2017/10/22

アイコムIC-DPR6とIC-DPR7の違いスペック比較

アイコムの351MHz登録局ハンディトランシーバーIC-DPR7、IC-DPR7BTが発売されました。ここではIC-DPR6との違いを他社製品も交えスペック比較してみましょう。

アイコム IC-DPR7(公式サイトから)


まず基本スペック比較です(クリックで拡大)。

左からIC-DPR6、IC-DPR7、IC-DPR7BTの順に並べてあります。

送受信チャンネルや送信出力を含む無線機としての基本スペックはIC-DPR6とIC-DPR7シリーズで共通のようです。

IC-DPR7シリーズの大きさはIC-DPR6比で高さが5ミリ、厚みが0.5ミリ減り、重さも約10グラム以上減少しています。

内蔵スピーカー出力が向上し、騒がしい重機を扱う現場や道路周辺での使用感がアップしています。受信イコライザー(音質調整機能、後述)が追加され聞きやすさも調整できるようになりました。


電池の持ちは1時間長くなりました。これは付属リチウムイオンバッテリーの性能向上によります。

IC-DPR6の電源はリチウムイオンバッテリーBP-274とアルカリ乾電池5本ケースBP-221でしたが、IC-DPR7シリーズはリチウムイオンバッテリーBP-290とアルカリ乾電池5本ケースBP-291と、卓上充電器を含むバッテリーシステムが新規採用されています。

IC-DPR7シリーズでは通常の4段階の電池残量表示に加えリチウムイオンバッテリーの詳細残量、充電回数、温度、健康度が本体でチェックできるようになり、厳しいプロフェッショナルなビジネスユースに対応しました。

また電池寿命警告表示が新規追加され、電池劣化による満充電してもすぐに電池が切れる不測の事態が分かるようになりました。

IC-DPR7シリーズに付属のリチウムイオンバッテリーBP-290はPCでバッテリーの状態が確認できるオプションのインテリジェントチャージャーBC-225(充電時間約2.5時間)とソフトウェアRS-BC225に対応しています。もちろん本体液晶表示でも情報は確認できます。


IC-DPR7シリーズはIC-DPR6に引き続き外部電源入力端子は本体にありません。




設定機能をチェックします(クリックで拡大)。


ポケットビープ動作設定とは着信時の無線機本体の動作を設定する機能です。

IC-DPR6とIC-DPR7(BT除く)にポケットビープ機能がないわけではなく、振動着信が選べない(IC-DPR7BTのみ)ことを表します。

IC-DPR7シリーズはビープ音の音量固定/連動切替ができるようになっています。

IC-DPR6の弱電波を音で知らせる受信電波強度通知はIC-DPR7では削除されています。

マイクゲイン調整幅が変更されています。

IC-DPR7にはVOX機能が本体に内蔵され、オプションのVOXユニットVS-2SJが不要となりました。

アルインコのDJ-DPS70シリーズと同様、エマージェンシー機能に60度以上無線機本体が傾くと電波を自動発報するマンダウン、トランシーバーをある時間以上操作しない場合自動送信するローンワーカーが追加されています。




設定機能比較を続けます。

IC-DPR7シリーズに搭載された録音機能は受信音声録音と最大10秒までのワンタッチアンサー用音声録音の2種類があります。

受信音声録音時間の上限は取扱説明書にありませんが海外向け同型機では最大8分とあるため、恐らくそれに準ずるのではないかと思います。

アルインコのDJ-DPS70シリーズは最大35分または31件が上限のためスペックとしてはアルインコが上でしょう。


そして待望の全チャンネルスキャンが搭載されました。

上の表の「メモリーCH毎のスキャン設定」がスキャンの設定項目です。スキャンしたいチャンネルは自由に選択できるのでチャンネルのスキップ登録もできます。スキャン停止後のオプションも充実しています。


一時音量切り替えとはサイドキーをワンプッシュするだけで予め設定してある音量に一時的に変更(音量上げる/下げる)できる機能です。アルインコDJ-DPS70シリーズの固定音量レベル設定と同様です。

IC-DPR7に新設されたオートキーロックは15秒~10分まで調節できます。

IC-DPR6のバックライト機能は自動のみでしたがIC-DPR7では明るさ調整、連続点灯や切の選択ができるようになりました。

外部電源5V出力はアイコム指定の純正オプションのイヤホンマイクやヘッドセット使用時、うまく動作しない場合などに使用します。

送受信イコライザーは送信音質と受信音質が変えられる機能です。ケンウッドのTPZ-D553シリーズアルインコのDJ-DPS70シリーズと同様です。



補足として今回登場したIC-DPR7とIC-DPR7BTではブルートゥース機能以外に下記機能が差別化されています。
  • ポケットビープ動作設定の振動モード、振動+ビープ動作
  • 着信バイブレーター
  • BluetoothヘッドセットによるVOX送信
  • 設定モード画面で文字がはみ出す場合に追加表示するネクスト表示(サイド2キー押)





以上IC-DPR6とIC-DPR7シリーズのスペック比較でした。

今回登場したIC-DPR7とIC-DPR7BTはIC-DPR6の機能拡充版と考えてよさそうです。

とにかく高出力で遠くまで通信できればよいと割り切るのであればIC-DPR6、スキャン機能付きの5Wハンディのアイコム機が欲しい場合はIC-DPR7シリーズを選ぶことになります。


これで全チャンネルスキャン機能のない351MHz登録局(簡易デジタル)ハンディ機は八重洲無線を残すのみとなりました。

(関連記事はこの下です)


[関連記事]
アイコム 351MHz登録局無線機IC-DPR7スペック予想 (201/09/16)

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