2013/06/15

受信機のポップノイズを少なくする実験

今回はワイドバンド(広帯域)受信機を使うときに発生する問題の一つ、イヤホン使用時のポップノイズ軽減を考えます。



受信機をお持ちの方はご存知でしょうが、ポップノイズとは受信機が電波を受信した直後、音が出る瞬間に発生する「ポツッ」「ブツッ」などという一瞬の大きなノイズを指します。ポップノイズはイヤホンやヘッドフォンを使うと気づくことがあり、スケルチの入り切りが断続すると気になる存在です。

何とかこのポップノイズを少なくする方法はないものか・・・。考えた結果は「ボリューム付きイヤホン・ヘッドホンを使う」というものでした。

その理由は受信機の音量を音の出る最小付近まで小さくしたときと比較的音量が大きい時でポップノイズの音の大きさにあまり変化がないことに気がついたからです。



順を追って説明します。長いので次の写真の手前まで読み飛ばしていただいて構いません。

まず受信機の音量を大きくします。このとき受信音は大きくなりますがポップノイズは大きくならず一定です。

受信音が大きいとイヤホン・ヘッドホンをつけても大きいままですから耳を痛めてしまいます。そこでボリューム付きイヤホン・ヘッドホンを用意し、音量を手元で小さくします。

すると受信音も小さくなりますが同時にポップノイズも小さくなるはずです。



以上がボリューム付きイヤホン・ヘッドホンを使いポップノイズを下げる理屈ですが、要するにポップノイズが小さくなるかもしれないということです。

さて推測はこのくらいにして早速ポップノイズ軽減実験をしましょう。用意したものはボリュームコントロール付きイヤホン延長コードです。

これは手持ちのヘッドホンとオーディオ機器の間に挟む手元ボリュームです。使い慣れたイヤホン・ヘッドホンを無改造でボリューム付きに変身できますのでとても便利です。この手元ボリュームを先日入手したアルインコDJ-X81受信機とパソコンの間につなぎ、手元ボリュームなしと手元ボリューム最小でポップノイズの音量がどれほど変わるのか、SoundEngine Freeというソフトで録音後再生し確かめました。

上はDJ-X81受信機を直接パソコンをつないだときのポップノイズ音量です。最大で約-2dBでした。

DJ-X81受信機とパソコンの間に手元ボリュームを挟んだときのポップノイズ音量です。最大で約-8dBでした。

以上から手元ボリュームをDJ-X81とパソコンの間に入れると入れないときよりポップノイズがおおよそ1/3少なくなることがわかりました。



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手持ちのヘッドホンで実際に聞いて確かめますと手元ボリュームがあるときは半分以上ポップノイズが減っている感覚です。同時に受信機のサーというホワイトノイズも少なくなったようです。

実験と実際の感覚にずれがあったので上の実験に若干間違いはあるのかもしれませんが、少なくとも手元ボリュームのあるイヤホン・ヘッドホンを使えばポップノイズが少なくなることは確認できました。

なお手元ボリューム付きイヤホン・ヘッドホン使用時は受信機本体の音量を上げて使うため、イヤホンを受信機から外すとスピーカーから大音量が出ますので注意してください。

この方法でポップノイズ軽減が有効な受信機は受信機本体のボリュームを上下してもポップノイズ音が変化しない機種に限られます。うまくいかない場合もあるかもしれません。



以上、イヤホン使用時のポップノイズを少なくする実験でした。


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