アイコムはJVCケンウッドと共同で3月24~28日ラスベガスで開催される米国IWCE(国際無線通信EXPO)2014でNXDN TYPE-C規格のデジタル無線機器を発表するようです。
・NXDN™ TYPE-C トランキングプロトコルに対応した製品をリリースいたします。- アイコム株式会社
・Forum Members Icom Inc. and JVCKENWOOD Corp. to Offer Products Compatible with Both NXDN™ Trunking Protocols - Icom America(英文)
NXDNは日本では馴染みがないですが米国FCCのナローバンド化に伴い規格化された6.25kHzの帯域幅で3.6kbpsの、12.5kHzの帯域幅で7.2kbpsの音声通話規格を持つ通信方式の一つです。交互通話、中継通話だけでなくIP網を活用した通信も規格化されているようです。
NXDN TYPE-Cトランキングプロトコルとは端末を基地局の制御専用チャンネルで制御しユーザーが通話チャンネルを意識することなく無線通信回線を使える規格です。いわば携帯電話と同様のシステム、MCAシステムですね。
単にこのTYPE-Cプロトコルを装備しただけのNXDN製品が発売されたとしても携帯電話網と同じようなシステムではNXDN TYPE-Cの利便性を訴求できないと思いますが、米国や欧州では想像以上に無線機を活用した通信インフラが活用されている側面があり、勝算がないとも言い切れません。
携帯電話の弱点はご存知のように基地局が機能しなくなった途端、全く通信できなくなることです。その点TYPE-Cを搭載したNXDN端末であれば基地局がダウンした場合でもTYPE-C以外のプロトコルがあれば周囲の端末と通信できる可能性は十分にあります。
月並みな想像ですがアイコムとJVCケンウッドはIWCE2014で恐らくその点をアピールしてくるものと予想します。
アイコムとJVCケンウッドが共同で今回の発表に至る経緯はモトローラ・ソリューションズが1月、通信インフラに左右されない相互接続技術を有するツイステッドペア社を買収したことも要因の一つではないかと、個人的には考えています。
IWCEで発表される製品を両者がどのようなコンセプトで提案してくるのか楽しみです。
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