2011/08/02

総務省、バンドプランの大幅な見直しを検討中

ご存知のように先日ついにアナログテレビ放送が終了しました。デジタル難民が10万世帯との報道があったものの、(報道されていないだけなのかもしれませんが)これによる予想以上に混乱はなかったようです。10年以上前にテレビが将来デジタル化する話を周囲にした時は誰も信じませんでしたがついにそれが事実となりました。

アナログテレビ放送終了前よしおは手持ちの受信機をフル動員してその終焉を惜しんでいました。そしてアナログテレビ放送終了後、VHFテレビ帯域をスキャンしたとき初めて「終わったんだな」という、何ともいえない気分になりましたが同時に今までテレビの混変調に悩まされてきたラジオや広帯域受信機がテレビ放送終了後見違えるほど本領を発揮し始めたことには舌を巻きました。これで大都市圏でもラジオなどの遠距離受信が可能となりましょう。



さて本日はアナログテレビ放送終了後の周波数活用を含めた、ローVHF~SHFに関する今後の総務省の周波数再編に関する意見募集について取り上げます。まずはこちら
「周波数再編アクションプラン」の見直しに係る意見募集
のページにある
別紙1(pdf) 
を見てください。


 別紙1の内容は主に今後現行の電波が順次デジタル化する内容で、700MHz~1GHz周辺が今後大きく再編される旨が強調されています。

この周波数再編で我々が影響をもろに受けるのはパーソナル無線です。すでにご存知の方もいらっしゃるでしょうがパーソナル無線の使用期限は2015年11月30日、あと4年です。

その他我々リスナーが影響を受けるものとしては60MHz帯、150MHz帯、800MHz帯の防災行政無線、消防無線、800MHz帯MCAと空港無線電話、950MHz帯、3.5GHz帯STL回線の周波数移行とデジタル化です。

気になるポイントを少し。170MHz~202.5MHzに割り当てられた「自営通信」は恐らく警察・消防・防災などが情報共有できる通信システムと考えていいでしょう。アメリカ で言うところのパブリック・セーフティのようなネットワークになる可能性も考えられます。しかしアメリカなどのように一般人が傍受可能な通信となる可能性 は総務省がカギを握っています。

バンドプラン再編後の勝手な予想ですが800MHz帯は2GHzと比べ電波伝播特性のよさが各社の実験により実証されたためLTE-Advancedサービスが食い込むことは間違いなさそうです。今後は3GHz帯での高速ブロードバンド通信が盛んになることでしょう。リスナーにとってはまさに"耳が痛い"内容ですがとうとうデジタル全盛となる時代が到来するのです。



このバンドプラン再編がうまくいけば国境を越えた無線規格の共通化が実現し海外の無線設備に手を加えることなく、またはほんの少し手を加えるだけで国内で使えたり、またこれまでこう着状態だった海外への日本の無線システムの輸出の幅が広がります。

日本のインフラの強みは地震情報や津波情報といった事前情報の通報システムとよしおは思います。このシステムとこれまで日本の弱点であった事後情報連絡用通信インフラがうまく組み合わされればもはや最強です。官民合同でこのシステムを完成させれば新幹線のようにシステムとして他国に販売が可能で赤字国債もきっと減ります。総務省の今後の健闘に期待しましょう。



(左から災害時も使えるケンウッド、バーテックススタンダードの資格不要デジタル無線機とアマチュア無線機VX-3です)



 [関連資料]
V-Highマルチメディア放送を行う移動受信用地上基幹放送の業務の認定及び無線局免許に係る制度整備案に対する意見募集の結果並びに当該制度整備案の一部に係る電波監理審議会への諮問及び答申 別紙4
(VHFアナログテレビ放送終了後のバンドプランが記載されています)

2 件のコメント:

  1. すでに、ご存知の通り、総務省はパーソナル無線の使用期限を平成27年11月30日をもって使用禁止にしようとしています。同省のホームページ「意見提案」に反対の陳情を一緒にしませんか?

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  2. 匿名さんこんにちは。コメントありがとうございます。
    返信遅れました、ご指名大変ありがたいのですが現在まとまった時間を取れる確約がしづらい状況です。ご面倒でも他の方にお伺いを立ててもらえませんでしょうか。お力になれなくてすみません。

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