1本でランニングコストに優れたDJ-P221シリーズにするかは導入する方次第となります。

(関連記事はこの下です)

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