今回はトライステート社が開発し秋月電子通商で販売されているNS73M使用FMステレオ・トランスミッター・キットの外部電源端子をマイクロUSB端子へ改造します。
追加準備すべきものは恐らく
- 秋月電子通商で販売されているマイクロUSBコネクタDIP化キット(K-10972)
- ホットスティック(T-03645など)
- ホットボンド
- 加工後不要になった抵抗やコンデンサーなど部品の針金3本以上
- 導通テスター
- Androidスマートフォン用マイクロUSB充電ケーブル
マイクロUSB端子化改造手順を説明します。
まずはんだ付けしてあるDCジャックCN2、ダイオードD1、5V三端子レギュレーターIC4を取り外します。
DCジャック、ダイオード、三端子レギュレーター除去後 |
次にマイクロUSBコネクタDIP化キットを組み立てます。
マイクロUSBコネクタDIP化キット組み立て前 |
ピンヘッダーは2本だけ使い、+と-など表示面を上にしてしっかりはんだ付けします。
マイクロUSBコネクタキット組み立て後 |
組み立てたマイクロUSBコネクタDIP化キットのピンヘッダーをDCジャック跡地へ収まるように曲げ加工します。
それをFMトランスミッターキットのDCジャックのあった場所へ、なるべくマイクロUSBコネクターが基板からはみ出すようにしてからはんだ付けします。
ピンヘッダーを曲げDCジャックの穴へ差し込む |
FMステレオ・トランスミッター・キットとマイクロUSBコネクタDIP化キットの隙間をホットボンドで溶かしたホットスティックでいっぱいにし、マイクロUSBコネクターが動かないようにします。
ホットスティックで固めたマイクロUSBコネクター周辺 |
ダイオードと5V三端子レギュレーターの跡地へ下記写真の朱色の線に沿って部品の針金をラジオペンチで「コ」の字に加工してはんだ付けします。
IC4の跡地真ん中にある電源-が隣同士の電源+とショートしないように注意しましょう。
導通テスターで改造ポイントがOKかチェックし、電源端子をマイクロUSB化改造したFMステレオ・トランスミッター・キットと繋ぎます。
USB電源を入れ、FMトランスミッターキットの液晶が表示され電波が出ればOKです。
今回は写真のようにモバイルバッテリーで駆動してみました。
以上でFMトランスミッターキットのUSB給電化改造はひとまず完了です。
このトランスミッターキットの泣き所だった、USB機器が氾濫する現代にUSB電源が使えないという不思議な仕様は上記改造でそこそこクリアできたと思います。
これで音楽が車内や屋外でラジオからステレオ音声で楽しめる道筋が何とか立ちました。
なお今回取り上げた改造は必要最小限のため、質の良くないUSB電源を使うとFMトランスミッターキットやUSB電源が壊れ、改造を担当した電子工作員なども懐事情を超える被害を受ける場合があります。
また、今回はたまたまうまくいきましたが使う電源によってはうまく動作しない場合もあります。
よしおはさらにこのFMステレオトランスミッターキットへ追加したい加工がまだあるので箱へ入れるのは先になりそうです。
※本改造は参考情報ですから実行する場合は自己責任でお願いします
(関連記事はこの下です)
[関連記事]
・秋月NS73Mステレオトランスミッター音量アップ改造 (2017/11/22)
・秋月NS73M使用FMステレオトランスミッターキットの製作 (2017/10/29)
・「だれでもできる電波通信実験」AM送信機製作 (2011/05/23)
モバイルバッテリーを使用しているということですが、仕様書によると8.0V~12Vの規格となっておりますが実際モバイルバッテリーの5.0Vで駆動するのでしょうか?
返信削除こんにちは。ご質問ありがとうございます。
返信削除おっしゃる通り、このキットは説明書通りにそのまま組み立てると8~12Vでしか動作しません。しかし上記の改造を施すと5Vオンリーで動作したというのが今回の成果です。
もちろん、全てのモバイルバッテリーでの動作は無保証ですし、改造も自己責任ですが、少なくとも私よしおの環境では、実際に数種類のモバイルバッテリーとUSB電源で壊れることなく長時間駆動できています。
頂いたご質問の回答になっていますでしょうか?