2018/01/28

ソニー ポータブルワンセグ音声ラジオ XDR-56TV発表&プチレビュー


ソニーからワンセグテレビ音声の受信に対応した、スリムなラジオが発表されました。

XDR-56TV - ラジオ/CDラジオ・ラジカセ - ソニー

ソニー XDR-56TV ブラック(公式サイトから)

XDR-56TVは幅18×高さ9.5×厚み4.5センチ、重さは電池込みで約460グラムのワンセグ音声受信対応3バンドラジオです。

付属6ボルトのACアダプターまたは単3アルカリ乾電池4本で動作します。

色は黒と白があります。
ソニー XDR-56TV 黒(左)と白(右)(公式サイトから)


AMラジオとFMラジオ、ワンセグTV音声が楽しめます。一部地域でAM放送をFMで楽しめるワイドFMにも対応しています。

AMチューナーは放送外の1710kHzまでワイド受信できます。




さて、XDR-56TVは生産終了したXDR-55TVの後継機です。

ソニー XDR-55TV(公式サイトから)


早速スペック比較しましょう。公式サイトの比較表はこちらにあります。



◆スペック比較

XDR-56TVの外観の最大の特徴として、本体外周にシルバーでアクセントのある同社製高感度ラジオICF-M780N系のテイストから、各部のプラスチックがほぼすべて同色となったことが挙げられます。

液晶表示が2倍程度大型化しただけでなく、5つのお気に入りボタンが追加され、ワンタッチ選局など使い勝手がより快適になっています。
XDR-56TV全面ボタンとジョグレバー(公式サイトから)
公式サイトには上記の通り"ジョグダイヤル"とありますが、ジョグレバーの誤りと思われます。いずれ訂正されるでしょう。


そして待望のハンドルが追加されました。
ソニー XDR-56TVハンドル展開時(公式サイトから)

幅が1センチ短くなり厚みが1.3センチ太くなり、ラジオを平らな場所に置いた時の安定感が増しました。

本体の重さは20グラム軽くなりました。


機能と性能面ではXDR-56TVはXDR-55TVよりも全体で10パーセント以上電池の持ちがよくなりました。特にワンセグ音声はこれまでの1.5倍以上電池が持ちます。

内蔵スピーカーの大きさが直径6.6センチから8センチに大型化しより余裕のある音質となりました。

本体に時計機能が追加されています。めざましタイマーも追加されました。

そして、最も忘れてはならない追加機能としてワイドFM(FM補完放送)の対応があります。





◆プチレビュー

発売前のXDR-56TVをソニーストアで軽く触ってきましたので少しだけ使用レポートします。なおレビュー対象のXDR-56TVは発売前のため、製品版では変更される場合があります。レビュー中の写真はいつも通りありません。


外観

本体は思ったより小型で、米国人の手のひらサイズ程度。

日本人ならばひと回り~ふた回り大きい程度で、持ち運びが苦にならない程度のコンパクトさです。ICF-306をご存じ、またはお持ちの方はほぼ同サイズと思っていただいて結構です。
XDR-56TV黒 ハンドル収納時(公式サイトから)

スピーカーグリルの凹んだICF-306, ハンドル展開時


実際の色は黒の場合、完全な真っ黒一色ではなく、つや消しのためのきめ細かい凹凸がハンドルも含め全体にあるのでそれほど暗く見えません。

白はどちらかというと写真のとおり、わずかにクリーム色です。こちらもつや消しのきめ細かい凹凸があり、極端なチープ感は確認できません。
XDR-56TV白 ハンドル収納時(公式サイトから)


ハンドルは裏面にあり180度回転する折り畳み式。

同社製2バンドラジオICF-306で発生していたハンドルとロッドアンテナの干渉がなくなっています。

乾電池収納部は電池を1個ずつ個別に取り付けられる高級タイプで、他製品にありがちな電池取り替え時にビョーンと電池が不用意に飛び出す心配がほぼありません。


機能と使い勝手

初期設定は地域設定でお住まいの県を選び、ワンセグテレビの電波をスキャンし完了します。
XDR-56TV黒 地域設定画面(公式サイトから)

