2013/09/15

オリンパス、ワンセグ音声録音対応ICレコーダー発売

オリンパスからワンセグテレビ音声録音機能つきICレコーダーが発表されました。

ラジオサーバーポケット PJ-35 - オリンパス

ラジオサーバーポケット PJ-30 - オリンパス

オリンパスのラジオ録音機能付きICレコーダーには「ラジオサーバー」という相性が付けられています。PJ-35とPJ-30はどちらもワンセグ音声の録音に対応しています(EEW、EWS受信は非対応)。

PJ-35とPJ-30の違いはDirac HDサウンド機能を含む、スピーカと大型操作ボタンを装備した「スピーカー付きアンテナステーション」の有無と本体・アンテナステーションの色(PJ-35は黒、PJ-30は白)です。

いずれもワンセグ音声受信アンテナ、FM簡易アンテナ、AMループアンテナが同梱され、付属のアンテナステーションを介することで本体単体動作以上の受信性能発揮が期待できます。



ラジオ受信のベテランが特に注意するであろう機能を以下に挙げます。

・付属充電池でワンセグ音声約12時間受信、約9時間録音。ラジオ受信、録音はそれ以上
・高音質(128kbps/44.1kHz)、長時間音質(48kbps/22.05kHz)のMP3録音
・音声起動録音(VCVA)
・本体モノラルスピーカー内蔵
・ヘッドホン出力端子は左右1.2mW(16Ωヘッドホン使用時)出力
・USB充電
・ラジオ受信時、ラジオ録音時のノイズフィルタ
・自動ステレオ、強制モノラルのFMモード設定
・ノイズ対策用AM画面表示入切
・AM/FM/ワンセグ音声スキャン
・AM/FMラジオスキャン感度調整
・NHKラジオ第一放送使用自動時刻補正
・ワンセグのマルチチャンネル(同じ放送局で異なる番組)放送の選択
・ワンセグ番組の主音声副音声は受信時と録音済みファイル再生時切り替え
・目覚まし機能は固定アラーム、録音済みファイル(ワンセグ音声録音ファイル含む)再生、ラジオ/ワンセグ音声受信から選択可

128kbpsを超えるMP3録音ができないことはFMラジオ録音では気になりますが64kbpsのワンセグ音声には十分すぎます。



次にマニアックな観点からワンセグ関連のPJ-35、PJ-30の使用上の注意点を拾い出してみますと

(1)ワンセグTV録音ファイルは本体でのみ再生可
(2)ワンセグの物理チャンネルがAM/FMのように手動選局できない
(3)予約録音で頭切れ、尻切れとなる可能性あり
(4)FMとワンセグの同軸外部アンテナ同時使用は市販の混合器が必要

があります。


(1)についてはデジタルにつきものの著作権絡みの問題で、期待はしていましたがやはり予想通りといったところです。パソコンへのファイル移動も本体内分割編集もできないようです。どうしても外部出力したい場合はアナログ音声接続でパソコンなどと接続すれば問題は解決しますが、こうなるとICレコーダーとしては本末転倒のような気がしてなりません。

(2)について。再送信地域や競技場などのエリアワンセグを受信したいとき「放送局登録」から「オート登録(自動スキャン)」を操作する方法では受信可能ですが、弱電界でチャンネル登録できなかったりスキャンに時間が掛かる場合もあるかと。

(3)ですがPJ-35、PJ-30にはAMラジオのNHKラジオ第一放送を使った自動時計補正機能はあります。しかしご存知の通り、ワンセグを含めた地上デジタル放送にはタイムラグがあります。この場合は1分ほど予め広く予約設定すると良いでしょう。

(4)について。PJ-35/30のアンテナステーションに装備された同軸アンテナ入力はFMとワンセグ音声共用となっており使い勝手が少々良くないです。別途混合器を使用すれば問題ありませんが敢えてこれを回避する方法として、スマートさに欠けますがFMとワンセグの受信を切り替えの都度アンテナをつなぎ替えるか、付属のワンセグ用アンテナにアンテナカプラーをつなぎ受信感度を上げる方法が考えられます。



まとめますと今回オリンパスから発売されたPJ-35/30はワンセグ音声を手元で受信・録音したり、手軽に外へ持ち出したいユーザにおすすめできます。携帯電話などでワンセグ録画可能な機種もありますが、専用機ならではの燃費性能と映像を録画しないことによる使い勝手の良さなどを考えますとなかなか重宝しそうに思えます。

他の機器とあまりつないで使わず大型ボタンと操作性、Dirac HDサウンドを求めるならばPJ-35、すでに外部入力端子付きオーディオ機器をお持ちの方、とにかく価格重視ならばPJ-30でしょう。ただ2、3千円の価格差を考えてしまうと.....迷いますね。


以上オリンパスのPJ-35/30を玄人観点で分析しました。



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2013/09/02

ユニデンダイレクトが閉店

ユニデンの直販サイトであるユニデンダイレクトが2013年8月31日をもって閉店したとのことです。

ユニデンダイレクト閉店のお知らせ - ユニデン


地上デジタル放送への移行が終了したことでテレビ製品の需要が少なくなったためと予想されます。

ユニデンアメリカなどで"ベアキャット"ブランドのスキャナーや無線機を大量にラインナップしている一方、国内では現行ラインナップの無線関連製品が地震津波警報機EWR200や特定小電力トランシーバーSLT001、国際VHFトランシーバーMHS75の3種類だけという状況は少々さびしいと感じてしまいます(船舶取り付け型の国際VHFトランシーバーUM415はすでに生産を終了しているようです)。


せめて国内版"ベアキャット"を出してほしいとは言わないまでも、APCO25復調レシーバーを製品化できる技術を持っていますので351MHz登録局デジタル無線機の製品化もできるのでは?と個人的には思います。

次期製品はレピーター対応の47ch特定小電力トランシーバーもしくは351MHz登録局デジタル無線機に期待したいと思います。ということで独断と偏見でもしユニデンが次期トランシーバーを出してくるとしたらどんな製品となるか、勝手に予想しましょう。



まず、これまでのユニデンは低価格路線であったと思います。ということで次期無線機も低価格製品を出してくるという予想は難しくありません。

次に、製品にどんな機能を持たせてくるか。恐らく過去の製品が価格重視の必要十分程度でしたから、次期トランシーバーも価格なりの既存の製品と同じ程度のスペックを持たせると思います。

その場合の問題は売れるか、ですね。特定小電力トランシーバーの各社の現行ラインナップを見ますと各社とも低価格化、単3電池1本駆動そして薄型化などのデザイン性などという付加価値をすでにつけており、既存のユニデンの特定小電力トランシーバーSLT001を単純に47ch使えるようにした製品では価格面以外での競争力は高くない状況と考えます。するとその場合残りは製品そのもの以外での勝負ということになるかと思います。


仮にもしユニデンの次期トランシーバーがこれまでの常識に一石を投じるものとなればうれしい誤算です。6月(2013年)に登場したDECT方式コードレス電話機DECT3188Cは高齢の方を意識した作りになっているようですからもしかすると.....今度は高齢の方でも簡単に使えるトランシーバーが登場するのかもしれませんね。






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