TY-SR55は単2アルカリ乾電池3本で約160時間スピーカー再生できるステレオスピーカー内蔵のデジタル選局ラジオです。AMモノラルとFMステレオ受信に対応します。AM放送をFMの電波で再送信するFM補完放送の受信に対応します。
大きさは幅22×高さ12×厚み5.5センチ、重さは乾電池込みでおおよそ850グラムです。
出力は500ミリワットスピーカーが2基搭載され最大1ワットと、騒音下でも使えるポータブルラジオです。ブルートゥース再生や外部音声入力端子はありません。
ハンドルの他、最近のラジオでは比較的珍しい肩掛けベルトを搭載し、倒れたり折れたりしなければ物干し竿や樹木、椅子、ドアノブなどに掛けて使えます。
正面には周波数やお好み選局表示とボタン、手動選局ボタンがあります。時計やアラーム、スリープタイマーはありません。
液晶表示にはバックライトが内蔵されています。バックライトは乾電池使用時、ボタンを操作すると点灯し10秒後に消灯します。
ACアダプターを使うとバックライトは常時点灯するようです。ただし電池を入れ電源を入れたままACアダプターのプラグを本体から外した後に取り付けると次の操作まで消灯が続く場合がありました。
本体上面には電源スイッチとAM/FMバンド切り替えスイッチがあります。いずれも横スライド式です。
左側面にはステレオヘッドホン出力端子と外部電源入力端子があります。
右側面には音量つまみがあります。時計回りに回すと音が大きくなります。
FMアンテナは6段です。根本部分と根本から2つ目の間は少し隙間が大きめで、若干ガタがありました。
電池収納部分はふたが取れる構造です。少し外れにくい構造になっているようですが外れやすくても困るのでこのくらいがちょうど良いでしょう。
FMステレオ放送を受信するとステレオランプが点灯します。少しランプの明かりが液晶表示に漏れ、真っ暗闇でも液晶のバックライトなしで表示が確認できます。
スピーカー音声は音を上げてもひずみなくクリア。感度はAM/FMともにこのクラスではかなり上のほうです。
次に、TY-SR55のようなステレオスピーカーを装備した同クラスのポータブルステレオラジオは最近見かけないので、かつてソニーから発売されていたソニーのFM/AMステレオ対応ポータブルラジオSRF-A300といくつか簡単に比べてみます。
大きさは写真の通りSRF-A300の方が一回りあります。
音質はとにかく軽いSRF-A300に対してTY-SR55のスピーカーは低音と高音が比較的クリアです。
感度はTY-SR55の方がAM、FMともに上のようです。
ステレオ感はSRF-A300の方が圧倒的に上。ステレオ放送受信中のサーという雑音はSRF-A300が弱電界でかなり聞こえるのに対してTY-SR55ではサー音はほとんど聞こえずクリアです。
ステレオ/モノラル切り替えスイッチをモノラルに切り替えFMステレオ放送を受信してもサー音が残るSRF-A300に対し、TY-SR55のスピーカーからはサーというノイズは気になるほど聞こえません。
バックライトの明るさはTY-SR55が圧倒的に上です。SRF-A300は真っ暗闇でようやく点いているのがわかる程度です。
ここまでTY-SR55の簡単なレビューと他のステレオラジオとの比較をしました。
受信感度はこのクラスにしては思いのほか高感度。音もSRF-V1BT(下記関連記事参照)を含む、最近の1万円以上クラスのオーディオ用ポータブルスピーカーには負けますがこのクラスでは良好。
造りは値段なりですが電池も6日以上持ち、性能は全体的に期待以上なのでコストパフォーマンスは高いと思います。
難点は付属のACアダプターを使うとAMラジオに雑音が入ることです。これはFMラジオまたは補完放送を受信するか、乾電池駆動で回避する方法があります。使い方や個体差かもしれませんが、この制限さえ押さえればTY-SR55は快適に使えるラジオといえるでしょう。
新製品情報記事(関連記事参照)でも取り上げましたが、肩ベルトとステレオスピーカーのある2バンドラジオは2017年1月現在市場に見当たらないので、TY-SR55はかゆいところに手の届くラジオと思います。
(関連記事はこの下です)
[関連記事]
・東芝エルイー AM/FMステレオラジオTY-SR55,TY-AR55発表(2016/08/29)
・ソニー Bluetooth内蔵ラジオSRF-V1BT発表&プチレビュー(2016/06/05)
・ソニー ワンセグラジオレコーダーICZ-R250TV発表&プチレビュー(2014/10/05)
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