2013/11/17

UBZ-EA20R送受信性能比較実験

ケンウッド特定小電力トランシーバーUBZ-EA20Rの送受信性能を他の特定小電力トランシーバーと比較する実験をしてみました。なお通話距離実験以外の、本体の使用レポートはページ下の関連記事をご覧ください。



この実験を行う前、よしおはかなり悩みました。周知の通り、電波の飛び方には不確定要素が多く、そのままの状態で通話距離を測る方法では正しいトランシーバーの性能比較ができないからです。

そもそも不確定要素こそ電波を楽しむ醍醐味ですし本来の使い方をしてこそ"トランシーバー"なのですが、今回はどうしても特定小電力トランシーバーの送受信性能比較がしたかったので無理に他のトランシーバーとの性能比較ができるような測定環境を仕立てました。

あまりにも実験に夢中になってしまい、写真がうまく取れなかったことはご了解いただければと思います。



今回のトランシーバー性能比較では送信するトランシーバーだけをアルミケースに入れ、その電波の飛距離を測定する方法を採りました。送信電波を強制的に弱くすることで周囲の環境に左右されにくくなり、送受信性能比較がより正確にできると考えたからです。

UBZ-EA20Rの性能比較には(あまりにも理不尽ですが)アルインコのDJ-R100DLを使いました。アルインコのDJ-R100DLは飛距離に定評のある同社DJ-P23L/P24L/CH27などとほぼ同性能ですからきっと参考になることでしょう。



UBZ-EA20Rの通話距離測定環境と装備の説明です。少々長いので結果をご覧になりたい方は下の赤と青の棒グラフに進んでください。

使用したアルミケースは金属の外側が35×26×9センチで内側に厚さ4ミリのスポンジが貼ってあります。アルミケースは湿った草の上に置きました。

実験場所は海抜6メートル、片側の幅30メートル程度の河川敷で左右に高さ10メートル程度のなだらかな堤防のある場所です。周囲に金属建築物はありません。

距離はガーミンのハンディGPS eTrex LEGEND HCxをD-GPSモードで3回測定後、結果を平均しました。

その他の装備として混信チェック用にDJ-R100DLよりも高感度受信が可能なアマチュア無線トランシーバーVX-8Dを使っています。



いよいよ実験です。実験は「(1)UBZ-EA20R送信実験」と「(2)UBZ-EA20R受信実験」の2種類です。DJ-R100DLも同様に行いました。

> (1) UBZ-EA20R送信実験
アルミケース内にUBZ-EA20Rを密閉し送信、その電波をミヨシTCV01で受信。スケルチがオープンするギリギリの距離を測ります。

> (2) UBZ-EA20R受信実験
アルミケース内にTCV01を密閉し送信、その電波をUBZ-EA20Rで受信。スケルチがオープンするギリギリの距離を測ります。

実験中、トランシーバーの感度を落とすため、地面からできるだけ低く手に持ち無理なく測れる高さ、約45センチに統一しました。どうでもいいことですが、このときの両手にトランシーバーを持ってそそくさと走る、実験中の様子は誰が見ても不審者そのもの・・・。


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コホン、気を取りなおして実験の結果です。以下のようにUBZ-EA20Rの送信距離がDJ-R100DLの1/3未満、受信距離はDJ-R100DLの半分未満となりました。

理想はアンテナ長の異なる同じ機種で実験するべきですがそれでも実験結果を見る限り、アンテナの長いトランシーバーのほうが通話距離では有利かもしれないと思えてきます。

試しに他の特定小電力トランシーバーの送受信距離も同様に測定しました。詳細は割愛しますがUBZ-EA20Rの送信性能は所有している特小無線機の中で最も低い結果となりました。

受信性能はUBZ-EA20Rのスケルチが深めに設定されており飛距離重視スケルチ設定の他機種との比較は酷というものですが、それでも格安特定小電力トランシーバーよりは僅かに勝りました。(店舗用途には非現実的ですが)スケルチ解除や裏ワザでさらに受信距離は拡張されます。



以上、UBZ-EA20Rの交信距離比較実験でした。


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