2014/04/01

アルインコ DJ-P221Lレビュー

アルインコの単3電池1本駆動特小無線機DJ-P221Lを入手しました。





DJ-P221シリーズはDJ-P22の筐体をほぼそのままにした機能アップグレード版です。

DJ-P22からの主な変更内容は以下のとおりです。
・アクセサリープラグキャップがゴム式 -> プラスチックねじ込み式
・イヤホン断線感知(追加)
・減電池警告(追加)
・チャンネル非表示(追加)
・緊急通報(追加)
・1mW連続送信(一部中継チャンネルのみ、追加)
・コールバック(追加)
・マイクゲイン:8段階 -> 7段階

レジャーで使用する分にはDJ-P22で十分と思いますがDJ-P221ではロングアンテナバージョンがラインナップされたため今回入手に至りました。

DJ-P221は単3電池1本駆動の競合他社の同一価格製品と比べ送受信LEDインジケーターとS(電波)メーター表示、防水性能でそれぞれ1歩リードしており、スペック上大変お買い得な設定となっています。





早速細部を見ていきます。DJ-P221L本体各部はDJ-P22を踏襲しており、アンテナ長を除き外観上ほとんど差はありません。


電源/音量ツマミはラバーコーティングされ、滑りにくくなっています。アクセサリープラグ差込口はネジ式キャップの別部品となり、一旦取り外すと無くしやすいため注意が必要です。

電池フタもDJ-P22同様、別部品となっているため使用途中の電池の取り外しはおすすめしません。あくまでもオプション充電池EBP-179を含む充電システム構成での運用が適切です。





運用中の使い勝手について。

DJ-P221を含む単3電池1本駆動の特定小電力トランシーバーはスピーカー音量が小さく、ボリュームを上げると歪みやすいためイヤホンマイクでのオペレーションが最適です。

またアイコムや八重洲無線の製品には及ばないものの、同社の旧機種と比べポップノイズはそこそこ抑えられており、少ないストレスでイヤホンでの使用が可能です。

本体のマイクは同社上位機種と比べ、低音を若干カットし明瞭度が上がっているため、ある程度の騒音下でも比較的スムースな連絡が期待できそうです。もちろんマイク感度調整も可能です。

アンテナは旧ロングアンテナ製品に比べ、たわみの少ない硬質ラバー素材となっています。

またよく見ると分かりますがアンテナの生えている方向が本体の高さ方向と平行ではなく若干前傾しているため、DJ-P221Lをベルトなどに取り付け使用する場合に発生する、アンテナが体に干渉する状態を軽減させています。

じっくり見て初めて分かることですが実に粋なはからいですね。





送受信性能を比較します。

今回は送信距離比較用の受信機にアマチュア無線機VX-8Dを、受信距離比較用の送信機にJVCケンウッドのUBZ-EA20Rを使用し、中~高層ビルの立ち並ぶ市街地にて5回ほど繰り返し送受信実験しました。スケルチは解除せず、それぞれ最小の「1」で比較しています。

<結果>
○送信距離:DJ-R100D > DJ-P221L
○受信距離:DJ-R100D > DJ-P221L

いずれも僅差でしたがDJ-R100Dが勝りました。

下の写真ではDJ-P221Lのアンテナが長く見えますが実際はDJ-R100Dのアンテナが柔らかさ故に若干おじぎしているだけで、アンテナ長はDJ-R100DとDJ-P221Lで同じ17センチです。

若干の飛距離の違いはアンテナの「長さ」が問題ではないようです。

受信に関して補足を。DJ-P221のSメーター表示は一見すると7段階ですが各2つのメーター表示が同時に連動するため実質は4段階で、6段階のDJ-P23/DJ-P24シリーズやDJ-R100Dシリーズよりも劣ります。



まとめです。

DJ-P221Lはコストパフォーマンスに優れた、イヤホンマイク使用メインの業務ユースに最適な特定小電力無線機です。

低価格ながらスケルチ調整やコンパンダー、秘話、送受信LEDインジケーターや送信出力切り替えなどを装備。一方でスキャン機能や上位機種のような421MHz送信機能、440MHz帯受信機能がなく大音量で出力できないためハイアマチュアにはいささか物足りなさを感じさせます。

とは言うものの、マンガン乾電池を除く単3電池1本駆動が可能で小型軽量、更には一時的な水没にも対応し感度も上級機に匹敵することから2台目のサブ機あるいは予備機として使えそうです。

大音量出力が可能な上位機を選ぶか、電池1本でランニングコストに優れたDJ-P221シリーズにするかは導入する方次第となります。

(関連記事はこの下です)

[関連記事]
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【追記】アルインコ 特小DJ-PB20発売開始

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