2011/03/01

TETRAとは・・・

国内ではあまり耳(目)にしないと思いますが海外のサイトを横断しているとたまにこの用語が目につきます。ということで今日はTETRAについて少しだけ確かめてみましょう。

TETRAはTErrestrial Trunked RAdioの略で 欧州のETSIが定めたデジタル通信規格の一つです。熱帯魚ではありません(一応念のため)。先日こちらの記事で取り上げましたdPMRのようなものと同じイメージでいいでしょう。

具体的には1キャリアあたりの占有周波数帯域が25kHzで時分割多重方式のQPSKという、第2世代携帯電話サービスのmovaと同じ通信方式を使用しています。音声の伝送方式もmovaや海外で一般的なGSMと同じボコーダー(音声をそれに近い波形に当てはめて符号・復号する)方式を使用し、ショートメッセージ機能や低速データ通信機能もサポートしています。

TETRAは基本的には携帯電話と同じように基地局と携帯局で通信しますが携帯電話と異なる点として同時通話以外にも従来のトランシーバーのような1対1、1対複数の通信ができたり基地局がダウンした場合でも携帯局同士で通信できる機能があります。またTETRA独自の暗号化通信にも対応しているそうです。
無線機ですから通話料はもちろん無料です。無線機固有機能依存解消の目的でJavaを採用しています。

このTETRAは欧州をはじめ中国、インドネシア、アフリカ、イスラエルなどの警察や安全サービスなどですでに活用されているそうです。現状国内でTETRAは採用されておらず、日本のメーカーもTETRAアソシエーションに賛同していないようですから個人でTETRAに対応した端末を入手するのは困難でしょう。
実際に使ってみなければ何とも言えませんが第2世代携帯電話と同じ数kbpsの伝送レートですから音声遅延の懸念も含め、個人的に通話品質はあまり期待できないと考えています。


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[参考サイト]
TETRA, Terrestrial Trunked Radio home page(英文)
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