2016/05/12

JVCケンウッド 特小UBZ-M51L,UBZ-M51S,UBZ-M31発表

JVCケンウッドから単3電池1本で使用可能な特定小電力トランシーバーが3機種も同時に発表されました。

UBZ-M51L_M51S_M31|特定小電力トランシーバー|商品情報|ケンウッド

( UBZ-M51L(左), UBZ-M51S(右)。公式サイトから )

( UBZ-M31。公式サイトから )


UBZ-M51L, UBZ-M51S, UBZ-M31共に単3アルカリ乾電池1本または単3ニッケル水素充電池1本駆動に対応した免許資格不要で使える特定小電力無線機です。通話距離を伸ばせるオプションの中継器UBZ-RJ27に対応します。

大きさは幅4.7センチ、高さはアンテナを除き8センチ、厚みは2.2センチ。重さは電池込みで約110~120グラムとスマートフォン1台分相当です。電池は本体のみの使用で最大24~26時間程度連続で使用できます。


3機種ともに中継器を使用した通話が可能。UBZ-M51シリーズとUBZ-M31の違いは大きく下記3点と防水防塵性能で、下記3点の機能はUBZ-M51シリーズにのみ搭載されています。
・エマージェンシー&バックグランドトーン
・セカンドPTT
・簡易スキャン

防水防塵性能については、UBZ-M51シリーズは水深1メートル30分までの水没や砂没に対応。UBZ-M31は突然の大雨や水掛けに対応し水没砂没は不可です。


詳細は公式商品サイトの説明を参照いただくとして、UBZ-M31とUBZ-M51シリーズ共通の機能をいくつかピックアップしますと

・38波のグループモード
・簡易内緒話(スクランブル)
・1クリックで送信開始/終了が切り替えられるPTTホールド
・電池寿命お知らせ音声アラーム
・オートパワーオフ(解除可能)
・グループコードを一致させて空きチャンネルを探すオートチャンネルセレクト
・10種類の呼び出し音切替
・受信専用モード
・音声自動送信(VOX)
・イヤホン接続モード

等があります。



次に「通話告知音機能」の「通話開始告知音」と「送信お知らせ音」について、ややこしいのでまとめてみます。
※2016/5/26追記:製品情報に「送信お知らせ音」機能の説明が分かりやすく追加されました

「通話開始告知音」とは通話ボタン(PTT)を押した後に話す開始のタイミングを話す人に知らせるビープ音です。PTTを押しビープ音が鳴ってから話し始めるとこちらの話の最初が切れる可能性が少なくなるという、相手に確実に内容を伝えるための機能です。この「通話開始告知音」は話者にのみ聞こえ、伝える相手にはこのビープ音が直接聞こえないようになっています。

補足ですが「終話告知音」とはPTTを離したor1クリック後に"送信終了しました"という動作を話す人に知らせるビープ音です。「通話開始告知音」同様、このビープ音は相手に直接聞こえません。


「送信お知らせ音」はUBZ-M51シリーズまたはUBZ-M31同士で会話する際に、どの人のトランシーバーから電波が出ているか耳で分かる機能で、言い換えると話す人が区別できる音です。この音は5種類から選べます。5種類以上は話す人またはトランシーバーを識別できません。

ここではホテルでの運用を例に「送信お知らせ音」の利便性考えてみましょう。あらかじめ1階のフロント担当用の「送信お知らせ音」を"1"、2階宴会場の「送信お知らせ音」を"2"とすると、通話開始の音だけで1階の連絡内容なのか2階の宴会場の用件か分かります。

UBZ-M51シリーズにのみ搭載されたセカンドPTTと簡易スキャンを「送信お知らせ音」と併用すると、異なるチャンネル毎に別の「送信お知らせ音」を設定することで液晶のチャンネル表示を見なくても どの階の通信なのか一目ならぬ一聴きでわかり、煩わしさが少なくなります。


「通話開始告知音」と「送信お知らせ音」の違いをまとめますと、前者が話す人に話すタイミングをお知らせする機能、後者が話している人を聞き手が区別するための機能と言えます。




今度はマニアックな観点でUBZ-M51シリーズをチェックしましょう。

まず、UBZ-M51シリーズには期待に応えたロングアンテナモデルUBZ-M51Lがラインナップされています。UBZ-M51Lのアンテナ長は18.5センチと最長クラス。ショートアンテナモデルUBZ-M51Sのアンテナ長は7.5センチです。アンテナはいずれも固定式。回転収納しようとしたり引っ張ると壊れます。

アンテナの取り付け位置はベルトクリップ取り付け時に腰に干渉しにくい本体上面の中央出し方式。使用者の装着時のストレス軽減が期待できます。

また一部中継モードでは1mW連続送信に対応。混信低減のためにチャンネル使用中を常時第3者に知らせるなど、応用した使い方も可能です。

音量ツマミは電源スイッチと共用のため、直前の音量レベルは保持できません。このため使用前の音量調整が電源を切る度に毎回必要です。頻繁に業務で使用する場合はマイナスポイントと思います。

全チャンネルスキャン機能は残念ながら装備されていませんが3つまで登録したチャンネルのメモリースキャンは可能です。単信チャンネルと半複信チャンネルの混在スキャンは対応している可能性が高いです。スクランブルはチャンネル毎に設定できないため注意しましょう。

スケルチは3段階となしの4種類がセットモードから選べます。バッテリー着脱時の蓋が落下しないようになっているのは好感が持てますね。


使用上の注意点ですが、UBZ-M51/M31シリーズはオプションを接続する端子形状が2ピンのはめ込み式から1ピンのねじ込み式へ変更されています。変換ケーブルを使用する方法もあるでしょうが防水防塵性能維持や信頼性確保のためにも、従来のケンウッド製のスピーカーマイクやイヤホンマイクをお持ちの場合は買い替えが必須となるでしょう。





まとめに入ります。

UBZ-M51シリーズ、UBZ-M31は単3電池1本でほぼ丸1日使用可能な、中継器対応の特定小電力トランシーバーです。特にUBZ-M51Lはロングアンテナを搭載し、「とび重視」のうたい文句通りワンランク上の通話性能が期待できます。

実勢価格はUBZ-M51シリーズが1万5千円前後、UBZ-M31が1万3千円前後と予想します。折り畳み式アンテナバージョンが欲しい場合は、従来オプションが使用可能で機能は少な目ながら最長72時間使用可能な単3電池1本モデルUBZ-EA20Rがよいでしょう。


本体のデザインは日本語表示と直線が多用されシンプル。送信お知らせ音といい1mW送信機能といい、UBZ-M51シリーズのみケンウッドロゴが金色といい、なかなか魅力的な無線機がまた一つ登場しましたね。

個人的にはオプションの直線を多用したUBZ-M51シリーズとUBZ-M31に合いそうな、シンプルなデザインのスピーカーマイクSMC-35がツボです。
( SMC-35。公式サイトから )

水没砂没対応ならばKMC-55ですが、やはり本体との統一感を出すにはまさに業務用に見えるSMC-35のデザインがいいですね。
( KMC-55。公式サイトから )

両スピーカーマイクロホンに装備されたイヤホンジャック径はなんと2.5ミリ。恐らく2.5ミリプラグのKEP-6など
( KEP-6。公式サイトから )

純正スピーカーマイクには純正イヤホンの使用が推奨されているのでしょうが、この斜め上を目指しているお茶目さが際立っていて最高です(笑)

(関連記事はこの下です)


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