・小型・軽量ボディに、プロ仕様の堅牢性と基本性能を備え、ハードな現場を支える特定小電力トランシーバー FTH314_FTH-314L/八重洲無線株式会社
八重洲無線 FTH-314(左), FTH-314L(右) (公式サイトから) |
FTH-314とFTH-314Lはどちらも単3アルカリ乾電池1本またはオプションの充電器と充電池で動作する、免許資格不要の、誰でも買ってすぐ使えるトランシーバーです。
どちらも通話距離を伸ばす中継器に対応します。
FTH-314とFTH-314Lの違いはアンテナの長さだけです。
大きさはアンテナなどを除き4.7×8×2.2センチ、重さはベルトクリップを除きFTH-314が約107グラム、FTH-314Lが同じくベルトクリップなしで約109グラムです。
FTH-314とFTH-314L(以下、2機種まとめてFTH-314(L))は共に一時的な水没と砂没に対応するIP67に対応し、ほぼ用途を選びません。
FTH-314(L)はグループモードとDCSの両方に対応します。
さて、FTH-314(L)はFTH-307(L)とFTH-308(L)の後継機のようです。早速カタログスペックを比較しましょう。
まずは外観から。
FTH-307(左), FTH-307L(右) (公式サイトから) |
FTH-308(左), FTH-308L(右) (公式サイトから) |
FTH-307(L)とFTH-308(L)は上記の通り、角ばったデザインでしたがFTH-314(L)は先の写真のとおり、角にわずかな丸みがあります。
ロングアンテナモデルFTH-307L、FTH-308LとFTH-314Lのアンテナ長はどれも約15センチ。これまでどおりです。アンテナ形状は若干変更されています。
右上の電源兼音量つまみが大きくなり操作しやすくなりました。
FTH-307(カタログから転載) |
左側面にあるPTTボタン周囲にオレンジ色が追加され、暗い場所での使い勝手がさらに向上しました。
ベルトクリップがプラスチック一体型からワニ口クリップに変更されました。
次は主要機能比較です。比較表を下記に置きました。
FTH-307(L)では万一の水没に対応しませんでしたがFTH-314(L)では対応します。それ以外に違いはありません。
一般定格を含む性能比較表です(クリックで拡大)。
受信感度がこれまでの八重洲無線の製品より-5dBuも向上しています。
スピーカー出力が1.5倍向上しました。とはいえ騒音環境ではかき消されるので、静かな場所以外での使用はオプションのMH-62A4BやEK-313-107などのイヤホンマイクの使用を推奨します。
動作電圧範囲が0.05ボルト拡大しました。
今度はセットメニュー機能比較表です(クリックで拡大)。
FTH-307(L)に搭載されている機能はほぼ網羅されているように見えます。
以下に違いの詳細を示します。
<追加>
- 内部マイク感度切替(1~3手動切替のみ)
- オーディオアクセサリー選択
- イヤホン断線チェック
- ワンタッチボリューム
- (バッテリー)スーパーセーブ
- 電池残量表示切替
- キーロック時液晶非表示
FTH-307(L)/FTH-308(L)説明書の「内部マイク自動感度切り替え」機能は、実際に確認すると内部と外部両方に有効に感じる動作をするので、今回追加されたのは内部マイク感度の"手動"切替だけ(自動感度切替機能は現状維持)となるはずです。
このほか上記の通り、一瞬で音量を下げるワンタッチボリューム、電池の持ちを更に伸ばすスーパーセーブ、一部スマートフォンのイヤホンマイクが応急的に使えるかもしれないオーディオアクセサリーの設定、イヤホン断線エラー表示など、他メーカーの機能と類似するものから八重洲無線独自の追加機能などが満載です。
<削除>
- PTTディレイ切(入固定になった)
- 送受信ランプ(FTH-308(L)との比較)
- 内部/外部マイク同時自動感度切替が廃止
- エマージェンシー(ボタン含む)
FTH-308(L)にあったLEDの送受信ランプがFTH-314(L)にはありません。
PTTディレイが "入" 固定になったようです。
エマージェンシー(緊急)機能が削除されました。
なお、トランシーバーの設定を他のトランシーバーへ一括コピーできるワイヤレスクローンはFTH-307(L)とFTH-308(L)にもありますがFTH-314(L)のワイヤレスクローンと互換性はないようです。
そして買い替えを検討されている方には必要と思われるオプション対応比較表です(クリックで拡大)。
FTH-307(L)とFTH-308(L)の急速充電器セットVAC-61はFTH-314(L)では使用できず、VAC-68へ変更となります。
それ以外は充電式電池を含むイヤホンマイク、スピーカーマイクロホンなどが共用可能です。
たとえば、VOXヘッドセットVC-24がFTH-314(L)では使用不明となっていますが、恐らくVC-24はSSM-64Aと同じ(あくまでも推測です)ように見えるので、中身は同じものではないかと推測します(詳しくは各自で確認ください)。
FTH-314(L)用のキャリングケースは現時点(本記事執筆時)の情報ではなさそうです。
最後に電池の持ち(使用時間)を比較します(クリックで拡大)。
FTH-314(L)はスーパーセーブ機能の設定でFTH-307(L)、FTH-308(L)よりも6%以上電池が持続するようになりました。
ただしスーパーセーブ設定時は送信ボタンを2秒以上押してから話す必要があります。
~ ~ ~ ~ ~
このFTH-314とFTH-314Lの価格はどちらも税抜き19800円。発売はもう間もなく(2018年2月中)を予定しているようです。
カタログには八重洲無線ではあまり見なかった「従来の機種よりさらなる高感度を実現」と挑戦的なワードがわざわざ広告されてあり、カタログスペックの受信感度も従来よりもかなり良いので、もしかするとスペック通りの数字が体感できるかもしれません。
よしおはFTH-308Lの、小型ながら操作性を犠牲にせず、業務機ならではのしっかりとした造りが気に入っており稀に使いますが、ここまで高感度と言われたらもうFTH-314(L)を入手するしかないということでしょうか(笑)。
(関連記事はこの下です)
[関連記事]
・八重洲無線、FTH-307(L), FTH-308(L)発表 (2013/11/09)
・FTH-107/108とFTH-307(L)/308(L)の違い (2013/12/01)
・八重洲無線 薄型特小FTH-508発表 (2014/06/27)
・八重洲無線 クラス最薄特小トランシーバーSR100発表 (2014/07/11)
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