2010/12/05

今のワイヤレスマイクが使えなくなる!?

劇場やコンサートホール、学校などで大活躍のワイヤレス(無線)マイクロホン。これが今のままでは数年後使えなくなると聞いたらどう思いますか?



2010年11月29日、総務省が進める電波利用の再編でテレビのデジタル化によって今までテレビに使っていた電波の一部(700MHz帯)が空くことから、2015年までにこの上にある700~800MHz帯の周波数の再編が固まったそうです。

現状470~770MHzにはアナログ方式のテレビ放送が、770~810MHz帯にはテレビ局、ラジオ局で使う放送中継用電波とワイヤレスマイク(A/B規格、C規格は322MHz帯のため影響なし)が割り当てられています。総務省はこの帯域を含む700MHz~800MHz帯を新たに携帯電話用に割り当てる方針だそうですが、これにより現在使っているワイヤレスマイクが今後使えなくなるとのこと。


実際に今までのワイヤレスマイクがどう使えなくなるのか想像してみましょう。

2015年、今まで使っているワイヤレスマイクの電源を入れます。するとザーという携帯電話の妨害電波が入るか、あるいはワイヤレスマイクのレシーバー(受信部)が携帯電話の電波を常時受けミュート(消音)機能が常に働き音が伝わらなくなる、そんな状況になることでしょう。

最悪の場合、現行の電波法によって今まで使っているワイヤレスマイクを持っているだけで逮捕されてしまうケースが続出し社会問題になるかもしれません。



さらにこれまでのワイヤレスマイクの周波数を廃止すると新たにワイヤレスマイク用の周波数を割り当てる必要が出てくることになりますが、その周波数帯が今なお未定とのこと。移行先の周波数が決まったとしても通信方式の規格の策定と製品開発期間、そして設備の移行期間とかなりの時間を要します。

デジタルテレビの普及を10年間宣伝してもすべてのテレビ所有者が買い替えないのですから設備の完全移行には少なくとも5年は掛かることでしょう。


新しい規格でワイヤレスマイクを開発してくれるメーカーが出てくるのかも疑問です。

総務省は移行先の周波数でデジタル方式の電波を使うことを検討しているようですが現行のデジタル技術ではデジタル方式のテレビと同様 声が数秒遅延して伝わるため、はっきり言って使い物になりません。ですからワイヤレスマイクのデジタル化は技術的に困難ではないかと考えられます。



これまでのワイヤレスマイクの設備を新しくするにはワイヤレスマイクを使っている人たちの莫大な購入資金と処分費用も必要です。

この資金は新たに割り当てられるこの700~800MHz帯を使う携帯電話事業者が負担する方針だそうですが、今後使えなくなるであろうワイヤレスマイク設備の有無をどのように確認するのでしょうか。



今まで使えていたものが法律によって使えなくなり、何も知らなければ逮捕されてしまうかもしれないという今回の総務省の方針。どう思いますか?













・・・とまぁ、カタいお話はこのくらいにして。

さて、ここからは受信フリークの立場から言いましょう。


今回のワイヤレスマイクの周波数移行。今後デジタル化してしまう可能性があることから

「コンサートワッチできなくなる」
「またひとつ、受信ジャンルが消える」

と、まさに発狂するほどきわめて重大なニュースです。


新たに700~800MHz帯を使う携帯電話会社に使用中の受信機を「新しいワイヤレスマイクも受信できるようにしてくれ」と送りつけたくなる気分にもなりますよ。

メーカーがデジタル方式のワイヤレスマイクを開発する費用も携帯電話会社は負担してくれるのでしょうかねぇ。

というか、携帯電話の周波数は700~800MHzじゃなくていいような気がします。どうせ復調できないんですから.....ってこれは極論ですね。


ということでワイヤレスマイクは仮に周波数が変わるとしても製品開発が早く、現行の受信機で受信可能な周波数(1GHz以下)かつ復調可能なアナログ方式の維持を希望します!

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