来る2011年7月24日のXデー後アナログTVが使用している1-3chの周波数再編について、総務省が意見の募集を始めたとのことです。
・総務省|V-Lowマルチメディア放送の制度枠組みについての意見募集及び参入希望調査の実施
どういうことなのか あえて説明しますと2011年(今年)アナログテレビが終わった後に電波が余るため、誰がどうやって使いたいのかお役人さんが調査する、ということです。
総務省は今後余る90-108MHz周波数を「マルチメディア放送」に割り当てると(一応)公表してはいますが、実際どのような目的で使えばいいのか具体的な考えがまとまっていないためこのような“公聴会”を開くと予想されます。
使い道が決まっていないのですから極端な話この帯域が「放送」以外で使われる可能性も否定はできません。超高速インターネットサービスに使われたり携帯電話などの無線電話に使われる可能性もまったくない話ではないのです。
この"V-Low"周波数を使うと厄介な問題があります。
無線・受信フリークな方が周知のとおり"V-Low"周波数を含む87-108MHzは海外ではFMラジオ放送に割り当てられているため夏場、中国や韓国からのFMラジオ放送によって混信が起こりやすいのです。
従来のFMラジオ放送の周波数を海外と同じ87-108MHzに引っ越す対策もありましょうがラジオの聴取人口がテレビのそれよりも多いとは考えづらいことも含め、経済効果は地デジほど見込めないでしょう。
以上のことを勘案すると今回総務省が意見を募集・参入希望調査するこの帯域はよほど魅力のあるサービスを提供する事業者でない限り活用が困難と思われます。
この帯域を新型特定大電力?トランシーバーやアマチュア無線などに一般開放してはという考え方もあります。しかし考えてみると下はFMラジオ放送に、上は航空旅客機管制にそれぞれ割り当てられていることから場合によっては命にかかわるため可能性は低いでしょう。
昨今日本では集中豪雨問題がありますからスペクトラム拡散送信などで外国放送の混信対策をした上で、米国で実施している竜巻警報のような気象通報専用に割り当てるのはありかもしれません。この場合きわめて遅延の少ない放送方式が同時に求められることにもなります。
さてここまでのお話、カンの鋭い方なら既にお察しでしょうが"V-Low"と呼称する90-108MHzはアナログTV停波後この帯域をしばらく誰も使わない状態が続くと容易に想像できます、非常にもったいないですが仕方ありません....。
アナログTV放送終了後に発生する電波の再割り当て問題は果たしてどうなるのか、今後も目が離せませんね。
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