2011/03/15

卓上ライトの製作~輪番停電に向けて

発生から5日目を迎えてもなおその爪あとを残す東日本(東北・関東)大地震。その影響は首都圏からインスタントラーメン、米、パン、水、卵、電池といった食料品・日用品の蒸発に始まりついに計画停電にまで発展しました。

計画停電が昼間実施された場合、屋内でも太陽光で視界は建物によってはそれなりに確保できますが夜間に行われるとたとえラジオ・広帯域受信機などが備わっていたとしても少なからずこれまでの生活を変える必要性が出てしまいます。やはり電気、特に明かりは生活になくてはならないものです。ところが現在電気屋さんに行っても懐中電灯も電池も全部売り切れで在庫がありません。だったら明かりを作ってしまおう!ということで身近な材料を使い、急いで応急用卓上ライト(デスクライト)を作りました。


今回応急的に製作した卓上ライトは本が読める程度の明るさで停電する間の4時間、ほぼフルパワーかつ充電池専用で使えることを目的に作りました。製作時間はあれこれ材料をかき集め組み合わせた時間を含め3時間程度でした。実際に本が読める明るさを確保できたので参考までにその材料と手順を簡単にご紹介いたします。

用意する主な材料はこちら
 - 市販の単3充電池(2000mAh程度の容量を持つもの)...4本
 - 単3電池が4本入る電池ケース(写真右下の黒いもの)
 - スイッチ(比較的電流を流せるもの)...1個
 - 白色LED(型番:OSPW5161)...5個
 - 1/4W抵抗 16Ω(OSPW5161を使う場合)...5本
 - 卓上ライトの台座となる箱など...1個
 - 卓上ライトの支柱となる棒...2本

です。充電地を充電する充電器も入手できれば充電池が繰り返し使えます。
白色LEDは秋月電子通商で過去に買ったものを使いました。このOSPW5161という白色LEDは他の白色LEDと比べ広く照らせるようですから今回作る卓上ライトには最適と思います。
卓上ライトの台座は手近にあった厚紙製の箱を、卓上ライトの支柱にはうちわの柄とわりばしを組み合わせました。
抵抗は16Ωが手元になかったため1/6W51Ωの抵抗を3本並列に組み合わせ約17Ωとしています。なお使う電池・白色LEDによって抵抗の値は変化します(計算の仕方はこちらが便利と思います)。


各部を見ていきましょう。まずはスイッチ周辺から。

使用した白色LEDに流れる電流は1個あたり75mAを想定していますのでそれなりの電流が流せるスイッチを上の写真のように半田付けしました。


LEDを固定するアーム(わりばし)周辺の様子です。

リード線の被覆だけをところどころ切り取りLEDのカソード(-)側と直接半田付けしています。わりばしとLEDの間を若干離している理由はLEDの出す“熱”がわりばしに悪さしないようにするためです。このように白色LEDを取り付けても白色LEDの後ろから回り込む、直接目に入る光はそれほど多くなく、これなら読書などにほとんど支障がないだろうと思いました。


3本組み合わせた17Ω抵抗はご覧のように各白色LEDのアノード(+)側に半田付けしました。
上の写真ではカソード(-)側の足がまだとげとげしい状態ですが完成したものは手などに刺さらないようカットしています。


完成した卓上ライトの全体写真と動作中の様子です。写真ではめちゃめちゃ明るいように見えますが実際はハレーションもなく読書や小さな作業ができる程度の、それほど目に負担がかからない明るさです。この白色LEDでしたら5個で十分でしょう。写真右手前の半田ごては大きさ比較用です。

卓上ライトの支柱となるわりばしとうちわの柄のつなぎ目は針金でぐるぐる巻きにしているだけです。うちわの柄を使った理由は写真のように卓上ライトの台座に安定して固定できるからです。うちわの柄と台座の箱はプラスチック用接着剤で接着しています。また電極が露出している部分にも接着剤を適量塗り金属によるショートが極力起こらない工夫をしました。急いで作ったものですからデザインよりも実用重視となっています。


今回の地震による混乱で懐中電灯が買えなかった方にこの卓上ライトの製作例が役に立てばと思います。ただし何しろ応急的に作った卓上ライトですからまだ本格的に使っていません。普通はしないような、充電池の性能を出し切る設計ですから乾電池を使う場合は抵抗をもっと大きいものにする必要があります。あくまでこんなこともできるといった参考程度にとどめていただければと思います。

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