東京ビックサイトで開催されたハムフェア2017に行ってきました。ここでは気になる各社新製品を簡単に紹介します。
AOR
なんと、デジタル復調受信機が3台も発表されました。
AR-DV10
AOR AR-DV10 |
デジタル復調ハンディ受信機です。0.1-1300MHzをカバー。SSBやCWも対応します。2波同時受信はありませんがAR-DV1同様の3VFOです。
大きさ、重さはアルインコのDJ-G7やDJ-X11といい勝負です。
本体はバックライト内蔵大型フルドット液晶、テンキー、スピーカーがあります。防滴に対応します。
本体左側面にはスケルチ、電源、マイクロSDカードスロットがあります。
本体右側面にはイヤホン、電源入力、データ通信用ミニUSB端子があります。
上面はBNCアンテナコネクター、音量とダイヤルがあります。音量は上、ダイヤルは下に同軸上に配置されています。
AR-DV10背面 |
AR-DV10のチャージャー |
デジタル復調モードはAR-DV1と同様に自動判別モードを搭載。もちろんDMRもカバーします。ただしローVHFや短波以下のデジタル復調には対応しません。
録音機能はアイコムID-51シリーズのようにはならずAR-DV1と同じ仕様となるようです。
バンドスコープはありません。IF出力も予定なしです。
試しに351MHz登録局、通称簡易デジタルを受信したところ会場で使用している無線が復調できました。
付属リチウムイオンバッテリーは2000mAhの容量を持つBP-10です。よくわかりませんがバッテリーパックに小さく某無線機ブランドが記載されていました。
乾電池ケースと車載用DCコネクターも発売予定です。ソフトウェアもリリース予定です。大容量バッテリーパックの発売予定はありません。
このAR-DV10は今年末発売予定。価格はAR-DV1より少しだけ安くなる予定とのことです。
AR5700D
AOR AR5700D |
AR5001Dの後継モデルで9kHzから3.7GHzまでカバー。所謂AR5001DとARD300の合体版という解釈でよいようです。
展示機はN型コネクター2系統、IF、GPSらしきSMAコネクター、DCジャック、IF出力らしきものなどが装備されていました。
デジタル専用自動判別モードと自動モード(ただしアナデジ自動解析ではなく従来のステップとモードをプリセットされた設定にするモード)がありました。FMステレオ受信にも対応します。
会場で351MHz登録局のデジタル簡易無線、DMR、P25の復調を試みたところどれも正常に音声出力されました。
このAR5700Dの発売は来年2018年以降の予定です。
AR-ALPHAII
デジタルモードを大幅に増やしたAR-ALPHAの後継機です。9kHz〜6000MHzをカバーします。
展示機はケースだけ用意したもの。来年2018年以降発売予定です。
なおAORブースの公式レポートがなんと!AOR公式サイト(こちら)にも掲載されていますのでご覧ください。
アツデン
AZR-1000
6つのアンテナ端子を装備した1kWリニアアンプ。カラータッチパネル液晶を装備しています。
それぞれのアンテナのVSWRと使用周波数を記憶。送信電波を自動検出し指定されたアンテナから送信するよう自動切り替え機能を装備予定です。
従来のオートマチックアンテナチューナーのようなカチャカチャノイズを極限まで抑える新型機構を搭載予定でこれから試作し来年発売予定とのこと。価格は60万円まで行かない程度にはしたいそうです。
アイコム
IC-9700
144〜1200MHzまで出られるデスクトップトランシーバー。大きさは発売中のIC-7300とほぼ同じです。
内部はSDRとのこと。IC-7300と組み合わせてバンド網羅するコンセプトです。デジタル変復調機能について、今のところD-STARだけは搭載予定があるとのことでした。
発売日も価格も未定です。
IC-R30
アイコム IC-R30 |
デジタル復調モードを搭載したハンディタイプのコミュニケーションレシーバーです。
メインバンドは0.1-3304.99999MHzをSSB/CWに加えDCR、NXDN、DPMR、P25の復調にそこそこ対応します。サブバンドは108-520MHzでSSB/CWを除くモードに対応。2波同時受信と2波同時録音があるようです。
本体は思いのほか軽量。AORのAR-DV10と比べると中身が入っているのか疑いたくなるほどです。荷物が多いときに重宝しそうです。
内蔵バーアンテナとイヤホンアンテナもサポート予定です。
使用バッテリーは3280mAhの巨大容量を持つBP-287です。
展示モデルは2波同時受信でデジタル同時復調は不可ですが2波デジアナ混在は可能でした。最小ステップは10Hzを装備しています。
GPSナビゲーション機能のようなメニュー画面がありました。20年前に販売されていたような地図のないGPS端末やロガーとしても使用できるかもしれません。
AUTOモードもありますがAORの製品のようなデジタル自動復調には対応せずアナログのみのようです。つまりデジタル通信受信時はユーザーが適切な復調モードを手動で選ぶorあらかじめメモリーへ登録する必要がありそうです。
展示機を操作したところDCRがうまく復調できないことがありました。調整中のようです。
また操作に癖があります。周波数を入力するには一度F-INPを押さないと動作しないようです。海外で市販されている一般的なスキャナーのような、メモリースキャン主体での使用を想定しているようです。
イヤホンはステレオ対応品を接続すると片耳のみ出力しました。
2波同時受信の音量調整はメインとサブ独立ではなく同時でした。
パソコン接続用の端子はマイクロUSBです。
バンドスコープはわざとなのか動作しませんでした。スキャン速度は八重洲無線のハンディ機並みでした。
まだプロトタイプのため製品リリース前にはさらなる改良が入ることでしょう。
このIC-R30は年末発売予定。価格は調整中とのことです。
ケンウッド
ケンウッド TS-590SG70 |
70台限定で予約販売となるTS-590SG(100ワット)のトリオモデルTS-590SG70がついに公開されました。見た目以外は現行TS-590SGと同じようです。
第一電波工業(ダイヤモンドアンテナ)
HF/6m用のアンテナ3種類 HFV217, KW50, HFV6 が展示されていました。
以上ハムフェア2017の主な新製品情報でした。
アイコムの久しぶりの1200MHz対応機IC-9700も目が離せませんしケンウッドのTS-590SG70も金色をあしらったメインダイヤルなどが高級感を醸し出しています。
デジタル復調ハンディ機が2種類登場するとはだれが予想していたでしょうか。両方欲しいというのがよしおの正直なところですが、果たして...。
今年2017年の無線機業界は活発すぎて、なかなか悩みの多い年になりそうです。
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