2011/09/02

ケンウッド、無線使用に関するアンケート結果を発表

ケンウッドは無線機使用に関する企業アンケート結果を公開しました。

「震災時のトランシーバー使用」に関するアンケート結果報告

BCPという聞き慣れない用語が現れていますが、詳しくは本記事末尾の参考資料を見ていただくとして簡単に説明しますと企業向けの(地震発生など)緊急時用の対応マニュアルです。

BCP策定企業」とは緊急対応マニュアルのある会社、「BCP未策定企業」は緊急対応マニュアルのない会社です。会社の視点ではなくわたしたち個人の視点でこれを言い換えますと防災用品を整えたり避難場所を予め決めておくことがそうです。




さっそくアンケート結果を見ていきましょう。

発表されたアンケートによりますと「震災直後、会社で電話が通じにくかった事が最も不便」を挙げた企業の総務担当者がアンケート対象500人全体の約8割とのことです。この結果は1社=1名というカウントではないと思われますが少なくとも各会社の総務の方の8割は通信インフラの寸断に不便を感じたという訳です。

ここからが本題ですが「電話や電気が使えない時、トランシーバーが役立つと思う」を一番に挙げた人が500人中の67.8%、つまり339人だったそうです。意外と災害時トランシーバーがあればいいなあと思われる方がいらっしゃるんですね。


ところが震災後実際に無線機、トランシーバーを導入したとの回答は1割未満という残念な結果が得られたそうです。
このアンケート結果は500人中の1割とは言えませんがトランシーバーがあったらいいのにと思う割合に対して実際に導入した会社がごく少数というのは私たち無線好きにとっても少々疑問と思います。


必要と思われているのに実際に本気でトランシーバーを使おうと考えている割合が少ないということは裏を返すとトランシーバーの潜在的な需要が単純計算で9割もあることになります。これはとてつもなく大きな数値です。






今後トランシーバーの普及はこれだけ巨大な潜在的市場をどのように開拓していくかが焦点となります。そのためにはやはりトランシーバーを普段使わない人たちの意識開拓と簡単に使える仕組みづくりが必要と考えます。

トランシーバーはこんなにも簡単に使えるんだという宣伝を上手に(というあいまいな言葉でごまかしました)社会へ浸透させることで徐々に無線を意識的に使う人口は増えるでしょう。

あくまでも理想論ですが携帯電話・スマートフォンに①簡単に使え、②電話回線とは違うトラフィックでつながるトランシーバー機能を追加するなど無線が普段から親しみやすい、つまり手の届くところにあればなお良いと思います。 

携帯電話に電話回線を使わないトランシーバーの機能が入ると通信キャリアは通信料が取れないという考えが浮かびますが緊急時携帯電話が使えないことは周知の事実です。トラフィックの負荷分散を前面に押し出してアピールすれば、あるいは携帯電話や無線インターネットサービスを提供するキャリアは納得するかもしれません。






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[参考資料]
BCP(事業継続計画)とは/中小企業庁

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