2011/04/22

「特小」無線局が「特中」化の兆し

それは昨年10月に総務省が国会に提出した「放送法等の一部を改正する法律」が発端でした。

放送法等の一部を改正する法律案 | 概要(pdf)

上記pdfの3ページ目「2.電波法関係」「(2)免許不要局の拡大」にある文を見ると「免許不要局の空中線電力の上限を0.01ワットから1ワットに見直す。」とあります。0.01ワット=10mWの免許不要局で思い浮かぶのはコンサート会場や劇場で使う特定小電力ワイヤレスマイクロホンや特定小電力コードレスホン、特定小電力トランシーバー、テレメータ設備や医療機器用の特定小電力無線設備などで、これらは免許・資格が不要でだれでもすぐに使えしかも電波出力が1mW~10mWなので「免許不要局の拡大」に見事に合致します。

上の「放送法等の一部を改正する法律」の資料には「施行期日」が「公布の日から9月以内の政令で定める日」とあり昨年(2010年)11月26日に成立し同年12月3日に告示、つまり公布されましたから遅くとも今年2011年の9月には施行されます。
つまり早くとも今年中に電波出力が10mWを超える特定小電力ワイヤレスマイクや放送中継装置、小電力コードレスホン、そして特定小電力トランシーバーが商品化されるかもしれないってことです!!


・・・と、はやる気持ちを抑え少し冷静に考えると疑問や問題が思い浮かびます。たとえば
 a) 1Wまで使用できる周波数や変調方式、占有周波数帯域は従来とまったく同じ?
 b)10mW機と混信時、1W機が勝ち10mW機は送信しづらくなる問題をどうする?
などです。これらの疑問・問題は1Wが出せる専用の周波数を空いている(特定小電力トランシーバーの場合421.9375~422.025MHz、前後12.5kHzをガードバンドとするなどの)帯域へ新規に割り当て、既存周波数運用時は最大出力10mW制限とすれば解決できそうです。新たな設備投資の問題もありますが1W化のために結局設備投資は必要になります。いかがでしょうか。


難しい話はこのくらいにして話題を戻しましょう。トランシーバーに限定するならば1Wはミニパワークラスと同等の送信出力を持つトランシーバーが誰でも自由に使えるということで、非常に驚くべきことです。私よしおの周りでも業務で特定小電力トランシーバーを使っているときに「あと少しで届くのに中継器を使っても届かない・・・」という状況の方がおり、苦労されているのを知っていますのでぜひこのニュースを教えたいと思います。

いよいよ送信出力が1WまでOKとなる特定小電力無線設備。1Wは今までの感覚からするともはや小電力ではなく中電力もしくは大電力と呼ぶべきでしょう。1Wであれば3.7Vのリチウムイオン電池で駆動できる範囲ですから本体の大型化にはそれほど結びつかないはずです。各社からの新製品発表に今からわくわくしています。


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[参考資料]
総務省|新規制定・改正法令・告示 法律

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