2018/04/22

ケンウッド 上空対応の351MHz登録局 TPZ-D510発表

ケンウッドから特定小電力トランシーバーサイズの登録局トランシーバーが登場します。

2018年4月12日|ニュースリリース|ケンウッド

TPZ-D510|業務用無線機|商品情報|ケンウッド

ケンウッド TPZ-D510(公式サイトから)

TPZ-D510はアンテナの長さ込みで幅5×高さ15.5×厚み2.7センチ、重さ約160グラム、付属リチウムイオン充電池で約13時間以上使える、資格不要で送信出力2ワットのデジタルトランシーバーです。簡単な手続きで誰でも使えます。

外観は同社の特定小電力トランシーバー UBZ-M51シリーズ, UBZ-M31を踏襲していますが、特定小電力トランシーバーよりも縦の持つ部分が1.5センチほど長くなり、手に持ったときのホールド感を向上しています。





次にTPZ-D510の特徴を業務用途目線でチェックします。

TPZ-D510は業務通信の確実性を向上する機能が充実しています。

  • 最大2ワット送信出力と750ミリワット大音量

ハイパーデミトスの名の通り、免許資格不要で使える特定小電力トランシーバーの50~200倍も電波が強いため、中規模の店舗フロアーや屋外でも中継器なしで使えます。

ただし電波が50倍だからといって通話距離が50倍になる訳ではありません。
TPZ-D510通信距離目安(公式サイトから)

スピーカーの音の大きさは750ミリワットと他社の同型同クラス機と比べ桁違いの大音量を確保し、騒音下での現場にも対応します。

  • グループACS

351MHz登録局は通常使えるチャンネル数が30と、特定小電力トランシーバーより多いものの、最近は使用者数が爆発的に増えています。

ケンウッドTPZ-D510は30チャンネルのうちあらかじめ登録済みの5チャンネルを高速スキャンし空きチャンネルで自動的に通話ができる、グループACS機能を他社に先駆けて装備しています。いわゆる空きチャンネルサーチ機能の高速版です。

このグループACSは本記事執筆時点でTPZ-D510以外の351MHz登録局無線機同士のみ使用可能です。


  • 7色大型LEDランプ

モトローラの特定小電力トランシーバーMS50MS80とバーテックススタンダード(八重洲無線)の特定小電力トランシーバーFTH-50FTH-80でおなじみの大型LEDランプが7色になって搭載されています。
TPZ-D510 7色LED(公式サイトから)

異なるチャンネルやグループ設定でTPZ-D510を複数台使い分けるときに通信できるかどうか一目で分かるためのもののようで、送受信などは表示しないようです。


  • セカンドPTT

同社の351MHz登録局無線機TPZ-D553シリーズ、特定小電力トランシーバーUBZ-M51シリーズに装備されている、1台で2台のトランシーバーを持っているように使える機能です。アルインコ製の特定小電力トランシーバー上位機種に装備されているものと同等です。
TPZ-D510 2ndPTT(公式サイトから)

SIMカード2枚挿しの電話番号2つ持ちスマートフォン1台をイメージすればよいでしょう。


  • イヤホンマイク接続用ケーブルがよじれにくい

同社製トランシーバーで好評の、オプションのスピーカーマイクやイヤホンマイクをつなぎ使うときの、コードのねじれやよじれが起こりにくく、ユーザーストレスフリーな機構を装備しています。
TPZ-D510独立回転ナット(公式サイトから)


  • 送信者が音で分かる送信お知らせ音機能

同社製特定小電力トランシーバーUBZ-M51シリーズで好評の、音だけで誰からの電波を受信しているか分かる機能です。

自分の配置された階より上高い音、下ならば低い音のように送信音を設定すると感覚的に送信者の場所が分かります。接客や警備など、目の離せない業務用途には最適な機能です。

これとは別に無線機本体の状態を無線機が離す音声アナウンス機能もあります。


  • 上空専用5チャンネル送受信可能

パラグライダーやスカイダイビングなどの空を使う屋外スポーツにのみ使用を許可されているチャンネルで通話可能です。送信出力は最大1ワットに制限されます。


この他、30分間までの水没や砂没に対応する防水防塵IP67とIP55、米国軍用規格MIL-STDなどをクリアした、一般業務用途には十分すぎる耐久性を有しています。




マニアックなポイントをチェックします。

まずアンテナは上空5チャンネルも使える関係で取り外せません。無理に外そうとすると折れたり見た目が正常でも内部にひびが入ります。折った時の修理は有料となるか修理不能です。
TPZ-D510右側面(公式サイトから)


アンテナマーク表示は3段階です。

使用するバッテリーは新型リチウムイオンのKNB-81L。同社のUBZ-BH47FRのバッテリーUBP-4Lと一見同じに見えますが同型ではありません。
KNB-81L(公式サイトから)

バッテリーシステムはTPZ-D553シリーズなど5ワットハイパワー機よりも小型省エネタイプのため、電源や充電器は新型となります。ただしスピーカーマイク、イヤホンマイク、ベルトクリップ、プログラミングケーブルKPG-186UはTPZ-D553シリーズと共用可能です。

付属充電台と接続するオプション連結用ACアダプターUBC-8MLは同社製特定小電力トランシーバーUBZ-BM20RUBZ-EA20RUBZ-S27UBZ-S20UBZ-BH47FRUBZ-M51シリーズUBZ-M31と共用可能です。

オプションのプログラミングケーブルKPG-186Uと無償ソフトウェアMCP-9Bでチャンネル個別のユーザーコードやグループ、秘話の個別設定やその他本体の設定が可能です。


そして今回、スキャン機能がノーマルとシークの2種類に増えています。当記事執筆時点で取扱説明書が非公開のため詳細は不明ですが要チェックです。

送受信の音質コントロールはTPZ-D553シリーズに引き続き設定可能。

マイクロホンの感度切替は内蔵マイクと外部マイクそれぞれ設定できるようです。





このTPZ-D510は今年(2018年)5月の中頃に発売予定。価格は発売前ながら一部量販店では早くも税抜き3万円以下となっています。

競合機種は八重洲無線のVXD1SとアイコムのIC-DPR30でしょう。ただしTPZ-D510は最大2ワットと他機種の2倍高出力。業務用途に使いやすい機能も満載で他社を圧倒しています。


思いのほか小型軽量でスキャン機能も充実。3.6ボルトバッテリーでリチウムイオン充電池2セルクラスの750ミリワットという大音量を叩き出す高性能ぶりは前例がないはずです。

業務用と分かってはいてもUSB充電端子が欲しいものです。

(関連記事はこの下です)

[関連記事]
ケンウッド 登録局携帯機TCP-D551,TPZ-D553シリーズ発表 (2016/01/17)

JVCケンウッド 特小UBZ-M51L,UBZ-M51S,UBZ-M31発表 (2016/05/12)

アイコム本社ショールームの無線機群2016 (2017/01/07)

0 件のコメント:

コメントを投稿

現在コメントに返信できない状態です。ご不便をお掛けします。