2015/05/02

SONY ICZ-R100長期使用レポート4/4(受信感度や摩耗、まとめ)

ラジオレコーダーICZ-R100を1年以上使い続けた長期使用レビューの最終回はラジオの感度、各部のヘタリ具合、総評などをリポートします。第1回から第3回までは下の関連記事を参照ください。


◆AMラジオの受信感度
AMラジオの感度は内蔵アンテナ使用時、市販のライターサイズラジオや名刺サイズラジオと同等です。地元の放送局はストレスが少なく受信できます。

クレードルを介した場合はACアダプターからのノイズの影響を受けます。写真のように市販のフェライトコア(ノイズフィルター)をDCジャックに取り付けるとホワイトノイズは若干改善しますがブチブチ音のするパルスノイズは改善しませんでした。

付属AMループアンテナを接続しクレードルのAM外部アンテナ切り替えスイッチを外部へ切り替えると、それまで強く入感していたAMラジオが遠くで蚊の鳴く程度にまで低感度になりました。
アンテナや切り替えスイッチの接触不良を疑い試行錯誤しましたが改善せず。ICZ-R100付属のループアンテナを手持ちのICZ-R250TVに繋ぐとクリアに受信できました。どうやらクレードルに不具合がありそうです。

すでに保証期間が過ぎてしまったので、入手直後に付属のループアンテナをつなぎAMラジオが受信できるか確認すればよかったと後悔しています。



◆FMラジオの受信感度
FMラジオはウォークマンなど、ヘッドホンがアンテナとして動作するタイプのステレオラジオと同等です。

クレードルに搭載されているFM用外部アンテナ端子へ付属のFMラジオ用アンテナケーブルを接続すると設置場所にもよりますが、ヘッドホンアンテナと比べ体感的に若干感度が上がるようです。より低ノイズの録音を目指す場合はハイファイコンポ同様、FM放送用外部アンテナを設置すると良いでしょう。

AMラジオ同様、FMラジオもACアダプターからのノイズの影響を受けホワイトノイズが若干増加します。先の市販のフェライトコアをACアダプターのDCジャック付近に巻き付けるとずいぶん改善しました。

使用上の注意ですが、外部アンテナで受信中にヘッドホンを接続するとわずかながらヘッドホンがアンテナとして作用するようです。外部アンテナでFMラジオを録音する場合はヘッドホンをICZ-R100から取り外すことをお勧めします。



◆内蔵電池の性能低下について
さすがにほぼ毎日クレードルへ取り付け継ぎ足し充電し続けますと電池の劣化が気になります。

いまさらと思いますが、入手してから1年経った現在は週に1度の充電に切り替えました。フル充電後ICZ-R100本体をクレードルから取り外し、15~30分の番組を1週間録っては再生、まれにラジオを聴取する、これを1週間繰り返すと電池メーター表示は半分となります。今のところ支障はなさそうです。充電池劣化による本体のふくらみも今のところないように見えます。



◆クレードルの端子摩耗状況
ほとんど毎日、通算200回以上は挿抜していますが緩くなる、接触不良などはなさそうです。写真のように端子の極端な削れなどは見当たりません。


◆付属品
付属のUSBケーブルをICZ-R100以外で使用していたところ、ある日突然のマイクロUSBプラグ側が緩くなりそれ以降接触不良に陥り、すべての機器でICZ-R100に付属されていたそのUSBケーブルが使えなくなるトラブルに見舞われました。

別に用意したUSBケーブルをICZ-R100に接続すると正常に動作するため、恐らくICZ-R100付属のUSBケーブルへ2A以上の大電流を流し続け壊れてしまったのが原因と考えられます。

以上から付属のUSBケーブルはICZ-R100専用と考えておいた方がよさそうです。



■まとめ
ICZ-R100はAM放送の受信音声にかなりコモりがあるためAMラジオの語学番組を録音し学習する用途には不向きですが、FMラジオ録音用やPodcast再生用途としては実用的と思います。

ラジオ受信時に左右ボタンがプリセット選局用、上下ボタンがマニュアル選局用に割り当てられ、自在にラジオを操れる点は秀逸です。ハングアップなどソフトウェアのバグは見当たりません。

一方で「こうしてほしい」部分があるのもまた事実。そこで勝手に次期モデルへ追加してほしいマニアックな要望を大量に挙げてみました。

<機能>
・AMのハイファイ(高音質)化、または帯域フィルター切り替え
・FM補完放送受信
・ラジオ録音ボリューム調整
・シンクロ録音中の自動フォルダ切り替え、または1フォルダの保存ファイル数増加
・256kbps MP3もしくはLPCMのラジオ録音
・USB給電中の録音と再生、または乾電池ケースオプション
・イコライザー最大時の"根本的な"音割れ防止

<外観>
・前面や上面のボタン周囲に誤操作ガードをつける、またはボタンを凹ませ誤操作防止
・本体外形の丸みを少なくしデザインによりアクセントをつける

<操作>
・録音レベルガイド(レベルメーター)のレスポンス向上
・イージーサーチのレスポンス向上
・再生中の"キュルキュル"音声付きキュー&レビュー
・再生ボタンの使い勝手向上(直前の録音済みファイルがすぐに再生できるなど)

...と思いつくままに無理難題を書き連ねましたが、ともあれICZ-R100は外出先で使える小型ラジオレコーダーの中では総合的に使いやすい製品のひとつと思います。


2015年5月現在、外出先でも室内でも半々で使いたい場合はクレードル操作が快適なオリンパスのPJ-35を、ワンセグ音声録音にこだわらず主に外出先で使用する場合は比較的操作レスポンスの高いこのICZ-R100を選ぶことになりそうです。

(関連記事はこの下です)

[関連記事]
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