2022年の無線受信に向けたトピックをいくつか挙げ、結果がどうなるかを確認し、これから先を考えてみます。
2022年に押さえておくとよいポイントは、2021年度版総務省の周波数再編アクションプランによる、避けて通れない無線のデジタル化でしょう。
中でも注目のトピックは列車無線と防災無線のデジタル化推進、2年後に迫るアナログ簡易無線の廃止です。
●列車無線のデジタル化がさらに推進
2021年11月15日に総務省が公表した周波数再編アクションプランには「消防無線の移行後の跡地等も使用し、アナログ方式からデジタル方式(150MHz帯)へ早期の移行を推進する。」とあります。
要は既存の150MHz帯の列車無線が手持ちのアナログ方式受信機で聞けなくなるという事です。
デジタル化ならば可能性はわずかにありますが、懐事情を優先した会社が、しばしば不通となる携帯電話網の有事を軽視し、IP化する可能性もあります。
いずれにせよアンテナの工事や無線機の入れ替えの動向に一層の注視が必要でしょう。
●防災無線のデジタル化推進
具体的には市町村用連絡波150MHz帯と400MHz帯、水防用や砂防用の60MHz帯のデジタル化と一部の260MHz帯へのシフトです。
周波数再編アクションプランにはこれまで受信できていた一部ヘリテレ連絡波や防災相互連絡波も含まれています。
少なくとも、災害発生前後に防災相互連絡波を受信することは今後できなくなります。
●地域振興用MCAのデジタル化推進
こちらも既に始まっていますが、今後は地域振興無線もデジタル化を加速するようです。
実際、関東圏では既に開始されていますが「350MHz 帯マリンホーンの代替システムとして利用を推進する」ともあります。
●アナログ簡易無線の使用期限は2024年11月30日
アナログ簡易無線は貴重な聞ける無線の一つです。
残り2年ほどでアナログ受信機で簡易無線は聞けなくなります。
■デジタル化、どうする?
いよいよアナログ受信機で聞ける無線の種類が航空無線(エアバンド)とアナログ船舶無線、市民ラジオ(CB無線)、アナログ特定小電力程度となる現実が差し迫ってきました。
今後どうするかの選択肢は何度も繰り返すようですが、
- 聞けないなりに雑音を楽しむ
- 聞けるジャンルを探して楽しむ
- 無線以外(放送)を受信する
- 聞けるようにするorなる
- 受信できる電波を自分で作る
- 受信の趣味を降りる
くらいでしょうか。
デジタル化は時代の流れで仕方なしにせよ、4G携帯電話の音声通話品質とは程遠い、あのデジタル独特のロボット音声のような音質が無線機の利用者全員に受け入れられるかは疑問です。
デジタル簡易無線はせめてステップを6.25kHzではなく12.5kHzにするか、もっと音質の良いAMBE+2互換の新型音声コーデックが欲しいです。
まあ、占有周波数帯域を12.5kHz相当にまで拡張したら音は良くなるでしょうが、アナログと同じチャンネル数しか割り当てられないのでデジタル化の意味はあまりないですねぇ、というか逼迫し過ぎている登録局のチャンネル数を増やすべきと思います(切実)。
それにしても、今まで聞けていたものが日に日に消えていく現実を目の当たりにするたびに毎回複雑なものがあります。
(関連記事はこの下です)
[関連記事]
・2021年の無線受信の楽しみ方を考える(2021/01/01)
・デジタル復調ハンディ受信機4機種雑感2021(2021/09/12)
かなり昔から興味があった世界なのですが、デジタル化が進む今から装置を買うのは勿体ない感じでしょうか。デジタルになると航空とか船舶…あまりなじみのない世界ばかり。とても迷います(お値段もあるので)
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