2016/01/23

八重洲無線 1W登録局トランシーバーVXD1発表

コンパクトな351MHz簡易デジタル(登録局)無線機、VXD1が八重洲無線から発表されています。

VXD1 公式サイトから引用

製品詳細:1Wタイプ 携帯型デジタルトランシーバー「VXD1」(資格不要・登録局)/八重洲無線株式会社



VXD1は簡単な手続きで使える高出力トランシーバーです。電池があれば買ってすぐ使える特定小電力トランシーバーの100倍となる1ワットの電波の強さを持ち、通話距離の伸びが期待できます。アンテナが着脱可能な点も特定小電力トランシーバーと異なる点です。

バッテリーや充電器、ベルトクリップなど、トランシーバーを手持ちで使うために必要なものと申請書類が付属。イヤホンマイクやスピーカーマイクは別途入手可能です。

VXD1 公式サイトから引用

VXD1の大きさは幅5.5センチ、高さ9.1センチ、奥行2.7センチと、前から見たときカセットテープ(死語?)よりも一回り小さいサイズ。厚みはカセットテープの3本分程度となっています。

重さはアンテナと電池込みで186グラムと、電池の持ちや性能を考えないものとすると現行機種VXD20VXD9よりも50~120グラム程度軽量化を達成しています。





外観をチェックします。

VXD1 カタログから引用

本体上部は左からアンテナ、防水防塵キャップ付きのスピーカーマイク端子、LEDインジケーターらしき小窓、電源スイッチ兼(と思われる)音量ツマミが配置されています。

付属のアンテナATU-12Jは長さ10センチ。オプションで5センチのウルトラスタビー(ショート)アンテナATU-17Jと20.3センチのホイップ(ロング)アンテナATU-6Jが用意されています。


本体正面には上から英数字表示に対応したアンバー色のバックライト内蔵と思われる液晶表示部と▼、MODE兼キーロック、▲の操作ボタン、マイクとスピーカーがあります。初採用と思われる液晶の大きさは縦1センチ強、横4センチ程度と思われます。


左側面にはPTTボタンと橙色のチャンネルスキャンとワンタッチミュートが機能割り当て可能なプログラマブルボタン、そして保護キャップ付きマイクロUSB充電端子があります。
VXD1 公式サイトから引用


本体背面にはベルトクリップ固定部分が装備されているはずです。付属のベルトクリップは上記写真から大型ワニ口タイプと思われるため、事実なら厚手のベルトや作業着に取り付ける際に便利でしょう。


急速充電器とVXD1の充電接点は本体底面にあることが下記付属品の写真左端の急速充電器CD-63の形状からわかります。
VXD1 公式サイトから引用






機能をチェックします。

本体はIP67の一時的な水没や砂没に対応する堅牢ボディ。
VXD1 公式サイトから引用


電波の最大出力は1ワットと、現行機種VXD20、VXD9の1/5です。送信出力は1ワットのほか0.5ワット、0.2ワットが選べます。

スピーカー音量はVXD9と同じ最大500ミリワット。騒音の多い現場などで十分使用に耐えられるはずです。

マイクロUSB充電端子を登録局トランシーバー、簡易デジタルトランシーバーとして初めて搭載しました。メーカー無保証ながら500ミリアンペア以上の出力があれば、お手持ちのスマートフォンや携帯電話無線機の電源がVXD1の充電にも使えるかもしれません。なお、このUSB充電端子は外部電源端子ではないと思われます。

ワンタッチミュート(消音)機能はVXD1側面にある橙色のプログラマブルボタンがワンタッチミュートのとき有効な機能です。ケンウッドのUBZ-BM20Rに装備された音量アッテネート機能は音量を下げる機能でしたが、こちらは一時的に完全に素早く受信音声を消すようです。

電池持続時間はスーパーセーブ機能ON時、最大15時間程度と、送信出力の小さな特定小電力トランシーバーには及びませんが、小型ボディの割に持ちは良いでしょう。

チャンネルスキャンは2チャンネルの交互待ち受けが可能な機能です。全チャンネルスキャン機能ではありません。


受信方式はこれまでのスーパーヘテロダイン方式ではなくダイレクトコンバージョン方式が採用されています。トランシーバーの高安定動作や小型化などに寄与していると思われます。

その他、登録局トランシーバーとしての標準的なユーザーコード、秘話コードの設定、上空チャンネル受信機能に対応しています。


補足として、機能ではありませんがVXD1にはVXD20と同様、無線機本体に3年保証が付属しています。ケンウッドのTPZ-D503TPZ-D553シリーズの本体2年保証よりも1年多くなっています。





以上、VXD1の外観とスペックなどをチェックしました。

VXD1は1ワットの小型機ということで単3電池1本駆動のFTH-307シリーズFTH-308シリーズと同じ、手で持つと無線機本体が隠れるほどの超小型サイズを想像していましたが、実際はアマチュアハンディ機FT1Dシリーズ、FT1XDや現行モデルVXD9の一回り小型版という印象です。

本体充電端子からの通常充電には恐らく6時間以上掛かると予想しますが、一般的なスマートフォンと同じマイクロUSB充電端子を装備しているためアウトドアや万一の状況下での電源確保は比較的容易なはずです。繰り返しとなりますがVXD1の充電端子は外部電源端子ではないと思われます。

気になる点としては最低使用温度が-10℃と、VXD20やVXD9の-20℃よりもスペックダウンしています。雪山や冷凍庫内とその周辺での使用はあらかじめVXD1をポケットへ入れるなど、工夫が必要です。


価格は付属品込みで税抜き39800円と、オープン価格ではない登録局トランシーバーとして現(2016年1月)時点では最高のコストパフォーマンスです。

受信方式がダイレクトコンバージョンとなったVXD1。今後どのような受信性能を"魅せる"のか楽しみですね。

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