無線通信の録音に必要なICレコーダーのスペックとしては主に
(1) 外部マイクorオーディオ入力端子あり
(2) 外部電源入力可能
(3) 音声起動録音機能
(4) タイムスタンプ機能
(5) パソコンと接続可能
が挙げられると思います。
今回は上記必要項目がすべて揃っている製品のうち、最も安価と思われるオリンパス製ICレコーダー、ボイストレックV-801を入手しました。起動時間が4秒と遅いものの、細かなカスタマイズが可能であったり操作レスポンスが良いため、テープレコーダーに慣れた方でも使いやすいと思います。
オリンパスのV801はエントリー機ながら最高192kbpsステレオ録音に対応しているため、VX-8シリーズを使った2波同時受信録音も可能です。FMラジオやリニアPCM録音が必要な場合はV802/V803/V822/V823という選択肢もありますが、手軽に録音する場合はこのV801で十分すぎると思います。
ご存知の通り無線を録音するためには無線を受信する受信機とICレコーダー、そしてそれらをつなぐ録音ケーブルも必要です。
安価なオリンパス製ICレコーダーの外部音声入力はマイクロホン入力となっているため100円ショップなどで販売されている普通のコードは使えません。
初心者の方にはメーカー純正品のダビング用コネクティングコードKA333の別途入手をおすすめします。
ここでは手持ちのマイク入力端子対応モノラル-ステレオケーブルを使いアルインコのDJ-X81(下の関連記事参照)とつなぎ録音してみます。
またコンセントと常時つなぐ電源も忘れてはいけません。不慣れな方はオリンパス純正USB接続ACアダプターA514も入手しましょう。
ここではメーカー保証外となりますが手持ちのUSB ACアダプターを代用しました。
ICレコーダーV801本体と受信機、ダビング用コード、ACアダプターが入手できたらV801の設定をカスタマイズします。時計は最初に設定してください。
メニューボタンを押し下記項目を変更します。
・録音レベル:H
・録音モード:WMA 32kbps(モノラル)
・音声同期録音:ON
・音声同期録音 > 無音検出時間:3秒
・音声同期録音 >モード:連続
・USB設定 > USB接続:ACアダプタ接続
すべて設定できたらメニューボタンを押しメニューを閉じます。
以上準備できたら最初にV801をACアダプターと接続しACアダプターをコンセントへ差し込みます。
V801表示右上に電源コードマークが出れば外部電源が正常に入力されています。
次にICレコーダーと受信機、KA333が準備できたらKA333付属のモノラル->ステレオ変換プラグ側を受信機へつなぎ、変換プラグをつながない側をICレコーダーへつなぎます。
プラグ先端の見た目とつなぎ先の対応は下の写真のようになるはずです。
この状態で各プラグを受信機、V801それぞれに差し込みます。
そして受信機のスケルチを開放した後、V801の録音ボタンを押します。このときまだ録音はされません。
録音する無線の内容にもよりますが、個人的には録音レベルメーターがだいたい「-12」まで触れる状態となるよう受信機の音量を調節するのが無難と考えます。
V801の左右ボタンで「音声同期レベル」を調節します。録音内容にもよりますがここでは値を36としました。
受信機の音量を調節したら受信機のスケルチを元に戻し、もう一度録音ボタンを押します。
これで受信するたびに録音する、無線自動録音システムが完成しました。
まるでワナや網を設置した後の漁師の気分です(笑)。
取り扱いの注意点が3点あります。
1つ目として、録音中は内蔵スピーカーから音が出ないため、無線を録音中に聴く場合はV801に付属のステレオイヤホンなどをつなぐ必要があります。
2つ目ですが、V801は音声同期録音で200ファイルが生成されるとそれ以上ファイルが生成されない仕様ですので定期的にパソコンへ録音ファイルを吸い上げるか手動で保存先フォルダを変更する必要があります。どうせなら自動でフォルダを生成してファイル生成ディレクトリを自動で変更してくれるといいのですが・・・。もっとも、この仕様はオリンパス以外のメーカーのICレコーダーも大体同じと記憶しています。
3つ目。堅い話を語るのはあまり好きではありませんが、日本の法律では録音した無線の内容を録音した本人だけで楽しむ必要があるようです。くれぐれもご注意ください。
いずれ聞けなくなる無線。今のうちに録音して少しでも多く受信ライフを満喫しようではありませんか。
(関連記事はこの下です)
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