EDACSのデジタル変調方式はGFSK、周波数ステップ25kHz FDMAで9600bps、周波数ステップ12.5kHz FDMAで4800bpsのビットレートで音声またはデータを伝送します。オプションでプライベート(秘話)モードがあり、暗号化方式はDES(Data Encryption Standard)です。
通信相手への接続は0.5秒以内、非常通信モードが規定されています。またEDACSシステムの一部が台風などで使用不能となっても残りのEDACSシステムは通信と制御チャンネルは動作し続ける仕組みを持ち、故障耐性があります。
ProvoiceはIMBE(Improved Multiband Excitation vocoder)コーデックを使ったデジタル通信方式の一つです。コーデックはIMBEですがAPCO P25フェーズ1とは互換性がありません。
ProvoiceはEDACSで使われます。EDACSの電波が受信できた場合、お手持ちの広帯域受信機のナローFMモードで受信可能な実際のFM復調音声はこちらのウェブサイトにあるような音といいますか、ノイズとなります。
EDACS、Provoiceともに米国Harris(M/A-COM、旧Tyco Electronics)社の商標です。米国で使用されるEDACSのトランシーバーは例としてハンディタイプのP7100シリーズ、P7200シリーズ、M-RKIIシステムモデル、車載タイプのM7100などがあります。
ユニデンアメリカのスキャナーBCD436HPとBCD536HPにはEDACS Provoiceアップグレードサービスが有償で提供されています。
しかし上述のWebサイトやこちらのHarris社のP25移行ガイド、こちらの記事などによるとEDACSは廃止の方向でAPCO P25フェーズIIのトランキング無線への移行がすすめられています。ですから米国内でもこれからのスキャナーのアップグレードはあまり必要ないのかもしれません。
実際、EDACSのスペックを御覧いただいたように、データ転送レートは12.5kHzステップで4800bpsと、例えば八重洲無線のデジタルアマチュア無線通信方式C4FMなどと比べても効率が良いとは言えません。
2017年1月現在、国内で発売されている唯一の民生用デジタル復調受信機AOR AR-DV1にはEDACSトランキング無線やProvoiceモードは装備していないようです。
現在EDACSの復調はプライベートモードを除き、アルインコ製DJ-X11などのI/Q出力を持つ受信機とPC用フリーソフトウェアなどとの組み合わせで可能とのことです。
国内でProvoiceのEDACSのトランキング無線電波が飛んでいるかですが、多くはないといえるでしょう。
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