本体内蔵時計の自動補正はワンセグテレビの電波から自動取得するようです。手動設定も可能です。

バックライトは白色です。点灯と消灯は自動のほか、AC電源では手動で2段階の明るさ切り替えができます。

音量つまみは硬めのため、持ち運び時にうっかり音量を変えてしまうことはなさそうです。

AMとFMそれぞれで波数選局かプリセット選局が独立で選べます。ワンセグテレビはチャンネル選局か初期設定でスキャンした放送局のプリセット選局が選べます。

お気に入りボタンは各バンド独立した設定ができます。ワンセグテレビ音声の登録も可能のため、全バンドで合計15局まで登録できます。

スキャン機能はありません。


感度

手持ちのソニー製名刺サイズラジオと借り物の携帯電話のワンセグ受信機能と比べました。

発売前のXDR-56TVはACアダプターでの比較のため、ソニーストア内の雑音の影響をかなり受けていることをお断りしておきます。

結論としては各バンドともに名刺サイズラジオと同等でした。ワンセグの感度も含め思いのほかソニーストア内の環境では健闘しないようです。

アンテナケーブルを付けた同時発売予定の名刺サイズラジオワンセグ音声ラジオXDR-64TV(別途取り上げる予定)と同等の感触でした。

ただしXDR-56TVにはテレビ壁面の同軸ケーブル用F型に対応するアンテナアダプターが付属するためFMとワンセグ感度アップの余地はあります。


音質

全体的に声が聴きやすいように設定されているようです。

内蔵スピーカーはバスレフではありません。XDR-55TVよりもスピーカーサイズが大きくなったことによる効果はよく分かりません。

AMラジオの音質は少しこもり傾向のため語学学習にはどちらかと言えば不向きです。

具体的には、音質面で思いのほか健闘している同社製2バンド名刺サイズラジオSRF-T355シリーズやワンセグ名刺サイズラジオXDR-64TVよりわずかに劣ります。





◆まとめ

今回発売されるXDR-56TVはコンパクトながら3バンド対応、しかもハンドル付き。電池の持ちだけでなく操作性にも磨きがかかり普段使いしやすくなっています。

このXDR-56TVは2018年2月10日土曜日発売予定。価格はソニーストア価格で税抜き15880円です。

ラジオで地デジテレビ音声も聴きたい方には候補の一つとなります。


よしお個人的にXDR-56TVは感度の心配を差し引いても使いやすく小型で洗練されたデザインなので、(ソニーの回し者ではありませんが)思わず入手したくなりますね。

(関連記事はこの下です)







[関連記事]
パナソニック ワンセグ音声受信通勤ラジオを発売 (2014/10/13)

ICZ-R250TVの放送局名と周波数のプリセット変更方法など (2017/11/05)

ソニー FM/AMラジオICF-306ミニレビュー (2017/10/11)

2018/01/23

エフ・アール・シー 特小中継器FC-R2発売&スペック比較

F.R.C.からFIRSTCOMブランドの特定小電力トランシーバー用の中継器が発売されました。

特定小電力中継器 FC-R2 - F.R.C.

エフ・アール・シー FC-R2本体(公式サイトから)

FC-R2は誰でも買ってすぐ使える使える特定小電力トランシーバーの通話距離を伸ばすレピーター(中継器)です。中継専用器なのでトランシーバーとしては使えません。

FC-R2は同社製特定小電力トランシーバーNX-20RFC-B20RFC-B47などの中継器対応特定小電力トランシーバー専用で、格安品を含む20チャンネル機は対応しません。

メーカーによるとアイコム、アルインコ、ケンウッド、八重洲無線、モトローラの各社中継器対応特定小電力トランシーバー互換とありエフ・アール・シー製以外でも使えるようです。各社の中継器対応特小トランシーバーについては、下記関連記事の直上に一覧のアマゾンリンクをコメント付きで貼ったので参考にしてください。

FC-R2本体は屋外常設用に設計されています。付属ACアダプターは屋内用です。
エフ・アール・シー FC-R2付属品(公式サイトから)


双方向通信赤外線リモコンでFC-R2本体の操作だけでなく、現在の様子が手元の液晶表示で見えるようになっています。
エフ・アール・シー FC-R2リモコン(公式サイトから)





さて、このFC-R2は生産終了したFC-R1の後継機です。さっそくスペック比較しましょう(表クリックで拡大)。

見た目と重さの違いはほぼありませんが、本体の材質がポリカーボネートプラスチックから金属のアルミニウムに変更されたようです。

電源電圧が5ボルト固定になりました。

アンテナ形状、38通りのグループモード、送信出力切り替えなど、セットメニューも変化はないようです。





このFC-R2は発売中。値段は直販価格で3万円程度です。参考として下記に現在のアマゾンのリンク先を貼っておきます。

前機種FC-R1と比べ受信感度や接続のしやすさは上がっているのか、アイコムのIC-4188DアルインコのDJ-R200DケンウッドのUBZ-BH47FRのような全部盛り多機能特小無線機と比べレピーターとしての性能はどうなのか、気になるところです。

(関連記事はこの下です)



[関連記事]
エフ・アール・シー 特小無線機ABLEON AT-20情報公開&スペック比較 (2017/11/19)

アイコム特小トランシーバー IC-4188Dレビュー (2014/02/17)

アルインコ DJ-R200D入手直後のファーストインプレッション (2016/12/17)

2018/01/22

ソニー ICZ-R110実機発売前プチレビュー

まもなく発売されるICZ-R110をラジオ機能を中心にソニーストアで触りましたので生産終了したICZ-R100の写真も交え実機レポートします。いつも通り実機試用中の写真はありません。また製品版ではいくつか変更されるかもしれません。
ICZ-R110クレードル装着時(公式サイトから)


プチレビューの前におさらいですが、ICZ-R110は(2018年)1月27日発売予定の、ハンディ型ICレコーダーとしてもラジオとしても使える、予約機能付きラジオレコーダーです。



■外観

ICZ-R110本体(公式サイトから)

型番変更とメモリースティックマイクロの表示が消えた(ICZ-R110はメモリースティックマイクロ使用不可)以外はICZ-R100と同じように見えます。スピーカークレードルとの接続端子も同じに見えました。

