2011/01/14

GRE、P25デジタル復調対応の次世代受信機

たまには海外の話題に触れてみます。先日アメリカで開催されたCES(家電見本市)2011では各メーカーから最新の家電が多数発表されました。数多く発表される新製品の中に『受信機はないのかよ~っ!』と思われた方は少なくないはず・・・ですがご安心を。
GREアメリカからこれまでの受信機の常識を変えるUI(ユーザーインターフェース)を搭載したデジタルP25復調対応のハンディ受信機、PSR-800がCES2011会場で発表されました。

GRE Introduces Next Generation Digital P25 Scanning Receiver(英文)

GREの副社長、Wayne Wilson氏は「(PSR-800は)購入した曲がすべて入っているMP3プレーヤーのように使えるのです。(受信機内部の)データベースにない周波数もお好みで入力を可能にしています。これほど受信が簡単になったことは今までかつてありません。」と話されたそうです。
同時に上記プレスリリースでは「PSR-800にはアメリカ・カナダのいかなるお客様用に対して(周波数が)あらかじめプログラム済みです。もはや受信ホビーはエキスパートだけのものではありません。PSR-800はPCにつなぐだけで最新の(周波数)データベースに簡単にアップデートできます」とPSR-800購入後の面倒な周波数の手動入力がほとんど不要で初心者でも購入後すぐに扱えることをアピールしています。

実はこのMP3プレーヤーのような新型UIを持つ受信機は同社が過去に発表したPSR-700が最初で今回発表されたPSR-800は前作PSR-700にAPCO P25デジタル無線復調機能が追加されたものと解釈してほぼ間違いないようです。
PSR-800には受信環境周辺の未知の電波に同調する機能もあるようですから受信機本体に10キーがなくても意外と不便を感じないかもしれません。

日本では過去にお手軽受信機としてマルハマや東野電気、ユピテルなどからこのPSR-800と若干似たコンセプトのものが発売されていました。しかしこれほどボタンが必要最小限かつ箱出し状態で周波数別ではなくジャンル別に聴きたいものが選べ、さらに周波数が自動アップデート可能というスマートな受信機は記憶にありません。
従来の受信の概念を変える発想をメーカーがユーザーに提起することは非常にまれなことから今回GREアメリカが発表した新コンセプトを持つPSR-800は実に興味深いと感じました。今後日本の受信機メーカーがどう動くか要注目です。

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