今回持参した機材(AR-DV10とモバイル電源) |
中部国際空港にはTETRA無線網が7月に導入されたと言われています。
PCレスで使えるTETRA対応の民生用受信機は本記事を書いている現在、AORのAR-DV1とAR-DV10だけです。今回は利便性を考え、ハンディ機AR-DV10を持参しました。
まずは本当にTETRAが使われているか、電波を確認します。
AR-DV10で周波数を合わせると、空港へ近づくにつれてTETRAの電波が強くなるのが分かります。
展望デッキでTETRA受信(一部加工済) |
結局ターミナル屋内で確認した波は全部で10波以下。確かにTETRAが動作している事を確認しました。
このうち数波は空港の離島から離れた陸地でも強力に受信できました。空港外での使用も想定しているようです。
駐車場でモトローラのST7000が使用されているのを確認できました。
モトローラのST7000はコンパクトながら1.8ワットの中出力でGPS、Bluetooth、デュアルマイク、緊急時USB-Cタイプの充電に対応した、ある意味無線機らしくない最新端末です。
1.8ワットという中程度の出力で、どの程度空港島から離れて使えるのか、興味がありますね。
次に、実際に復調音を聞いた感想をいくつか挙げてみます。
リアルタイムにAR-DV10本体スピーカーを耳にぴったりとあて受信したTETRAの復調音は、351MHz帯の簡易無線よりもモコモコしておらず、意外にクリアでした。要は第2世代携帯電話に近いです。
一方で351MHzのデジタル簡易無線ではバックノイズが効果的にカットされますが、TETRAは機械音や風切音といった、それなりに大きなバックノイズが入ります。
よって、騒音のうるさい場所で、小声で話されると聞きづらいことがあります。
また、少ないとはいえ、デジタル特有のモコモコ音により、送信者がはっきり喋る訓練をしていないと何を話しているか分からず困惑する場合があり、無線機の使用者側にも慣れが必要な印象でした。
ごく稀に復調エラーと思われる、ピーというノイズが入りました。AR-DV10の問題なのか、無線機の問題なのかは分かりません。
もう1つの気になったことですが、大きい音が連続して入るとマイクの音声レベルが小さくなり、その後に音が小さくなってもマイクの音声レベルは交信が終わるまで小さいままでした。
これもAR-DV10が原因なのか、無線機側が原因なのかは分かりません。
録音したファイルを再生するとAR-DV10本体では聞こえなかった折返し雑音?が聞こえ、一昔前のICレコーダーを再生しているようです。これも受信機起因なのかTETRA特有なのかは分かりません。
最後にAR-DV10を使って気になった1904BファームのTETRA復調時の挙動を挙げてみます。
AR-DV10でTETRA受信(一部加工済) |
TETRAは1波で理論上最大4人の通話が同時にできますが、AR-DV10ではデフォルトのスロット自動選択に設定すると、スロット2だけしか受信していないように見えました。
実際は別スロットを受信してもAR-DV10では2しか表示できなのか、受信機がスロット2だけしか受信できないのか、実際の音声通話がスロット2だけでしか行われていないのか、真相は分かりませんでした。
2エリアだから2に固定している…のでしょうか(笑)
今回は誤ってLOG機能を設定せず持参したため、 LOGEXTRACTでは録音したファイルのログデーターを開けませんでしたが、ひとまず中部国際空港でTETRAの使用だけでも確認できたのは収穫でした。
機会があればスキャンが可能なAR-DV1も持参し、アンテナの確認やスロットを手動に切替えて中部国際空港での受信に再チャレンジしたいところです。
それにしても、AR-DV10がここまで使えるとなると、もう1台買うべきか悩みますね。
(関連記事はこの下です)
・AORの新型受信機AR5700DとAR7400@ハムフェア2019 (2019/09/03)
・デジタル復調ハンディ受信機3機種雑感2019(2019/05/01)
・AR-DV10の音声データをLOGEXTRACTで読み込んでみる (2019/01/21)
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