スプリアスとは実際には電波が出ていないのに受信機の中から出る「ニセ電波(=不正受信)」のひとつで、混変調やイメージ受信と並び無線電波を探すときに面倒な存在です。前回の記事ではスプリアスについて取り上げませんでしたので当記事で取り上げます。前回までの内容はページ下の「関連記事」を参照ください。
本題に入りましょう。スプリアスは受信機ごとに違い、スプリアスの少なさは受信機選びのポイントの一つです。今回はDJ-X81受信機のスプリアス調査をしました。
【調べ方】
・よく受信する118~470MHzを調査
・VFOモードでサーチ
・モードとステップは全自動、スケルチ3(買ってすぐの状態)
・アンテナは取り外した状態
・サーチ速度は最大
・付属充電池動作
・室温は約25度
つまり、電波がよほど強くない限りDJ-X81に外から電波が入らない状態です。
DJ-X81のスプリアス調査結果をグラフにしました(下図)。グラフの横軸は周波数、縦軸はDJ-X81が表示する電波の強さです。
グラフが少々見づらいので先にグラフの見方を説明します。
・左軸の値が0 : スプリアスなし
・左軸の値が1 : スケルチが開く最小レベル、メーター0表示(電波最弱)
・左軸の値が7 : メーターがフルスケール表示(電波最強)
つまりグラフの上の点ほどスプリアスレベルが大きく、点が多いほどスプリアスが多いということです。
DJ-X81では172~250MHzで強力なスプリアスが、それ以外の周波数でほぼ1MHz間隔で1つ以上の弱いスプリアスが観測できました。
これだけ見てもよく分からないので今度はDJ-X81の比較用にバーテックススタンダードのVX-8Dのスプリアスを調査しましょう。VX-8Dを選んだ理由は日々愛用しており、単純に調べてみたかったからです。
調べ方はDJ-X81とスケルチが1(DJ-X81よりも厳しい)以外同じです。調査周波数もDJ-X81と同じ118~470MHzです。
サーチ速度はVX-8Dでは1通りのみ固定(仕様)ですがスプリアスとの関係性は少ない項目ですのであまり問題にはならないでしょう。むしろDJ-X81の条件の方が有利?です。
VX-8Dのスプリアス調査結果をDJ-X81同様グラフにしました。VX-8Dは電波の強さの表示段階が8ありますので最大が「9」、スケルチオープン最小が「1」で「0」はスプリアスがないことを表します。
グラフでは分かりづらいですが300MHz帯のスプリアスは0、400~470MHzは1つだけでした。
測定方法は確かにほぼ同じ条件のはずですが、スプリアスの密度はDJ-X81とずいぶん異なるようです。
スプリアスの測り方は他にもいくつかあり、場合によってはアンテナを取り付けると現れるスプリアスもありますからアンテナを外して測定する方法にはいくらか疑問を持たれる方もいらっしゃることでしょう。
今回のスプリアス測定にアンテナを外した測定を選んだ理由は単純にお手持ちの受信機でも簡単に再現すると考えたからです。より簡便確実なスプリアス測定案がありましたらコメントいただけると助かります。
以上、DJ-X81のスプリアス調査結果でした。
[観覧記事]
・DJ-X81にUSB電源をつないでみる
・受信機のポップノイズを少なくする実験
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