公式サイトの写真では分かりづらいですが、端子表記周辺の日本語表記が塗装の凹凸で波打っているように見えました。
ICZ-R110クレードル裏面(公式サイトから)
ICZ-R100クレードル裏面


個体差かもしれませんが、ICZ-R110をスピーカークレードルとドッキングするとICZ-R110本体が若干左右にカタカタ揺れました。

ICZ-R100ではこのような症状はなかったはずです。恐らくICZ-R110スピーカークレードルから防振ゴムがなくなったためと思われます。
ICZ-R100クレードル(下)との接続端子と防振ゴム(上)


ラジオ用外部アンテナやUSBケーブルなどの付属品もICZ-R100と同じように見えます。



■操作感と使い勝手


今回のファームウェアバージョンはVer.1.00です。操作体系を含め、基本的にICZ-R100と変わりません。
手持ちのICZ-R100をスピーカークレードル接続時

FMラジオ選局時のボタンの反応はそこそこ。ICレコーダーとしての録音再生のレスポンスはストレスを感じないレベルです。

AMラジオの選局時のもっさり感も変わりません。ビープ音を切にすると操作レスポンスは格段に上がります。

再生イコライザーが録音済みファイルの再生のみ有効な点もICZ-R100と変わりません。

予約録音にはほぼ必須の自動時刻補正機能がパソコン時刻同期とAMラジオの時報同期の2種類から選べるのもICZ-R100と変わりません。

液晶バックライトも入(オート)と切のみで、引き続き明るさ切り替えはありません。
ICZ-R100本体(外観はほぼICZ-R110と同じ)

スピーカークレードルにAMラジオ受信用とFMラジオ受信用のアンテナ端子が独立している点、ACアダプター入力端子がある点もICZ-R100と同じです。

スピーカークレードル接続時はパソコンとの接続はできません。



■音質


FMとAMラジオの音質は、AMラジオも含めICZ-R100と変わらない印象でした。



■ラジオ受信機能


ラジオ部は安価な製品とは異なり、これまでのソニーのラジオレコーダー同様に初期設定の地域選択でお住まいの県を選ぶと自動的に周波数と放送局名が日本語でセットされます。もちろん使用中のラジオの地域変更も可能です。

ICZ-R100との機能的な違いはワイドFMに対応し、ワイドFM放送局がプリセットへ追加されたことです。

ICZ-R110では選ぶ地域によってはワイドFM放送局もプリセットされています。

ICZ-R100に引き続き、感度切り替え機能付きスキャン機能を搭載しています。





■ラジオの受信感度


手持ちのソニー製名刺サイズシンセサイザーチューナーラジオと感度を比べました。ICZ-R110受信には付属されるステレオヘッドホンを使用しました。

結果、AMは名刺サイズラジオと同じくらい、FMは名刺サイズラジオより少しだけ感度が良いという結果でした。
ICZ-R100 AMラジオ録音中

AMラジオ受信の雑音はNHK第2放送受信中、受信状況が悪くなると若干音の歪みが出ます。

PLLタイプの名刺サイズラジオと比べると、弱い電波の放送が雑音にかき消される場合が比較的ありました。

ソニーストアの環境ではACアダプターにつながったスピーカークレードルにAMラジオ受信中のICZ-R110を接続すると受信中の放送が雑音でかき消されました。

ICZ-R110本体だけでなくスピーカークレードルと付属ACアダプターもパソコンの近くなど、雑音の多い場所で使わない方が良いでしょう。

FMラジオ受信の雑音は状況によりPLLタイプの名刺サイズラジオと比べ良かったりよくなかったりがあり、一概には言えませんでしたが、付属ヘッドホンを使った場合の受信感度は全体的に良かったです。
ICZ-R100 FMラジオ受信中



■まとめ


ICZ-R110はICZ-R100からメモリースティックマイクロの使用ができなくなった代わりに内蔵メモリー8GB増量、ワイドFM放送受信機能とワイドFM放送局プリセット内容を追加したものという解釈でよいようです。

詳しくは長期間使用してみなければわかりませんが、よしおの感想としてはワイドFM放送が不要な場合は生産完了したICZ-R100でも十分と思います。
ICZ-R100再生中


これでソニーのラジオレコーダーはSDカード対応CDラジカセのCFD-RS501とCDラジオZS-RS81BTを含め、すべてワイドFMに対応しました(下記アマゾンリンクや関連記事参照)。

あとは中型機ICZ-R250TVの対抗馬と思われるパナソニックのラジオレコーダーRF-DR100の後継機の登場を待つだけでしょうか…。

(関連記事はこの下です)







[関連記事]
ラジオ放送番組の録音方法と録音機器の選び方2017 (2017/12/25)

ソニー ラジオレコーダー ICZ-R110発表&ICZ-R100とのスペック比較 (2018/01/17)

ソニー ワンセグラジオレコーダーICZ-R250TV発表&プチレビュー (2014/10/05)

ソニー Bluetooth CDラジオZS-RS81BT発表&プチレビュー (2017/05/25)